A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ファウスト+灰野敬二@中国 深センTOMORROW FESTIVAL 2016.5.14(sat)

2016年05月15日 12時44分01秒 | 灰野敬二さんのこと


TOMORROW FESTIVAL (明天音乐节)とは、2014年から中国深センのOCT-LOFTで毎年5月に開催されているノン・メインストリームの音楽フェスティバルである。

エクスペリメンタル、ロック、アヴァンギャルド、フリージャズ、ワールドミュージックといった様々なスタイルの音楽をカバーし、芸術的な視点と創造性を最も重視している。

Tomorrow(明日/中国語:明天)とは、精神的な方向性のことであり、新たなもの・新たな可能性への探究心に基づいたものである。

第3回TOMORROW FESTIVALはFeldermelder, OvO, Phew, Mamer, Zhang Dong, Li Jianhong, Pandit Narendra Mishra, Kushal Krishna, Wood Pushing Melon, faUSt, Keiji Haino, Brian Turner, Julien Perrin and Oliver Ackermannといった素晴らしいアーティストが出演する。
公式サイトより



香港から車で1時間の深セン(シンセン Shanzhen)は北京、上海、広州に続く中国第4の都市。古くからの港街で、中国で最初に海外に開放された都市だという(日本でいえば長崎か)。海外の文化が早くから取り入れられ、現在中国に於ける新しい文化の発信地となっている。この街でエクストリームな音楽フェスが3年に亘って開催されていることは、日本ではほとんど知られていない。これまでの出演者を見ると吉田達也、エリオット・シャープなど数組以外は名前も聞いたことのないアーティストばかり。中国はもちろん、フランス、ドイツ、アメリカ、チェコ、リトアニア、ロシアなど様々な国の先鋭的ミュージシャンが並んでいる。



中国ではオルタナティヴな音楽のファンは少なくないが、情報が限られており、実際にコンサートを見る機会が少ないので、ある意味飢餓状態にあるという。決して多数派ではないそういうファンが、中国各地から集まるTOMORROW FESTIVALは、深センの中心部の古い工場団地を再開発したファッショナブルなエリア(東京でいえば青山・表参道に似た雰囲気)の工場跡のビル1階の格納庫のようなホールで開催されている。



この日はドイツ・クラウトロックのオリジネーター、ファウスト:ジャン・エルヴェ・ペロン(vo,b,tp,perc)、ヴェルナー・ザッピ・ディーマイヤー(ds,perc)のオリジナル・メンバーに、2010年に加入したマキシム・マナック(key,g,perc)にゲストで灰野敬二(vo,g,electronics)が参加する特別編成のライヴ。会場には早くから開場を待つ観客の長い列ができる。ほとんどが2~30代の若者。男女半々くらい。



「Knitting Ladies/Blanket」と題されたコンサートは、ステージ上にセットされたソファーで3人の女性が編み物をする中で、ステーリー性のある楽曲が即興を交えて展開される演奏。プロジェクターに映し出された図形楽譜を観客に歌わせる参加型パフォーマンスや、ジャンがフランス語、灰野が日本語でダダの詩を歌うナンバー、コンクリートミキサーやガスボンベをパーカッションとして演奏するノイズ演奏を交えて、世界有数のエキセントリックバンド、ファウストの本領発揮の110分だった。



驚いたのは観客の熱狂ぶり。メンバーが登場しただけで大歓声があがり、演奏の節々でどよめいたり爆笑したり泣き叫んだり、前衛音楽というよりロック/ポップスのコンサートに近いリアクション。好きな音楽・好きなミュージシャンを生で体験できる歓びが会場全体にあふれていた。

faUSt with Keiji Haino live at B10 Live House in Shenzhen, China[2016/5/18追加]


中国で
極端音楽
初体験


faUSt(Jean Hervé Péron, Maxime Manac'h, Werner "Zappi" Diermaier), Keiji Haino, Knitting Ladies
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【でんぱ組あるところにカオ... | トップ | 灰野敬二/明天即興@中国 深... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
中国 ()
2016-05-15 22:02:13
灰野さん、中国に行かれたんですね。
レコード屋も廻ったのかな。

中国の音楽シーン、気になりますね。
返信する

コメントを投稿

灰野敬二さんのこと」カテゴリの最新記事