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■そこから なにが みえますか―ウリュウ ユウキ・逢坂憲吾 写真二人展 (2022年11月3〜13日、札幌)

2022年11月11日 10時44分43秒 | 展覧会の紹介-写真
 京都を拠点とする写真家・逢坂健吾と、札幌のウリュウユウキさんの2人展。
 2020年に京都で2人展を開いていますが、それがそっくり巡回してきたのかどうかは聞いていません。

 ウリュウさんのサイトに簡潔な紹介がありましたので、一部を抜粋してコピペします。

10年近く取り組まれているシリーズ「枯花」は、万物の生きる根源としての水分を徐々に失いつつも凛としてそこにある花から、私たちの想像の少し向こうを望み見るような雰囲気を湛えています。余白の美しさも、作品を大きく特徴づけているといえましょう。

 そして、札幌を拠点にして20年目を迎えたウリュウ ユウキは、2012年から継続しているシリーズ「轍 -Layered Winter-」の幅をより拡げて昨年から制作している「春になれば全ては消えてしまうのに」を展示します。今年もまもなく降り来る雪。時に都市が機能しなくなるほどの存在であり、でも、雪こそが札幌を札幌たらしめている…… 愛憎すべてを包み込む、都市に降り積もる雪の姿から見えてくるものを共有する作品です。


 
 ウリュウさんは、街をさまざまな視線からとらえたスナップなどもありますが、今回の轍(わだち)シリーズでは、雪をめぐる風景をミクロな視点で切り取っています。
 雪は札幌にしかないというわけではもちろんありませんが、世界の大都市でこれだけたくさん雪が降り積もる都市も札幌しか存在しません。その意味では、即物的に見えながら、写真家、あるいはわたしたちが生きている「場所」に根ざした表現であるということができるでしょう。
 
 
 一方、逢坂さんは、仕事では寺社や文化財などを撮影している由で、さすが京都の方だなあと思うのですが、今回の展示では、枯れた花などをモティーフにしています。
 枯れていてもなお美しく、いきいきとした生命を感じさせるところが、魅力だと思います。

 おふたりの写真は全く異なるもので、キャプションがなくても一目でどちらか分かるほどですが、それでもなお、共通点があるように感じました。
 人物など夾雑物を排した、洗練された静けさ、とでもいうべきたたずまいです。
 しかしそれは、唯美主義の殿堂に閉じこもる姿勢なのではなく、現実の世界と結びつきを持った上での低い視線のたまものなのではないでしょうか。

 ただ、これはまったくもってよけいなお世話なのですが、ウリュウさんはきっとレンズを下のほうに向けてばかりいると思うんですよね。時には、胸を張って空を見上げてほしいです。
 そのほうが元気が出るのではないでしょうか。


2022年11月3日(木)〜13日(日)午前11時~午後6時、会期中無休
トラムニストギャラリー(札幌市中央区南5西15 トラムニストビル2階)

□逢坂憲吾写真事務所 https://osaka-photos.com/

□ウリュウユウキ https://www.yuukiuryu.com/

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・市電「西線6条」(SC05)から約80~100メートル、徒歩1~2分

・地下鉄東西線「西18丁目駅」(T05) 5番出入り口から約780メートル、徒歩10分

・ジェイ・アール北海道バスの「50・51 啓明線」(啓明ターミナル行き。一部はもいわ山ロープウェイ行き)の「南3条西14丁目」から約330メートル、徒歩5分

・ジェイ・アール北海道バス「53 啓明線」(啓明ターミナル行き)の「南6条西16丁目」から約360メートル、徒歩5分
・ジェイ・アール北海道バス「循環啓55、循環啓56、循環啓65、循環啓66 山鼻線」の「旭山公園通15丁目」から約540メートル、徒歩7分
※山鼻線で、ギャラリー門馬、ギャラリー創からバス1本で行けます。本数は少ないですが

・じょうてつバス「南6西11」から約870メートル、徒歩11分。「南7西11」から約830メートル、徒歩10分
※「南6西11」は西11丁目駅、札幌駅前から真駒内、簾舞、定山渓方面への路線は大半が止まります。「南7西11」は快速は通過します。本数は多いです


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