ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

携帯画面の中の成人たち

2005年01月09日 | 地域の話題


 本日は朝から今年の初づくしを5つも経験した。そんな大げさなことではないが予定していた消防出初式、成人式、初釜があった上に、初ボウリングまでしてしまった。ついでに初ラーメン、初餃子を外食したのである。

 初物づくしはともかく成人式は午後1時から体育館で行われた。成人式はずっと1月15日だったのに数年前からか、祝日法とやらの改正で1月第二月曜日となり、毎年日が変り今年は10日となったが、わが町の成人式は前日である、今日9日に行れたのである。
 
 新成人は体育館に午前11時過ぎから集まり出していたが、1時の開式時間を過ぎても一部の参加者がなかなか席に着かないので、司会者の女性が何度も何度もマイクで「新成人の皆様で立っておられる方がおられるので開式できません。是非お座席にお座りください」と促して、やっと5分ほど遅れて式典が始まった。
 
 ここ数年毎年のことだが、ほとんどの女性が和服の晴れ着姿なのはいいが、大半の女性が体育館といえども室内に入ってもショールを首に捲いたままだし、式が始まっても携帯を手に画面と首っ引きでメールをしているものもいる。

 ともかく周りの雰囲気や注意など、そっちのけで自分の世界に入り込んで夢中というか、周りからどう見えているのかなど気にならないかの様な振る舞いや存在が多いような気がしてならない。

 式そのものは市長や来賓数人の挨拶と「20歳に一筆啓上」と称する事前に葉書で、20歳を機にお世話になった人たちや自分の心境等を、200字にまとめた文章で記し、感謝や将来への夢など自由に書いてもらったものを選考し、この式典で入賞作品の表彰が行われるのだが、比較的と言うより大変静寂の中で淡々と式典は進行し一部は滞りなく終了した。

 二部に入ると、関西のお笑いの殿堂である吉本の芸人によるトークショーとなり、少しは反応と言うか賑やかさが出てきたが、タレントに「お前らほんとに新成人の二十歳か?」と言われるぐらいおとなしく、「お前らほんとは三十路やろ!」と冗談を言われるほどであった。

 私はここ数年この成人式に来賓として列席しつつも、他の自治体ではニュースになる様な騒ぎがあったり、混乱を巻き起こす様な新成人がいたりでは困るのだが、わが町の成人式は何とも皆が大人しすぎて、何とも元気のないというか、若さ、エネルギーすら感じられない様に感じて、何故かちょっと物足りなさを覚えているのである。

 晴れ着姿やスーツ姿の男女の新成人たちの顔、顔、顔を見つめていると、ほとんどの女性も男性も、各々の視線は、限られた隣りの人か一緒に来た友達だけに注がれている様で、自分の着物の着付けの乱れや、中には自分が腕に下げているバックのチャックが空いている女性がいたが気づかない振る舞いに、老婆心ながら注意をしてあげても「ありがとう」の一言の礼もない。
 
 つまり自分の世界、自分の関心、興味以外に視線は全く行かず、まるで歩きながら携帯メールを打つ、ながら族というか、前もよく見ず誰とすれ違おうとも関係なく、下手すると自転車や通行人に接触しても、我関せず、何でよけてくれへんの?てな感じで平気なのである。

 見るからに個性的なヘアカラーや目だった髪型や服装の新成人もいるにはいるが、本当の意味での人間的な個性がにじみ出る様な溌剌とした、目立った若者が少なくなっている様に思えてならない。

 誰もが時代の申し子の様に、携帯電話の小さな画面とにらめっこしている如く、携帯画面の中にすっぽり入り込んでしまいそうな視野の中で、メールだけでなく生活しているのではないだろうかと思ってしまうのは、私だけの勘ぐりに過ぎないのだろうか。

 新成人よ携帯画面にとどまらず、もつと大きな視野で物や人や社会を見て、大いに若さとエネルギーで酉年にちなんで、飛躍していただきたいものだ。「見る前に跳べ!」誰かの小説のタイトルでもあるが、時には見ないでも若さは跳べる、素敵な時代であるはずである。期待する。
コメント (1)
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