クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

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08-09 No.16

2008年09月14日 15時52分52秒 | Weblog
<RCO Live>
RCO 08007(SACD-Hybrid) \2280
マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
マリス・ヤンソンス(指)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音:2007年10月18 & 21日、2008年1月16 & 17日
アムステルダム、コンセルトヘボウ(ライヴ)
ことし2008年11月、第6代首席指揮者として就任5年目に突入したヤンソンスと
ともに、RCOは楽団創立120周年の節目を迎えます。これを飾るRCO Live最新
アルバムはマーラーの第5番。マーラーこそは第2代首席指揮者メンゲルベル
クの時代より受け継がれてきた当オケの看板であり、アニヴァーサリーにあ
たりこれをおいてほかにないプログラムといえるでしょう。
ますます絶好調にあるヤンソンス初のマーラー第5。トランペット・ソロが高
らかに鳴り渡ったあと、葬送行進曲はいたずらにドロドロと重く引きずるで
もなく、未だ比較的淡々と進みます。けれども第2楽章になると全体が大きな
うねりを形作り、つづくスケルツォや、さらにロンド・フィナーレでは、動
と静、テンポが終始交替する内容がこの指揮者の本能を呼び覚ますのでしょ
うか、まぶしいくらいの躍動感が特徴的。
それでもやはり白眉はアダージェット。開始はじんわりと染み出すように、
やがて豊潤に押し寄せる、マーラー畢生というべき妖艶なる美の表現が閉じ
込められた音楽では、ディナーミクにアゴーギク、そして弦のポルタメント
が絶妙なバランス。大詰めではぐっとテンポを落としてきて、幾重にもビロ
ードの弦が織り重なり、爛熟の美を咲かせます。どことなく、かつてその指
揮ぶりで作曲者をも唸らせ、信頼も厚かったメンゲルベルクによる世界初録
音を彷彿とさせるようでもあり、もはや、どこまでも溺れてみたいという衝
動をおさえきれません。
いまあらためて、マーラーを取り上げるときにRCOが奏でる音色のこのうえな
い適性といったらどうでしょう。その証しとして、これまでにハイティンク、
シャイーと、歴代の首席指揮者たちとそれぞれ完成させてきた全集録音、ヤ
ンソンスでは第6番(RCO.6001)、第1番(RCO.7001)が最高の評価を獲得してき
ました。ヤンソンスによる新たな第5番もまた、RCOの誇る輝かしいマーラー
演奏の系譜がこれからもけっして揺るぎないことを物語る破格の出来栄えと
なっています。




<BBC LEGENDS>
BBCL 4248 \2180
ステレオ
(1)モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲
(2)マーラー:交響曲第4番ト長調
フェリシティ・ロット(S)
クルト・ザンデルリング(指)
BBCノーザン交響楽団
録音:1978年4月17日マンチェスター、BBCスタジオ
第9番(BBCL.4232)のカタログ復活につづいて、なんとザンデルリングによる
マーラー第4番がBBC LEGENDSに登場。音源そのものも完全初出、しかもザン
デルリング初のレパートリーとくれば、これは絶対見逃すことの出来ない内
容といえるでしょう。ザンデルリングのマーラーといえば、9番や10番が巨大
なアプローチでとりわけ人気を集めていますが、初期の作品であるこの4番で
も巨匠スタイルによる構えの大きさが際立っています。また、フィナーレを
彩るのは女王ロットというのも魅力。さらに、デモーニッシュな表現が凄み
をきかせる「ドン・ジョヴァンニ」も貴重なカップリング。いずれも音質良
好です。

BBCL 4244 \2180
ステレオ
モノラル(3)のみ
(1)エルガー:チェロ協奏曲ホ短調Op.85
(2)プリオー・レーニエ:チェロ協奏曲(1964)
(3)ラッブラ:チェロ・ソナタ ト短調Op.60
ジャクリーヌ・デュ・プレ(Vc)
イリス・デュ・プレ(P)
(1)サー・マルコム・サージェント(指)BBC交響楽団
(2)ノーマン・デル・マー(指)BBC交響楽団
録音:(1)(2)1964年9月3日ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール(ライヴ)
(3)1962年7月6日チェルトナム音楽祭(ライヴ)
エルガーとレーニエがBBCアーカイヴよりの復刻。デュ・プレにとってのエル
ガーとは、彼女の代名詞といえる魂の一曲。生涯を共にした銘器ダヴィドフ
より紡がれる嘆き節が胸を締め付けるプロムスでのライヴ。この曲の決定盤
に数えられるバルビローリとのスタジオ盤(1965年)より半年前にあたります。
ほかにカップリングも重要。南アフリカ出身の英国の作曲家レーニエ
(1903-1986)のコンチェルトは演奏時間20分ほど、デュ・プレ唯一の録音でこ
れが世界初演時のドキュメント。ただし、一説には彼女は技術的に困難なこ
の作品を嫌悪していたとも伝えられています。ラッブラのソナタはデュ・プ
レの師、ウィリアム・プリースに献呈されたもの。これはデュ・プレを愛す
るすべてのかたにとって宝物となることでしょう。

BBCL 4247 \2180
ステレオ
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第16番ニ長調KV.451
(2)同:ピアノ協奏曲第17番ト長調KV.453
(3)バルトーク:ピアノ協奏曲第2番Sz.95
ゲザ・アンダ(P)
(1)(2)ゲザ・アンダ(指)イギリス室内管弦楽団
(3)ピエール・ブーレーズ(指)BBC交響楽団
録音:(1)1968年11月28日BBCスタジオ
(2)1975年4月9日
(3)1973年12月5日以上ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
(ライヴ)
完全初出。ヴィルトォーゾ、アンダのきわめつけというべきモーツァルトと
バルトークの協奏曲ライヴが聴ける注目のアルバム。ハンガリー出身のアン
ダには音楽語法にも精通し、また同時代の音楽として身近であったバルトー
クですが、ここでの指揮はなんと若き日の鬼才ブーレーズ。この顔合わせに
興奮を覚えない方はいないでしょう。また、モーツァルテウム管との全集が
あまりにも有名な“弾き振りによるモーツァルト”は、いずれもそのスタジ
オ録音以降におこなわれたもの。もはや説明不要、ちょっとしたニュアンス
といい、この美しさはほかでは得がたいものです。

BBCL 4246 \2180
ステレオ
ブラームス:ドイツ・レクイエムOp.45
イレアナ・コトルバス(S) ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
エジンバラ国際音楽祭合唱団
カルロ・マリア・ジュリーニ(指)ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1978年8月26日エジンバラ、アッシャー・ホール(ライヴ)
ジュリーニのドイツ・レクイエムといえば、現状ではこれより9年後のウィー
ン・フィルとのライヴ盤を残すのみ。このたび重要性を鑑みてBBC LEGENDSが
リリースに踏み切りました。
1987年のライヴが73分を越えるのに対して、ここではおよそ68分と演奏時間
に5分もの違いがありますが、それでも遅めのテンポによる馥郁たる美はま
ぎれもなくジュリーニならではのもの。ソリストにはクレンペラー盤での歌
唱が知られるフィッシャー=ディースカウに、当時絶頂を迎えていたコトル
バス。さらには、こうした機会にジュリーニの起用も多かったエジンバラ音
楽祭合唱団が、ジョン・カーリーのもとベストを尽くしています。

BBCL 4245 \2180
モノラル
(1)ハイドン:ピアノ・ソナタ第49(44)番変ホ長調Hob.XVI-49
(2)プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第2番ニ短調Op.14
(3)同:ピアノ・ソナタ第8番変ロ長調Op.84「戦争ソナタ」
(4)同:束の間の幻影Op.22より第3、4、5、6、8、9、11、14、15 & 18番
(5)同:10の小品Op.12より第6曲「伝説」
スヴャトスラフ・リヒテル(P)
録音:1961年7月8日ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール(ライヴ)
1961年、前年に念願のアメリカ・デビューを果たしたリヒテルは、前半は国内
に留まりモスクワでの活動が中心でしたが、7月に入るとロンドンで集中的に
リサイタルをおこなっています。ちなみに、このライヴから数日後、10日に
ショパンとドビュッシー(BBCL.4021)や、コンドラシンとの共演で16日にショ
パンのアンダンテ・スピアナートと大ポロネーズを、18日にはリストの協奏曲
2曲(いずれもBBCL.4031)を演奏、これらの模様はすでにBBC LEGENDSよりCD化
されています。
この時期、リヒテルは英国でもまだまだ謎のヴェイルに包まれていた存在であ
り、リサイタルそのものが特別の事件でした。メインのプロコフィエフを目の
当たりにした当時の聴衆の衝撃たるや想像に難くありません。束の間の幻影を
のぞいて、すべて初出となります。




<PRAGA DIGITAL>
PRDDSD 250255(SACD-Hybrid) \2780
W.A.モーツァルト:フルート四重奏曲集&協奏曲
(1)ニ長調K.285(1777) (2)イ長調K.298(1787) 
(3)ハ長調KV. App.171/ 285b 
(4)ト長調K.285a(1778) (5)フルート協奏曲ト長調K.313(285c)(1778)
大嶋義実(Fl)
(1)-(4)コチアン弦楽四重奏団 
(5)パヴェル・フーラ(指)プラハ・カメラータ
録音:2007年10月&2008年2月
大嶋義実はプラハに生まれ、現在は京都市立芸術大学で教鞭をとる、フルート
界の重鎮。今回、大嶋によるモーツァルトの四重奏曲と名曲ト長調協奏曲がリ
リースされます。かっちりとした音楽作りながら、モーツァルトの瑞々しさを
あますところ堪能できる、会心の出来。音符のひとつひとつがピチピチと喜び
に溢れているような録音です。さすがベテラン、安心してモーツァルトの世界
に浸ることができます。(レコード芸術の海外盤試聴記ですでに紹介され、高
い評価を得ています)

PRDDSD 250243(SACD-Hybrid) \2780
フンメル(1778-1837):作品集
(1)序奏(アダージョ)、主題と変奏Op.102(オーボエ&オーケストラ)
(2)七重奏曲Op.74(1816)
(3)ファゴット協奏曲 ヘ長調
ヴラディスラフ・ボロフカ(Ob)、イヴァン・クランスキー(Pf)、
パヴェル・ラングパウル(Fg)
パヴェル・フーラ(指)チェコ・ノネット、プラハ・カメラータ
フンメルは、幼少の頃モーツァルトにも音楽の指導を受けた人物で、ヴァイオ
リンや鍵盤楽器に大変な才能を発揮した人物でした。交響曲を除くほとんどの
ジャンルに作品を残しており、初期ロマン派への道筋を作った人物ともいわれ
ます。そんな彼による七重奏曲は、ピアノを中心に、それぞれの楽器が大活躍
する作品。ファゴット協奏曲は、うるわしの管弦楽の序奏に続き、ファゴット
と管弦楽との美しいかけあい、そしてところどころに散りばめられた技巧が光
る名曲です。

PRD 350044 \2080
シュニトケ:(1)無伴奏合唱のためのコンツェルト (2)レクイエム
ヤロスラフ・ブリフ(指)
プラハ・フィルハーモニック合唱団
無伴奏合唱のためのコンツェルトは、雪に覆われた極寒のロシアを思わせる
分厚く、どこか荒涼とした響きが印象的な作品です。レクイエムは、静かに
始まりますが、曲ごとに、効果的な不協和音、トーンクラスターのような効
果などがみられます。また、「怒りの日」では、打楽器やオルガンがかき鳴
らされるなど、変化にとんだ作品となっています。





<PREISER>
PRCD 91126 \2080
カール・ミヒャエル・ツィーラー:クリスマス作品集
(1)Herreinspaziert!(op.518) (2)空に (3)公園ポルカ(op.78)
(4)いきな亡霊、序曲 (5)100000 Eljen!(op.396)
(6)ダンス-ポエジー(op.383) (7)Sei wieder guad(op.396)
(8)おおはしゃぎの家政婦(op.69) (9)古きウィーン(op.544)
(10)まさにウィーン的なもの(op.381) (11)コリブリ(op.199)
(12)若者のいたずら(op.461) (13)これこそ私に流れるウィーン人の血(op.367)
(14)ウィーンの空気(op.439)
カール・グレル、ハンス・シャーデナウアー(指)
レナート・グレル、ウィーン・ガルデムジーク弦楽オーケストラ、
ウィーン・ガルデムジーク弦楽四重奏団
ツィーラーによる器楽作品集。




<naive>
OP 30457 \2280
ヴィヴァルディ:チェロのための協奏曲集vol.2
(1)チェロ協奏曲ヘ長調RV 411
(2)チェロ協奏曲ハ短調RV 401
(3)チェロ協奏曲変ロ長調RV 408
(4)チェロ協奏曲ト短調RV 417
(5)チェロ協奏曲ハ長調RV 399
(6)チェロ協奏曲ニ長調RV 403
(7)チェロ協奏曲イ短調RV 422
クリストフ・コワン(Vc)
イル・ジャルディーノ・アルモニコ
ジョヴァンニ・アントニーニ(指)、
エンリコ・オノーフリ(コンサートマスター)
毎度毎度鮮烈なジャケットでおなじみのヴィヴァルディ・エディション、チェ
ロ協奏曲集の第2弾がついに登場します。ソリストのコワンはもとより、オケ、
指揮者も同じメンバーとくれば、期待しないわけにはいきません。ディスクの
冒頭から、ヴィヴァルディのオペラを思わせる、華やかで軽快、さっそうとし
た作品が耳に飛び込んできます。特に印象的なのが、3曲目のRV 408。
ヴィヴァルディお得意の変ホ長調でかかれており、シンプルな旋律でありなが
ら、実に洗練された伴奏がつけられています。ますますその芸に磨きがかかり
脂の乗ったコワン、また、瑞々しい音でアンサンブルを展開するイル・ジャル
ディーノ・アルモニコの面々に脱帽の、胸のすくような爽快な1枚です。




<TAHRA>
TAH 661 2枚組(1枚分価格) \2300
ブルックナー:交響曲第5番 変ロ長調
オイゲン・ヨッフム(指)アムステルダム・コンセルトヘボウ管
録音:1986年12月4日Live
その生涯に93回(因みにフルトヴェングラー 23回、カラヤン 28回)この曲を
指揮したヨッフムの最晩年(この3ヶ月後になくなりました)、アムステルダム
での最後の演奏会の貴重な記録。非常に優秀なステレオ録音。10年前にTAH247
という番号で発売され、絶賛されていましたが永らく廃盤でネットオークショ
ン等で高値で取引されていた名盤の待望の復活です。この1986年という年には
ヨッフムはコンセルトヘボウ管と来日しブルックナー7番の名演を残しました
(9月17日、人見記念 ALT17で発売中)。また10月にはチェリビダッケがミュ
ンヘンフィルと来日し5番の名演を残しています(10月22日サントリー ALT138
で発売中)。大物指揮者のブルックナーの当たり年だったようです。





<Edition HST>
HST-058 \2500
ヴァンハル(1739-1813);後期弦楽四重奏曲集
ハ短調Weinmann Va: c1 ( ca.1780 )
ハ長調op.33-1Weinmann Va: C7 ( ca.1785 )
ハイドン・シンフォ二エッタ トウキョウ:
【上保 朋子、秀川 みずえ(Vn)、福本 牧(Va)、高橋 義人(VC)】
録音:2008年 8月20日ライヴ録音
1771年イタリア留学後30才代になって、本格的の弦楽四重奏曲の作曲を開始し
たヴァンハル。この曲集op.4は、1779年独フンメル社より出版された。 ヴァ
ンハルの九番目の出版された弦楽四重奏集となる、一つの曲集が6曲セットで
あるから、49 ? 54番となる。(当時の作品番号op.は出版社が勝手に付けた整
理番号であり、強いて言えばフンメル社のヴァンハル作品第四番を意味する)
ヴァンハル自身100曲の弦楽四重奏曲を作曲したと伝記作家へ伝えている中で、
このハ短調四重奏曲はその作風から、1780年前後の作と推定される、ハ長調
はアルタリア社から1785年出版された最後の弦楽四重奏曲の第一番にあたる。

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