<BIS>
BIS SA 1976(SACD-Hybrid) ¥2500
ドヴォルザーク:
(1)交響曲第8番ト長調Op.88
(2)交響詩「金の紡ぎ車」Op.109
(3)スケルツォ・カプリッチョーソOp.66
クラウス・ペーター・フロール指揮マレーシア・フィル
[録音:2010年9月、2011年7月/デワン・フィルハーモニク・ペトロナス・
ホール(クアラルンプール(マレーシア)]
爆演系で人気のマレーシア・フィルによるドヴォルザーク、待望の第2弾は交
響曲第8番。ドヴォルザークの交響曲の中で最もさわやかな魅力に満ちた作品
ですが、フロールの解釈ではマーラーへの近似が感じられ興味津々。さらに興
味深いのが交響詩「金の紡ぎ車」。カレル・エルベンの詩に基づき、欲に目の
くらんだ継母によりバラバラ殺人される少女と、魔法使いによる再生、切断さ
れた片足を隠し持つ義姉などを描いた、童話的なタイトルとはほど遠い猟奇的
内容の作品。フロールとマレーシア・フィルが不気味に演じます。
BIS SA 1993(SACD-Hybrid) ¥2500
トルミス:
(1)嵐の海への呪文/(2)我らはもう一度出現するだろう
(3)私は美しい言葉を3つ持っている/(4)四旬節の歌/(5)雷への連?
(6)ヴィルの誓い/(7)幼時の思い出/(8)鉄への呪い/(9)古代の海に寄せる歌
(10)ハムレットの歌/(11)二連画
セシーリア・リューディンゲル・アリーン(指、シャーマン太鼓)
オルフェイ・ドレンガル男声合唱団
[録音:2012年2月/ウプサラ大学ホール(スウェーデン)]
エストニアの作曲家ヴェリヨ・トルミス(1930-)の名は、わが国でも合唱界で
広く知られています。彼の合唱作品はエストニアの伝承音楽に基づくものが多
く、独特の音世界を作り上げています。代表作の「鉄への呪い」は1972年の作
ですが、そのあふれる原始的シャーマニズムゆえソ連時代は演奏禁止とされて
いました。ほとんどワールドミュージックのようで、伊福部昭の声楽作品を思
わす骨太な霊的エネルギーに満ち溢れています。スウェーデンの名門合唱団オ
ルフェイ・ドレンガルは驚きの巧さで、決定盤の風格を示しています。女性指
揮者セシーリア・リューディンゲル・アリーンは自らシャーマン太鼓を打ち鳴
らし、巫女的存在も担っています。
BIS 1855 ¥2380
18世紀フランスのトリオ・ソナタ
(1)クープラン:神聖ローマ帝国の人々
(2)ドレ:ソナタ ト短調Op.1の6
(3)ルクレール:ソナタ第3番ト短調Op.13の6
(4)ボワモルティエ:トリオ ホ短調Op.32の2
(5)ギニヨン:ソナタ ニ長調Op.4の2
ロンドン・バロック
[録音:2010年10月/セント・マーティン教会(ハンプシャー)]
大ベテラン、ロンドン・バロックの最新録音は、「17世紀フランスのトリオ・
ソナタ」(BIS 1855)に続くフランス作品集。今回はフランソワ・クープラン、
ルクレールなどフランス・バロックの魅力を最大限に持つ作曲家を集めていま
す。ロンドン・バロックの老練な巧さはまさに神業。夏にぴったりの爽やかな
世界を楽しめます。
BIS 1899 ¥2380
イタリアのキタローネ・ヴィルトゥオーゾたち
(1)カプスペルガー(カプスベルガー):
アルペッジアータ/カンツォーナ/ベルガマスカ/カナリオ/パッサカリア
/トッカータ/二部によるガリアルダ/
三部によるコレンテ/前奏曲/トッカータ/カポーナ/コラシオーネ
/カプスペルガー
(2)カスタルディ:
ペガサス・ファンタジー/アルペスカ・ガリアルダ/チェッキーナ・コレンテ
/お気に入りの旋法によるアルペッジアータ/半音階的コレンテ
/ラ・フォリア/狂乱のコレンテ
(3)ピッチニーニ:
半音階的トッカータ/変奏部付きロマネスカ/コレンテ/トッカータ
/ラ・フォリアによる変奏的パルティータ/
フィオレンツェの歌/コレンテ
ヤコブ・リンドベルイ(キタローネ)
[録音:2011年3月/レンナ教会(スウェーデン)]
リュートの名手ヤコブ・リンドベルイがキタローネに挑戦しました。キタロー
ネはリュート族の低音楽器で、長いネックが特徴。その長さは160cmを超え、
弦は16本という巨大な体躯から発せられる音は深みに満ち、表情豊か。オー
ディオ効果も抜群です。このアルバムはキタローネがもてはやされた1604年か
ら1640年の名手たちによる作品が集められています。ドイツ人ヨハン・カプス
ベルガーはイタリアに渡りジョヴァンニ・カプスペルガーと名乗り、キタロー
ネの名手として名を成しました。いずれの曲も典雅ながら琵琶を想わせる寂寥
感も漂い、日本人の琴線に触れる感性です。
BIS 1846 ¥2380
コシュキン:
(1)メガロン協奏曲(2005)
(2)ギター五重奏曲(2004)
(3)リステッソ・テンポ(チェロとギターのための)(2010)
(4)ポルカ・パパンドレウ(ギターと弦楽オケのための)(2006)
エレナ・パパンドレウ(Guit)
ラン・シュイ(指)
シンガポール交響楽団、ニュー・ヘレニックSQ、
アンゲロス・リャカキス(Vc)
[録音:協奏作品2009年8月/エスプラネード・コンサートホール(シンガポール)、
室内楽2010年10月/ミトロプーロス・ホール(アテネ)]
1956年生まれのロシアのギタリスト兼作曲家ニキータ・コシュキン。近年はギ
リシャの女流ギタリスト、エレナ・パパンドレウとのコラボで興味深い作品を
続々と生み出しています。彼の作風は現代ロシア的ながら、幼時より親しんだ
ポップスやロックの影響も受けた親しみやすさに満ち、さらにユーモアとパロ
ディのセンスにも溢れています。大作「メガロン協奏曲」はアテネのコンサー
トホールの委嘱で生まれた作品。メガロンとは古代ギリシャの建築様式で、コ
シュキンは古代ギリシャの音楽と近代の西洋音楽を対話させています。
BIS 1884 ¥2380
(1)HK.グルーバー:3つのMOB小品(トランペットと室内管版)
(2)同:バスキング
(トランペット、アコーディオン、バンジョーと弦楽オケのための)
(3)シュヴァーツィク:ディヴェルティメント・マッキアートOp.99(2007)
ホーカン・ハーデンベルガー(Trp)、HK.グルーバー(指)スウェーデン室内管、
マッツ・ベリストレム(バンジョー)、クラウディア・ブデル(アコーディオン)
[録音:2009年5、11、12月/エレブルー・コンサートホール(スウェーデン)]
新ウィーン楽派に続く第3次ウィーン楽派を代表するふたりの作曲家HK.グルー
バーとクルト・シュヴァーツィク。彼らのトランペットのための協奏作品をハ
ーデンベルガーが演奏した超豪華アルバム。と言っても難解な音楽ではなく、
ポップスの影響濃いコラージュ風な手法にバンジョーやアコーディオンも響き
ます。シュヴァーツィクのモーツァルト風マーラーといったスタイルも面白さ
満点です。
<ARTE DELL'ARCO JAPAN>
ADJ 009 ¥2450
ドメニコ・ガブリエリ:チェロ作品全集
(1)チェロ・ソナタ ト長調
(2)無伴奏チェロのリチェルカーレ全7曲
(3)2つのチェロのためのカノン
(4)チェロ・ソナタ イ長調
(5)チェロ・ソナタ ト長調(異稿)
鈴木秀美(Vc) エマニュエル・バルサ(Vc) 大塚直哉(Cemb)
録音:2003年11月秩父ミューズパーク音楽堂
自身がチェロ奏者だった1651年生まれの天才ガブリエリ。チェロのために史上
初めて書かれた作品を全て網羅。あまりの曲の面白さにびっくり。さすが秀美
氏のバロック・チェロ。高いボルテ-ジで凄いテンションで弾き切っています。
美しい曲あり、前衛風の曲ありで、全く飽きさせません。今まで録音があまり
無かったのが不思議。39 才で世を去った天才の作品をバロック・チェロの王
者、鈴木秀美が見事に甦らせました。(TDKAD-009の再発売商品)
アルテ・デラルコ(弓の芸術)
チェロ奏者/指揮者の鈴木秀美が、自らプロデュース。主宰するオーケストラ
・リベラ・クラシカ、自身のソロ、また声楽アンサンブル、ラ・フォンテヴェ
ルデなどのCDをリリースする期待のレーベルです。
<2L>
2L 082SABD (SACD Hybrid+Pure Audio Blu-ray) ¥3650
DXD録音(24bit/352.8kHz)
[SACD]
PSD 5.1 surround/stereo
[Pure Audio Blu-ray]
5.1 surround DTS HD MA(24bit/192kHz),
2.0 LPCM(24bit/192kHz)
+mShuttle:FLAC 96kHz + MP3
オーラ・ヤイロ(1978-):ピアノ即興
愛と慈しみのあるところ/なんと美しいかたマリアさま
プレリュード(3台のピアノのための)/メリベル/ スサンネ
セブンエイト(3台のピアノのための)/ダークブルー/サンタモニカ
ネブラスカ(2台のピアノのための)/湖/雲のない(3台のピアノのための)
ライトブルー/グレートプレーンズ/バッハ・ファンタジー
ビルトモア・シュライン/リトルロック/コラール/心からの
オーラ・ヤイロ(Pf)
録音 2011年8月 ソフィエンベルグ教会(オスロ)
オーラ・ヤイロ(1978-)はノルウェー生まれ。ノルウェー音楽アカデミー、ロ
ンドンの王立音楽大学、ニューヨークのジュリアードでクラシックとジャズの
作曲とピアノを学びました。現在はニューヨークに住み、作曲家、ピアニスト
として活動を行っています。ヤイロの作曲で世界各国の合唱団に歌われている
合唱曲《愛と慈しみのあるところ》 《なんと美しいかたマリアさま》《プレ
リュード》 による即興に始まり、女性、アメリカの町と土地、色彩、作曲家
バッハと、とりどりのタイトルのつけられた即興が綴られます。"2台または
3台のピアノ" による《プレリュード》《ネブラスカ》《雲のない》は、あら
かじめイメージした楽想やテーマに基づく即興をまず収録し、その録音をベー
スに新たな即興をトラックに重ねる方法が採られています。
Pure Audio Blu-ray 《mShuttle》このPure Audio Blu-rayは、mShuttle機能
を備えています。mShuttleは、リスナーがBDプレーヤーの近くにいなくても、
簡単に音楽を楽しむことができるシステムです。リスナーがどこにいようとも、
mShuttleは自宅のオーディオシステムでスタジオ品質FLACを聴くこともできる
し、車や台所ではCD品質、またはMP3で楽しむこともできる、自由自在のテク
ノロジーです。
【方法】
1. BDプレーヤーがコンピュータネットワークに接続していることを確認して
ください。
2. Pure AudioブルーレイディスクをBDプレーヤーに挿入。ディスクを読み取
ったのを確認して、mShuttleのスイッチをオンにする。
3. PCのインターネットブラウザーを開けて、BDプレーヤーのIPアドレスを入
力。このアドレスをあなたのBDプレーヤーのセットアップメニューから探して
ください。
4. オーディオファイルとブックレットを選択して、BDをPCへダウンロードし
てください。
<Aurora>
ACD 5067 ¥2280
9人のヴァイオリニストのための9つのソロ曲
(1)グレン=エーリク・ハウグラン:自分が自分の味方をしないで、
誰が味方をするだろう(2007)
グーロ・クレーヴェン・ハーゲン(Vn)
(2)シュンネ・スコウエン:アリスに別の入口を(2010)
クリストフェル・トゥン・アンデシェン(Vn)
(3)マルクス・パウス:橋の上の婦人たち
ソノコ・ミリアム・シマノ・ヴェルデ(Vn)
(4)ストーレ・クライベルグ:灰(2010)
ヴィクトリア・プッテルマン(Vn)
(5)シェティル・ヴォスレフ:ヴァイオリン・ソロ II(2009)
サラ・チェン(Vn)
(6)ギスレ・クヴェルンドク:鏡の国のアリス(2008)
ミリアム・ヘルムス・オーリエン(Vn)
(7)ヤン・エーリク・ミカルセン:ヴァイオリンのための小品(2011)
メリンダ・チェンキ(Vn)
(8)ダーグフィン・コック:
彫像-ある魂がかつて歌った歌を再発見するため
(アッラン・ペッテション)(2009)
マデレーネ・ベルグ(Vn)
(9)オラヴ・アントン・トンメセン:
一枚の絵をめぐり『月明かりの海辺の接吻』(ムンク 1914年)(2010)
アン・ホウ・セーテル(Vn)
今日のノルウェーでは新しい世代のヴァイオリニストたちが次々と音楽シーン
に登場してきています。当アルバムに登場する9人のヴァイオリニストは、
1990年から1996年の間に生まれ、オスロのバラット=デゥーエ音楽学校に学び
ました。9人が演奏する曲を書いたのは、グレン=エーリク・ハウグラン
(1961-)、シュンネ・スコウエン(1950-)、マルクス・パウス(1979-)、ストーレ
・クライベルグ(1958-)、シェティル・ヴォスレフ(1939-)、ギスレ・クヴェル
ンドク(1967-)、ダーグフィン・コック(1964-)、オラヴ・アントン・トンメセ
ン(1946-)らノルウェーのベテランと新進の作曲家。北欧の若い音楽家たちか
らの委嘱がひっきりなしというヤン・エーリク・ミカルセン(1979-)の曲も注
目されます。これら9曲は、ほとんどがこのディスクで演奏するヴァイオリニ
ストのために書かれ、ベルゲン国際フェスティヴァルあるいはヴァルドレスで
6月に行われる室内楽フェスティヴァルで初演されました。
ACD 5061 ¥2280
(1)クリスチャン・ブルム:鍵盤の詩(2007-11)
(2)ラッヘンマン:セリナーデ(1998/2000)
(3)クリスチャン・ヤクシェー:
想像的なものとの出会い(2009/10)(増幅ピアノと電子音のための)
エレン・ウゲルヴィーク(Pf)
[録音:2009年11月8日-10日/ソフィエンベルグ教会(オスロ)(2)、
2011年5月30日-31日、6月1日/ヴェストフォッセン教会(ノルウェー)]
現代音楽の分野に積極的で、ジョージ・クラム《マクロコスモス I-II》がノ
ルウェーのスペルマン賞2008年最優秀現代音楽アルバムに選ばれたピアニスト、
エレン・ウゲルヴィーク(1971-)のソロ第2作。今日ヨーロッパでもっとも大き
な影響力をもつ作曲家のひとりのラッヘンマン(1935-)を中心に、1970年代生
まれのノルウェー作曲家が彼女のために書いた作品を演奏しています。ラッヘ
ンマンの《セリナーデ》は、互いに干渉する「2つの曲」を重ねて演奏する音
楽。ピアニストには高度の技術が求められ、聴き手はピアニストが生む音と響
きの世界にひたすら身を委ねればいい。曲名が「セレナーデ」でなく "y" と
なっているのは、作品を献呈したピアニストの菅原幸子 "Y"ukiko Sugawara
の名にちなむ故意の誤字。クリスチャン・ブルム(1974-)は、オスロ近郊に住
み、動く彫刻と機械的装置と作曲の仕事をしています。《鍵盤の詩》は、「ス
タッカートのクラスターコードの壁の背後に音楽の詩的な核が隠された前半と
エリク・サティを思わせるコード配列の後半」の2部分からなる、ピアノとい
う楽器の音色をさらに追求した作品。クリスチャン・ヤクシェー(1973-)はオ
スロの生まれ。即興法、作曲、エレクトロ=アクースティック音楽を学び、ト
ロンボーン奏者としても活動しています。《想像的なものとの出会い》の副題
は《ユリシーズ》。ホメロスの『オデュッセイア』に語られるセイレーンたち。
その歌声で船乗りを誘ったという海の精たちは、どんな響きで歌を歌ったのか
を「リングモジュレーションによる電気的機械的に増幅されたピアノと電子音」
によって探る試み。ラッヘンマンの《セリナーデ》が素材に使われています。
ACD 5075 ¥2280
(1)ネアゴー:チェロ協奏曲第2番《モーメンタム》(2009)
(2)ヌールハイム:テネブレ(チェロと室内管弦楽のための協奏曲)(1982)
(3)サーリアホ:アメール(チェロ協奏曲第1番)(1992)
ヤコブ・クルベア(Vc)、
シモン・ビヴァレツ(指)
ニューミュージック・オーケストラ
ヤコブ・クルベアは1976年オーフスに生まれ、オーフスの王立音楽アカデミー、
アムステルダム、ロンドン、ウィーン、ザグレブで学んだ後、コペンハーゲン
の王立音楽アカデミーでモーテン・ソイテンに師事。現代デンマークを代表す
る作曲家のひとり、ペーア・ネアゴーとの共同作業でも知られ、ネアゴーがク
ルベアのために作曲したチェロソナタ第4番《根茎》は、オルードバラ・フェ
スティヴァルで初演され、高い評価を得ました。チェロ協奏曲第2番《モーメ
ンタム》もグルベアのために書かれ、タイトルの「モーメンタム」は「勢い、
はずみ」を意味し、「ゆっくりと瞑想する孤独感から、新たに生まれる人間の
連帯感を経て、最後には『無限』の感情を呼び起こす」という音楽全体の物語
を示しています。アルネ・ヌールハイムの代表作のひとつ《テネブレ》(復活
祭の前週、聖週間の最後の3日間の洗足木曜日、聖金曜日、聖土曜日の朝課と
賛歌)は、ロストロポーヴィチが1982年に初演し、トルルス・モルクの録音で
知られるようになったチェロ協奏曲。フィンランドの作曲家カイヤ・サーリア
ホの《アメール》は、彼女が住むパリの IRCAM と、ロンドンのバービカンセ
ンターから共同委嘱され、アンシ・カルットゥネンのために作曲されました。
「航路標識」を意味するタイトルは、ノーベル文学賞を受けたフランスの詩人
サン=ジョン・ペルス(アレクシ・レジェ)(1887-1975)の著作から借用されま
した。作曲者は独奏チェロを「音の海を航行する船乗り」になぞらえています。
ニューミュージック・オーケストラは、ポーランドのカトヴィツェの室内アン
サンブル。1996年にシマノフスキ音楽アカデミーの学生をメンバーにより「今
日の音楽」を演奏することを目的として創設されました。
<PRAGA>
PRDDSD 350060(SACD-Hybrid) ¥2780
ショスタコーヴィチ:
(1)オラトリオ「森の歌」Op.81
(2)カンタータ「われらの祖国に太陽は輝く」Op.90
(3)革命詩人による10の詩Op.88
ウラジーミル・イワノフスキー(Ten)、イワン・ペトロフ(Bs)、
ユーリー・ウラノフ(指)
モスクワ・フィル、国立ロシアアカデミー合唱団、
モスクワ国立合唱学校少年合唱団(1)
コンスタンチン・イワノフ(指)ソヴィエト国立交響楽団(2)
グリゴーリー・サンドレル(指)レニングラード放送合唱団(3)
録音:(1)1962年3月23日、(2)1961年11月20日、(3)1962年12月19日
ショスタコーヴィチといえば、暗黒の旧ソ連政権に苦しめられたイメージがあ
ります。しかし生きていくためには体制讃美の御用達作品を生み出す必要があ
りました。ソ連崩壊後、かつて演奏禁止とされた作品が再評価されているのと
裏腹に、御用達作品はロシア本国で嫌悪を込めて封印される傾向にあります。
今後、当分はロシア系の大演奏家による録音が望めませんが、ソ連時代に超大
物演奏家たちが国の命で最上級の演奏を残していたのはまさに「怪我の功名」
と申せましょう。
いずれもスターリンと「地上の楽園」としての祖国を讃美したプロパガンダ作
品ですが、さすがにスターリンへの過剰なレスペクトがすぎる「森の歌」は
1962年に歌詞を改訂、当アルバムはその改訂歌詞披露録音。オリジナル版の初
演でも主役を務めたイワノフスキーがここでも登場、豊かな美声を聴かせてく
れます。また、カンタータ「われらの祖国に太陽は輝く」は世界初演1952年の
世界初演と同じメンバーによるのが貴重。コンスタンチン・イワノフならでは
の感動的爆演で、これを聴かせられればマインドコントロールされてしまうの
も納得。「革命詩人による10の詩」も、現在では絶滅してしまったソ連合唱の
実力をみせつけられる凄さ。改めてソ連時代の演奏家の個性とレベルの高さに
言葉を失う記録です。
PRDDSD 250292(SACD-Hybrid) ¥2780
ドヴォルザーク(1841-1904):
(1)弦楽四重奏曲 第9番 ニ短調 op.34(1878)
(2)弦楽四重奏曲 第13番 ト長調 op.106(1895)
ツェムリンスキー四重奏団
録音:2012年3月24、25日、マルティニク・スタジオ(プラハ)
2012年のラ・フォル・ジュルネでも注目を集めたチェコの名門、ツェムリンス
キー四重奏団が、待望のSACD Hybrid盤新譜をリリースしました!ツェムリン
スキー(PRDDSD 250277)やグラズノフ(PRDDSD 250281)の四重奏曲集も好評の名
門が、今回ついに彼らの故郷を代表する大家ドヴォルザークの四重奏曲を収録!
1994年の設立以来、チェコの伝統音楽の相続人たらんと幅広く演奏活動を行っ
ている団体だけに、注目は必至。第9番はドヴォルザークが次女と長男を相次
いで亡くした年に作曲された作品で、同年に発表した傑作「スターバト・マー
テル」も思わせる美しくも悲痛な旋律の数々にぐっと引き込まれます。当時親
交を深めつつあったブラームスに献呈した作品でもあり、深い悲しみの表現に
は彼の作風も思わせるよう。とはいえ、抒情性あふれる流麗なアンサンブルに
はドヴォルザークらしい魅力が詰まっているように感じられましょう。第9番
とは一転、軽快な旋律から始まる第13番は、彼がアメリカからボヘミアへ帰国
した年に作られた作品。波瀾の年を乗り越え、生まれ故郷へと帰還した歓びが、
民族色の濃い快活な旋律の数々から感じられます。曲調は違えど、いずれの作
品もドヴォルザークらしい抒情性豊かな旋律と、濃密に絡み合うアンサンブル
を堪能することができます。ツェムリンスキー四重奏団の演奏は相も変わらず
見事。クリアな発音と卓越したアンサンブルが、知的で洗練されたハーモニー
を生み出しています!
BIS SA 1976(SACD-Hybrid) ¥2500
ドヴォルザーク:
(1)交響曲第8番ト長調Op.88
(2)交響詩「金の紡ぎ車」Op.109
(3)スケルツォ・カプリッチョーソOp.66
クラウス・ペーター・フロール指揮マレーシア・フィル
[録音:2010年9月、2011年7月/デワン・フィルハーモニク・ペトロナス・
ホール(クアラルンプール(マレーシア)]
爆演系で人気のマレーシア・フィルによるドヴォルザーク、待望の第2弾は交
響曲第8番。ドヴォルザークの交響曲の中で最もさわやかな魅力に満ちた作品
ですが、フロールの解釈ではマーラーへの近似が感じられ興味津々。さらに興
味深いのが交響詩「金の紡ぎ車」。カレル・エルベンの詩に基づき、欲に目の
くらんだ継母によりバラバラ殺人される少女と、魔法使いによる再生、切断さ
れた片足を隠し持つ義姉などを描いた、童話的なタイトルとはほど遠い猟奇的
内容の作品。フロールとマレーシア・フィルが不気味に演じます。
BIS SA 1993(SACD-Hybrid) ¥2500
トルミス:
(1)嵐の海への呪文/(2)我らはもう一度出現するだろう
(3)私は美しい言葉を3つ持っている/(4)四旬節の歌/(5)雷への連?
(6)ヴィルの誓い/(7)幼時の思い出/(8)鉄への呪い/(9)古代の海に寄せる歌
(10)ハムレットの歌/(11)二連画
セシーリア・リューディンゲル・アリーン(指、シャーマン太鼓)
オルフェイ・ドレンガル男声合唱団
[録音:2012年2月/ウプサラ大学ホール(スウェーデン)]
エストニアの作曲家ヴェリヨ・トルミス(1930-)の名は、わが国でも合唱界で
広く知られています。彼の合唱作品はエストニアの伝承音楽に基づくものが多
く、独特の音世界を作り上げています。代表作の「鉄への呪い」は1972年の作
ですが、そのあふれる原始的シャーマニズムゆえソ連時代は演奏禁止とされて
いました。ほとんどワールドミュージックのようで、伊福部昭の声楽作品を思
わす骨太な霊的エネルギーに満ち溢れています。スウェーデンの名門合唱団オ
ルフェイ・ドレンガルは驚きの巧さで、決定盤の風格を示しています。女性指
揮者セシーリア・リューディンゲル・アリーンは自らシャーマン太鼓を打ち鳴
らし、巫女的存在も担っています。
BIS 1855 ¥2380
18世紀フランスのトリオ・ソナタ
(1)クープラン:神聖ローマ帝国の人々
(2)ドレ:ソナタ ト短調Op.1の6
(3)ルクレール:ソナタ第3番ト短調Op.13の6
(4)ボワモルティエ:トリオ ホ短調Op.32の2
(5)ギニヨン:ソナタ ニ長調Op.4の2
ロンドン・バロック
[録音:2010年10月/セント・マーティン教会(ハンプシャー)]
大ベテラン、ロンドン・バロックの最新録音は、「17世紀フランスのトリオ・
ソナタ」(BIS 1855)に続くフランス作品集。今回はフランソワ・クープラン、
ルクレールなどフランス・バロックの魅力を最大限に持つ作曲家を集めていま
す。ロンドン・バロックの老練な巧さはまさに神業。夏にぴったりの爽やかな
世界を楽しめます。
BIS 1899 ¥2380
イタリアのキタローネ・ヴィルトゥオーゾたち
(1)カプスペルガー(カプスベルガー):
アルペッジアータ/カンツォーナ/ベルガマスカ/カナリオ/パッサカリア
/トッカータ/二部によるガリアルダ/
三部によるコレンテ/前奏曲/トッカータ/カポーナ/コラシオーネ
/カプスペルガー
(2)カスタルディ:
ペガサス・ファンタジー/アルペスカ・ガリアルダ/チェッキーナ・コレンテ
/お気に入りの旋法によるアルペッジアータ/半音階的コレンテ
/ラ・フォリア/狂乱のコレンテ
(3)ピッチニーニ:
半音階的トッカータ/変奏部付きロマネスカ/コレンテ/トッカータ
/ラ・フォリアによる変奏的パルティータ/
フィオレンツェの歌/コレンテ
ヤコブ・リンドベルイ(キタローネ)
[録音:2011年3月/レンナ教会(スウェーデン)]
リュートの名手ヤコブ・リンドベルイがキタローネに挑戦しました。キタロー
ネはリュート族の低音楽器で、長いネックが特徴。その長さは160cmを超え、
弦は16本という巨大な体躯から発せられる音は深みに満ち、表情豊か。オー
ディオ効果も抜群です。このアルバムはキタローネがもてはやされた1604年か
ら1640年の名手たちによる作品が集められています。ドイツ人ヨハン・カプス
ベルガーはイタリアに渡りジョヴァンニ・カプスペルガーと名乗り、キタロー
ネの名手として名を成しました。いずれの曲も典雅ながら琵琶を想わせる寂寥
感も漂い、日本人の琴線に触れる感性です。
BIS 1846 ¥2380
コシュキン:
(1)メガロン協奏曲(2005)
(2)ギター五重奏曲(2004)
(3)リステッソ・テンポ(チェロとギターのための)(2010)
(4)ポルカ・パパンドレウ(ギターと弦楽オケのための)(2006)
エレナ・パパンドレウ(Guit)
ラン・シュイ(指)
シンガポール交響楽団、ニュー・ヘレニックSQ、
アンゲロス・リャカキス(Vc)
[録音:協奏作品2009年8月/エスプラネード・コンサートホール(シンガポール)、
室内楽2010年10月/ミトロプーロス・ホール(アテネ)]
1956年生まれのロシアのギタリスト兼作曲家ニキータ・コシュキン。近年はギ
リシャの女流ギタリスト、エレナ・パパンドレウとのコラボで興味深い作品を
続々と生み出しています。彼の作風は現代ロシア的ながら、幼時より親しんだ
ポップスやロックの影響も受けた親しみやすさに満ち、さらにユーモアとパロ
ディのセンスにも溢れています。大作「メガロン協奏曲」はアテネのコンサー
トホールの委嘱で生まれた作品。メガロンとは古代ギリシャの建築様式で、コ
シュキンは古代ギリシャの音楽と近代の西洋音楽を対話させています。
BIS 1884 ¥2380
(1)HK.グルーバー:3つのMOB小品(トランペットと室内管版)
(2)同:バスキング
(トランペット、アコーディオン、バンジョーと弦楽オケのための)
(3)シュヴァーツィク:ディヴェルティメント・マッキアートOp.99(2007)
ホーカン・ハーデンベルガー(Trp)、HK.グルーバー(指)スウェーデン室内管、
マッツ・ベリストレム(バンジョー)、クラウディア・ブデル(アコーディオン)
[録音:2009年5、11、12月/エレブルー・コンサートホール(スウェーデン)]
新ウィーン楽派に続く第3次ウィーン楽派を代表するふたりの作曲家HK.グルー
バーとクルト・シュヴァーツィク。彼らのトランペットのための協奏作品をハ
ーデンベルガーが演奏した超豪華アルバム。と言っても難解な音楽ではなく、
ポップスの影響濃いコラージュ風な手法にバンジョーやアコーディオンも響き
ます。シュヴァーツィクのモーツァルト風マーラーといったスタイルも面白さ
満点です。
<ARTE DELL'ARCO JAPAN>
ADJ 009 ¥2450
ドメニコ・ガブリエリ:チェロ作品全集
(1)チェロ・ソナタ ト長調
(2)無伴奏チェロのリチェルカーレ全7曲
(3)2つのチェロのためのカノン
(4)チェロ・ソナタ イ長調
(5)チェロ・ソナタ ト長調(異稿)
鈴木秀美(Vc) エマニュエル・バルサ(Vc) 大塚直哉(Cemb)
録音:2003年11月秩父ミューズパーク音楽堂
自身がチェロ奏者だった1651年生まれの天才ガブリエリ。チェロのために史上
初めて書かれた作品を全て網羅。あまりの曲の面白さにびっくり。さすが秀美
氏のバロック・チェロ。高いボルテ-ジで凄いテンションで弾き切っています。
美しい曲あり、前衛風の曲ありで、全く飽きさせません。今まで録音があまり
無かったのが不思議。39 才で世を去った天才の作品をバロック・チェロの王
者、鈴木秀美が見事に甦らせました。(TDKAD-009の再発売商品)
アルテ・デラルコ(弓の芸術)
チェロ奏者/指揮者の鈴木秀美が、自らプロデュース。主宰するオーケストラ
・リベラ・クラシカ、自身のソロ、また声楽アンサンブル、ラ・フォンテヴェ
ルデなどのCDをリリースする期待のレーベルです。
<2L>
2L 082SABD (SACD Hybrid+Pure Audio Blu-ray) ¥3650
DXD録音(24bit/352.8kHz)
[SACD]
PSD 5.1 surround/stereo
[Pure Audio Blu-ray]
5.1 surround DTS HD MA(24bit/192kHz),
2.0 LPCM(24bit/192kHz)
+mShuttle:FLAC 96kHz + MP3
オーラ・ヤイロ(1978-):ピアノ即興
愛と慈しみのあるところ/なんと美しいかたマリアさま
プレリュード(3台のピアノのための)/メリベル/ スサンネ
セブンエイト(3台のピアノのための)/ダークブルー/サンタモニカ
ネブラスカ(2台のピアノのための)/湖/雲のない(3台のピアノのための)
ライトブルー/グレートプレーンズ/バッハ・ファンタジー
ビルトモア・シュライン/リトルロック/コラール/心からの
オーラ・ヤイロ(Pf)
録音 2011年8月 ソフィエンベルグ教会(オスロ)
オーラ・ヤイロ(1978-)はノルウェー生まれ。ノルウェー音楽アカデミー、ロ
ンドンの王立音楽大学、ニューヨークのジュリアードでクラシックとジャズの
作曲とピアノを学びました。現在はニューヨークに住み、作曲家、ピアニスト
として活動を行っています。ヤイロの作曲で世界各国の合唱団に歌われている
合唱曲《愛と慈しみのあるところ》 《なんと美しいかたマリアさま》《プレ
リュード》 による即興に始まり、女性、アメリカの町と土地、色彩、作曲家
バッハと、とりどりのタイトルのつけられた即興が綴られます。"2台または
3台のピアノ" による《プレリュード》《ネブラスカ》《雲のない》は、あら
かじめイメージした楽想やテーマに基づく即興をまず収録し、その録音をベー
スに新たな即興をトラックに重ねる方法が採られています。
Pure Audio Blu-ray 《mShuttle》このPure Audio Blu-rayは、mShuttle機能
を備えています。mShuttleは、リスナーがBDプレーヤーの近くにいなくても、
簡単に音楽を楽しむことができるシステムです。リスナーがどこにいようとも、
mShuttleは自宅のオーディオシステムでスタジオ品質FLACを聴くこともできる
し、車や台所ではCD品質、またはMP3で楽しむこともできる、自由自在のテク
ノロジーです。
【方法】
1. BDプレーヤーがコンピュータネットワークに接続していることを確認して
ください。
2. Pure AudioブルーレイディスクをBDプレーヤーに挿入。ディスクを読み取
ったのを確認して、mShuttleのスイッチをオンにする。
3. PCのインターネットブラウザーを開けて、BDプレーヤーのIPアドレスを入
力。このアドレスをあなたのBDプレーヤーのセットアップメニューから探して
ください。
4. オーディオファイルとブックレットを選択して、BDをPCへダウンロードし
てください。
<Aurora>
ACD 5067 ¥2280
9人のヴァイオリニストのための9つのソロ曲
(1)グレン=エーリク・ハウグラン:自分が自分の味方をしないで、
誰が味方をするだろう(2007)
グーロ・クレーヴェン・ハーゲン(Vn)
(2)シュンネ・スコウエン:アリスに別の入口を(2010)
クリストフェル・トゥン・アンデシェン(Vn)
(3)マルクス・パウス:橋の上の婦人たち
ソノコ・ミリアム・シマノ・ヴェルデ(Vn)
(4)ストーレ・クライベルグ:灰(2010)
ヴィクトリア・プッテルマン(Vn)
(5)シェティル・ヴォスレフ:ヴァイオリン・ソロ II(2009)
サラ・チェン(Vn)
(6)ギスレ・クヴェルンドク:鏡の国のアリス(2008)
ミリアム・ヘルムス・オーリエン(Vn)
(7)ヤン・エーリク・ミカルセン:ヴァイオリンのための小品(2011)
メリンダ・チェンキ(Vn)
(8)ダーグフィン・コック:
彫像-ある魂がかつて歌った歌を再発見するため
(アッラン・ペッテション)(2009)
マデレーネ・ベルグ(Vn)
(9)オラヴ・アントン・トンメセン:
一枚の絵をめぐり『月明かりの海辺の接吻』(ムンク 1914年)(2010)
アン・ホウ・セーテル(Vn)
今日のノルウェーでは新しい世代のヴァイオリニストたちが次々と音楽シーン
に登場してきています。当アルバムに登場する9人のヴァイオリニストは、
1990年から1996年の間に生まれ、オスロのバラット=デゥーエ音楽学校に学び
ました。9人が演奏する曲を書いたのは、グレン=エーリク・ハウグラン
(1961-)、シュンネ・スコウエン(1950-)、マルクス・パウス(1979-)、ストーレ
・クライベルグ(1958-)、シェティル・ヴォスレフ(1939-)、ギスレ・クヴェル
ンドク(1967-)、ダーグフィン・コック(1964-)、オラヴ・アントン・トンメセ
ン(1946-)らノルウェーのベテランと新進の作曲家。北欧の若い音楽家たちか
らの委嘱がひっきりなしというヤン・エーリク・ミカルセン(1979-)の曲も注
目されます。これら9曲は、ほとんどがこのディスクで演奏するヴァイオリニ
ストのために書かれ、ベルゲン国際フェスティヴァルあるいはヴァルドレスで
6月に行われる室内楽フェスティヴァルで初演されました。
ACD 5061 ¥2280
(1)クリスチャン・ブルム:鍵盤の詩(2007-11)
(2)ラッヘンマン:セリナーデ(1998/2000)
(3)クリスチャン・ヤクシェー:
想像的なものとの出会い(2009/10)(増幅ピアノと電子音のための)
エレン・ウゲルヴィーク(Pf)
[録音:2009年11月8日-10日/ソフィエンベルグ教会(オスロ)(2)、
2011年5月30日-31日、6月1日/ヴェストフォッセン教会(ノルウェー)]
現代音楽の分野に積極的で、ジョージ・クラム《マクロコスモス I-II》がノ
ルウェーのスペルマン賞2008年最優秀現代音楽アルバムに選ばれたピアニスト、
エレン・ウゲルヴィーク(1971-)のソロ第2作。今日ヨーロッパでもっとも大き
な影響力をもつ作曲家のひとりのラッヘンマン(1935-)を中心に、1970年代生
まれのノルウェー作曲家が彼女のために書いた作品を演奏しています。ラッヘ
ンマンの《セリナーデ》は、互いに干渉する「2つの曲」を重ねて演奏する音
楽。ピアニストには高度の技術が求められ、聴き手はピアニストが生む音と響
きの世界にひたすら身を委ねればいい。曲名が「セレナーデ」でなく "y" と
なっているのは、作品を献呈したピアニストの菅原幸子 "Y"ukiko Sugawara
の名にちなむ故意の誤字。クリスチャン・ブルム(1974-)は、オスロ近郊に住
み、動く彫刻と機械的装置と作曲の仕事をしています。《鍵盤の詩》は、「ス
タッカートのクラスターコードの壁の背後に音楽の詩的な核が隠された前半と
エリク・サティを思わせるコード配列の後半」の2部分からなる、ピアノとい
う楽器の音色をさらに追求した作品。クリスチャン・ヤクシェー(1973-)はオ
スロの生まれ。即興法、作曲、エレクトロ=アクースティック音楽を学び、ト
ロンボーン奏者としても活動しています。《想像的なものとの出会い》の副題
は《ユリシーズ》。ホメロスの『オデュッセイア』に語られるセイレーンたち。
その歌声で船乗りを誘ったという海の精たちは、どんな響きで歌を歌ったのか
を「リングモジュレーションによる電気的機械的に増幅されたピアノと電子音」
によって探る試み。ラッヘンマンの《セリナーデ》が素材に使われています。
ACD 5075 ¥2280
(1)ネアゴー:チェロ協奏曲第2番《モーメンタム》(2009)
(2)ヌールハイム:テネブレ(チェロと室内管弦楽のための協奏曲)(1982)
(3)サーリアホ:アメール(チェロ協奏曲第1番)(1992)
ヤコブ・クルベア(Vc)、
シモン・ビヴァレツ(指)
ニューミュージック・オーケストラ
ヤコブ・クルベアは1976年オーフスに生まれ、オーフスの王立音楽アカデミー、
アムステルダム、ロンドン、ウィーン、ザグレブで学んだ後、コペンハーゲン
の王立音楽アカデミーでモーテン・ソイテンに師事。現代デンマークを代表す
る作曲家のひとり、ペーア・ネアゴーとの共同作業でも知られ、ネアゴーがク
ルベアのために作曲したチェロソナタ第4番《根茎》は、オルードバラ・フェ
スティヴァルで初演され、高い評価を得ました。チェロ協奏曲第2番《モーメ
ンタム》もグルベアのために書かれ、タイトルの「モーメンタム」は「勢い、
はずみ」を意味し、「ゆっくりと瞑想する孤独感から、新たに生まれる人間の
連帯感を経て、最後には『無限』の感情を呼び起こす」という音楽全体の物語
を示しています。アルネ・ヌールハイムの代表作のひとつ《テネブレ》(復活
祭の前週、聖週間の最後の3日間の洗足木曜日、聖金曜日、聖土曜日の朝課と
賛歌)は、ロストロポーヴィチが1982年に初演し、トルルス・モルクの録音で
知られるようになったチェロ協奏曲。フィンランドの作曲家カイヤ・サーリア
ホの《アメール》は、彼女が住むパリの IRCAM と、ロンドンのバービカンセ
ンターから共同委嘱され、アンシ・カルットゥネンのために作曲されました。
「航路標識」を意味するタイトルは、ノーベル文学賞を受けたフランスの詩人
サン=ジョン・ペルス(アレクシ・レジェ)(1887-1975)の著作から借用されま
した。作曲者は独奏チェロを「音の海を航行する船乗り」になぞらえています。
ニューミュージック・オーケストラは、ポーランドのカトヴィツェの室内アン
サンブル。1996年にシマノフスキ音楽アカデミーの学生をメンバーにより「今
日の音楽」を演奏することを目的として創設されました。
<PRAGA>
PRDDSD 350060(SACD-Hybrid) ¥2780
ショスタコーヴィチ:
(1)オラトリオ「森の歌」Op.81
(2)カンタータ「われらの祖国に太陽は輝く」Op.90
(3)革命詩人による10の詩Op.88
ウラジーミル・イワノフスキー(Ten)、イワン・ペトロフ(Bs)、
ユーリー・ウラノフ(指)
モスクワ・フィル、国立ロシアアカデミー合唱団、
モスクワ国立合唱学校少年合唱団(1)
コンスタンチン・イワノフ(指)ソヴィエト国立交響楽団(2)
グリゴーリー・サンドレル(指)レニングラード放送合唱団(3)
録音:(1)1962年3月23日、(2)1961年11月20日、(3)1962年12月19日
ショスタコーヴィチといえば、暗黒の旧ソ連政権に苦しめられたイメージがあ
ります。しかし生きていくためには体制讃美の御用達作品を生み出す必要があ
りました。ソ連崩壊後、かつて演奏禁止とされた作品が再評価されているのと
裏腹に、御用達作品はロシア本国で嫌悪を込めて封印される傾向にあります。
今後、当分はロシア系の大演奏家による録音が望めませんが、ソ連時代に超大
物演奏家たちが国の命で最上級の演奏を残していたのはまさに「怪我の功名」
と申せましょう。
いずれもスターリンと「地上の楽園」としての祖国を讃美したプロパガンダ作
品ですが、さすがにスターリンへの過剰なレスペクトがすぎる「森の歌」は
1962年に歌詞を改訂、当アルバムはその改訂歌詞披露録音。オリジナル版の初
演でも主役を務めたイワノフスキーがここでも登場、豊かな美声を聴かせてく
れます。また、カンタータ「われらの祖国に太陽は輝く」は世界初演1952年の
世界初演と同じメンバーによるのが貴重。コンスタンチン・イワノフならでは
の感動的爆演で、これを聴かせられればマインドコントロールされてしまうの
も納得。「革命詩人による10の詩」も、現在では絶滅してしまったソ連合唱の
実力をみせつけられる凄さ。改めてソ連時代の演奏家の個性とレベルの高さに
言葉を失う記録です。
PRDDSD 250292(SACD-Hybrid) ¥2780
ドヴォルザーク(1841-1904):
(1)弦楽四重奏曲 第9番 ニ短調 op.34(1878)
(2)弦楽四重奏曲 第13番 ト長調 op.106(1895)
ツェムリンスキー四重奏団
録音:2012年3月24、25日、マルティニク・スタジオ(プラハ)
2012年のラ・フォル・ジュルネでも注目を集めたチェコの名門、ツェムリンス
キー四重奏団が、待望のSACD Hybrid盤新譜をリリースしました!ツェムリン
スキー(PRDDSD 250277)やグラズノフ(PRDDSD 250281)の四重奏曲集も好評の名
門が、今回ついに彼らの故郷を代表する大家ドヴォルザークの四重奏曲を収録!
1994年の設立以来、チェコの伝統音楽の相続人たらんと幅広く演奏活動を行っ
ている団体だけに、注目は必至。第9番はドヴォルザークが次女と長男を相次
いで亡くした年に作曲された作品で、同年に発表した傑作「スターバト・マー
テル」も思わせる美しくも悲痛な旋律の数々にぐっと引き込まれます。当時親
交を深めつつあったブラームスに献呈した作品でもあり、深い悲しみの表現に
は彼の作風も思わせるよう。とはいえ、抒情性あふれる流麗なアンサンブルに
はドヴォルザークらしい魅力が詰まっているように感じられましょう。第9番
とは一転、軽快な旋律から始まる第13番は、彼がアメリカからボヘミアへ帰国
した年に作られた作品。波瀾の年を乗り越え、生まれ故郷へと帰還した歓びが、
民族色の濃い快活な旋律の数々から感じられます。曲調は違えど、いずれの作
品もドヴォルザークらしい抒情性豊かな旋律と、濃密に絡み合うアンサンブル
を堪能することができます。ツェムリンスキー四重奏団の演奏は相も変わらず
見事。クリアな発音と卓越したアンサンブルが、知的で洗練されたハーモニー
を生み出しています!