A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

暗黒の室内楽ロック~ユニヴェル・ゼロ「Univers Zero」

2008年04月04日 23時54分29秒 | 素晴らしき変態音楽
今までも折に触れて80年代に一部マニアの間で話題になった反対派ロック(Rock In Oposition)のアーティストを紹介してきたが、今回はベルギーのチェンバー・ロック・バンド、ユニヴェル・ゼロを紹介する。
ヴァイオリン、ヴィオラ、ハーモニウム、バスーンを含む7人組で70年代中期にブリュッセルで結成された。シェーンベルクやバルトーク、メシアンなどの20世紀クラシック、キング・クリムゾン、ヘンリー・カウ、マグマなどプログレッシヴ・ロックの影響を受け、独特の室内楽を育む。テクニックがかなりしっかりしているので音楽学校で正規の教育を受けた連中だと思われる。
1978年本作「Universal Zero」でデビュー。すぐさまR.I.O.の中心バンドとなりヨーロッパ各地でツアーをする。計5枚のアルバムを発表し1987年解散。その音楽は"悪魔の奏でる現代音楽"という表現がピッタリで、前衛的な無調の室内楽にパワフルなリズム・セクションが絡む複雑な強迫観念音響だった。余りに真摯に音の響きを追求する厳格さは息苦しいほどである。R.I.O.の暗黒派最右翼といえる。
90年代末に再結成、ライヴを含む数枚のアルバムをリリースしている。
このデビュー作は後にリマスターされて「1313」というタイトルで再発された。私が持っているのは初回盤だが、その魔力的音響はしっかりと刻まれている。

暗黒の
弦の響きに
魅了され

後にショスタコーヴィチやバルトークの弦楽四重奏曲を聴いて余りの相似性に慄いた記憶がある。私の現代音楽好きは彼らとフランク・ザッパに始まっているといえる。



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