ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

自殺とうつ病

2008年06月19日 | 日本の課題
 2007年の全国の自殺者が3万3千人で、2003年についで多く、10年連続三万人を超えたことが警視庁のまとめでわかったらしい。

 交通事故死が一年間で一万人を超えていたのに、ここ数年は現象傾向が著しく、年間六千人を下回る程度になりつつあることを思うと、自殺者の連続10年,三万人を越すという現実は、日本社会の歪さや異常さを物語っているような気もする。

 その中で一番自殺原因として多いのが「うつ病」であり、二番目が「病気」という「不健康」からくる自殺であり、多重債務や生活苦といった経済的原因も相変わらず多いようである。

 年齢的には、60歳以上の高齢者が12,107人と多く、前年比では8,9%も増加していて、次いで30代の4,764人の6%増だそうである。

 もっとも自殺者が多い世代は50代の7,046人で、40代が5,096人と続いていて、20代の3,309人、19歳以下の548人は予想というより想像よりも意外と少なく感じたのは幸いなのだろうか。

 未就学児の自殺は0だが、小学生8人、中学生51人、高校生215人が未成年の年齢で、自ら死を選んでいるという現実は、やはり重たいものである。

 原因、動機については、遺書や特定できるもののみを、計54種類の選択肢から三つまで複数計上する形で統計化されているので、特定化された23,209人のうちで、「うつ病」が6,060人を数えたのである。身体の病気の悩みが5,240人と次いでいる。

 しかし、昨年から選択肢に入れられた、19歳以下の「いじめ自殺」は、10人と、これも異常に少なく感じるほど、現実の状況や実態とは、かけ離れた部分も感じる統計となっているように感じた。

 60代以上の高齢者と30代の自殺者の増加傾向が大きいのは、高齢者では看病疲れや年金不安、就労不安などと共に、健康を苦にする人が増加しているとも言えるし、30代では仕事がらみのストレスや不安、過労などが原因ともなっているようである。

 いずれにせよ、「平和な日本」のはずが、精神的にはストレスと不安を抱え込んだ社会全体が「うつ社会」ではないかと思えるほどの状況下で、多くの人たちが悩み苦しんでいる「氷山の一角」が「自殺」に追い込まれたに過ぎないとの見方もある。

 これから、ますます高齢化社会が加速する、日本社会で「うつ病」に代表される「自殺原因」を克服する「対策」は果たしてあるのだろうか。

 「就労」「健康」「年金」「格差」「生活苦」などが、福田首相の消費税増税やガソリン、食料の高騰をきっかけに益々増大する生活費と社会的負担に堪えて、明るく生きて行けるかどうかの正念場を迎えようとしていると言っても過言ではなかろう。
 
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