<Altara>
ALT 1014 \1650
ショパン:
ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
同第2番ヘ短調 Op.21
モーリッツ・ローゼンタール(Pf)、
フリーダー・ヴァイスマン(指)ベルリン国立歌劇場O
ヨゼフ・ホフマン(Pf)、
ジョン・バルビローリ(指)ニューヨーク・フィル
ポーランド放送所蔵の音源からの復刻。20世紀初頭に、世界屈指のピアニスト
と呼ばれたポーランドの名手ローゼンタールとホフマンによるショパンの協奏
曲集。リスト門下のローゼンタールは、若い頃恐るべき技巧と巨大な音響で鳴
らした巨匠。第1番は1931年、70歳近くのライヴ録音で枯淡の芸風ですが、終
楽章の終結部の音階を両手のユニゾンではなく、オクターヴで弾くという曲芸
を見せるなど往年の豪腕ぶりの片鱗がうかがえます。第2番は1936年のライヴ。
端整ながら艶のあるタッチ、異常なオーラに満ちたホフマンの魔術にひたれま
す。音質も上々。
ALT 1018 \1980
ハチャトゥリヤン:ピアノ協奏曲変ニ長調
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番 Op.102
アディンセル:ワルソー・コンチェルト
パトリック・ヤブロンスキー(Pf)、
ヴォイチェフ・ライスキ(指)ポーランド放送O
ペーテル・ヤブロンスキーの兄で、実力的には弟に勝るとも劣らぬパトリック
が、20世紀生まれの性格を異にする3篇のピアノ協奏曲に挑戦しました。打楽器
的でエキゾチックなハチャトゥリヤン、新古典的でシニカルなショスタコー
ヴィチ、正調映画音楽のワルソー・コンチェルトいずれも個性的。ポーランド
放送管も充実の名演。
ALT 1012 \1980
ステンハンマル:
晩夏の宵 Op.33
3つの幻想曲 Op.11
ピアノソナタ ト短調
スタッファン・シェーヤ(Pf)
スウェーデンを代表する作曲家ヴィルヘルム・ステンハンマル。自身が優れた
ピアニストだったため、彼のピアノ曲は演奏効果抜群。ブラームス風に真摯で
がっちりした音楽ですが、そこここに北欧的清涼感も漂います。BISレーベル
初期に活躍したスウェーデンの名手シェーヤが久々の新録音。円熟の至芸を味
わえます。
<naive>
V 5068 \2080
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」
チャイコフスキー:交響曲第4番
トゥガン・ソキエフ(指)
トゥールーズ・カピトール国立管弦楽団
トゥガン・ソキエフは1977年、ゲルギエフと同郷の北オセチアに生まれました。
ムーシン、テミルカーノフの下で学び、めきめきと頭角をあらわし、2003年、
アメリカのメトロポリタン歌劇場で「エフゲニー・オネーギン」を指揮、賞賛
の嵐となりました。そして2005年、28歳という若さでミシェル・プラッソンの
後継者としてトゥールーズ管の首席客演指揮者兼音楽アドヴァイザーに就任し
ています。初顔合わせの時から団員のハートをわしづかみにし、練習の際、指
揮台の椅子に座る様子だけでも団員を魅了したというおそろしいカリスマ性の
持ち主です。
ここで演奏している2曲は、ムソルグスキーの「展覧会の絵」と、チャイコフス
キーの第4番交響曲。ロシア人であるムソルグスキーの作品を、フランス系の
ラヴェルが編曲したものを、ロシア系のソキエフとバリバリのフランス・オケ
であるトゥールーズ管が演奏しているのは理想的なかたちであるといえます。
管楽器の明るい音色とソキエフの濃厚な音楽性が絶妙なブレンド具合です。つ
づくチャイコフスキーの第4番は、ソキエフがメトロポリタン歌劇場で華々し
いデビューを飾った得意の演目エフゲニー・オネーギンとまったく同時期に書
かれたもの。ソキエフの棒も冴え渡り、よくないはずがないと申せましょう。
ソキエフ、これからの活躍に期待大、要注目株の新人の登場です!
ソキエフは、2006年2月19日放送のNHK教育テレビ「芸術劇場」で、海外音楽情
報のコーナーで「俊英ソキエフの活躍」としてとりあげられました。オーケス
トラのマネージャーが、団員の意見の一致により、まだ若く実績も経験も豊富
とはいえないソキエフを抜擢して大正解であった、とソキエフを手放しで大絶
賛しています。
<harmonia mundi>
HMC 901884 \2250
ブラームス:交響曲第4番op.98ホ短調
シェーンベルク:管弦楽のための変奏曲op.31
ケント・ナガノ(指)
ベルリン・ドイツ交響楽団
2000年から6年間、ベルリン・ドイツ交響楽団の音楽監督をつとめたケント・ナ
ガノ。音楽監督としてハルモニアムンディレーベルに録音した最後の作品は、
ブラームスの第4番とシェーンベルク。毎回深い思慮に満ちた演奏を聞かせる
ケント・ナガノのブラームスの第4番は文句のない出来ばえです。第1楽章の冒
頭から、ただならぬ緊張感と集中力に満ちており、その空気は神々しささえ感
じさせます。つづくシェーンベルクの変奏曲も、オケの技量の高さ、そしてケ
ント・ナガノの構成力の確かさ、すべてが最高水準で、圧倒的な完成度です。
12音で書かれた作品ではありますが、細部にいたるまで巧みに色づけが施され
ており、あたたかみ、時に官能性すら感じさせる演奏です。ケント・ナガノは、
今後はバイエルン歌劇場とモントリオール交響楽団の音楽監督というポストを
得、あらたにその活動を展開させていくことになっています。また、ひきつづ
きベルリン・ドイツ交響楽団でも首席客演指揮者として演奏を重ねていくこと
となっています。
<SUPRAPHON>
SU 3882 \1750
ドヴォルザーク:組曲イ長調Op.98(B 190)
スーク:幻想的スケルツォOp.25
同:弦楽セレナード変ホ長調Op.6
ヤクブ・フルシャ(指)
プラハ・フィルハーモニア
さきの新日本フィルへの客演でも高い評価を得た、チェコ若手の最有望株フル
シャによるアルバム第2弾。ピアノ曲からの編曲でリリカルなドヴォルザーク
の組曲、そのドヴォルザークに通じる心を揺さぶるような美しさに彩られたス
ークのセレナード。各誌で絶賛を浴びたドヴォルザーク小品集(SU.3867)と
同様に無類の共感にあふれ、いまキャリアを駆け上がる時期ならではのみずみ
ずしい感性もききどころとなっています。
SU 3892 \1480
R.シュトラウス:ホルン協奏曲第1番変ホ長調Op.11
同:ホルン協奏曲第2番変ホ長調(1942)
フランツ・ヨゼフ・シュトラウス:ホルン協奏曲ハ短調Op.8
モーツァルト:ホルン協奏曲第2番変ホ長調K.417
ズデニェク・ティルシャル(Hrn)
イジー・ビエロフラーヴェク(指)プラハSO.
ヴァーツラフ・ノイマン(指)チェコPO.
録音:1979年9月22-26日プラハ、市庁舎スメタナ・ホール
1985年11月15日、1976年2月プラハ、ルドルフィヌム
チェコのズデニェク・ティルシャル(1945?2006)は弟べドジヒとともに“ティ
ルシャル兄弟”として日本にもファンの多いホルンの世界的名手。19歳でチェ
コ・フィルのオーディションを受けて入団、1968年には同オケの首席奏者に就
任しました。そののちはソリストとして、また教師としても活躍の場を広げる
いっぽう、その卓越した腕前によりたくさんのアルバムを作っています。この
ころ絶頂期を迎えていた彼による協奏曲集は、この2006年8月に急逝した彼の
至芸を偲ばせます。2006年最新マスタリング。
SU 3895 \1080
チャイコフスキー:
幻想序曲「ロメオとジュリエット」
交響曲第1番ト短調Op.13「冬の日の幻想」
ヴァーツラフ・スメターチェク(指)プラハSO.
録音:1963年4月29日、1961年6月22?24日
プラハ、ルドルフィヌム・ドヴォルザーク・ホール
今年2006年はチェコの名指揮者スメターチェク(1906-2006)にとって生誕100
年にあたると同時に、没後20年の節目の年。彼は1942年から72年までの30年間
プラハ交響楽団の首席指揮者を務め、レパートリーの拡充をはかるとともに同
オケを世界的な水準まで引き上げました。当コンビが残した数多くの録音の中
でも代表的なもののひとつである第1番は、スメターチェク唯一のチャイコフ
スキーの交響曲録音。ヴェテランらしい音楽運びのうまさとスラヴのオケによ
る独特の味わいが印象的。先に出た国内盤とはカップリングが異なり(ボロ
ディンの2番)、同じチャイコフスキーで統一されています。2006年の最新マ
スタリング。
<AVI-MUSIC>
4260085 530113 \2250
サン=サーンス:ロマンスOp.36
ジャン・フランセ:ディメルティメント
シャブリエ:ラルゲット
デュカス:ホルンとピアノのためのヴィラネル(田園詩)
サン=サーンス:ロマンスOp.67
プーランク:エレジー
ジェーン・ヴィネリ(1913-1974):ソナタOp.7
ブルーノ・シュナイダー(Hrn) エリック・ル・サージュ(P)
録音:2004年11月
元スイスロマンド首席ホルン奏者、現在フライブルク音楽大学教授で教鞭をと
るブルーノ・シュナイダー。日本のホルン奏者も数多く彼に師事しています。
ザビーネ・マイヤー管楽アンサンブルに参加、2003年のルツェルン音楽祭では
アバドと共演するなどソロ、室内楽ともに活躍しています。また共演のエリッ
ク・ル・サージュもサロン・ド・プロヴァンス音楽祭を主催し室内楽でも積極
的に活動を行っています。ホルンの独奏曲として代表的な「デュカスのヴィラ
ネル」と「プーランクのエレジー」など重要なレパートリーを収録。またデュ
カスに師事していたベルギー出身の「ヴィネリのソナタ」ヤ、チェロでも演奏
される機会の多いサン=サーンスのロマンス2作品を収録しています。ホルン
好きは必聴のアルバムです。
4260085 530489 \2250
ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番 ヘ短調 Op.5
クララ・シューマン:ロマンス 変ロ短調
ブラームス:4つの小品 Op.119
シェイラ・アーノルド(P)
録音:2004年9月27-30日
このアルバムは、ブラームスとクララ・シューマンの関係を2人の作品を通し
て描き出しています。
クララ・シューマンの「ロマンス」は、ブラームスに贈った作品。この作品の
主題はブラームスのピアノ・ソナタ第3番の第4楽章からとられています。静か
で切ない旋律から始まるこの曲は、力強く、スケールの大きいブラームスのソ
ナタと聴き比べると優しく繊細さに溢れています。ブラームスの4つの小品は、
3つの間奏曲と狂詩曲からなる作品です。クララはこの作品を「灰色の真珠の
ように貴重な曲」と語っているほど苦悩と憂いに満ちた曲です。
シェイラ・アーノルドは南インドのティルチラパリで生まれドイツ育ち。世界
で最も人気のあるピアノ指導者の一人カール=ハインツ・ケマーリングやハイ
ジ・ケーラーに師事。第12回 スペイン“ホセ・イトゥルビ”国際ピアノコン
クール入賞などドイツを中心に活躍しているピアニスト。
ALT 1014 \1650
ショパン:
ピアノ協奏曲第1番ホ短調 Op.11
同第2番ヘ短調 Op.21
モーリッツ・ローゼンタール(Pf)、
フリーダー・ヴァイスマン(指)ベルリン国立歌劇場O
ヨゼフ・ホフマン(Pf)、
ジョン・バルビローリ(指)ニューヨーク・フィル
ポーランド放送所蔵の音源からの復刻。20世紀初頭に、世界屈指のピアニスト
と呼ばれたポーランドの名手ローゼンタールとホフマンによるショパンの協奏
曲集。リスト門下のローゼンタールは、若い頃恐るべき技巧と巨大な音響で鳴
らした巨匠。第1番は1931年、70歳近くのライヴ録音で枯淡の芸風ですが、終
楽章の終結部の音階を両手のユニゾンではなく、オクターヴで弾くという曲芸
を見せるなど往年の豪腕ぶりの片鱗がうかがえます。第2番は1936年のライヴ。
端整ながら艶のあるタッチ、異常なオーラに満ちたホフマンの魔術にひたれま
す。音質も上々。
ALT 1018 \1980
ハチャトゥリヤン:ピアノ協奏曲変ニ長調
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番 Op.102
アディンセル:ワルソー・コンチェルト
パトリック・ヤブロンスキー(Pf)、
ヴォイチェフ・ライスキ(指)ポーランド放送O
ペーテル・ヤブロンスキーの兄で、実力的には弟に勝るとも劣らぬパトリック
が、20世紀生まれの性格を異にする3篇のピアノ協奏曲に挑戦しました。打楽器
的でエキゾチックなハチャトゥリヤン、新古典的でシニカルなショスタコー
ヴィチ、正調映画音楽のワルソー・コンチェルトいずれも個性的。ポーランド
放送管も充実の名演。
ALT 1012 \1980
ステンハンマル:
晩夏の宵 Op.33
3つの幻想曲 Op.11
ピアノソナタ ト短調
スタッファン・シェーヤ(Pf)
スウェーデンを代表する作曲家ヴィルヘルム・ステンハンマル。自身が優れた
ピアニストだったため、彼のピアノ曲は演奏効果抜群。ブラームス風に真摯で
がっちりした音楽ですが、そこここに北欧的清涼感も漂います。BISレーベル
初期に活躍したスウェーデンの名手シェーヤが久々の新録音。円熟の至芸を味
わえます。
<naive>
V 5068 \2080
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」
チャイコフスキー:交響曲第4番
トゥガン・ソキエフ(指)
トゥールーズ・カピトール国立管弦楽団
トゥガン・ソキエフは1977年、ゲルギエフと同郷の北オセチアに生まれました。
ムーシン、テミルカーノフの下で学び、めきめきと頭角をあらわし、2003年、
アメリカのメトロポリタン歌劇場で「エフゲニー・オネーギン」を指揮、賞賛
の嵐となりました。そして2005年、28歳という若さでミシェル・プラッソンの
後継者としてトゥールーズ管の首席客演指揮者兼音楽アドヴァイザーに就任し
ています。初顔合わせの時から団員のハートをわしづかみにし、練習の際、指
揮台の椅子に座る様子だけでも団員を魅了したというおそろしいカリスマ性の
持ち主です。
ここで演奏している2曲は、ムソルグスキーの「展覧会の絵」と、チャイコフス
キーの第4番交響曲。ロシア人であるムソルグスキーの作品を、フランス系の
ラヴェルが編曲したものを、ロシア系のソキエフとバリバリのフランス・オケ
であるトゥールーズ管が演奏しているのは理想的なかたちであるといえます。
管楽器の明るい音色とソキエフの濃厚な音楽性が絶妙なブレンド具合です。つ
づくチャイコフスキーの第4番は、ソキエフがメトロポリタン歌劇場で華々し
いデビューを飾った得意の演目エフゲニー・オネーギンとまったく同時期に書
かれたもの。ソキエフの棒も冴え渡り、よくないはずがないと申せましょう。
ソキエフ、これからの活躍に期待大、要注目株の新人の登場です!
ソキエフは、2006年2月19日放送のNHK教育テレビ「芸術劇場」で、海外音楽情
報のコーナーで「俊英ソキエフの活躍」としてとりあげられました。オーケス
トラのマネージャーが、団員の意見の一致により、まだ若く実績も経験も豊富
とはいえないソキエフを抜擢して大正解であった、とソキエフを手放しで大絶
賛しています。
<harmonia mundi>
HMC 901884 \2250
ブラームス:交響曲第4番op.98ホ短調
シェーンベルク:管弦楽のための変奏曲op.31
ケント・ナガノ(指)
ベルリン・ドイツ交響楽団
2000年から6年間、ベルリン・ドイツ交響楽団の音楽監督をつとめたケント・ナ
ガノ。音楽監督としてハルモニアムンディレーベルに録音した最後の作品は、
ブラームスの第4番とシェーンベルク。毎回深い思慮に満ちた演奏を聞かせる
ケント・ナガノのブラームスの第4番は文句のない出来ばえです。第1楽章の冒
頭から、ただならぬ緊張感と集中力に満ちており、その空気は神々しささえ感
じさせます。つづくシェーンベルクの変奏曲も、オケの技量の高さ、そしてケ
ント・ナガノの構成力の確かさ、すべてが最高水準で、圧倒的な完成度です。
12音で書かれた作品ではありますが、細部にいたるまで巧みに色づけが施され
ており、あたたかみ、時に官能性すら感じさせる演奏です。ケント・ナガノは、
今後はバイエルン歌劇場とモントリオール交響楽団の音楽監督というポストを
得、あらたにその活動を展開させていくことになっています。また、ひきつづ
きベルリン・ドイツ交響楽団でも首席客演指揮者として演奏を重ねていくこと
となっています。
<SUPRAPHON>
SU 3882 \1750
ドヴォルザーク:組曲イ長調Op.98(B 190)
スーク:幻想的スケルツォOp.25
同:弦楽セレナード変ホ長調Op.6
ヤクブ・フルシャ(指)
プラハ・フィルハーモニア
さきの新日本フィルへの客演でも高い評価を得た、チェコ若手の最有望株フル
シャによるアルバム第2弾。ピアノ曲からの編曲でリリカルなドヴォルザーク
の組曲、そのドヴォルザークに通じる心を揺さぶるような美しさに彩られたス
ークのセレナード。各誌で絶賛を浴びたドヴォルザーク小品集(SU.3867)と
同様に無類の共感にあふれ、いまキャリアを駆け上がる時期ならではのみずみ
ずしい感性もききどころとなっています。
SU 3892 \1480
R.シュトラウス:ホルン協奏曲第1番変ホ長調Op.11
同:ホルン協奏曲第2番変ホ長調(1942)
フランツ・ヨゼフ・シュトラウス:ホルン協奏曲ハ短調Op.8
モーツァルト:ホルン協奏曲第2番変ホ長調K.417
ズデニェク・ティルシャル(Hrn)
イジー・ビエロフラーヴェク(指)プラハSO.
ヴァーツラフ・ノイマン(指)チェコPO.
録音:1979年9月22-26日プラハ、市庁舎スメタナ・ホール
1985年11月15日、1976年2月プラハ、ルドルフィヌム
チェコのズデニェク・ティルシャル(1945?2006)は弟べドジヒとともに“ティ
ルシャル兄弟”として日本にもファンの多いホルンの世界的名手。19歳でチェ
コ・フィルのオーディションを受けて入団、1968年には同オケの首席奏者に就
任しました。そののちはソリストとして、また教師としても活躍の場を広げる
いっぽう、その卓越した腕前によりたくさんのアルバムを作っています。この
ころ絶頂期を迎えていた彼による協奏曲集は、この2006年8月に急逝した彼の
至芸を偲ばせます。2006年最新マスタリング。
SU 3895 \1080
チャイコフスキー:
幻想序曲「ロメオとジュリエット」
交響曲第1番ト短調Op.13「冬の日の幻想」
ヴァーツラフ・スメターチェク(指)プラハSO.
録音:1963年4月29日、1961年6月22?24日
プラハ、ルドルフィヌム・ドヴォルザーク・ホール
今年2006年はチェコの名指揮者スメターチェク(1906-2006)にとって生誕100
年にあたると同時に、没後20年の節目の年。彼は1942年から72年までの30年間
プラハ交響楽団の首席指揮者を務め、レパートリーの拡充をはかるとともに同
オケを世界的な水準まで引き上げました。当コンビが残した数多くの録音の中
でも代表的なもののひとつである第1番は、スメターチェク唯一のチャイコフ
スキーの交響曲録音。ヴェテランらしい音楽運びのうまさとスラヴのオケによ
る独特の味わいが印象的。先に出た国内盤とはカップリングが異なり(ボロ
ディンの2番)、同じチャイコフスキーで統一されています。2006年の最新マ
スタリング。
<AVI-MUSIC>
4260085 530113 \2250
サン=サーンス:ロマンスOp.36
ジャン・フランセ:ディメルティメント
シャブリエ:ラルゲット
デュカス:ホルンとピアノのためのヴィラネル(田園詩)
サン=サーンス:ロマンスOp.67
プーランク:エレジー
ジェーン・ヴィネリ(1913-1974):ソナタOp.7
ブルーノ・シュナイダー(Hrn) エリック・ル・サージュ(P)
録音:2004年11月
元スイスロマンド首席ホルン奏者、現在フライブルク音楽大学教授で教鞭をと
るブルーノ・シュナイダー。日本のホルン奏者も数多く彼に師事しています。
ザビーネ・マイヤー管楽アンサンブルに参加、2003年のルツェルン音楽祭では
アバドと共演するなどソロ、室内楽ともに活躍しています。また共演のエリッ
ク・ル・サージュもサロン・ド・プロヴァンス音楽祭を主催し室内楽でも積極
的に活動を行っています。ホルンの独奏曲として代表的な「デュカスのヴィラ
ネル」と「プーランクのエレジー」など重要なレパートリーを収録。またデュ
カスに師事していたベルギー出身の「ヴィネリのソナタ」ヤ、チェロでも演奏
される機会の多いサン=サーンスのロマンス2作品を収録しています。ホルン
好きは必聴のアルバムです。
4260085 530489 \2250
ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番 ヘ短調 Op.5
クララ・シューマン:ロマンス 変ロ短調
ブラームス:4つの小品 Op.119
シェイラ・アーノルド(P)
録音:2004年9月27-30日
このアルバムは、ブラームスとクララ・シューマンの関係を2人の作品を通し
て描き出しています。
クララ・シューマンの「ロマンス」は、ブラームスに贈った作品。この作品の
主題はブラームスのピアノ・ソナタ第3番の第4楽章からとられています。静か
で切ない旋律から始まるこの曲は、力強く、スケールの大きいブラームスのソ
ナタと聴き比べると優しく繊細さに溢れています。ブラームスの4つの小品は、
3つの間奏曲と狂詩曲からなる作品です。クララはこの作品を「灰色の真珠の
ように貴重な曲」と語っているほど苦悩と憂いに満ちた曲です。
シェイラ・アーノルドは南インドのティルチラパリで生まれドイツ育ち。世界
で最も人気のあるピアノ指導者の一人カール=ハインツ・ケマーリングやハイ
ジ・ケーラーに師事。第12回 スペイン“ホセ・イトゥルビ”国際ピアノコン
クール入賞などドイツを中心に活躍しているピアニスト。