ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

『良い子に育つ』には?

2010年03月27日 | 感じたこと
 今日の毎日新聞夕刊のトップ記事は「ギョーザ事件中国人逮捕」だったが、その隣に「良い子に育つ」という見出しで、親子400組を3年以上も追跡した科学振興機構の調査結果が記事になっていて、好対照とでも言うべきか注目すべき記事があった。

 2年前の1月に国内で発生した「中国製ギョーザ」を食べた人が中毒症状を起こしたという衝撃的な事件は、日本の食生活の上での中国への依存度の多さや生協ブランドの失墜、果ては冷凍食品のリスクまで、安心、安全に毎日の食事を取りたい日本人の多くに大きなショックを投げかけた事件であった。

 未だに、未解決のままであったので、日本政府と中国との「食の安全性の認識のズレ」や日本の警察捜査が及ばない中国国内での事件性についての日中間での論争にもなったりしていたが、半ばあきらめ感の強かった「犯人探し」に突然、中国当局が製造元の天洋食品の元臨時職員であった男を逮捕したと発表したのである。

 いずれにせよ、毒をもったと思われる人間の仕業が、これからの捜査や供述にもよるが、日中間の不信感をも増長した事件に、犯人逮捕と言う形で、因果関係が見えてきたことは一歩前進したと言えよう。

 しかし、日本人であろうが中国人であろうが、こういった他人に迷惑をかける行為や事件を起こす人の心理はどういうものなのだろうかと、改めて考えさせられる機会となった。

 先にも記した様に、「良い子に育つ」とされているデータ、調査結果によると、親に褒められたり、優しい言葉をかけられて育った乳幼児ほど、主体性や社会適応力が高い子どもに育つことが判明したというのである。

 調査は大阪府と三重県の親子約400組を対象に生後4ヶ月の赤ちゃんが三歳半になる2009年まで追跡調査し、親については子どもとの係わり方などをアンケートと行動観察で調べたとされている。

 一歳半以降の行動観察では、親によく褒められた乳幼児は、ほめられない乳幼児と比較して、三歳半までの社会的適応力が高い状態を保つ子が約2倍もいることがわかったという。

 さらに、目をしっかりと見つめる。一緒に歌ったり、リズムに合わせて体を揺らす。叩かない。生活習慣を整える。一緒に本を読んだり、出かける。・・・などの社会的適応力を高める傾向があったという。

 また、父親が一歳半から二歳半までの間に育児参加した場合は、そうでない親子に比べて2歳半の時点で社会的適応力が1.8倍高いことも判明したという。

 つまり、子育てにおける母親、父親の役割において重要なのは、言わずもがなかもしれないが、優しい言葉かけ、褒めること、抱きしめること、目を見て愛情を表現すること、叱っても叩かないこと、などが「良い子に育つ」ための重要なファクターであることが科学的に少し証明されたといえるのである。

 中国人の毒ギョーザ事件の容疑者は、果たしてどんな幼少期を送った子どもだったのだろうかと、推察の域を超えないが、さぞかし「憎しみや恨みを貯めていた」環境や子育ての中で成長したのではなかろうかと考えてしまった。
コメント (1)
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