A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

フローリアン・ヴァルター/照内央晴/方波見智子/加藤綾子/田中奈美@入谷なってるハウス 2017.11.28 (tue)

2017年11月30日 01時43分10秒 | 素晴らしき変態音楽


“Florian Walter Improvised Session”
open 19:30 start 20:00
¥2000+1drink

Florian Walter (sax)
照内央晴 (p)
方波見智子 (marimba,percussion)
加藤綾子 (violin)
guest:田中奈美 (dance)

ドイツの即興サックス奏者Florian Walterの日本公演3日目東東京のフリージャズのメッカ・なってるハウスでの即興セッション。週末のイベントもいくつもりだが、対バン無しでたっぷり彼の演奏を聴ける機会である。主催者はピアニストの照内央晴。今年リリースしたアルバム『照内央晴 & 松本ちはや/哀しみさえも星となりて』が評判が良くライヴを観たいと思っていたので絶好のチャンスだった。初めて会うフローリアンは写真よりも男っぽい好男子。とても気さくにわかり易い英語で話してくれた。まず彼の本拠地はベルリンではなく、ドイツ西部のエッセンという人口約58万人の都市だとのこと。

*誤情報を確認もせず流してしまって申し訳ありませんでした。名前の発音はドイツ語/英語で異なる。本稿ではドイツ語読みのフローリアン・ワルターとしておくが、英語読みのフロリアン・ウォルターの方が馴染み易いかもしれない。照内氏もそう呼んでいた。
[12/3追記:本人にドイツ語の発音を確認したところ"フローリアン・ヴァイテァー”と聴こえる難しい発音だった。Wは"ヴ"と発音されるのは確かなのでヴァルターとに表記を変更した]


決して広くないなってるハウスのステージに設置された大きなマリンバが目を惹く。女性出演者が多いためかこの店にしては華やいだ雰囲気。一触即発の殺気立った即興のイメージは無いが、和んだ空気の中にも初顔合わせの緊張感が滲み出る。開演直前に決めた組み合わせによる数セットのセッションライヴである。

①フローリアン+方波見+加藤

(写真の撮影/掲載については主催者の許可を得ています。以下同)

最初は女性ふたりとフローリアンのトリオ。クラシック出身の二人の演奏はジャズとは異なる現代音楽的なクールな感性が漂う。フローリアンはブレス(息)の軋轢音、タンギングの破裂音、ドローンの持続音と物音プレイを聴かせる。音量や息づかいのコントロールが完璧。お互いに遠慮し合ったままで終わった感じもあるが、初共演の最初の一歩としては素晴らしい。

②フローリアン+照内+加藤


鍵盤、管楽器、弦楽のトリオ。照内は敢えて音数の少ないミニマムな要素を打ち出したプレイ。フローリアンはサックスベルにコップや異物えお入れて音色を変化させる。流暢なヴィオリンが突如として悪魔のメヌエットに転じ、足を踏み鳴らして髪振り乱す加藤の激情プレイに驚愕した。

③フローリアン+田中


最新アルバム『BRUIT - BOTANIK』で挑戦した物音サックス・ソロを思わせるシリアスなソロ演奏。緑の柄のワンピースに赤いベレー帽の田中が飛出してダンスとパフォーマンスを併せた踊りを舞うと、途端にステージが一転してポップなカラーに包まれる。ドイツでパフォーマーとのデュオ・ユニットをやっている彼らしく、国籍・性別関係なく異ジャンルコラボはお手のもの。

④全員


1stセットの最後は全員のセッション。ステージ外も使った演奏は、意外性と共にお互いの間に理解と共感が芽生えたことを伺わせた。照内の内部奏法を含むピアノ演奏の多彩さを堪能した。加藤は客席の椅子に座り激しくヴァイオリンを掻きむしった。

ここで休憩。出演者と観客、会場スタッフが所々で会話に花開く。方波見の顔に見覚えがあるな、と思って尋ねたら、今年5月に吉祥寺シルバーエレファントで観たプログレフォークバンド、まぼろしペイガンズのメンバーだった。元カトゥラ・トゥラーナ、ラクリモーザ等の齊藤千尋をはじめ、L.L.E.レーベルの関係アーティストが多数参加するバンドである。偶然の再会に運命的なものを感じた。

⑤方波見+加藤+田中


2ndセット最初は女子トリオの演奏。マリンバとヴァイオリンとダンスの組んず解れつは、方波見の素っ頓狂な歌に加藤が奇声で唱和する中でマリンバの下に潜り込む田中の意味不明のパフォーマンスが圧巻だった。

⑥フローリアン+照内+方波見→→→全員


1stセットの自己統制の箍を外した激烈サックスに鼓舞されマリンバとピアノも激情プレイで応えるハードコアな演奏が繰り広げられた。途中から加藤と田中が加わり全員セッションへ突入。演奏を終えた5人の充実した笑顔でわかるように、今回のセッションで育まれた自身と信頼に裏付けされた鮮烈なコラボレーションは、ドイツと日本の即興の架け橋と鳴るに違いない。

フローリアン
まだまだ続く
日本ツアー

Florian Walter Japan Tour 2017

●11月30日(木)大阪 ギャラリーノマル Gallery Nomart
『渡辺信子個展 関連Live:“Beyond”』
open 19:00 start 19:30
charge ¥1,500

Florian Walter (sax)
sara (.es /ドットエス) (p)

●12月2日(土)東京・高円寺 4TH
Florian Walter Japan Tour 2017 Presented by TVDinner
open:18:00
¥2,500/1D

Florian Walter
増渕顕史
UH(内田静男+橋本孝之)
SNH(Straytone+Nagata Kentaro+Horiguchi Ken)
川島誠&DSFAPLS

●12月3日(日)東京・東北沢 OTOOTO
“IL Hallucination vol.2”
Open15:00 / Start15:20
¥2,000yen (1drink include)

内田静男 × Kyosuke Terada
BEEATSZ v2.04321 (from Turkey) × 直江実樹
scum × GOVERNMENT ALPHA
La Belles Biologie (Les Belles Noiseuses + Biologie of the future)
Florian Walter (from Germany) × Cal Lyall

●12月10日(日)東京・高円寺 SEVEN STARS hair design NAKANO BASE 
「北斗一会vol.4」
20:00 open 20:30 start
charge ¥1000+1drink(ビール、ハイボール、アイスティ/all ¥200)

第一部 即興ライブ
Florian Walter(sax)*ドイツから来日中
玉響海月(エレクトロニクス)
玉響海星(ヴォイス)

第二部 ジャン・コクトーのモノローグによる創作舞踊「もんてかるろ」
李香蘭(ダンス)
玉城美伊奈(ダンス)
岡田千香子(サンプラー、語り)

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