ガリバー通信

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エネルギー政策意見聴取会

2012年08月02日 | ちょっと可笑しいよ
 政府が開催しているエネルギー政策に対する国民の意見を聞く会が、7月14日のさいたま市を皮切りに全国各地で行われていて、8月1日にようやく福島原発事故のお膝元である「福島市」で開かれて、東京電力福島第一原発事故で深刻な被害を受けた福島県民と県外に避難した人も含めた30人に限定して発言を許し、なんと9割強の28人が「原発ゼロ」を訴えたというニュースが報道された。

 このエネルギー問題に対する国民の意見を聞く会は、以前の公聴会の様な電力会社の社員らの原発推進意見などをバランス的に採用すると言った意図的な見せ掛けの公聴会ではなく、政府が初めて一般国民の素直な意見に制限を加えずに参加した者のあらゆる意見を聞く会として設定された集いで、今までに福島を含む9道府県で解されたのだが、計1253名もの一般市民が発言し、その約7割がやはり「原発ゼロ」を主張したというのである。

 今までは政府と財界、電力会社が中心となって、できるだけバランスよくといった建前から、反対意見だけでなく原発推進派の意見も意図的に取り入れた形で、公聴会が開かれたケースがほとんどであったために、各電力会社の社員や幹部職員が個人の立場からとは言え、原発の必要性や推進が不可欠との意見を述べて、国民の多くの心情や意見とは大きな隔たりを感じさせていたので、今回の取り組みでやっと多くの国民の意見や思いが出たと感じられる意見聴取会となった様である。

 政府は意見聴取会に際して、今から18年後の2030年に日本のエネルギー政策を、原発ゼロか15%か20~25%程度か、その他と4つの選択肢から意見表明希望者に事前に選ぶ様に依頼した上で、当日の意見表明をさせたというのだが、今回の福島の場合では事前の選択は求めず開催したらしく、初めて9割を超える高率の割合の「原発ゼロ」となったらしい。

 ともかく「福島原発事故」の原因究明だけでなく、安全神話を再び登場させるだけの科学的根拠や背景が明確に全くなっていない状況なのにもかかわらず、夏の電力不足が産業界を中心に停電や計画停電を余儀なくさせるとの理由からか、福井県大飯原発の3.4号機の再稼動を強行した政府なのだが、国民の原発ゼロへの思いは、大多数を占めつつあるという現実に対して、野田首相、枝野経済産業相、細野原発事故担当相も認識が甘い状況が続いていた。

 原発事故の収束宣言や大飯原発を皮切りに次々と再稼動を当然の如く計画している電力会社をはじめ、その背景で見えぬが圧力をかけている利害や経済優先の財界とその力で選挙協力などをとりつけてきた政治家たちが、時間が経てば国民の反原発の動きは穏やかにでもなるだろうと憶測していた真意が見え隠れするのだが、原発への拒否反応や脱原発への国民の願いは益々増大しているという事実をどの様に捉えているのであろうか。

 この聴取会や意見発表機会に参加した人たちだけでなく、一般の国民の大半が「原発ゼロ」への舵取りを期待しているという現実は、もう減退するどころか大きくなる一方であり、2030年を待たずして出きるだけ早急に脱原発への政策決定を待ち望んでいるのことは明らかなのである。

 こうした民意と反する政府や政党内の国会議員の意見や経済界の大きな反発意見に対して、野田首相を中心とする現民主党政権が、脱原発依存方針への決断をすることができるかどうかだけが、今後の大きな国民の注目の的であることは確かなのだと断言できるのである。
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