ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

「高いところ」が好きなの?

2010年03月25日 | 感じたこと
 現在、東京都墨田区に建設中の「東京スカイツリー」が20日までに328メートルの高さに達し、フランス・パリにある324mのエッフェル塔を超えて、もうすぐ日本一の高さを誇った「東京タワー」の333メートルを上回るという。

 昭和30年代の象徴的な建物として、あの西岸良平氏のマンガ「三丁目の夕日」でも描かれていた、戦後の日本の高度成長のシンボル的タワーだった「東京タワー」も時代の波に勝てず、そろそろ引退の時期を迎えようとしているらしい。

 テレビ送信塔としての役目があったとは言え、エッフェル塔も東京タワーも大都市、パリと東京のシンボルとして長年親しまれてきたのだが、東京タワーに変わって今は「スカイツリー」が東京観光の目玉にのし上がりつつあるというのである。

 実は私も昨年11月に東京に久しぶりに行った際に、一人で早朝の押上駅を降りて、見上げたスカイツリーは、まだ205メートルだったのだが、それから四ヶ月ちょっとで100数十m伸びて、来年末の完成時には634mの高さ世界一の電波塔となる予定なのである。

 確かにテレビの放送も2011年7月には全面的に「地上デジタル放送」となるために、電波塔もより高い塔が必要なのかもしれないが、人間はほんと「高いところ」が何故に好きなんだろうか。

 日本一の高い山である「富士山」の人気は、そのすばらしい姿、フォルムだけではなく、年間数十万人の人が登っているというし、従来の東京タワーも私たちの小学生時代の修学旅行以来、何千万人の人間が展望台へと上ったであろうか。

 なかには、車椅子で富士山に登った人や、階段で東京タワーの展望台まで上る人もいて、よくもシンドイのに、人は高いところに上りたがるのかと感心してしまうのである。

 私の年老いた母も、昨年の暮れに満93歳になり、有料老人ホームにお世話になりつつ、のんびりと心優しく日々を送っているのだが、月に一、二度会いに行く度に、散歩で外を歩けば、ビルやマンションの高さに関心があり、何階建てやなと階数を数えたり、あんな高いとこにも人が住んでいるんやなと独り言を言っていると思えば、母に今一番行きたいところは何処ですかと問えば、なんと「高い山の上に登りたい」との返答であった。

 時折観る夢では、私も自分自身が空を飛んでいるような夢を観る事があるが、現実的には「高いところ」は大変苦手で、テレビの映像として写っている「大空を飛ぶパラグライダー」や「パラシュートでの落下」を見るだけでも、心臓がドキドキするくらいキライなのである。

 しかし、人の多くは「高いところが大好き」らしく、世界中で「○○一」とか「東洋一」『世界一』を競い合う様な建物やタワーの建設競争のようになっていて、ドバイの最高層ビルなどは、本当に摩天楼のように大空に突き出すように建設されている。

 人はこの世に生きていて、いずれは空に、宇宙に帰る準備をしているのかもしれないと、母の「今一番行きたいところ」として答えた「高い山の上」を感じたのであった。

 
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