A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

二日分のカワイイに溺れた週末~HARAJUKU KAWAii!! FES 2013 10.5(sat) & 6(sun)

2013年10月08日 00時56分09秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


■イベント名
HARAJUKU KAWAii!! FES 2013

■開催日
2013年10月5日(土)、6日(日)

■開催場所
原宿全域(メイン会場:ラフォーレミュージアム、クエストホール、アストロホール他多数)

■料金
無料

■内容
ファッションショー、音楽ライブ、トークショーなど

■MC (50音順)
ニーコ、藤田琢己、星野卓也

■アーティスト (50音順)
赤い公園、アップアップガールズ(仮)、Charisma.com、吉川友、きゃりーぱみゅぱみゅ、くりかまき、CREAM、黒木渚、近藤夏子、Silent Siren、Daichi、DISACODE、でんぱ組.inc、TEMPURA KIDZ、南波志帆、ニーコマン、ねごと、NEKO PUNCH、PASSPO☆、ハナエ、春奈るな、PPP! PiXiON、PAGE、やのあんな、Una

■モデル (50音順)
AKIRA、青柳文子、赤澤奈津実、阿知波妃皇、池田彩夏、井上恭介(おしゃれキング)、岩井拳士朗(おしゃれキング)、EVA、海老原りさ、江本るり江、上岡由佳、上野瞳、荻野可鈴、小澤楓、笠原美香、金井政人(BIGMAMA)、鎌倉弘樹(おしゃれキング)、北村諒(おしゃれキング)、木村ミサ、木村優、古関れん、児玉益美、近藤亜美、後藤さくら、SAKI、佐藤さき、柴田紗希、柴田ひかり、瀬戸あゆみ、小鳥遊しほ、松拓人(おしゃれキング)、武智志穂、田中里奈、谷口朝香、とくいちょま、中川翔子、中田クルミ、野崎智子、橋田昌美、早坂夏海、ベック、星名桜子、POCHI、三科光平(おしゃれキング)、三戸なつめ、皆方由衣、宮下ゆりか、三好あんな、村上東奈、村田倫子、やのあんなゆら、YuRi、横田ひかる、米重晃希(おしゃれキング) and more!!!

■MAGAZINE (50音順)
HR、KERA、Zipper、SEDA、CHOKi CHOKi、CHOKi CHOKi girls、FRUiTS、mer、Used Mix

■BRAND&SHOP (50音順)
Angelic Pretty、WEGO、Aymmy、KAKA☆VAKA、galaxxxy、Grimoire Almadel、KINSELLA、SHIPS khaju、SPINNS、SPROUT 2nd、cepo、NADIA、HAIGHT&ASHBURY、PANAMA BOY、PIN NAP、BUBBLES、原宿SmileCamp、POU DOU DOU、PUTUMAYO、BOY、Me-Meno、Momo、MONKI、merlot、Ray BEAMS、Wonderrocket and more!!

■SPONSOR (50音順)
ASOKO、Alice Age、an、shu uemura、ZOZOUSED、tutuanna、バンタンデザイン研究所、FUJIFILM、PRiSiLA、文化服装学院、MAGASEEK、L’ecole Vantan、Loretta

■SPECIAL THANKS (50音順)
Casualle rencontre、jagzzi、palette、5iVE STAR、FACT、Mo.up

■MEDIA PARTNER (50音順)
J-WAVE、スペースシャワーTV、TBSラジオ、テレビ朝日

■後援 (50音順)
渋谷区、原宿表参道欅会、原宿神宮前商店会、原宿竹下通り商店会

■主催
HARAJUKU KAWAii!! FES 2013実行委員会

■企画・制作
アソビシステム株式会社



幼少の頃東京観光で両親に連れられて明治神宮に来たのは別として、自分で初めて原宿を訪れたのは1978年頃。雑誌『ZOO』に広告が出ていた「SMASH」というパンク・ブティック目当てだった。駅から少し歩いた路地の小さな店だったが、所狭しとロンドン直輸入のTシャツやアクセサリー、ポスターやファンジンが溢れていてドキドキした。田舎育ちの高校生にとっては、ファッションショップに足を踏み入れるだけで舞い上がってしまい、興奮状態でクラッシュのTシャツとバッジを幾つか購入した。たぶん行ったのはその一度きりだと思う。その後ラフォーレでパンクのビデオコンサートが開催されたり、ホコ天がバンド・ブームのメッカになったり、イカ天ショップがオープンしたり、毎週末バンドの練習で通ったりしたので、オレ的には原宿=ロック・タウンは恋の街(色っぽい話はなかったけどさ)という印象。90年代は妖しいブティックや露店が並び、ロンドンのカムデンやアムステルダムの蚤の市のようなフリーマーケットの雰囲気があった。

21世紀に入り自然と足が遠のき、テン年代にきゃりーぱみゅぱみゅが登場するまで疎遠だったが、原宿ガールズにこの街伝統の自由で開放的な空気が継承されているのが素晴らしい。「カワイイ」を日本文化の象徴として世界に発信するHARAJUKU KAWAii!!は、オトナの押しつけではなく、街のコドモたちの自己主張を起点としているので、誠に痛快な説得力がある。外圧により強制的に門戸解放が成し遂げられ、浮世絵やジャパノイズのように海外の評価により自国文化の価値を教えられてきた我が国の歴史において、滅多に起ることの無い草の根からの文化革命運動を心から応援したい。

今年のHARAJUKU KAWAii!! FESは6つの会場を拠点に街全体を巻き込み二日間に亘って開催され約15000人を動員した。カワイイがテーマだから女子中心と思うかもしれないが、現場によっては熱い男子主導で異種文化交流が実践された。カワイイに先駆けてグローバルに拡散するゲーム/アニメ/ボカロ文化の聖地アキバとの共闘はオルグには欠かせない。



◆10月5日(sat)
入場パス引換で訪れたクエストホールは大混雑のカオス状態。無料フェスだから殺到してるのか、と思ったらエントランスでのPASSPO☆握手会の列だった。掻き分けて引換所で楽勝でパス代わりのトートバックを入手。派手なピンクでロゴが大きくプリントされ、普段持つのはこっ恥ずかしいが、この街ならば憚ることはない。早速クラブ系アクト中心のアストロホールへ向かう。他の会場は出入り自由だが、アストロホールはライヴハウスなのでドリンク代が別途かかる。

●くりかまき


アイドルDJユニット、くりかまき。フロアはほぼ全員ヲタ系男子。カワイイ女子は後列に佇んでいる。前半はDJセット。サカナクション、いきものがかり、Men With A MissionなどのJ-POPときゃりーぱみゅぱみゅ、Perfume、ももクロのアイドルソングに乗せてOi!Oi!と過熱する。J-POPの三大原則「盛り上げ・楽しませ・元気を与える」がエクストリームに実践されている。DJで盛り上げておいて、後半は歌と踊りのライヴセット。ますますヒートアップした狂騒状態に、クラブ仕様PAの大音量が油を注ぐ。この熱さは原宿や秋葉原じゃなくても場所を問わず通例に違いない。




その足でラフォーレミュージアムのでんぱ組.inc&中川翔子へ向かう。6Fの会場エントランスから階段沿いに入場待ちの列が続き、B1に達したところで、定員オーバーで入場不可とのアナウンス。開場1時間半前に入場規制になる状況に、こりゃあかんと作戦変更、クエストホールへ向かう。

●Una(ゆうな)


熱く萌えるアストロホール、入場規制のラフォーレミュージアムに比べ、クエストホールは空いてて居心地がいい。SPECIAL LIVEのトップは女性シンガーのUna。裏原宿のカリスマショップ出身の青文字系モデルとして活躍する彼女は8月に歌手デビューしたばかり。カワイイだけじゃなくクール&なセクシーな持ち味が、エレクトロな中にディーヴァ性のある歌にも発揮さている。クラシックバレエが得意という凛とした立ち振る舞いは、次世代カワイイ戦隊の精神的リーダーとしての可能性を秘めている。




●南波志帆


熱狂的ファンというわけではないが、時々無性にライヴが観たくなる、抵抗しがたい魅力を感じるアーティストがいる。バンドでは割礼、ノイズではメルツバウ、ジャズでは広瀬淳二、アイドルではバニラビーンズといったところだが、女性シンガーでは南波志帆にとどめを刺す。「乙女失格」というタイトルや写真が気になり、CDを聴いてウィスパーヴォイスに痺れた。初めて観たライヴで生声に魅了されると同時に、どこか不自然な振り付けとピントのズレたMCになんだこれ?と首を傾げた。イベントやフェスで何度か観るうちに、天然不思議キャラの中毒に。盛り上げ必至のJ-POP勢の中でひとりクエスチョン・マーク(&ザ・ミステリアンズ)の如く96粒の涙を撒き散らすSHIHO-Changを女神と崇める宿命に甘んじるしかない。




●ねごと


数あるガールズ・バンドの中でも何だかほんわかした曖昧模糊なイメージがあるのは「ねごと」という名前のせいだろうか?最初に聴いたときの印象は「何だかいい」というもの。大規模フェスのステージに立つ人気バンドにも拘らず、小さなライヴハウスの海外バンドの現場に全員で参戦し、ついでに本人手渡しビラ撒きしてしまうフットワークの軽さ。一生音楽大好き女子のトキメキが反映されている演奏の潔さ。「ファンタジックオルタナティブ」というキャッチが言い得て妙。新曲「シンクロマニカ」もノリのいいアニメ主題歌でファンタジック!




  

◆10月6日(sun)
この日のメインアクトはきゃりーぱみゅぱみゅだったが、前日の経験から断念し、一日クエストホールに居を定めることにした。

●アップアップガールズ(仮)


はじまりはアイドル・ステージ。日曜日なので前日より出足が早く、開演前に入場規制に。出る人がいれば入れるので、入り口で待つ。アップアップガールズ(仮)が始まってすぐに、気分が悪くなった女子が出てきたので会場内へ。後列までぎっしり、サイリウムが乱舞する典型的アイドル現場。Oi!Oi!コールが熱い。常に「いっぱいいっぱい」になりながらも「上へ上へ」目指していくアプガの上昇志向が眩しい。隣の胸に(仮)アプガTの少年がぴょんぴょん飛び跳ねる。ヲタに囲まれると非ヲタは肩身が狭い。




●PPP! PiXiON(ピピピ・ピクション)


一組終わると民族大移動するのが対バン・イベントの常。アプガ・ファンが一挙に退出し、多少呼吸がしやすくなる。PPP! PiXiONは結成1年に満たない出来立てほやほやのアイドル・グループ。中高生のメンバーは見るからに若い。若いだけにナイフのようなキレ味鋭いパフォーマンスが痛快。テーマパークがコンセプト、夢と希望の楽園を届けてくれる6人に心の琴線がピピピ!っと反応する。




●吉川友


「グループアイドル全盛時代にひとりで戦うきっかのわがままボディを褒めてください!」と吉川友本人は言うが、「楽屋がずっと一緒だった吉川友。 いつもソロだからなのか、大人数にずっとはしゃいでました笑 今後もわがままボディと絶妙なトークに乞うご期待!」とアプガが暴露ツイート。うんうん、寂しいんだよね~と人として慰めたくなるが、きっか「しーろくーろつっけない」⇒観客「カフェオーレッ!」のコール&レスポンスを武器にぼっちアイドル道を貫いてもらいたい。




●PASSPO☆


アイドル・ステージの〆は空と旅をコンセプトとするガールズロックユニット、PASSPO☆。激しいパフォーマンスにオーディエンスはアプガ以上の盛り上がり。PASSPO☆をプロ野球に例えると「楽天」と言われていたが、本家が見事リーグ優勝を果たした今こそ、PASSPO☆がアイドル界の天下取りする絶好のチャンス。原点回帰ナンバー「Growing Up」での爆発に期待したい。




●Una
アイドルに続き、モデル出身アーティストのライヴ・ステージ。アイドル・ファンがほとんど退場、原宿ガールズと入れ替わり、やっとカワイイ・フェスらしい雰囲気に。ステージ前は80%女子なので、ステージが良く見渡せる。前日に続きUnaが登場。持ち歌4曲をパフォーマンス。特にニュー・シングルのカップリング曲「スケーターガール」の♪スケボー・ボッ・ボッ♪というサビがツボ。

●Silent Siren


読者モデル出身バンド、Silent Siren(サイサイ)の原宿カワイイ女子の支持の高さは圧倒的。昨年末に体験した現場は男女半々で、どちらかと言えばアイドルノリ男子が目立っていたが、10カ月のうちに女子人気が急速に高まったことを実感する。デビュー以来のハピルン全開のステージは相変わらず元気いっぱい。場数を踏んだことでパフォーマンスへの自信と確信を持った4つの発光体は更なる高みを目指す。




●CREAM


最後の枠はJ-POP&バンド系SPECIAL LIVE。最初は1ヴォーカル&1MCからなるNEW J-POPユニットCREAM。ヒップホップ/ラップがJ-POPのセンターになったのがいつ頃なのか分からないが、スチャダラパーと小沢健二がマヘル・シャラル・ハシュ・バズもカヴァーした「今夜はブギーバック」をヒットさせた90年代に比べれば、ラッパーへの待遇が遥かに向上したのは間違いない。観客を踊らせ唱和させる流暢なラップとディーヴァ系女性ヴォーカルの組み合わせは、まさにJ-POP現在形を体現していた。




●ハナエ


存在としては南波志帆に似た非アイドルのソロ・シンガー、ハナエ。相対性理論が切り開いた新世代オルタナ・ポップの種子を宿しているが、オトナとコドモの中間の19歳のガジェット感覚溢れるアンバランスな存在感は唯一無二。シュールな歌詞とテクノな微笑で、聴き手のこころをワープさせる。




●Daichi


Daichiは全アーティスト中で唯一のピン男子。というか、シンガーでもミュージシャンでもないヒューマンビートボックスは、何処へ行ってもアウェー状態。生涯アウェー人生のDaichiにとっては起死回生は極自然の営みである。観るたびにため息モノの至高の芸術を旬のネタで聴かせる見事なパフォーマンスは、お金に代えることは出来ない最高のエンターテインメント。テレビやようつべで観ても凄さはわからない。是非とも現場で経験していただきたい。




●南波志帆
●ねごと

両者ともに二日連続出演。観客が多いこともあり、どちらもノリに乗ったステージを披露。南波ちゃんの不思議ぶりは5割増し。

●赤い公園


カワイイフェス@クエストホールのトリを務めるのは、原宿には殆ど来ることがないというオルタナ女子、赤い公園。変態チックであることが、好きな自分のままでいられる原宿スピリットにピッタリ。満場の観客から熱い歓声が起こる。彼女たちの強みは、予想不可能な展開の曲中に、覚えやすいポップなメロディーが貫かれていること、そして激しいアクションが独りよがりにならず、周りを巻き込む磁力を持っていること。後身のtricotにも通じるモダン・オルタナ精神が、時代のセンターになるのも時間の問題だろう。




   

[10/13追記]
★イベントすべての写真付レポートはコチラ

ハラジュクで
カワイイ人に
会いました

Freedommuneと並んで日本が世界に誇るべきフリー・フェスティバルである。
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