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クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

コメントはメーカー案内書より抜粋です。お問い合わせ:goodies2@pc.highway.ne.jp

08-05 No.10-1

2008年05月12日 22時02分46秒 | Weblog
<TESTAMENT>
SBT1425 \1850
ベートーヴェン:シュテファン王序曲 作品117
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58
ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調 作品90
ダニエル・アドニ(Pf)
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
指揮:オットー・クレンペラー
録音:1971年9月26日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール、
ライヴ録音(ステレオ)
丁寧にリリースを続けてきたテスタメントから、遂にクレンペラー最後のコン
サートが登場。秘蔵写真によるジャケットだけでも価値大のファン感涙のリリ
ース!
オットー・クレンペラーの娘であり音楽的財産の相続者であったロッテ・クレ
ンペラーの絶大なる信任を得ていたテスタメントは、彼女の死後も丁寧に丁寧
にこの20世紀最高の指揮者の音源を復元し、リリースを続けてきました。その
アイテム数はすでに25を数え(他にアナログ2タイトルもあり)特に、2005年に
発売した8枚組みの「ウィーン・フィルBOX」(SBT8 1365)は、こうしたヒストリ
カルでは異例中の異例、大ヒットとなりいまだロング・セラーを続けています。
先日、フェリアーとの「亡き子・・・」(SBT2 1422)をご案内したばかりです
が、今回遂に、70年代最大の伝説、ラスト・コンサートのリリースとなりまし
た。1971年9月26日。誰もが、まさかこれが最後のコンサートになるとは思って
いませんでした。「最後のコンサート」という考えから一番遠くにいたのは、
まさにクレンペラー本人だったのではないでしょうか。86歳という高齢ではあ
ったものの、この頃のクレンペラーの活動は大変充実しており、新しいものに
挑戦しようとする姿勢は逆に「若々しい」と形容したいほどでした。例えば、
同年に録音・公演した「コジ・ファン・トゥッテ」においてEMIのオファーを
跳ね返しマーガレット・プライスを起用したり、ニュー・フィルハーモニアに
マゼールを客演指揮者として招いたり、さらには楽団員のオーディションにま
で積極的に出席するといった姿は、次世代の音楽を創り出そうとする意欲に満
ち溢れています。
さらには、71-72年には多くのレコーディングも計画されています。EMIとは
ヴェルディのレクィエムやウェーバーの歌劇「オイリアンテ」、シベリウスの
交響曲第4番、オッフェンバックの歌劇「天国と地獄」など、さらにはなんと
ドイツ・グラモフォンとの密約があったとのことで、ベートーヴェンの大フー
ガやモーツァルトのセレナータ・ノットゥルナ、ブラームスのハイドン変奏曲、
そしてモーツァルトの歌劇「後宮からの誘拐」全曲までが予定されていました。
(それでも、クレンペラーの音楽活動を親密に支えてきたピアニスト兼作曲家
のオットー・フロイデンタールによると、“クレンペラーはレコーディングに
は興味がなかった。レコーディング・セッションはコンサートのためのリハー
サルだった”と語っています。)
1971年はクレンペラーにとって私的にも大変多忙でした。「コジ・ファン・
トゥッテ」のレコーディングと公演を終え、クレンペラーはヘブライ語の学習
を開始(!)、さらにはクーベリックにメトロポリタン歌劇場の音楽監督になら
ないようアドバイスしたりと八面六臂の大活躍!(なぜ、このアドバイスをした
のか、アドバイスしてると忙しくなるのか、その辺りは謎です。さらに、この
アドバイスをクーベリックは6ヶ月間しか守らず、結局メトの音楽監督に就任、
しかも2年しないで辞任します・・・)恩師マーラーの没後60年記念にロンドン
で「復活」を指揮し、ほかにもエルサレムでバッハとモーツァルトのコンサー
トを行いました。フロイデンタールの証言によれば、自作の歌劇「目的地」を
レコーディングするために、スコアを常に持ち歩いて作業をしていたのだとか。
そして9月にまたロンドンに戻りハイドンの第92番「オックスフォード」とセレ
ナード第11番K375をレコーディングします。「オックスフォード」をかつて演
奏会で演奏したことがなかったクレンペラーは、めずらしく非常に緊張してい
たとのことですが、セッションは非常にスムーズでした。この録音の頃、ニュ
ー・フィルハーモニアの若き団員たちがクレンペラーの弦楽四重奏曲第7番を
演奏するといったイヴェントもありました。
こうして迎えた26日のコンサートですが、ベートーヴェン、ブラームスといっ
た巨匠得意のプログラムで占められました。ピアノ協奏曲のソリストに選ばれ
たのは、1951年イスラエル生まれのピアニスト、ダニエル・アドニです。ペル
ルミュテールに師事し、1970年にロンドン・デビューを飾ったばかりでした。
これらの曲目では、序曲('59年)とブラームスの「第3番」('57年)がいずれも
フィルハーモニア管弦楽団とのスタジオ録音が残るくらいで、晩年のライヴの
登場には大いに興味が湧きます。またピアノ協奏曲では、これまでノヴァエス、
フライシャー、バレンボイムとの共演が知られ、テスタメントから発売された
アラウとの共演盤(SBT21351)も話題となりましたが、今回のアドニとの共演も
大きく期待されるところです。
正直申し上げて、今回ステレオでのリリースですが、音のよさでも大変話題と
なった前述「ウィーン・フィルBOX」と比較すると音質的には劣るとのこと。
これは残されているマスター・テープに起因することでいかんともしがたいの
ですが、それでも尚このリリースの価値を落とすものではありません。プライ
ヴェート・フォトによるジャケットだけでもファンにとっては感涙もの。これ
をクレンペラーの命日でもある7月上旬にリリース予定です。
そして、さらに嬉しいニュース!このリリースに併せて、ステレオ録音として
は初出の「さまよえるオランダ人」も発売予定となっており、こちらの注文書
も近くお届けできる予定です!




<MD+G>
64514062 \2080
プレイヤー・ピアノ Vol.6 ナンカロウの遺志を継ぐ者たち
ジェイムズ・テニー(1934-2006):
プレイヤー・ピアノのためのカノン、コンロン・ナンカロウのためのスペクト
ラル・カノン
トム・ジョンソン(1939年生ま):プレイヤー・ピアノのための習作
ダニエレ・ロンバルディ(1946年生まれ):
プレイヤー・ピアノのためのトッカータ
シュテッフェン・シュライアーマッハー(1960年生まれ):
プレイヤー・ピアノとプリペアド・プレイヤー・ピアノのための4つの小品、
プレイヤー・ピアノのための5つの小品
クシシュトフ・メイヤー(1943年生まれ):
2台のプレイヤー・ピアノとシンセサイザーのための放射する音
マルク=アンドレ・アムラン(1961年生まれ):
プレイヤー・ピアノのための5声のソルフェッジェット(C.P.E.バッハによる)、
ポップ・ミュージック?、2台のプレイヤー・ピアノのためのサーカス・ギャ
ロップ
アンピコ・ベーゼンドルファー・グランド・ピアノ、
アンピコ・フィッシャー・グランド・ピアノ
録音:2005年6月 ヴッパータール、イマヌエル教会
今を去ること百年前(1908年)、ブゾーニは「プレイヤー・ピアノ(自動ピアノ)
の未来の一つは、10本の指だけでは弾くことの出来ない音楽を演奏することで
ある」と喝破していました。その「予言」を現実にしたのがコンロン・ナンカ
ロウ。今やアンピコ・プレイヤー・ピアノはドナウエッシンゲン音楽祭などの
常連、現代音楽の重要なパーツとなりつつあります。
MDGのプレイヤー・ピアノ・シリーズ第6弾は、ナンカロウの切り開いた道を受
け継ぎ、生身の人間にはとうてい弾けない作品をプレイヤー・ピアノのために
書き下ろした作曲家に集まって頂きました。20世紀から21世紀の作品ですが、
演奏の至難さを追求し、音符を詰め込むことに傾倒した結果、音楽語法的には
意外にも聞き易い作品が揃っています。
中で注目はアムランの作品。豊富な演奏経験が作品にもユーモアとして生かさ
れています。最後に収められた「サーカス・ギャロップ」は、余りにも難しす
ぎてプレイヤー・ピアノ1台では弾きこなすことが出来ず、2台用に書き直した
(!)といういわくつきの作品です。聴いているうちに頭がクラクラしてトラン
ス状態になること請け合い!

34113082 \2080
モーツァルト:鍵盤作品全集Vol.8
主題 ハ長調 KV Anh.38(KV383c)、6つのドイツ舞曲 KV509
グルックの歌劇「メッカの巡礼」のアリエッタ「愚かな民の思うには」による
10の変奏曲 ト長調 KV455
コントルダンス「雷雨」KV534a
(以上、フォルテピアノ:B.&Th.ウォルフ1992年製作/ヨハン・シャンツ1795
年頃製作のモデルによる)
メヌエット ヘ長調 KV4(ナンネルルの音楽帳より)
クラヴィア小品 ヘ長調 KV15m、同 ハ長調 KV15n
メヌエット ヘ長調 KV5(ナンネルルの音楽帳より)、12のメヌエット KV176
クラヴィア小品 ヘ長調 KV15a、同 ハ長調 KV15b、同 ト長調 KV15c、
同 ニ長調 KV15d
(以上、クラヴィコード:A.ウィンクラー2003年に製作/.D.シードマイヤー
1796年製作のモデルによる)
クラヴィア小品 ヘ長調 KV15v
同 変ホ長調 KV32/14(「ガリマティアス・ムジクム」より)
ソナタ イ長調 KV331(300i)「トルコ行進曲付き」
(以上、チェンバロ:バーカッド・シューディ1771年製作のオリジナル)
ジークベルト・ランペ(フォルテピアノ、クラヴィコード、チェンバロ)
録音:2006年6月 ネーフェルス(スイス)、グラールス州立美術館フロイラー
・パラスト、
2007年3月 アリゾナ州立大学音楽学校カッツィン・コンサート・ホール
シュタイアーも真っ青?原型をとどめぬ「トルコ行進曲」で、ランペ、飛ん
じゃいました。
各方面でひそかに注目されているジークベルト・ランペのモーツァルト:鍵盤
作品全集の第8巻、今回の目玉は最後に収められた「トルコ行進曲」。このソ
ナタをランペはチェンバロで弾いています。理由は「1784年に『クラヴサンま
たはピアノフォルテのための3つのソナタ』の第2番として出版された時点では、
チェンバロの方が一般的だったから」(ランペ自筆のライナーより)。第1楽章
と第2楽章へのアプローチはいかにも「クラヴサン風」、つまりイネガルや装
飾を用いたフランス・バロック的な自由さを感じます。しかし白眉は第3楽章
「トルコ行進曲」。シュタイアーのものもインパクトがありましたが、ランペ
は「殿、ご乱心?!」と叫びたくなるほどの壊れっぷりで、前人未到の境地に
深く深く踏み込んでしまいました・・・。ともあれトラック18を聴いて下さ
い!別の曲のように聞こえる・・・ではなく、まさしく「別の曲」です、これ
は。原型を留めないほどだというのに、優美で繊細に聞こえるのはチェンバロ
の響きゆえでしょうか。
ちなみに「トルコ行進曲付き」ソナタでランペが使っているチェンバロは、ス
イスに生まれてロンドンで活躍した鍵盤楽器製作家バーカット・シューディが
1771年に製作したオリジナル。幼き日のモーツァルトが共にロンドンに旅した
際に、その才能に注目したシューディは、自分の楽器を次々にモーツァルトに
弾かせたそうです。録音に使われたのはC’からf”までの音域をカバーする大
型の楽器で、演奏中でもペダル操作でレジスターを変更できる新しいメカニズ
ムを備えています(通常のチェンバロは手で操作するので、鍵盤を弾きながら
レジスターを変えることは出来ません)。
そのロンドンへの旅路で書かれた小品集は、旅行に携行した楽器クラヴィコー
ドで演奏され、ウィーンやプラハで作曲された曲はウィーンのヨハン・シャン
ツが製作したフォルテピアノ(レプリカ)で演奏しています。楽器一つにもこう
したこだわりを持ち込むあたり、ランペ&MDGならではといえましょう。ゴー
ルド・カラー・ディスク仕様。

30114802 \2080
オンスロウ:九重奏曲、大七重奏曲
フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、ヴァイオリン、
ヴィオラ、チェロとコントラバスのための九重奏曲 イ短調 作品77
フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴット、コントラバスと
ピアノのための大七重奏曲 変ロ長調 作品79
コンソルティム・クラシクム(モダン楽器使用)
録音:2006年3月&12月 バート・アロルゼン
亡命英国貴族の父とフランス・オーヴェルニュ地方出身の母との間に生まれた
ジョルジュ・オンスロウ(1784-1853)は、早くから音楽の才能を発揮し、ドゥ
シェックにピアノを師事。後にパリでライヒャに和声法と対位法を学びつつ、
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの作品を筆写して研究しました。
生前は「フランスのベートーヴェン」とさえ呼ばれたオンスロウは、多種多様
な作品を残しています。初期では主にピアノ曲、中期では弦楽四重奏曲と五重
奏曲(特にチェロを2本使ったもの)が知られていますが、後期のオンスロウは、
当時目覚しい進歩を遂げていた管楽器に大いに興味をもって作曲しました。
ここに収められた2曲は、オンスロウ晩年の1848年と49年の作品です。曲調は
ロマンティックで悲劇的、英雄的。ベートーヴェンのようでもあり、シューベ
ルトのようでもあり、ピアノ・パートはショパンのようでもあります。すべて
の楽器を対等に扱い、常に旋律を歌い継がせてゆく書法は室内楽のお手本です
が、サウンドとしては室内「オーケストラ」というべき重厚な緻密さをもって
います。大七重奏曲もピアノ協奏曲のようです。
MDGの録音は、個々の楽器をピックアップせず、全体の響きの中でナチュラル
にブレンドさせるもので、作品の持っていたサウンドを伝えてくれます。大七
重奏曲のコントラバス・パートには、1978年のミュンヘン国際コンクール最高
位で、ヴュルツブルク音楽大学教授の文屋充徳が参加しています。ゴールド・
カラー・ディスク仕様。

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