ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

別府は癒しの風がふく町

2005年02月02日 | ガリバー旅行記

 「優しい心と強い体を持ちたい」と皆さんも思ってるでしょう!」と書き出したら、一泊一食の恩義をいただくN家のご主人であるお医者さんが、焼酎を飲んでのほろ酔い気分で、「優しい体と強い心が必要だ」と逆のことをおっしゃるのである。

 ガリバーが別府にやってきた。ほんとにこの町には、優しい風と癒しの空気が漂ってるのである.
何故か.病院や医院がやたら多い様な気がするのは、旅人のせいなのかもしれないけれど,いたるところに数多くの医療機関の看板や建物が林立していて、温泉の町であると同時に癒しと治療の町だと感じている。

 2月の寒波がやってきて、昨日から相当冷え込んで、今夜は降雪が予報されていたが、幸いほとんど海岸部や住宅がひらける地域には雪がぱらついた程度で通り過ぎたようである。
 私は博多から今朝,日豊本線の特急で別府入りしたが、本来なら博多から車で前津江、緒方を経由して、別府へと来ようと思っていたのだが、山間部の50センチを越える積雪の状況を聞いて、列車にしたのである。

 この町にやってきたのは、私の知人であるお母さんと娘さんが、1年ほど前から、この町に住んでいるためである。その娘さんMチャンは現在高校年齢だが、中学時代からの不登校状態から、極度の摂食障害に陥って、現在お母さんと別府で療養生活をされているのである。

 昨夜泊まった博多の彩ちゃんの旦那K君も医者であり、この町でお世話になっているTちゃんの旦那も、この町のN病院の医者でもある。私の今回の旅は、博多、前津江、緒方と友人、知人との再会も楽しみにした私的な思いが大きいのだが、出来ればMちゃんの、この町での治療やサポートの一環に、私の知人達や専門家の人たちとのネットワークが何かの形でお役に立てないかとの思いがあったのである。

 昼過ぎからMちゃんのお母さんに会って、おうちでお話しを伺い、いろんな角度から素人ではあるが、頭を巡らせて、可能性のあるサポートとケアを模索しながら、Mちゃんの入院先の病院にも出向いて、担当医師とも面談させていただいた。

 先程のN医師も、摂食障害の患者さんと相対した経験もあり、専門の医療機関や実績のある病院、治療メソッド、医師などの情報と共に、この摂食障害の背景と発病メカニズムについても、独自の見解と経験を話してくれた。

 私は、彼女のお母さんとお茶をしながら、また医師との面談、軽い夕食を共にしながら、いろいろと考え、話しを聞き続けたのである。

 思えば数年前、Mちゃんは真面目で感性豊かな小学生であった頃から、学校、先生に多くの異常やおかしさを訴えていたはずなのだが、教育現場は、その発信、シグナルにまともに向き合わず、彼女はどんどんとお母さんとの暗闇の中に潜り込むしかない状態に追い込まれて、不登校状態から自らの心身のバランスをも崩した摂食障害になってしまったのである。

 私はMチャンの叫びと苦しみのほんの一部しかわからないが、何故にこのような純粋で感性豊かなかわいい娘さんが、自らを責めたり、さげすんだりしながら、お母さんと闘病しなければならないのか、全く学校現場の先生達をはじめ、初期の不登校状態での叫びや糸のもつれを知りながら,ほっておいた関係者の責任と共に、彼女に代表される多くの苦しみと自虐の中にいる、少年、少女たちがいることを思うと、居たたまれない心境である。

 ここ、別府の地が寒風吹く現在から、春を告げる海風と由布岳や一連に続く山々の積雪が溶けて、春の息吹を感じさせる野の花たちや、それを目指して飛び交う蝶や昆虫達が告げてくれる、季節の移り替わりの様に、Mちゃんをはじめとする、現在摂食障害や多くの精神疾患だとされて苦しむ,不登校児童、生徒の少年、少女たちにきっと緩やかで優しい風と癒しの春が来ることを、心から願いつつ、多くの人のやさしさとサポートがあって、私達もこの世で元気で明るく生きていることを感謝して、Mちゃんの回復とお母さんの健康やご家族の幸せを祈らざるを得ないのである。

 もうすぐ春ですよ。きつと優しくて暖かい風が、もうそこまでやってきてるよ。みんなの祈りと励ましとサポートで、緩やかな回復を獲得できるように、別府と九州の仲間達、ネットワークにパトスとパッションを注入して、待とうと思っている。

 別府は癒しの風がきっと吹く町である。



 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする