A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【ノミネート作品発表】1/27(土)阿佐ヶ谷TABASAにて開催『第4回 輝く、盤魔殿レコード大賞!!!~2023バンマーキング決定戦』

2024年01月23日 00時43分50秒 | 素晴らしき変態音楽


2024年1月27日(土)  阿佐ヶ谷TABASA
盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.50
第4回 輝く、盤魔殿レコード大賞!!!~2023バンマーキング決定戦

開場・開演18:00
入場料1,000円+1ドリンク別
予約はこちら

盤魔殿DJ総出演!年に一度の異端音楽総決算イベント。
当日DJのプレゼン&試聴のあと、最後にお客さんとDJ&スタッフの投票で盤魔王(バンマーキング)を決定します。
ぜひご来場のうえ投票にご参加ください。

参加DJ *出演順は当日くじ引きで決定します。
DJ Hells Hamster a.k.a. Rie Fukuda
DJ Bothis a.k.a.山田遼
DJ Manticore a.k.a.剛田武
DJ Athmodeus a.k.a.持田保
DJ Silence a.k.a.宇田川岳夫
DJ Vaby a.k.a.大場弘規
DJ BEKATAROU a.k.a.伊藤元

【ノミネート作品】
●DJ Hells Hamster a.k.a. Rie Fukuda
Monster's Ball/Arthur Brown

1968年"Fire"のヒットにより、異形のパフォーマンスに世界中が刮目したアーサー・ブラウン。当時から異論を一切受け付けないカリスマ性を放っていたが、未だ現役、ステージアクションも衰えがない。碌に動けずギターも弾けない状態のロッキーよりも彼を招聘すべきでは無かったのか.....煌めく名作"Crazy world of Auther Brown"以降、プログレッシブなグループを結成したりアランパーソンズプロジェクトのアルバムに参加したり、と所謂サイケからアートロックへ歩んだ方であるが、結局の所、本人がカテゴリそのものとなった色褪せぬ存在である。
後に連なる影響力は測り知れない。元祖コープスペイント!!

Continuous Hole / Drew Daniel / John Wiese

ノイズグラインドSissy Spacekのジョン・ウィーズのデュオ作品。先日の来日公演で、お勧めはどれか?と訊いたらこれだそうなので購入して来たもの。非常にアヴァンギャルドで適度な軽やかさがあり、とても好い。

Nakibembe Embaire Group / Nakibembe Embaire Group (LP)

ウガンダの巨大木琴“embaire”を演奏するNakibembe Embaire Groupの23年作。
素朴な楽器を大勢で叩くグループの録音作品。ガムランとの競演もありプリミティブな高揚感が堪らない。


●DJ Bothis a.k.a.山田遼
Vasilisk – Musick For Liberation And Ecstasy 4×LP BOX 2014 (Steinklang Industries)

Vasiliskは1980年代に活動していた日本のノイズ・インダストリアルバンドWhiteHospitalのメンバーであるTomo Kuwahara氏がWhiteHospital解散後にギタリストの名越由貴夫氏らと共に新たに結成したリチュアル・トライバル・インダストリアルユニットであり、現在進行形で精力的に活動中の同じ元WhiteHospitalメンバーである小長谷淳氏によるリチュアル・インダストリアル・プロジェクトGrimと共に、決して忘れてはいけない歴史的な最重要アーティスト。
本作はVasiliskが1987年から1989年までに残した3枚の作品『Whirling Dervishes』『Mkwaju』『Acqua』に加え、1992年と1993年に東京・高円寺の20000Vで行われたライブの音源『LIVE BLOOD』と、さらに護符ネックレス(アーティスト手製)、T-shirt (限定box用)、お香が入った世界限定50セットの木箱仕様。

TI-THO - Freuziel LP+7" 2015 (Vinyl-on-demand)

1980年代のドイツはハンブルグにて、当時13歳だったクリスティーナ・マリーザ・カルカーノが10歳年上のギター教師のトマス・シュテルターと出会い結成した男女ジャーマンニューウェーブ・デュオ「ティ・トー」。
1982年にドイツの名門インデペンデントNeue Deutsche Welle=N.D.WレーベルであるZickzackから1982年に衝撃のデビューシングル『Traumtänzer』(1982)を発表後は大手レコード会社に移籍したのち、解散までに合計4枚のシングルを残した。本作は、それらのシングル盤に収録の曲や別バージョン、そしてメンバーのトマスの自宅に眠っていた未発表曲らを編集したLPであり、さらに1985年発表のシングル『L.C.B.A.P. (Love Can Be A Pain)』に未発表曲を追加した7インチ付きで、ドイツのVinyl-on-demandより2015年出版のバージョン。

Gezan With Million Wish Collective - あのち LP 2023 (13th Records)

2023年に発表された数多の音楽作品の中で、最も衝撃的だったのが本作。2009年に大阪で結成され、現在は東京を拠点に活動中の日本のロックバンドGEZANのメンバー4人に加え、トロンボーン+パーカッション+総勢15名のコーラス隊Million Wish Collectiveによる、GEZANとしては通算6枚目となるアルバム。とにかくもう、メジャーとかアングラとかの境なく、コロナ禍という閉塞があったからこそ誕生したとも言える、圧倒的に突き抜けた傑作。本物のアーティストはそのような苦境の中でこそ、このような魔法のような芸術作品を作るのだと再確認させられた。


●DJ Manticore a.k.a.剛田武
うすらび / Outside Of The World

90年代末からDOODLES、あみのめで活動してきたシンガー&ギタリスト利光暁子、New Rock Syndicate/The Hardy Rocksの川口雅巳(b)、Overhang Party/魔術の庭の諸橋茂樹(ds)により2019年に結成されたギターロックトリオの2ndLP。ガレージロックで聴かせるヘヴンリーなヴォーカルは、森田童子、工藤礼子(マヘル・シャラル・ハシュ・バズ)、竹田雅子(渚にて)などの流れをくむジャパニーズ・フィメール・サイケの新たな王道である。

機関銃爆発合奏団(Machinegun Explosion Ensemble) / 悲歌慷慨

コロナ末期に実現した日英地下ジャズのリモート・コラボ。60年代前衛ジャズのスピリットが半世紀経ってロンドンと高円寺の間に蘇った奇跡が、想定外の”Betrayal Takes Two(裏切)”と”Reality Asylum(現実逃避)”の結果、CANNONBALL EXPLOSION ENSEMBLE(砲弾爆発合奏団)として”The Shape of Free Jazz to Come(フリージャズ来るべきもの)”を追求する存在へと発展した。これこそ真の奇跡として語り継いでいきたいものである。

松本清治 / 松本清治作品集 1975

謎に満ちたアウトサイダー・ピアニスト松本清治の出発点となる1stアルバムをついに入手。当時20代半ばで作りあげた非調性の鍵盤演奏に、その後の10年間に23作もの異端音盤を自費出版する運命となる孤独な魂の秘密がにじみ溢れる異形作。譜面の存在しない自らの演奏作品を世の中に知らしめようとした松本氏の覚悟と決意が辿る変遷と挫折の行方を知る我々は、このあまりにも純真かつ確信的なピアノプレイに魂の震えと落涙を禁じ得ない。いまこそ全世界に知らしめるべき純粋異端音楽の真の伝説である。


●DJ Athmodeus a.k.a.持田保
GRIM / White Mountain Face

伊ノイズ・レーベル老舗オールド・ヨーロッパ・カフェよりの第二弾アルバム。ソロ名義作品にも通じるメランコリック世界を軸としつつアブストラクトなインダストリアル世界はもはや貫禄。ノイズうんぬんでは語りつくせない唯一無二世界。独自の世界観を描いたコラージュ・アートが堪能できるブックレットも素晴らしい。

サイケアウツG / Do What Thou Wilt Shall Be The Whole Of The Dharma

日本ハードコア・テクノ注目レーベル“マーダーチャンネル”より大阪ブレイクビーツ大ベテランの新作。アレイスター・クロウリー思想“汝の欲することをなせ”をテーマにホワイトハウスからロッキーのサントラまでをサンプリング・コラージュしダンス・ミュージック化してしまうイリーガルっぷりがヤバい。マジで盤魔殿に呼びたい存在。

恐山Vibration / 恐山Vibration

日本におけるペイガン・ミュージックとは?をテーマにダンス・ミュージックとしての思想戦を(誰もやらないから)実施する恐山Vibrationの歴史的1stCD。姫神せんせいしょんがメタンフェタミン多めのMDMA食ったらこうなる?的な世界はもっと世界に知られるべき注目しかない一枚。


●DJ Silence a.k.a.宇田川岳夫
The Last One 〈Poésies : Les Rallizes Dénudés〉裸のラリーズ詩集
著者: 水谷孝 / 写真: 中村趫 / 解説・編者: 市田良彦 / 寄稿:鈴木創士 / 「イビスキュスの花」(1969年録音/完全未発表音源 20分19秒 収録CD付) / 造本装幀: 宇治晶

“これをもって私の祈りの最終章としたい (ロートレアモン / 水谷孝)”
収録曲は「導きの天使」として知られている曲の初期ヴァージョンと思われる。「夜、暗殺者の夜」の歌詞も素晴らしい。水墨画を思わせる中村趫の写真による装丁。天からエコーがかかったうなヴォーカルとゆがんだギターの演奏、歌詞と共鳴して独自の文学空間を作り出す。単なるミュージシャンを越えた詩人としての水谷孝、いやラリーズは水谷孝の活動のすべてであることを認識させてくれる。

PLJ BAND / ARMAGEDDON(COBALT MUSIC 2023)

旧約聖書のエゼキエル書をモチーフに世界最終戦争を描いたコンセプト・アルバム。ギリシャ民族音楽の旋律に呪術的なサウンドが展開するプログレの名盤。1982年発表で原盤はギリシャVertigoレーベル。その歌詞の内容に「神を冒瀆する」一節があるとして、作品発表後まもなく回収されたため高価格で取引されていた。P.L.Jバンドはギリシャのアテネで1976年に結成。メンバーはパヴロス・キクリリス(ギター)、ラヴレンティス・マハイリツァス(ヴォーカル、ギター、キーボード)、ディミトリス・ヴァサラキス(ベース)の3人が中心であり、パヴロスの「P」、ラヴレンティスの「L」、ジミーというニックネームだったディミトリスの「J」に由来するP.L.Jバンドとしている。アテネを中心にライヴを行い、1978年に英語歌詞による4トラック入りシングル『Gasper』を自主制作し、1,000枚ほどプレスしてライヴ上で販売をしている。しかし、そのシングルは誰も興味を示す者はなく、全くと言っていいほど売れなかった。彼らはこのことに愕然するどころか、さらに芸術性と創造力を高めた自分たちの音楽を広く推し進めようと奮起した。そのために新たなギタリストとしてアントニス・ミツェロス、ドラムスにトリス・カマツォラスを加入させ、5人編成で本アルバムに着手。作曲を終えてスタジオ入りするが、予算の関係で録音方法はスタジオライヴとなった。完成したデモテープを片手に海外での成功を夢見た彼らは、フランス、アメリカなどのレーベルに打診するが実現せず、最終的に1982年にギリシャのヴァーティゴから発表。アリストメニス・ツォラキスの手によるテーマに沿ったカヴァーデザインが起用され、本アルバムがリリースされた。

England’s Hidden Reverse, revised and expanded edition : A Secret History of the Esoteric Underground
Author: David Keenan, Publisher: Strange Attractor Press, Year: 2023/08/08, 528p

第3版にあたるこの新しく拡張された版は、コイル、カレント93、ナース・ウィズ・ワウンドの最初で唯一の伝記を含む、英国の難解な地下音楽の古典ともいえる探究書であり、独占インタビューと3つのバンドすべての詳細な評伝で構成されている。
ジャンルにとらわれないこれらのバンドとその周辺に形成された人脈は、文化的、芸術的、性的多様性のすべてにおいて、英国のアンダーグラウンドを代表している。40年以上にわたり複雑な関係性を持ったこれら3つのグループは、大衆文化の主流と共生的でありながら不安定な関係を維持してきた。彼らの音楽、信念、実践は彼らを大衆文化の周辺へと遠ざけてきた。彼らの作品は、アレイスター・クロウリー、アーサー・マッケン、ジョー・オートン、シャーリー・コリンズ、ビョーク、マーク・アーモンドなど、さまざまな個性と交流し、何世代にもわたるアウトサイダーとしてイギリス大衆文化の地下水脈として多くのオカルト的な特異性を際立たせる秘密のシーンを形成していた。この隠された逆転の地下水脈は、これまでは必然的に秘密のままであったが、本書の出版によって明らかになりつつある。
この新巻には、バンドのキャリアと交差したミュージシャンやアーティストへのインタビューを集めた『Furfur』から抜粋した約100ページのエキストラ素材が収録されており、当初はストレンジ・アトラクターの初回限定版と並行して出版された。ただし初版と第2版、第3版では収録写真が大幅に入れ替わっているうえに、初版に付属の音源CDは第2版と第3版には付属していない。また、第2版付属の初回限定版別冊『Furfur』の内容がすべて第3版に収録されているわけではないので、全貌を知ろうと思う読者は、初版と第2版、第3版をすべて入手し、比較対象しながら読まなければならないこともつく加えておこう。


●DJ Vaby a.k.a.大場弘規
良作が多かったので今回はオール2023年リリースでチョイスしました!中でも今年は本隊となる「あぶらだこ」の再発が続いた事もあり、積極的に活動しているオリジナルメンバーで構成された2つのバンドをノミネート!
D・O・T / BOKU NO TOMODACHI (CD)

最初はヒロシさん、マルさんの「あぶらだこ」オリジナルメンバー2名に加え、これまた80年代ハードコア「NURSE」のNEKOさんからなるギターレス3ピースバンド「D・O・T(Desert Of Tomorrow)」の4枚目のアルバムです。テーマは一言で言えば「共生・共に生きる」ノーマライゼーションといった、あらゆる差別に反対、障がい、幼児虐待……等。「人みな平等、同じ命、一緒に行こうよと」、全ては"BOKU NO TOMODACHI (僕の友達) "と深い人類愛に根ざす差別反対への抗議とピースフルな祈りが込められいるコンセプチュアル・アルバムなのです。

Kito mizukumi rouber / MIE NAK NAR KMR (LP+CD)

次は長谷川さん、大國さんの「あぶらだこ」メンバーに加え、多才なアーティストでもあり現「あぶらだこ」マネージャーの内田さん、そして新たに鍵盤奏者として加入したKingg Vanilla嬢の4ピースとなった「Kito Mizukumi Rouber」の6枚目。LPとCDには夫々異なるMIXが収録されており、そのサウンドは「ガレージロックの洗礼を受けたほぶらきん」または「芯を抜いた裸のラリーズ」とも評すべき前代未聞・摩訶不思議な全13曲を収録しています。。

Daisuke Suzuki & Andrew Chalk / Drifting (CD)

ラストは盤魔殿らしいマテリアルをチョイス。私の古い友人でもあるSirenRecords主宰の鈴木大介氏と我が心の師匠Andrew Chalkとのコラボ作品。リリースは2023年ですが1996年に制作され、そのまま埋もれた音源となっていたものです。この作品はローファイ録音となりますが、そこには2人が生み出す特別な雰囲気と質感の完璧な調和がるのです。リマスタリングは、エンジニアリング界の巨匠 Denis Blackham が行い、作品に新たな息吹を注ぎ込んでいます。


●DJ BEKATAROU a.k.a.伊藤元
La prisonnière / La prisonnière

フランスの地下音楽レーベル"Scum Yr Earth"から2019年に出版された微睡に誘う呪術的ドローン作品です。

CARL STONE & KEN IKEDA / DAM LP

2023年に出版されたカール・ストーン氏と池田謙氏による"内の倉ダム"での無限の音響共鳴実験。

終古のオミット / 秘密の回顧録

分水嶺での活動や向井千恵らとの共演などで知られる宮岡永樹のギターとヴォーカル、杉森大樹のベース、大石悠風也のドラム…三者からの情感、激情が真っ直ぐに表出された作品。
本作2021年に出版されたLP作品のCD版になります。

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