A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

百鬼夜行の回想録~80'sインディーズ特集 第7回 魑魅魍魎編

2012年08月20日 00時42分47秒 | 素晴らしき変態音楽


今まで6回に亘ってレーベル/ジャンル別に80’sインディーズ音源を紹介してきたが、おそらく最終回となる今回は特定のテーマに分類できない雑多なアーティストをまとめて紹介してしまおう。当時購入したソノシートや7インチやカセットを記憶を頼りに集めてみた。

初めて買ったソノシートはスターリンの「電動こけし」だったと思うが、その次に購入したのがスティグマというバンドのソノシート。なぜ買ったのか定かではないが、黒字に赤青のスクリーンプリントのジャケットは自主制作にしては高級感があった。テクノ・ビートにノイズ・ギター、社会的な歌詞の硬派ニューウェイヴ。リリース元のアスピリン・レコードはゼルダや水玉消防団もリリースしており、後にバルコニー・レコードへ発展、FOOLS、ヒカシュー、暗黒大陸じゃがたら、D-DAY、コクシネルなどをリリースし有力インディー・レーベルとして活躍した。



仙台出身のバグダッド・ハネムーンは当時ぎゃていやラママに出演していた私の即興ユニットOTHER ROOMのパートナーの高島君が同郷で、彼から勧められたのだと思う。時代に先駆けてリズムマシーンTR808を使ったトーキング・ヘッズ風のひねくれたアヴァンポップ。EPもリリースしている。YouTubeには2002年と2007年のライヴ映像があり30年経ってもまだ活動していた(る?)ようである。



イコールというバンドのソノシートは型抜きの段ボールに挟まれていて豪華な作りだった。女性ヴォーカルのNo New York系ポストパンクで結構好きだった。Heat Heart Recordsというレーベルだったが、これ以外の作品はリリースされていないようだ。



こちらもレアなバンド。COMMUNE(コミューヌ)というトリオで私が知る限りではリリースは「REALITY」というカセット1本だけ。Autonomyというレーベルでバンドの連絡先は狛江市になっている。「REALITY」「FUCK」「SYSTEM」「CAPITALISM」という曲名や、ジャケットや歌詞カードに掲載されたアフリカ難民、飢餓、テロ、戦争の新聞記事・写真で判る通りかなり政治的なメッセージを持ったバンドだ。フリクションやミラーズ、PIL、ギャング・オブ・フォーを思わせる無機的なギター・ロックはなかなかカッコ良く、上手く行けばチャンス・オペレーションやパブロ・ピカソのような存在に成っていたかもしれない。



名古屋のなぞなぞ商会は八木康夫さんが「PIPCO’S」で紹介していたザッパ・フリークのバンドで、カセットを数本とLPを1枚リリースしている。東京でも何度かライヴをしたが、奇抜なメイクと衣装がアングラ演劇っぽく、ヴォーカルの遠藤豆千代氏が饂飩を客席に撒いたり、女性客をステージに上げて弄ぶなどの演出が面白かった。1983年に名古屋のライヴハウス、エレクトリック・レディ・ランドがリリースした2枚組LP「From Electric Lady Land」にも参加。聴けば判るが、インディーズとは思えない高い完成度を持った実力派だった。



横浜のロック喫茶“夢音”のレーベル、クラゲイル・レコードの第一弾、陰猟腐厭の「妥協せず」というソノシートは「フールズ・メイト」や「マーキー・ムーン」でも絶賛された。神奈川大学でトニー・コンラッドwithファウストのカヴァーを演奏中に乱入した学生運動家のアジ演説をエフェクトをかけてそのまま実況録音。頭脳警察や山下洋輔トリオもビックリの反体制派サウンド。未聴だがLPもリリースした。クラゲイル・レコードは”夢音”でのライヴ録音を100枚CDRでリリースしており、そこにも彼らの音源がかなり含まれている。とっくに解散したと思っていたら、この7月にキッド・アイラック・ホールに出演していて驚いた。残念ながら都合がつかず見逃したがまだ活動しているようだから観る機会はあるだろう。



インディーズ
辿って行けば
地獄巡り

こうしたインディーズのレア音源は誰かの押し入れにしまい込まれたまま死蔵されているに違いない。是非とも発掘して日の目を見せて欲しいものだ。

★読者限定特別付録:EP-4の1982年の未発表ライヴ音源がココで聴けます。


コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする