ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

原発のうそを見抜こう!

2005年02月06日 | とんでもない!

 私は今日改めて美浜原発事故をめぐる、日本の原発と原子力政策と安全神話について、京都大学原子力研究所のK氏の3時間余にわたる熱心かつわかりやすいお話を聞いて、その後数人の仲間や聴衆参加者と懇談の時を先生も交えて、2時間ほど持って、友人と共に帰ってきました。

 私は昨年、あの有名なベストセラーにもなった「百人の村」を翻訳された池田香代子さんの講演を聴く機会に恵まれて、ある人権問題や国際理解問題のワークショップで、とっても示唆に富んだ名文句を教えられました。

 それは、皆さんもご存知のように、誰もが幼いときから現在に至るまで、何度となく聞かされたり、言って聞かしたことのある言葉でもある「嘘は泥棒の始まりである」と言う言葉に関しての名言です。

 その通り、嘘は泥棒の始まりであり、決してつかない方がいいのですが、私達の日常生活や友人、知人との会話においても、小さな嘘や、嘘も方便とでも言うような嘘はたくさん存在もしているし、子ども達に対しても,そう言いながら親は結構小さな嘘やごまかしをしているのが現実だと思います。

 そんな中で、池田さんは確信をついた名言を講演の最後に、さらっと一言おっしゃいました。

 「嘘はつくものではありません。嘘は見抜くものです。」

 私は、それまでの彼女の「百人の村」の翻訳による印税を、世界的視野での子ども達の人権や解放、自立の活動などのNPO活動に寄付されているなどの話も感銘を受け、いろいろと教えられたのであるが、この名文句である、「嘘はつくものではなく、見抜くものです」のワンフレーズに強く魅せられたのである。

 実は、冒頭に書き出した「原子力発電」に関わる話の多くが、政府、経済産業省、道府県、市町村などの行政と共に大手電力会社や原子力発電に関与している各社の「嘘や欺瞞のデータ」などによる宣伝に塗りつぶされており、大半の新聞、テレビ、雑誌などのメディアなども、大スポンサーである大手企業の電力会社ゆえに、情報隠しや沈黙の「嘘や嘘の手伝い」を演じているに過ぎない場合が多いからである。

 1960年代に始まった日本の原子力発電の歴史は、今や国内に54基もの原発を稼動させ、その原子力発電の放射性廃棄物の処分は、青森県六ヶ所村に巨大な核廃棄物処分場を作ったり、ウランを原料とする原子力発電の副産物をプルトニウムに再処理して、世界中の核、原子力を扱う先進国ですら断念した、高速増殖炉で再利用するという計画を、日本はいまだ「もんじゅ」で実験実働させようとしているのである。

 スリーマイル島米国原発事故、チェルノブイリ原発事故など過去に起きた世界の悲惨な原発事故から、日本における美浜原発事故(5名死亡)、東海村JOC事故(2名死亡)など多くの原発被災事故や、その発生するメカニズムをわかりやすく分析してもらうと、誰もがわかる危険性と、どう考えても必要でない原子力発電にぶつかり、原子力発電の廃絶以外に、この危機と人類、地球の救済はないと言っても過言ではない現実にぶち当たってしまうのである。

 しかし日本政府は、今も原子力政策を改める兆しがないばかりか、重要な情報は国民にほとんど知らせず、無謀で多額のコストのかかる原発優先政策を続けようとしているのである。今朝も、あの文殊の改築再稼動を福井県知事が認めたと毎日新聞などがトップ記事で伝えている。

 原子力発電がなくなれば、私達の現代生活の便利さや暮らしやすさがなくなる様に宣伝されているが、電力消費の最大使用時と言われる、真夏の日中のピークでさえ、充分水力、火力などの発電設備と機能をフル稼動させれば、クリアできるだけの能力が全国の電力会社にあるばかりか、石炭、石油などの化石燃料の地球の埋蔵量も、かつては後20年などと言われた時期があったが、どっこい現在は50年は大丈夫と言われるほど枯渇はしていないのである。

 こうした情報も、電力会社の宣伝や利用者への情報公開とは全く異なった、恣意的利益追求の資本主義的営利企業の側に立った、見解と都合のいい宣伝に終始しており、国民の多くは、これらの嘘に騙されたり、これらの嘘を見抜くことが出来ない場合が多いのが現状である。

 私は多くのデータや科学的見地からの情報を教えられたり、本や講演で知っているが、全てをここに記すことは出来ないが、私達国民は、政府見解やメディアによる報道の中で、「何が本当で、何が嘘かを見抜くこと」が大切である。

 これからの世の中は、この「嘘を見抜く力」が一番「生きる力」であり、世の中をいきいきと生きて行くための知恵と感性として強く望まれるものだと強調しておきたいと思う。
 
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