A Challenge To Fate

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【追憶バンド奇譚】南半球の「笑う道化師」ラフィング・クラウンズと「玩具愛」トーイ・ラヴ

2015年05月13日 00時15分15秒 | ロッケンロール万歳!


日曜日のAnd Also The Trees公演の開演前SEのエレポップやポジティヴパンクやネオサイケを聴いていたら、オーストラリアのバンド最大のヒット曲「アンダー・ザ・ミルキーウェイ」が流れて、思わずオオッと心の中で拳を握った。近くでおしゃべりに興じていた元ニューウェイヴギャルらしきアラフォー女子グループの一人が「この声聴いたことがある、誰だっけ」と言い出した。心の中で「ザ・チャーチですよ!」と叫んでみたが勿論届く訳がない。他のおば...、否、女子が楽曲検索アプリで調べ「The Church?知らなーい」と言い放った。うーん、ヒットと言っても全米TOP40に入った程度だから知られてないのも当然といえば当然。80年代半ばにAATTと並んで偏愛したザ・チャーチのことを考えていたら、他にもオージー出身のお気に入りバンドを思い出した。AATTのライヴが懐古趣味とは無縁の光を放っていたのは確かだが、ノスタルジーを喚起したことも事実である。AATTやThe Churchと比較にならないくらい知名度の低い南半球の溺愛バンド二組を取り上げる。
【豪州ロック浪漫派】ザ・チャーチ~南半球のサイケデリック・ロック交響楽

●ラフィング・クラウンズ LAUGHING CLOWNS


82年10月、吉祥寺ダイヤ街コスモビル2Fから東急裏へ移転した輸入盤店「レコード舎」の新装開店セールで見つけたレコードの裏ジャケには、如何にもニューウェイヴ然とした男性5人のポートレイト。メンバークレジットにサックスと生ピアノが居るのが気になった。下手なキュビズム風イラストにも引っ掛かり500円ならいいかと購入。投げ槍なヴォーカルに奔放なピアノとフリーキーなサックスが絡む躍動的なロックサウンドは、ポジパンやネオサイケとはひと味違っていた。オーストラリア・シドニーにて1979年に人気パンク・バンド、ザ・セインツのギタリストだったエド・クエッパーを中心に結成されたポストパンク・バンド。フリージャズ、クラウトロック、ブルーグラスの要素を持った音世界はヨーロッパでも評価されイギリス盤もリリースされた。日本の雑誌でもレビューされたが、特に話題になった記憶はない。女性サックスが加わった80年代半ばの音源は、前衛と抒情が同居した独特のロマンティシズムの香りに彩られている。現在Fecebookにアーティストページがあり、当時の記事や写真が発掘されている。現地ではカルト的な人気を誇っている。


LAUGHING CLOWNS Official Facebook page



●トーイ・ラヴ TOY LOVE


オーストラリアの兄弟国ニュージーランドで1978年に結成された5人組。80年にアメリカのBOMPレコードから出たコンピLP『WAVE』に収録された「FROG」という曲で、カエルを真似たコミカル且つ実験的な演奏を聴き気になっていたところ、下北沢のレコファンで唯一のLPに遭遇し300円という破格値で購入。60年代ガレージ風のオルガンと演劇的なヴォーカルが光るプチ変態性サイケデリックロックは、レイン・パレードやドリーム・シンジケートなどペイズリー・アンダーグラウンドに通じる。筆者の知る限りではこのバンドを紹介したメディアは日本には殆ど無い筈。当時偏愛したことすら忘れていたら、一昨年に突然2枚組未発表曲集LPがリリースされて驚いた。ニュージーランドの隠れた名バンドとして再評価されているようだ。 


TOY LOVE Official Site

オーストと
ニュージーあれば
嬉しかれ

▼オージーロックの雄、ザ・チャーチ、2105年3月21日SXWXでのフルライヴ映像
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