ガリバー通信

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NHKの放送倫理違反。

2008年06月10日 | テレビマスコミ
 昨年一月にNHKの「ニュースウォッチ9」で放送された、「従軍慰安婦問題」を取り上げた「戦争と女性への暴力」についてのドキュメンタリー番組で、訴訟中の原告側の主張に触れず、NHKの解釈だけで報道したことは、公平性に欠けていて、放送倫理違反があったと、「放送と人権等権利に関する委員会」(BBC)が決定を下した。

 そもそも、この問題は特集番組として北京で開催された「世界女性会議」を巡る日本軍における第二次世界大戦中の「従軍慰安婦問題」に関しての内容が、当時の安倍、中川両自民党国会議員らの放送前の事前チェックで改変されたという2001年1月放送のNHK教育テレビの問題に端を発している。

 どう考えても番組制作を終えて放映間近のドキュメンタリー番組について、事前チェックのような形でいちゃもんをつけた自民党大物?代議士がいたことが問題であり、大変可笑しな事件なのだが、東京地裁は、政治家による直接的な圧力は認めなかったのだが、NHK幹部が安倍晋三前首相、当時官房副長官と中川前農林大臣らに会って、相手の発言を鑑みて「改編した」と断定している。

 この問題の背景は大変であると考えるが、一連の戦争の歴史的事実に対して、特に第二次世界大戦の日本の侵略的行為の中での、殺戮や軍部の強制的行為を巡って、戦後50年以上経った現代において、その行為を隠蔽化したり、矮小化しょうとする「歴史的改ざん」を目指す有識者や政治家が存在しているのである。

 つのり、「南京大虐殺」「沖縄での軍部の強制による集団自決」そして「従軍慰安婦」などの事実は無かったとする、歴史を歪める見解や主張が台頭してきているのである。

 それらを日本人の自虐的歴史観などと称して、実際は「そんな酷いことはしていない」とか「事実無根である」などと、教科書をはじめ、言論や主張をする者へも圧力をかけようとする勢力がいるということなのである。

 その上、「公平、中立」を一応建前上「旨とする」、日本の公共放送NHK、日本放送協会が、今回の報道によると、公平さを欠く報道をしたと断定されたのである。

 全く困ったことである。

 自民党を中心とする長期政権下で、NHKの予算の是非も政府、与党に握られていて、つまりスポンサーに逆らい難い、民間放送局と同様に、政府、与党の大物政治家の意向には逆らい難いという、実態を露呈した、「番組改編」問題そのものが多種多様にあるのである。

 現在裁判で係争中の、もともとの事件そのものには、放送と人権等権利に関する委員会は触れてはいないが、明らかに「公平、公正な取り扱いに欠く」と断定したことは、今後の警鐘も含めて評価できるものだろう。

 それによって、NHKと制作会社2社に賠償金として、200万円の支払いが命じられる判決が出たが、NHKは即刻上告したため、明後日の12日に最高裁判所で判決が言い渡されることになっている。

 
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