ガリバー通信

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両首脳が健在アッピール。

2009年01月24日 | 世界の問題
 今日の朝刊と夕刊に期せずして、世界の数少ない社会主義国家として有名な、朝鮮社会主義人民共和国(北朝鮮)とキューバの高齢の首脳の健在ぶりがアッピールされたニュースが掲載されていた。

 北朝鮮の最高指導者である金正日総書記(66)とキューバの前国家評議会議長であるフィデル・カストロ氏(82)の両首脳なのだが、期せずしてと思ったが、いずれもアメリカ合衆国の新大統領に就任した、バラクめオバマ大統領に対する、小さな共産国としての大きなパフォーマンスである。

 両首脳の立場と国内での影響力は各々違いはあると思われるが、社会主義国家にとっての最高権力者の存在はね民主主義国家の首脳の存在と比べると相当の違いがあると思えるので、国家の今後の存亡と世界の指導的立場であるアメリカ合衆国の新体制に対する、国家としての顕示を首脳の健在ぶりでアッピールしようとしたものなのだろう。

 しかし、両国の世界での見方は相当異なっているように思えるのだが、オバマ新大統領に言わせれば、「腐敗、策略、口封じで権力にしがみつく指導者」として暗に金総書記を批判したと思える北朝鮮にとっては、唯一の支援国家である中国との関係以上に、気になる対米国との関係の今後に対する交渉相手は、金正日総書記ただ一人だと強く主張したかったのだろう。

 一方のキューバにおいては、今日本でも公開されているキューバ革命の盟友であった、チェ・ゲバラ氏の死後、キューバの最高指導者であり続けた、フィデル・カストロ氏の健在ぶりは、アメリカの経済封鎖などのない健全化を目指すキューバにとっては、オバマ新大統領に期待したいとのエールともとれるのである。

 現在の北朝鮮の国民生活と政権の状態は如何なのだろうか。

 金総書記が脳卒中で倒れて、健康不安説が多種多様にメディアに流れる中で、北朝鮮当局は、動画はなくても合成されたものと推察される金正日氏の写真を何度かは公表したが、社会主義国家の中でも一番隠された部分が多い国だけに、世界のメディアは疑い続けていたのであった。

 キューバのカストロ前議長にあっても、再三再四の健康不安説の結果、死亡説まで出ていたのだが、アルゼンチンの女性大統領と会談後に腕を組んでいる写真が公表されて、一応の健康不安説は休止するが、82歳の高齢であり、カストロ氏自らが、オバマ新大統領の一期目の任期終了の4年後には、健康悪化を予期する言葉を述べたと言う。

 いずれにせよ、多くの国民の生活と将来の生き様に大きく影響する国家指導者、権力者がただ健在であるというだけではいけないのだ。

 多くの国民の心身共の「豊かさ」と「平和」「幸せ」をサポートしていく責任の重大さからすると、健康不安な状態であるだけで、国家指導者としては失格なのである。

 国民の意思と期待を受けて、新しい国家指導者が社会主義国と言えども誕生すべき時期を迎えていることは間違いない。

 結局、健在ぶりのアッピールは、新しい指導者へのバトンタッチの時期であることを世界に知らしめた意味では、偶然とはいえ、オバマ効果のひとつであろう。
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