ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

10.8

2008年10月08日 | 季節の話題
 「10.8」と聞けば、我々の世代は、遠い昔になりつつあるのだが、1967年10月8日の「第一次羽田闘争」と言われた、当時の首相、佐藤栄作が東南アジア訪問阻止の学生たちの羽田空港での機動隊とのぶつかりあいで、一人の学生が死亡した事件を思い出すのである。

 決して私自身は、学生運動の只中にいたわけではないのだが、新聞、テレビの報道を通じて、その当時の「反安保闘争」自体を心情的に理解して、当時の政府と佐藤栄作首相には反感を感じていたことは事実である。

 しかも、この佐藤栄作氏は、日米安保体制が始まる1960年の反安保闘争で学生と機動隊とのぶつかり合いで、当時の東大学生だった樺美智子さんが亡くなるという衝撃的な事件が起きた政府のトップである首相、岸信介の弟という存在でもあった。

 兄弟揃って、日本の権力を手中に収める格好での首相に就任した上に、政府に反対を唱える多くの学生、労働者たちを機動隊を中心とした警察権力で弾圧し、多くの死傷者を出した張本人でもあったのである。

 しかも、その事件が起きた同日に、海の向こうの革命の英雄でもある、キューバの若き革命闘争家で、今も語り継がれているチェ・ゲバラがボリビアの山中でゲリラ闘争中に逮捕され、翌日射殺されたとのことが伝わり、一層「10.8」は、少なくとも反体制を唱える若者を中心として忘れられない日と記憶されたのである。

 その日本での悪玉の象徴の様な当時の首相であった「佐藤栄作」がなんと、7年後の同日、10月8日に、こともあろうに沖縄返還に多大な寄与をしたとの理由で「ノーベル平和賞」を受賞するというニュースが伝わり、複雑な心境になったことも深く覚えている。

 それから何と34年。今年の「10.8」は、皮肉にも戦後の日本のノーベル賞受賞者では最高の物理学賞三人と化学賞一人の計四人もの受賞者のニュースでテレビ、新聞などの報道はにぎやかであり、34年前の歴史的出来事などは全く回想もされず、スポーツの世界、プロ野球での阪神、巨人の同率首位決戦と世界同時株安の経済、金融の大問題が報じられている。

 どうも私の頭の中では、この「10.8」のメモリアルは、いまだに1967年と1974年の出来事の矛盾が引っかかっていて、その後の日本の総理大臣として、福田康夫氏の前にプッツンと辞任した安倍普三氏も、岸元首相の孫であったので、血の繋がりが今にも及んでいて、10.8は忘れることが出来ないでいる。

 ついでに「ノーベル賞」の受賞決定時期が毎年、この日前後でもあるので、うれしいニュースとして伝わる「日本人受賞者」が佐藤元首相の様な悪例を除いて、今後も続くことは願っている。

 ところで、2008年セリーグペナントレースの最後の首位攻防直接対決の軍配は、読売巨人軍の勝利に終わってしまった。残念。あと三試合の結果や如何に。

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