何十年かぶりに引っ張り出した本。
何しろ大きくて重いので、本棚の下のほうで眠っていましたので。
手に入ったのはもう三十年以上も前です。
何がきっかけだったのでしょうか。
きっとさっと眺めて、まだ機は熟していないと、
その後はあまり手にとることもなかった本です。
というよりも持っていることを忘れてしまっていたというところです。
永青文庫に行って、細川家の茶道具を見る機会はありましたし、
他の場所でも、有名な道具は目にしました。
かといってこの本を開くきっかけにはならなかったのでしょうね。
それが先日のお茶会で拝見した「南蛮の芋がしら水指」が、
細川家所蔵の水指に姿が似ているという説明をうかがって、
なんだかそれを確かめたくなりました。
今度機会が会ったら見に行こうかしらと。
そんな気持ちでいるときに、ふとした拍子に、本棚のこの本が目に入ったのです。
奇遇ですね。
何年も目に入らなかった本なのですよ。
「わあ、こんな本を持っていたんだは」
南蛮水指 銘「利休いもがしら」南方アジア 16世紀
早速開いて見つけました。
「利休遺愛の品として。記録にもたびたび出てくる名物で、
『南方録』利休茶湯日記、三月晦日の条に大友義統を招いた席で、
円座肩衝茶入とともに使用されているし、他の会記にも出てくるから、
利休はよほど好んだのであろう」と説明があります。
今日は予定していたお稽古の方が都合が悪くなったという連絡で、
空いてしまった時間に、そのまま最後まで一通り眺めてしまいました。
こうして改めて、開いてみると、
さすがに30年前とは違って、目にした道具も結構あり。
千利休作茶杓 銘「ゆがみ」 桃山時代
唐物茶入 銘「利休尻膨」 中国 宋時代
千利休作 瓢箪花入 銘「顔回」 桃山時代
等々たくさん見つけました。
やはり実物を見てから、こうやって思い出すことが楽しいのですね。
やっとこの本を開く機が熟した様です。
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