けっしてハロウィン熱に浮かれた訳ではないし、クリスマスまで2か月しかないから焦った訳でもないが、10月24・25日の週末はフェス2連荘の狂乱に身を投じることとなった。中でも土曜日の『バンもんFes.』は8月頭のTIF2015以来のドルイベ。しかもでんぱ組.incが出演しないとくれば、いわば本カノエイミの目の届かない禁断のアヴァンチュール的な甘い誘惑である。余り冒険するタイプではない筆者でも、どんな出会いがあるのかワクテカ感に浮かれた足取りで、1年前のクリスマスイヴイヴの『カオスフェス2014』でエイミたちとクリぼっちの寂しさを紛らわせたのと偶然にも同じ現場の「新木場STUDIO COAST」へ向かった。
⇒【ノットボッチ…冬】「クリぼっち」の過ごし方:『カオス』と『ヲタ』と『フリージャズ』withでんぱ組.inc
*フェスにはロック・アーティストやDJ、ダンサーも多数出演しましたが、原稿テーマの性格上、すべて割愛させていただくことをご了承ください。けっして筆者がIDOLにしか興味がない訳ではありません(排他性の否定)。
バンドじゃないもん! presents『バンもん!Fes.』
SUPPORTED BY Village Vanguard
2015年10月24日(土)東京都 新木場STUDIO COAST
OPEN / START 14:00
<出演者>
バンドじゃないもん! / 妄想キャリブレーション / ゆるめるモ! / drop / POP / PassCode / THE HOOPERS / FLiP / 進行方向別通行区分 / cinema staff / SHAKALABBITS and more
足取り軽く辿り着いたSTUDIO COASTで最初に目にしたのは、バンドじゃないもん特典会に並ぶヲタの長蛇の列であった。折しも晴れ渡った青空に輝く太陽(エイミの顔が頭をよぎる)がギラギラ照らす10月にしては熱い日に「NOT BAND」(バンもん)「妄想族」(妄キャリ)「YMM」(ゆるめるモ!)などの文字がプリントされた色とりどりの衣装を身に着けたヲタどもは、思いのほか平均年齢が若く、且つ女子率が高い。たぶんロックインジャパンやイナヅマフェスやマグロックなどロックフェスの客層と左程変わらないのではなかろうか。連中の倍以上の人生経験を誇る(つまりヲヤジの)筆者だが、何食わぬ顔で列に紛れ込み、エイミ以外の女子との久々のツーショ接触に胸ときめかせて列が進むのを待った。10分、20分、30分、1時間経ちその間の移動距離は30メートルほど、乃ち時速30メートルの牛歩戦術か。その時「特典会参加券の配布は終了しました」と無情の声が。「ざけんな!オレの貴重な時間を返さんかい!」と激怒の叫びが上がることもなく、よくあることさとばかり大人しく三々五々立ち去るヲタどもの姿に、筆者よりも余命が三十年長い者の余裕が浮かんでいた。駅へ戻り軽い昼食に舌鼓を打ってから、ヲタ芸を打つためにSTUDIO COASTへ引き返したが、整理番号B268番が召喚され会場への立ち入りを許されるまでにさらに45分間の人生を無駄に過ごす結果となった。入場時に久々に「お目当ての出演者は?」と訊かれたので、「進行方向別通行区分」と(本心で)答えたら、係員が戸惑っていた。
物販コーナーではバンもんのチェキくじの販売が。でんぱ組では最近殆ど実施されないだけに、ぜひとも購入してバンもんでの推しメン「しおりん」こと恋汐りんごのチェキをゲットしたかったが、ここでもまた長蛇の列。こりゃたまらんとホールに入ると、最初の出演者POPのライヴが始まっていた。
●POP
元BiSのカミヤサキ、元いずこねこのミズタマリの2名ユニットとして2014年7月8日に結成。2015年5月31日にミズタマリの脱退を受け、イヌカイマアヤ、シグサワアオ、ヤママチミキ、ユメノユアの4人の新メンバーを加えグループ名を「POP-Period Of Plastic2Mercy-」に改名し、再始動。
えんじ色ジャージ姿の4人組?あれ?カミヤサキがいないぞ??事情が呑み込めず、もしや脱退?とスマホでググるが、ライヴ現場での慣れない検索は目的を達せず。自己紹介で一人のメンバーが「カミヤサキ役の○○です!」と挨拶したので、何らかの原因で欠席だろうと判断し、安堵に胸をなでおろした。音楽は集中出来ず覚えてない。
【OFFICIAL】POP『Plastic 2 mercy』(TIF2015)
●drop
日本ツインテール協会から誕生したアイドルユニット、≪drop≫。
全国で数百人もの美少女を撮りおろし、日本一美少女に精通する協会と称される【日本ツインテール協会】が満を持してアイドルのプロデュースに進出。『脳を焼くアイドル』をキャッチフレーズに、一度聴いたらリフレインしてしまうアイドルソングを発信します。
Drop'sファンにとっては紛らわしいユニット名だが、なんとなく気になる存在の3人組。基本ツインテは年齢不詳だが、dropは観るからに若い。しかしパフォーマンスは堂々としているし、dropヲタもたくさんいた。フロア後方ではブルーTのグループが激しいヲタ芸を打っている。
【OFFICIAL】drop『なんにもいらない』(TIF2015)
4人組バンドFLiPがストレートな王道女子ロックを放った後、セットチェンジの間に外へ出て特典会の様子を伺う。特典会場の入り口のフェンスが閉まり、その前に多数のヲタが屯(たむろ)っている。何をどうすれば誰と握手やチェキが出来るのかわからないまま、ホールへ戻るとPassCodeのライヴが始まったところ。
●PassCode
2014年3月結成、大阪発のグループ。バンドサウンドをベースとし、一曲を通して時にはポップやロック、時にはシャウトなどを多様したラウドな一面など、様々な変化をつけた先の読めない展開の楽曲を武器としている。パフォーマンスでは、ライブを通して一つのエンターテイメントとし、いかに盛り上げ楽しませるかを重視している。
というか、展開の激しい曲がほとんどメドレーでガンガン飛び出すので、曲の頭もメロディも聴き取れない。それに輪をかけてヲタの激しいモッシュやリフトが炸裂、前方ブロックは散々な状況。ヲタの頭や体や足越しに観るメンバーはかなりの美形に思われた。事前に曲を覚えておけば、モッシュしなくてももっと楽しめるだろう。
【OFFICIAL】PassCode『Toxic』(TIF2015)
●ゆるめるモ!
「つらい時には逃げてもいいんだよ」という内容の「逃げろ!!」をはじめ、傷を背負った者に寄り添う歌詞と、やりたい放題なサウンドの楽曲で窮屈な世の中をゆるめるために闘う個性派6人組。POLYSICSのハヤシが楽曲提供するなど、ジャンルレスな動きも話題に。
それに比べてゆるめるモ!たちの平和なことよ!。音源だけなら結構トンガったニューウェイヴのイメージがあるが、ライヴ現場は名前通りのゆるゆる和みのオーラがすごい。真逆の意味で過激かもしれない。特に誰かを推しているわけではなかったが、ステージを観ながらチェキを撮るならどの娘かな、と考えるのが楽しかった。主演映画も観なけりゃならん、と決意を固めた。
【OFFICIAL】ゆるめるモ!『逃げろ!!』(TIF2015)
楽しみにしていた進行方向別通行区分が毎度の嘗めた異形のパフォーマンスを見せたあと、今度こそチェキ会参加!と心に決めて特典会場へ。右の列はPassCode、左の列はゆるめるモ!、整理されていて初心者にも判り易い。モ!の列は2列あり、ひとつは参加券を持っている人のチェキ列、もう一つは参加券を手に入れるための物販列。物販列に並ぶが、此処でも再び牛歩戦術。今後野党議員はヲタ現場で修行するべきだろう。辛抱強く立ち続け、やっと「今日の推し」もねとのチェキ券をゲットするモ!、今度はチェキ列の苦行が待ち受けていた。妄キャリの出演予定時刻になり離脱するヲタが続出する中、初心貫徹待ち続けた筆者だが、努力の甲斐なく時間切れ。折角エイミの目を気にすることなく浮気できるチャンスをミスミス逃した上に、THE HOOPERSと妄想キャリブレーションは一瞥することすら適わなかった。二重の意味で絶望感に凹んだかと言えばそんなことは露ほども感じることなく、残りのライヴを楽しんだ。
●THE HOOPERS
7人組、ボーイッシュ・ガールズ・グループ!HOOP=輪。7つの輪が奏でる男性顔負けのアクロバティックなダンスと、女子ならではの際どいセクシーなパフォーマンスが魅力の、刺激的でCOOLな新世代グループ。2015年 3月4日、1st single 「イトシコイシ君恋シ」でメジャーデビュー!!
観てないので恐縮だが、ニコ生で観戦した知人によると、最前は女子ばかりでまるで宝塚の様相を呈していたという。女子率の高さの一因はこのユニットにあったに違いない。機会があれば風男塾との違いを検証してみたい。
【OFFICIAL】THE HOOPERS『GO!GO!ダンスが止まらナイ』(TIF2015)
●妄想キャリブレーション
秋葉原ディアステージから誕生した、胡桃沢まひる、桜野羽咲、双葉苗、星野にぁ、雨宮伊織、水城夢子の6名からなるアイドルユニット。秋葉原発の体育会系アイドル!?妄想コント!?まで飛び出すライブでは、アツいファンとの化学反応・彼女達の泥臭く、がむしゃらなパフォーマンスが見どころ!!みんなで夢に向かって妄想する、恋しちゃいそうなアイドル!彼女達の妄想はまだ始まったばかり!
でんぱ組の妹分、人気急上昇中。これもニコ生観覧者の情報によると、ステージ前はモッシュにリフトに横移動に、PassCode以上のカオスぶりだったとのこと。でんぱヲタの彼をして「妄キャリヲタは怖い」と言わしめるとは、どんな有様か、1月1日のワンマン公演で確認する価値はある。
【OFFICIAL】妄想キャリブレーション『魔法のジュース』(TIF2015)
●DJ汐りんご
オレ的バンもん推しメンDJしおりんを、丁度10ヶ月プラス1日前の「カオスフェス2014」で観て一目惚れした想い出の場所(2Fバルコニー)に立ってみたが、身体の火照りに耐え切れず、フロアへ降りて思う存分萌えケチャ発散。ぶりっ子なのか天然か神のみぞ知る未確認生物体なれど、カワイイ娘はカワイイ。続いて2年半前の初回カオスフェス(エイミのフリースタイルラップを目撃し、現在の推し関係に発展するきっかけとなったオレ的伝説イベ)以来のcinema staff、そしててっきりヒップホップと思い込んでいたSHAKALABBITS(女子ヴォーカルのオルタナスカパンク。かなり好きなタイプ。ヒップホップは「SHAKKAZOMBIE/シャカゾンビ」)を堪能し、いよいよ本日の主役の登場を最前ブロックの左端で待つ。
●バンドじゃないもん!
2011年初頭結成。幾度かのメンバーチェンジを経て、2014年より現メンバーにて活動開始。2015年には初の全国ツアーを行い着実にその名前を全国に拡げている。
3年前ドラムデュオ時代に新宿ロフトに観に行ったバンもんは、とりわけ好きとかいうわけではなかったが、やはり昨年のクリスマスイヴの『DEARSTAGE presents クリスマスライブ 2014 ~ あなたのサンタになれるかな♡ ~ supported by ヴィレッジヴァンガード』でいきなりカラフルな6人組になって再会し、心の底にジワリと刺激されるものを感じた。8月のTIF2015での激しいヲタの暴れっぷりに驚き、2ndアルバム『RE:START』の電波ソングやアニソンのようで違う激アツぶりに惚れた。そして再会から10ヶ月経ち、満を持して現場に立つオレってカッコいい。でんぱ組ほどコールやフリに決まりがないので、ほぼ初心者でも気にせず楽しめる。しおりんのパートででんぱ組キンブレの赤を点灯してケチャを繰り出しながら、思ってもみなかった重大な事実に気がつき背筋が凍る想いがした。バンもんの「ぐみてゃん」こと七星ぐみの担当色は「サディスティックブルー」こと水色。し・か・し!でんぱ組のキンブレには水色はないのだ!!!!ピンキーの青だと「ディープマリンブルー」担当の「ちゃんもも」こと天照大桃子の色になってしまう。つまりでんぱ組ヲタが七星ぐみを推すには、バンもんキンブレを購入するしか道はない、ということ。でんぱ組&バンもん「ぐみてゃん」推しの方を、ヲタ界の苦行僧と呼んであげては如何だろう。
【OFFICIAL】バンドじゃないもん!『タカトコタン Forever』(TIF2015)
ヲタ活を
週末やると
他に何も出来ない
バンドじゃないもん! / 「君の笑顔で世界がやばい」
週末アイドルフェス二日目『VAMPS HALLOWEEN PARTY 2015』@幕張メッセ(でんぱ組.inc出演)については近日包み隠さず晒すつもり。何か差し支えのある方は早めにご連絡ください。