北海道美術ネット別館

美術、書道、写真の展覧会情報や紹介。2013年7月末、北見から札幌に帰還。コメント、トラバはお気軽に。略称「ほびねべ」

■『カナコ雪造カンパニー』~除雪原風景へのオマージュ~ (1月26、27日)

2008年01月28日 22時42分45秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 
 「除雪」は、北国に住む人間にとって大きな悩みの種です。
 筆者も、雪かきをするたびに
「シジフォスの神話」
ということばが頭をよぎってむなしい気持ちになり、あわててそれを打ち消します。(だって、いくらどけても、4月にはきれいさっぱり消えているんですからね)

 除雪にそそぐエネルギーのうちの一部でも、もっと肯定的な方向にふりむけられないだろうか…。
 今回、2日間にわたって繰り広げられた「雪造カンパニー」には、そういう思いや願いが込められていたのではないかと想像します。
 家にとじこもりがちな冬を楽しく-。これは、さっぽろ雪まつりなど、多くの冬のイベントの出発点です。ただ、今回の「カンパニー」が、あえて「雪像」と銘打たなかったのは、もっと幅広い「造形」に取り組んでみよう-というねらいがあったのでしょう。
 雪の造形を、会社組織に見立てたメンバーで行い、「社長」や「秘書」などの肩書きをつけたのも、遊び心の現れです。
 社員は、秀岳荘が提供した赤い防寒ユニフォームに身を包んでいます。目立つ!(社長だけ青)

 冒頭の画像は、燃える雪の実演。
 ティッシュボックスのかたちに整えた氷に、アルコール度95%という酒を浸らせて、火をつけました。
 なかなかきれいですねー。
 こういうのがあるので「雪造」なんですねー。


 筆者は夕方に現地を訪れたため、この画像に限らず、いずれもアンダー気味に撮影しています。そのほうがかえって雰囲気が出ると思われたからです。ご了承ください。




 「社長」ならぬ「車掌」のウリュウユウキさんは、雪でつくった額縁に、モノクロ写真を飾りました。
 この近所で撮った路面電車などの写真を即座に焼いて、持ち込みました。
 雪の白とモノクロ写真は、とても合っているようです。

 ウリュウさんのblogには、夜になってあかりをともして展示している情景が出ています。


 ケータイで撮った写真のアーチを、すでにアップしましたが、これは北大と道都大の学生がエイヤっとこしらえたものだそうです。
 北大の学生は土木専攻だそうで、さすが土木。
 アーチの中には芯などは入っていません。


          

 雪に、色とりどりの風船を埋め込んでいるのは、トリッキーな立体作品で知られる藤本和彦さん。
 あとで、この風船群を割って、その衝撃でできるくぼみが作品になるのだと聞きました。
 風船を割るパフォーマンス、見たかったです。


          

 「走る雪造」にとりくんでいるのは、「秘書」クッシーさん。
 この季節になると、車の屋根に雪を積んだまま走っている無精者をよく見かけますが…。


                

 「役員待遇」ニシダくんが作った「雪の繭玉」。
 かわいらしいですね。

 遠藤社長によると、となりの医院の駐車場の雪かきを買って出たり、近所の雪かきをしてあげて造形の素材の雪を調達(おお、一石二鳥!)したりといった、附近を巻き込んだ動きもあったそうです。
 歴史の古い山鼻地区らしい、イイ感じのとりくみだと思います。
 
 現地ではきょう28日に撤収作業がおこなわれたはずで、このエントリを読んで行ってみても、跡形もなくなっているでしょう。
 もったいない話ではありますが、この潔さも、現代美術ならではという気がします。
 変なたとえかもしれませんが、関根伸夫「移相-大地」が現存しないからといって、あの作品の意義が薄くなるとは思えません。
 「いま-ここ」を際だたせる面が、雪の造形にはあるのではないでしょうか。


08年1月26日(土)・27日(日)
PRAHA2+deep sapporoと近隣住宅の玄関前(中央区南11西13)


●2月14日(木)-17日(日)、ナカノタナ市場前・ぷらっとパーク(岩見沢市4西2)でも行われます。






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