<ORFEO>
ORFEOR 774083 3枚組 \6000
モノラル
[CD1]
モーツァルト:
(1)交響曲第29番
(2)ピアノ協奏曲第25番
(3)交響曲第40番
[CD2]
(4)ドビュッシー:海
(5)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
[CD3]
(6)ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
(2)レオン・フライシャー(P)、[CD1]1957年8月3日ライヴ録音
(5)ナタン・ミルシテイン(Vn)、[CD2.3]1957年8月9日ライヴ録音
ジョージ・セル(指)ベルリン・フィル
音質が大変良好で驚きました。8月9日のライヴは初出!8月3日分は他レーベル
より出ていましたが比べものになりません。初出のエロイカや40番のマッシブ
な迫力はセルならではでベルリンフィルがそれに輪をかけた熱演で聴き手を大
いに魅了します。恐ろしく充実の1セットと申せましょう。
ORFEOR 710081 \2080
モノラル
(1)R.シュトラウス:ブルレスケ
(2)ベートーヴェン:交響曲第7番
(1)フリードリヒ・グルダ(P)
カール・ベーム(指)ウィーン・フィル
1957年8月25日ライヴ録音
これも大変良い音質にびっくり。1957年のORFオリジナルテープの保存状態も良
いのでしょうが、セルのセットも同様のフーバー氏のマスタリングが成功して
います。ちょっとモノラル離れのレンジ感でホッホライナーと思われる大迫力
のティンパニーや7番コーダの金管の爆発的強奏など見事に、爽快に捉えられて
います。グルダのピアノも美しく、聴き惚れました。幸福な一枚。
ORFEOR 711081 \2080
モノラル
(1)ブラームス:ヴァイオリンソナタ第3番
(2)J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンパルティータ第1番
(3)ベン=ハイム:ソナタ ヘ調
(4)サンサーンス:序奏とロンドカプリチョーソ
(5)ラヴェル:ツィガーヌ
(6)ショパン(フランチェスカッティ編曲):マズルカOp.68/4
(7)サラサーテ:サパテアード
ジノ・フランチェスカッティ(Vn)
エウジェニオ・バニョーリ(P)
輝かしいフランチェスカッティのヴァイオリンが堪能出来る1枚で、御当地で大
変有名な演奏会の完全CD化。バニョーリは作曲家カゼッラの弟子の知性派ピア
ニスト。こちらも音質良好!
ORFEOR 775081 \2080
デジタル
(1)J.S.バッハ:イギリス組曲第3番
(2)ベートーヴェン:ピアノソナタ第23番「熱情」
(3)シューマン:交響的練習曲Op.13
(4)シューマン:交響的練習曲より除かれた5つの変奏曲
(5)J.S.バッハ:パルティータBWV825よりジーグ
ルドルフ・ブッフビンダー(P)
実に誠実で味わいとテクニックもあり、押しも押されぬ巨匠となったブッフビ
ンダー教授の最新録音ともいえる逸品の1枚。録音もえらく優秀。近年の教授の
充実ぶりを認識せしめた名ライヴで、しみじみ聴き惚れました。まさに誠実は
力なり!と申せましょう。
<ambroisie>
=naive
AM 151 \2500
デジタル
パンクラス・ロワイエ(1705-1755):クラヴサン曲集第1巻(1746)
クリストフ・ルセ(チェンバロ)
使用楽器:ジャン・クロード・グジョン、J.ヨアヒムスヴァネン(1784年製)
録音:2007年パリ
ルセの名を高らしめたロワイエの待望の新録音。実に美しい響きで収録されて
おり、いつまでも聴きたくなります。なお収録にあたってのモニタースピーカ
ーは今までの録音で多く使われたB&Wでなく、ソナスファベールで音を決めまし
た。また、ロワイエはF.クープランと並ぶフランスチェンバロ音楽の巨匠でペ
ルゴレージの「スターバトマーテル」をフランスに広めた実力者。つかみのあ
る音楽が大変うけておりましたのでどれを聴いても名曲!ロワイエのうれしい
一枚。
<Zig-Zag Territoires>
ZZT 080803 \2480
ヴィヴァルディ:
協奏曲集『四季』 op.8-1-4
ヴァイオリン協奏曲 RV.578a
ヴァイオリン協奏曲 RV.372
ヴァイオリン協奏曲 RV.390
グリ・インコグニティ
アマンディーヌ・ベイエ(バロック・ヴァイオリン、指揮)
録音:2008年1月14-18日レ・グリース・アルマンド(パリ)
フランスの女流バロック・ヴァイオリニスト、アマンディーヌ・ベイエが遂に
「四季」を録音。ヴィヴァルディの代名詞でもある有名人気曲「四季」は、そ
れぞれの楽章にソネットが付いており、鳥、犬の声、雷鳴、などの具体的描写
を取り込み、多くの聴き手の心を掴む楽曲です。それだけに数多くの名演奏、
名録音を残しているこの作品を、ベイエはどうアプローチしているのか興味を
そそられます。
個性を強調するだけの過激な解釈だけではなく、計算された意外性と多様性を
見事に表現。随所にちりばめられたベイエ流のエッセンスが心地よい刺激とな
っています。この名曲にスマートに切れ込む明晰さとテクニックを兼ね備えた
好演がまた一つ生まれました。
<naive>
V 5149 \2180
モーツァルト:
(1)ピアノ協奏曲第5番ニ長調 K.175
(2)同第6番変ロ長調 K.238
(3)同第8番ハ長調 K.246「リュッツォウ」
デーヴィッド・グレイルザンマー(Pfと指揮)、
スエダマ・アンサンブル
naiveレーベルから一風変ったデビュー・アルバムをリリースし、今年行なった
来日公演で強い印象を与えたイスラエルの若手個性派グレイルザンマー。かつ
てヴァンガード・レーベルから発売されていた彼の弾き振りによるモーツァル
トの初期協奏曲集がnaiveから再リリースされます。カデンツァも自作というの
も聴きもの。スエダマ・アンサンブルはジュリアード音楽院とニューイングラ
ンド音楽院より選りすぐられた先鋭で構成された名人集団。Suedamaとは
Amadeusを逆から読んだもので、グレイルザンマーらしいオタク性たっぷり。
しかし音楽はごく正統派で、曖昧なところの全くない清潔な名演です。
<haenssler>
98 526 \2180
ハイドン:交響曲集
(1)第57番ニ長調Hob.I-57
(2)第59番イ長調Hob.I-59「火事」
(3)第65番イ長調Hob.I-65
トーマス・ファイ(指)ハイデルベルク交響楽団
録音:(1)2008年3月15、16日ハイデルベルク、プファッフェングルント、
ゲゼルシャフトハウス(2)2008年1月16、17日バート・ドュルクハイム、
ナトゥールホルン・アカデミー
いまだかつてない過激ぶりが評判のハイドン・シリーズ第11集は、有名な「火
事」ほか疾風怒涛期の2曲を中心に、いわばファイの持ち味が際立つ内容となっ
ています。
両端楽章の燃え盛るような性格がニックネームの由来と言われる「火事」。強
弱の交替や唐突な全休符などが強烈なプレストに、一目散に突っ切るフィナー
レ。対照的にたとえば第2楽章は憂愁を帯びた短調で開始され、どこまでも繊細。
途中、意表を突く音を割ったホルンの扱いも効果的です。
冒頭の3つの打撃和音が特徴的な第65番も中間2楽章、ヴァイオリンの紡ぐやわ
らかな主題とオーボエとホルンからなるファンファーレ動機が交替するアンダ
ンテと、リズムがへんてこな聴感を与えるメヌエットとが躍動的な性格の両端
楽章とのあいだに絶妙なコントラストを生んでいます。
ほかに前作(98.522)と共通して、疾風怒涛期とパリ・セットのあいだに成立し
た第57番を収録。聴衆へのサービス精神満点のつくりが伝わってくる楽しい作
品です。
98 240 \2180
エネスコ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集 Vol.2
(1)ヴァイオリンソナタ第1番ニ長調 Op.2
(2)同第3番イ短調 Op.25「ルーマニア民俗風に」
(3)バラード(1895)
(4)協奏的即興曲(1903)
(5)アンダンテ・マリンコニーコ(1951)
(6)タランテラ(1895)
(7)ホラ・ウニレイ(1917)
レムス・アゾイテイ(Vn) エドゥアルド・スタン(Pf)
自身が大ヴァイオリニストだったエネスコは、この楽器のために効果的で美し
い作品を残していますが、好んで演奏されるものは少なく、網羅的に収めたCD
もあまりありません。当シリーズはエネスコと同郷のルーマニア人アゾイテイ
とスタンによる全集という大歓迎企画。ジュリアードでドロシー・デレイに学
んだアゾイテイは1699年製ストラディヴァリウスの美音とルーマニアの民俗的
要素の巧みな表現で、これさえ持っていれば十分な質の全集を創りあげています。
98 528 \2180
「ミカラ・ペトリのクリスマス」
(1)A.P.Berggren : Welcome To Lord's New Year
(2)J.S.Bach / Ch. Gounod : Ave Maria
(3)M.Praetorius : Lo, How A Rose E'er Blooming
(4)C.F.Weyse : Christmas Has Brought A Blessed Message
(5)E.Hornemann : Such A Busy Thronging All Around
(6)M.Reger : Mary's Cradle Song
(7)Vorreformatorische Weise:Let The Clouds Sweetly Resound
(8)J.S.Bach : Jesu, Joy Of A Man's Desiring
(9)E.Harder : Ready Stands The Christmas Tree
(10)J.S.Bach : Sleepers, Wake
(11)Deutsche Melodie : Fairest Lord Jesus
(12)A.Vivaldi : Largo(From "The Four Seasons-Winter")
(13)F.Gruber : Silent Night
(14)F.Schubert : Ave Maria
(15)C.Nielsen : Strange It Is To Speak Of
(16)G.H.Haendel : Pastorale(From "The Messiah")
(17)C.Balle : The Bells Ring Out For Christmas Tide
(18)A.P.Berggren : Be Welcome Again, God's Angels Small
(19)J.S.Bach : Beside Thy Cradle Here I Stand
(20)H.Rung : Ring Out, Ye Bells
ミカラ・ペトリ(Bfl)
DRデンマーク・ラジオ・シンフォニエッタ
かねて才色兼備のリコーダー奏者ペトリがすてきなクリスマス・アルバムをつ
くりました。過去に合唱を伴うクリスマス・アルバムを出していますが、これ
は完全なる新作。J.S.バッハ(グノー編)やシューベルトの「アヴェ・マリア」
にグルーバーの「きよしこの夜」などなど、どれも欠かせないナンバーばかり
を全部で20曲。小鳥のさえずりのようにかわいらしい息吹でほんわりとした気
持ちにさせてくれます。大切な方への贈りものにも喜ばれるでしょう。
98 523 \2180
「王のための音楽-バロック期のフランスのリュート音楽」
(1)ジャック・ガロ(?-1690):組曲嬰ヘ短調
(2)ロベール・ド・ヴィゼ(1660-1732):組曲ト長調
(3)シャルル・ムトン(1617-1699頃):組曲イ短調
(4)フランソワ・クープラン(1668-1733):
「森の妖精」(クラヴサン曲集第1巻、第1組曲より)
(5)エヌモン・ゴティエ(“老ゴティエ”):組曲ニ短調
ヨアヒム・ヘルト(2004年ロンドン、クラウス・T・ヤコブセン製作11弦バロッ
ク・リュート & 1984年ロンドン、クラウス・T・ヤコブセン製作テオルボ)
録音:2008年2月25-27日ファーレンドルフ、救世主教会
バロック時代、特にルイ14世期のフランスは、リュート音楽においてもヨーロ
ッパの中心を占めていました。演奏技術や調弦の面において著しい発達を遂げ
たこの時期、演奏は「表情豊かな」ものに発展して行ったと言われています。
また、クラヴサン作曲家に影響を与えた側面もあったので、この録音ではF.ク
ープランの曲を取り上げています。
ヨアヒム・ヘルトは1963年生まれ。バーゼル・スコラカントルムでドンボワや
ホプキンソン・スミスに師事し、広く活躍する中堅の演奏者。彼の深く味わい
深い音は、これら「表情豊かな」作品に非常にマッチしています。
<MEDICI ARTS>
~EUROARTS
20 72248(DVD-Video) \2900
字幕:英・仏・西
「ズービン・メータ&ロサンジェルス・フィルハーモニック」
(1)モーツァルト:ファゴット協奏曲変ロ長調KV.191
(2)バルトーク:管弦楽のための協奏曲
(3)ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」Op.92
(4)同:交響曲第8番ト長調Op.88
(5)同:スラヴ舞曲ト短調Op.46-8
ズービン・メータ(指)ロサンジェルス・フィルハーモニック
収録:1977年1月10-13日ロサンジェルス、
ドロシー・チャンドラー・パヴィリオン、ミュージック・センター(ライヴ)
[映像制作:ユニテル・クラシカ]
当時、異例の若さでロサンジェルス・フィルの音楽監督(1962-1978)に抜擢され
たズービン・メータ。Deccaと専属契約したかれはダイナミックな指揮ぶりで手
兵とともに、ストラヴィンスキーやホルストなどいまも誉れ高いアルバムをつ
ぎつぎと発表し、一躍その名を世界に轟かせることになります。このライヴ映
像集では、スタジオ盤でも知られるバルトーク、ドヴォ8を筆頭に、その白熱ぶ
り、切れ味とも最高のパフォーマンスをみせてくれます。この頃のメータの音
楽運びは迷いのない思い切りのよさがなによりの魅力で、痛快でさえあります。
ロス・フィルとともにスターダムに駆け上がり、その黄金時代を築いたメータ
がもっとも輝いていた時期のかけがえのない記録といえるでしょう。
<風樂>
MOOM 7001 \2800
バルトーク:
スロヴァキア舞曲 1925年
ルーマニア民俗舞曲 Sz56 1915年
Andante 1916年
組曲 Op.14 Sz62 1916年
≪3つのピアノ曲≫Op.21 Sz6 DD53より 第1番、第2番 1898年 ★
スケルツォ(またはファンタジー)ロ長調 Op.18 DD50 1897年
≪3つのピアノ曲≫Op.13 DD45より 第1番 1897年 ★
アレグロ・バルバロSz49 1911年
ソナチネSz55 1915年
小品 1905-07?年 ★
豚飼いの踊り Sz42 1908-1909年
舞踊組曲 Sz77 1925年
三輪 郁(Pf)
国内でミクロコスモスを除いて、ここ数年新譜が出ることのなかった、バルト
ークのピアノ作品集。世界初録音(曲目一覧★印参照)が、特に注目される。
バルトークと言えば、「ルーマニア民俗舞曲」など馴染みの作品もあるものの、
現代的な響きが先入観としてあって、必ずしも親しまれてはいない。しかし、
今回収録されたバルトーク16歳-17歳の時に作曲した「初期作品」は、驚くほど
ロマンチックで美しく、バルトクークに詳しい人もさぞ驚くことであろう。ま
た、「豚飼いの踊り」は子供のために書かれた小曲で、コミカルなリズムが楽
しい。
こうした選曲のもと、子供から大人まで、バルトークに詳しい人から聴いたこ
とのない人まで、広く多くの人たちに聴いて欲しいとの目的で、このアルバム
は制作された。
ピアニスト・三輪郁はウィーン古典派の旗手として大変に評価の高い評価を得
ている。特にウィーン時代のモーツァルト作品に焦点を当てた「4254日の奇蹟
-ウィーンのモーツァルト」を、2003年から2006年モーツァルト・イヤーまで
に5回公演を行ない、ウィーン仕込みの音楽性と独自のプログラミングが高い
評価を得た。また室内楽の分野では、ウィーン・フィルの首席奏者をメンバー
とする「ウィーン・ゾリステン・トリオ」、ライナー・ホーネック(ウィーン
・フィル/コンサートマスター)、フォルクハルト・シュトイデ(ウィーン・
フィル/コンサートマスター)、ラデク・バボラク(バンベルク響首席ホルン奏
者)等の日本公演のピアニストも務める。
2006年にテレビ放映されたドラマ「のだめカンタービレ」(フジテレビ)ほか、
「のだめ」関連のピアノの音楽監修に携わっている。
これまで、豊嶋泰嗣(ヴァイオリン)、山本浩一郎(トロンボーン)、広田智之
(オーボエ)らの名奏者とのCD録音をおこなっているものの、三輪郁単独での
CDの発売はなかった。
今後、「三輪郁レーベル」として、三輪の得意とするモーツアルト、シューベ
ルトなどの曲目を継続して録音する予定である。
<GENUIN>
GEN88123 2枚組(1枚価格) \1980
ブラームス:
3つの間奏曲Op.117/ピアノの小品Op.118/ピアノの小品Op.119/
2つのラプソディOp.79
ヨルク・クローネンベルク(Pf)
録音:2008年1―2月
クローネンベルクは1973年ドイツ生まれ。ルチアーノ・ベリオに作曲を師事し、
作曲家としても活動している。レパートリーはバッハからK.A.ハルトマン、ス
トラヴィンスキーと幅広い。そうした経歴から、このCDはさぞ斬新な解釈のブ
ラームスが聴けるのかと思いきや、意外にも大変落ち着いた無駄のない、大人
の音楽である。大器の予感がする期待のピアニスト。
GEN88127 2枚組 \3960
「ブラームス:クラリネットのための作品全集」
クラリネット五重奏曲 ロ短調Op.115
クラリネット三重奏曲 イ短調Op.114
クラリネット・ソナタ ヘ短調Op.120-No.1
クラリネット・ソナタ 変ホ長調Op.120-No.2
フランソワ・ベンダ(Cl)、
ベンダ音楽一座:
【ロラ・ベンダ(Vn)、ナンシー・ベンダ(Vn)、モニカ・ベンダ(Va)、
クリスティアン・ベンダ(Vc)、セバスティアン・ベンダ(Pf)】
録音:1988年(CD1)/1990年(CD2)
総代であるピアニストのセバスティアン・ベンダはチェコの名門音楽家ベンダ
・ファミリーの血をひき、生前はオネゲル、カゼルラ、マルタンらとも交流が
あった。彼の家族も皆優れた音楽家となった。クラリネットのフランソワはブ
ラジル生まれ、1988年にソロ・デビュー。このCDは、その頃の若々しい録音で
ある。
GEN88131 \1980
「ドメニコ・スカルラッティ:16のソナタ集」
K.1、2、3、208、209、212、213、214、146、532、533、462、463、28、29、30
松岡友子(チェンバロ)
録音:2008年5月,ヌシャテル、スイス
松岡友子は千葉県出身でチェンバロを曽根麻矢子、副嶋恭子の両氏に師事。そ
の後、イタリアに留学。チェンバロをE.ファディーニ氏に、オルガンをE.ベッ
ロッティ氏に師事、数々の賞を受賞、コンサートに出演。2007年8月、第44回
ブルージュ国際古楽コンクール・チェンバロ部門で第3位入賞。現在、イタリア
を拠点にソリスト、通奏低音奏者として活躍。ミラノ在住。今後の活躍が大い
に期待されている。
※アントレ誌9月号に松岡友子のインタビューが掲載されました。
<AULOS>
AUL66155 \2180
「ノルディック・ミュージック」
カール・ブッシュ(1862-1943):エレジー
マックス・ブルッフ(1838-1920):スウェーデン民謡によるセレナード
ダグ・イヴァル・ヴィレン(1905-1986):セレナード
カール・ニールセン(1865-1931):パラフレーズ
ラルク=エリック・ラーション(1908-1986):小さなセレナード
セバスティアン・テヴィンケル指揮
プフォルツハイム南西ドイツ室内管弦楽団
録音:2003-2006年
19世紀末から20世紀半ばまで活躍した北欧の作曲家たちとブルッフの北欧を題
材にした弦楽オーケストラのための作品集。いずれも北国抒情満点の美しい音
の細密画。
AUL66156 2枚組 \4360
タピオ・トゥオメラ(1958b):歌劇《母と娘たち》
-カレヴァラをモティーフとしたレミンカイネンの物語
ヨン・ストルゴー指揮
フィンランド国立歌劇場管弦楽団、他ソリスト
録音:2002年
タピオ・トゥオメラは1958年フィンランド生まれの作曲家で指揮者としても国
際的に活動している。作曲家としてはシベリウスの伝統を受け継ぎ、フィンラ
ンドの自然、歴史、神話に基づいた作品を多数発表、その功績により、フィン
ランドのカレヴァラ協会賞を受賞している。詩人パーヴォ・ハーヴィッコとの
共同作業によるカレヴァラをモティーフにしたフィンランド現代オペラの傑作。
AUL66158 \2180
「ニクラス・エッピンガー/無伴奏チェロ作品集」
コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ,無伴奏チェロのための奇想曲
リゲティ:無伴奏チェロ・ソナタ
ミクロス・ローザ:トッカータ・カプリチオーサ
ニクラス・エッピンガー(Vc)
録音:2006年
近現代ハンガリーの作曲家による無伴奏チェロ作品集。ローザは映画「ベン・
ハー」の音楽で知られるが、もともとはハンガリー出身。エッピンガーはゲリ
ンガス、ジークフリート・パルムらに師事、現在ミュンヘン・フィルの首席チェ
リストを務める。伸びやかな音がヨーヨー・マを思わせる期待の若手である。
<RCD>
RCD16036 \1850
“ロシアン・ピアノ・スクール・シリーズ”
「ロシアの偉大なピアニストたちによるシューマン:歴史的名演集」
(1)クライスレリアーナOp.16
(2)パピヨンOp..2
(3)幻想小品集Op.12
(1)ゲンリヒ・ネイガウス(1951年録音)
(2)ウラディミール・ソフロニツキー
(1952年録音)
(3)マリア・ユーディナ(1952年録音)
久々の発売となる「ロシアン・ピアノ・スクール・シリーズ」ですが、ユーディ
ナ以外は当レーベルの既出盤からのコンピレーションものです。ロシアの伝説
的3大ピアニストによるシューマン。ネイガウスの驚異のテンポ設定など聴き所
満載。
ORFEOR 774083 3枚組 \6000
モノラル
[CD1]
モーツァルト:
(1)交響曲第29番
(2)ピアノ協奏曲第25番
(3)交響曲第40番
[CD2]
(4)ドビュッシー:海
(5)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
[CD3]
(6)ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
(2)レオン・フライシャー(P)、[CD1]1957年8月3日ライヴ録音
(5)ナタン・ミルシテイン(Vn)、[CD2.3]1957年8月9日ライヴ録音
ジョージ・セル(指)ベルリン・フィル
音質が大変良好で驚きました。8月9日のライヴは初出!8月3日分は他レーベル
より出ていましたが比べものになりません。初出のエロイカや40番のマッシブ
な迫力はセルならではでベルリンフィルがそれに輪をかけた熱演で聴き手を大
いに魅了します。恐ろしく充実の1セットと申せましょう。
ORFEOR 710081 \2080
モノラル
(1)R.シュトラウス:ブルレスケ
(2)ベートーヴェン:交響曲第7番
(1)フリードリヒ・グルダ(P)
カール・ベーム(指)ウィーン・フィル
1957年8月25日ライヴ録音
これも大変良い音質にびっくり。1957年のORFオリジナルテープの保存状態も良
いのでしょうが、セルのセットも同様のフーバー氏のマスタリングが成功して
います。ちょっとモノラル離れのレンジ感でホッホライナーと思われる大迫力
のティンパニーや7番コーダの金管の爆発的強奏など見事に、爽快に捉えられて
います。グルダのピアノも美しく、聴き惚れました。幸福な一枚。
ORFEOR 711081 \2080
モノラル
(1)ブラームス:ヴァイオリンソナタ第3番
(2)J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンパルティータ第1番
(3)ベン=ハイム:ソナタ ヘ調
(4)サンサーンス:序奏とロンドカプリチョーソ
(5)ラヴェル:ツィガーヌ
(6)ショパン(フランチェスカッティ編曲):マズルカOp.68/4
(7)サラサーテ:サパテアード
ジノ・フランチェスカッティ(Vn)
エウジェニオ・バニョーリ(P)
輝かしいフランチェスカッティのヴァイオリンが堪能出来る1枚で、御当地で大
変有名な演奏会の完全CD化。バニョーリは作曲家カゼッラの弟子の知性派ピア
ニスト。こちらも音質良好!
ORFEOR 775081 \2080
デジタル
(1)J.S.バッハ:イギリス組曲第3番
(2)ベートーヴェン:ピアノソナタ第23番「熱情」
(3)シューマン:交響的練習曲Op.13
(4)シューマン:交響的練習曲より除かれた5つの変奏曲
(5)J.S.バッハ:パルティータBWV825よりジーグ
ルドルフ・ブッフビンダー(P)
実に誠実で味わいとテクニックもあり、押しも押されぬ巨匠となったブッフビ
ンダー教授の最新録音ともいえる逸品の1枚。録音もえらく優秀。近年の教授の
充実ぶりを認識せしめた名ライヴで、しみじみ聴き惚れました。まさに誠実は
力なり!と申せましょう。
<ambroisie>
=naive
AM 151 \2500
デジタル
パンクラス・ロワイエ(1705-1755):クラヴサン曲集第1巻(1746)
クリストフ・ルセ(チェンバロ)
使用楽器:ジャン・クロード・グジョン、J.ヨアヒムスヴァネン(1784年製)
録音:2007年パリ
ルセの名を高らしめたロワイエの待望の新録音。実に美しい響きで収録されて
おり、いつまでも聴きたくなります。なお収録にあたってのモニタースピーカ
ーは今までの録音で多く使われたB&Wでなく、ソナスファベールで音を決めまし
た。また、ロワイエはF.クープランと並ぶフランスチェンバロ音楽の巨匠でペ
ルゴレージの「スターバトマーテル」をフランスに広めた実力者。つかみのあ
る音楽が大変うけておりましたのでどれを聴いても名曲!ロワイエのうれしい
一枚。
<Zig-Zag Territoires>
ZZT 080803 \2480
ヴィヴァルディ:
協奏曲集『四季』 op.8-1-4
ヴァイオリン協奏曲 RV.578a
ヴァイオリン協奏曲 RV.372
ヴァイオリン協奏曲 RV.390
グリ・インコグニティ
アマンディーヌ・ベイエ(バロック・ヴァイオリン、指揮)
録音:2008年1月14-18日レ・グリース・アルマンド(パリ)
フランスの女流バロック・ヴァイオリニスト、アマンディーヌ・ベイエが遂に
「四季」を録音。ヴィヴァルディの代名詞でもある有名人気曲「四季」は、そ
れぞれの楽章にソネットが付いており、鳥、犬の声、雷鳴、などの具体的描写
を取り込み、多くの聴き手の心を掴む楽曲です。それだけに数多くの名演奏、
名録音を残しているこの作品を、ベイエはどうアプローチしているのか興味を
そそられます。
個性を強調するだけの過激な解釈だけではなく、計算された意外性と多様性を
見事に表現。随所にちりばめられたベイエ流のエッセンスが心地よい刺激とな
っています。この名曲にスマートに切れ込む明晰さとテクニックを兼ね備えた
好演がまた一つ生まれました。
<naive>
V 5149 \2180
モーツァルト:
(1)ピアノ協奏曲第5番ニ長調 K.175
(2)同第6番変ロ長調 K.238
(3)同第8番ハ長調 K.246「リュッツォウ」
デーヴィッド・グレイルザンマー(Pfと指揮)、
スエダマ・アンサンブル
naiveレーベルから一風変ったデビュー・アルバムをリリースし、今年行なった
来日公演で強い印象を与えたイスラエルの若手個性派グレイルザンマー。かつ
てヴァンガード・レーベルから発売されていた彼の弾き振りによるモーツァル
トの初期協奏曲集がnaiveから再リリースされます。カデンツァも自作というの
も聴きもの。スエダマ・アンサンブルはジュリアード音楽院とニューイングラ
ンド音楽院より選りすぐられた先鋭で構成された名人集団。Suedamaとは
Amadeusを逆から読んだもので、グレイルザンマーらしいオタク性たっぷり。
しかし音楽はごく正統派で、曖昧なところの全くない清潔な名演です。
<haenssler>
98 526 \2180
ハイドン:交響曲集
(1)第57番ニ長調Hob.I-57
(2)第59番イ長調Hob.I-59「火事」
(3)第65番イ長調Hob.I-65
トーマス・ファイ(指)ハイデルベルク交響楽団
録音:(1)2008年3月15、16日ハイデルベルク、プファッフェングルント、
ゲゼルシャフトハウス(2)2008年1月16、17日バート・ドュルクハイム、
ナトゥールホルン・アカデミー
いまだかつてない過激ぶりが評判のハイドン・シリーズ第11集は、有名な「火
事」ほか疾風怒涛期の2曲を中心に、いわばファイの持ち味が際立つ内容となっ
ています。
両端楽章の燃え盛るような性格がニックネームの由来と言われる「火事」。強
弱の交替や唐突な全休符などが強烈なプレストに、一目散に突っ切るフィナー
レ。対照的にたとえば第2楽章は憂愁を帯びた短調で開始され、どこまでも繊細。
途中、意表を突く音を割ったホルンの扱いも効果的です。
冒頭の3つの打撃和音が特徴的な第65番も中間2楽章、ヴァイオリンの紡ぐやわ
らかな主題とオーボエとホルンからなるファンファーレ動機が交替するアンダ
ンテと、リズムがへんてこな聴感を与えるメヌエットとが躍動的な性格の両端
楽章とのあいだに絶妙なコントラストを生んでいます。
ほかに前作(98.522)と共通して、疾風怒涛期とパリ・セットのあいだに成立し
た第57番を収録。聴衆へのサービス精神満点のつくりが伝わってくる楽しい作
品です。
98 240 \2180
エネスコ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集 Vol.2
(1)ヴァイオリンソナタ第1番ニ長調 Op.2
(2)同第3番イ短調 Op.25「ルーマニア民俗風に」
(3)バラード(1895)
(4)協奏的即興曲(1903)
(5)アンダンテ・マリンコニーコ(1951)
(6)タランテラ(1895)
(7)ホラ・ウニレイ(1917)
レムス・アゾイテイ(Vn) エドゥアルド・スタン(Pf)
自身が大ヴァイオリニストだったエネスコは、この楽器のために効果的で美し
い作品を残していますが、好んで演奏されるものは少なく、網羅的に収めたCD
もあまりありません。当シリーズはエネスコと同郷のルーマニア人アゾイテイ
とスタンによる全集という大歓迎企画。ジュリアードでドロシー・デレイに学
んだアゾイテイは1699年製ストラディヴァリウスの美音とルーマニアの民俗的
要素の巧みな表現で、これさえ持っていれば十分な質の全集を創りあげています。
98 528 \2180
「ミカラ・ペトリのクリスマス」
(1)A.P.Berggren : Welcome To Lord's New Year
(2)J.S.Bach / Ch. Gounod : Ave Maria
(3)M.Praetorius : Lo, How A Rose E'er Blooming
(4)C.F.Weyse : Christmas Has Brought A Blessed Message
(5)E.Hornemann : Such A Busy Thronging All Around
(6)M.Reger : Mary's Cradle Song
(7)Vorreformatorische Weise:Let The Clouds Sweetly Resound
(8)J.S.Bach : Jesu, Joy Of A Man's Desiring
(9)E.Harder : Ready Stands The Christmas Tree
(10)J.S.Bach : Sleepers, Wake
(11)Deutsche Melodie : Fairest Lord Jesus
(12)A.Vivaldi : Largo(From "The Four Seasons-Winter")
(13)F.Gruber : Silent Night
(14)F.Schubert : Ave Maria
(15)C.Nielsen : Strange It Is To Speak Of
(16)G.H.Haendel : Pastorale(From "The Messiah")
(17)C.Balle : The Bells Ring Out For Christmas Tide
(18)A.P.Berggren : Be Welcome Again, God's Angels Small
(19)J.S.Bach : Beside Thy Cradle Here I Stand
(20)H.Rung : Ring Out, Ye Bells
ミカラ・ペトリ(Bfl)
DRデンマーク・ラジオ・シンフォニエッタ
かねて才色兼備のリコーダー奏者ペトリがすてきなクリスマス・アルバムをつ
くりました。過去に合唱を伴うクリスマス・アルバムを出していますが、これ
は完全なる新作。J.S.バッハ(グノー編)やシューベルトの「アヴェ・マリア」
にグルーバーの「きよしこの夜」などなど、どれも欠かせないナンバーばかり
を全部で20曲。小鳥のさえずりのようにかわいらしい息吹でほんわりとした気
持ちにさせてくれます。大切な方への贈りものにも喜ばれるでしょう。
98 523 \2180
「王のための音楽-バロック期のフランスのリュート音楽」
(1)ジャック・ガロ(?-1690):組曲嬰ヘ短調
(2)ロベール・ド・ヴィゼ(1660-1732):組曲ト長調
(3)シャルル・ムトン(1617-1699頃):組曲イ短調
(4)フランソワ・クープラン(1668-1733):
「森の妖精」(クラヴサン曲集第1巻、第1組曲より)
(5)エヌモン・ゴティエ(“老ゴティエ”):組曲ニ短調
ヨアヒム・ヘルト(2004年ロンドン、クラウス・T・ヤコブセン製作11弦バロッ
ク・リュート & 1984年ロンドン、クラウス・T・ヤコブセン製作テオルボ)
録音:2008年2月25-27日ファーレンドルフ、救世主教会
バロック時代、特にルイ14世期のフランスは、リュート音楽においてもヨーロ
ッパの中心を占めていました。演奏技術や調弦の面において著しい発達を遂げ
たこの時期、演奏は「表情豊かな」ものに発展して行ったと言われています。
また、クラヴサン作曲家に影響を与えた側面もあったので、この録音ではF.ク
ープランの曲を取り上げています。
ヨアヒム・ヘルトは1963年生まれ。バーゼル・スコラカントルムでドンボワや
ホプキンソン・スミスに師事し、広く活躍する中堅の演奏者。彼の深く味わい
深い音は、これら「表情豊かな」作品に非常にマッチしています。
<MEDICI ARTS>
~EUROARTS
20 72248(DVD-Video) \2900
字幕:英・仏・西
「ズービン・メータ&ロサンジェルス・フィルハーモニック」
(1)モーツァルト:ファゴット協奏曲変ロ長調KV.191
(2)バルトーク:管弦楽のための協奏曲
(3)ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」Op.92
(4)同:交響曲第8番ト長調Op.88
(5)同:スラヴ舞曲ト短調Op.46-8
ズービン・メータ(指)ロサンジェルス・フィルハーモニック
収録:1977年1月10-13日ロサンジェルス、
ドロシー・チャンドラー・パヴィリオン、ミュージック・センター(ライヴ)
[映像制作:ユニテル・クラシカ]
当時、異例の若さでロサンジェルス・フィルの音楽監督(1962-1978)に抜擢され
たズービン・メータ。Deccaと専属契約したかれはダイナミックな指揮ぶりで手
兵とともに、ストラヴィンスキーやホルストなどいまも誉れ高いアルバムをつ
ぎつぎと発表し、一躍その名を世界に轟かせることになります。このライヴ映
像集では、スタジオ盤でも知られるバルトーク、ドヴォ8を筆頭に、その白熱ぶ
り、切れ味とも最高のパフォーマンスをみせてくれます。この頃のメータの音
楽運びは迷いのない思い切りのよさがなによりの魅力で、痛快でさえあります。
ロス・フィルとともにスターダムに駆け上がり、その黄金時代を築いたメータ
がもっとも輝いていた時期のかけがえのない記録といえるでしょう。
<風樂>
MOOM 7001 \2800
バルトーク:
スロヴァキア舞曲 1925年
ルーマニア民俗舞曲 Sz56 1915年
Andante 1916年
組曲 Op.14 Sz62 1916年
≪3つのピアノ曲≫Op.21 Sz6 DD53より 第1番、第2番 1898年 ★
スケルツォ(またはファンタジー)ロ長調 Op.18 DD50 1897年
≪3つのピアノ曲≫Op.13 DD45より 第1番 1897年 ★
アレグロ・バルバロSz49 1911年
ソナチネSz55 1915年
小品 1905-07?年 ★
豚飼いの踊り Sz42 1908-1909年
舞踊組曲 Sz77 1925年
三輪 郁(Pf)
国内でミクロコスモスを除いて、ここ数年新譜が出ることのなかった、バルト
ークのピアノ作品集。世界初録音(曲目一覧★印参照)が、特に注目される。
バルトークと言えば、「ルーマニア民俗舞曲」など馴染みの作品もあるものの、
現代的な響きが先入観としてあって、必ずしも親しまれてはいない。しかし、
今回収録されたバルトーク16歳-17歳の時に作曲した「初期作品」は、驚くほど
ロマンチックで美しく、バルトクークに詳しい人もさぞ驚くことであろう。ま
た、「豚飼いの踊り」は子供のために書かれた小曲で、コミカルなリズムが楽
しい。
こうした選曲のもと、子供から大人まで、バルトークに詳しい人から聴いたこ
とのない人まで、広く多くの人たちに聴いて欲しいとの目的で、このアルバム
は制作された。
ピアニスト・三輪郁はウィーン古典派の旗手として大変に評価の高い評価を得
ている。特にウィーン時代のモーツァルト作品に焦点を当てた「4254日の奇蹟
-ウィーンのモーツァルト」を、2003年から2006年モーツァルト・イヤーまで
に5回公演を行ない、ウィーン仕込みの音楽性と独自のプログラミングが高い
評価を得た。また室内楽の分野では、ウィーン・フィルの首席奏者をメンバー
とする「ウィーン・ゾリステン・トリオ」、ライナー・ホーネック(ウィーン
・フィル/コンサートマスター)、フォルクハルト・シュトイデ(ウィーン・
フィル/コンサートマスター)、ラデク・バボラク(バンベルク響首席ホルン奏
者)等の日本公演のピアニストも務める。
2006年にテレビ放映されたドラマ「のだめカンタービレ」(フジテレビ)ほか、
「のだめ」関連のピアノの音楽監修に携わっている。
これまで、豊嶋泰嗣(ヴァイオリン)、山本浩一郎(トロンボーン)、広田智之
(オーボエ)らの名奏者とのCD録音をおこなっているものの、三輪郁単独での
CDの発売はなかった。
今後、「三輪郁レーベル」として、三輪の得意とするモーツアルト、シューベ
ルトなどの曲目を継続して録音する予定である。
<GENUIN>
GEN88123 2枚組(1枚価格) \1980
ブラームス:
3つの間奏曲Op.117/ピアノの小品Op.118/ピアノの小品Op.119/
2つのラプソディOp.79
ヨルク・クローネンベルク(Pf)
録音:2008年1―2月
クローネンベルクは1973年ドイツ生まれ。ルチアーノ・ベリオに作曲を師事し、
作曲家としても活動している。レパートリーはバッハからK.A.ハルトマン、ス
トラヴィンスキーと幅広い。そうした経歴から、このCDはさぞ斬新な解釈のブ
ラームスが聴けるのかと思いきや、意外にも大変落ち着いた無駄のない、大人
の音楽である。大器の予感がする期待のピアニスト。
GEN88127 2枚組 \3960
「ブラームス:クラリネットのための作品全集」
クラリネット五重奏曲 ロ短調Op.115
クラリネット三重奏曲 イ短調Op.114
クラリネット・ソナタ ヘ短調Op.120-No.1
クラリネット・ソナタ 変ホ長調Op.120-No.2
フランソワ・ベンダ(Cl)、
ベンダ音楽一座:
【ロラ・ベンダ(Vn)、ナンシー・ベンダ(Vn)、モニカ・ベンダ(Va)、
クリスティアン・ベンダ(Vc)、セバスティアン・ベンダ(Pf)】
録音:1988年(CD1)/1990年(CD2)
総代であるピアニストのセバスティアン・ベンダはチェコの名門音楽家ベンダ
・ファミリーの血をひき、生前はオネゲル、カゼルラ、マルタンらとも交流が
あった。彼の家族も皆優れた音楽家となった。クラリネットのフランソワはブ
ラジル生まれ、1988年にソロ・デビュー。このCDは、その頃の若々しい録音で
ある。
GEN88131 \1980
「ドメニコ・スカルラッティ:16のソナタ集」
K.1、2、3、208、209、212、213、214、146、532、533、462、463、28、29、30
松岡友子(チェンバロ)
録音:2008年5月,ヌシャテル、スイス
松岡友子は千葉県出身でチェンバロを曽根麻矢子、副嶋恭子の両氏に師事。そ
の後、イタリアに留学。チェンバロをE.ファディーニ氏に、オルガンをE.ベッ
ロッティ氏に師事、数々の賞を受賞、コンサートに出演。2007年8月、第44回
ブルージュ国際古楽コンクール・チェンバロ部門で第3位入賞。現在、イタリア
を拠点にソリスト、通奏低音奏者として活躍。ミラノ在住。今後の活躍が大い
に期待されている。
※アントレ誌9月号に松岡友子のインタビューが掲載されました。
<AULOS>
AUL66155 \2180
「ノルディック・ミュージック」
カール・ブッシュ(1862-1943):エレジー
マックス・ブルッフ(1838-1920):スウェーデン民謡によるセレナード
ダグ・イヴァル・ヴィレン(1905-1986):セレナード
カール・ニールセン(1865-1931):パラフレーズ
ラルク=エリック・ラーション(1908-1986):小さなセレナード
セバスティアン・テヴィンケル指揮
プフォルツハイム南西ドイツ室内管弦楽団
録音:2003-2006年
19世紀末から20世紀半ばまで活躍した北欧の作曲家たちとブルッフの北欧を題
材にした弦楽オーケストラのための作品集。いずれも北国抒情満点の美しい音
の細密画。
AUL66156 2枚組 \4360
タピオ・トゥオメラ(1958b):歌劇《母と娘たち》
-カレヴァラをモティーフとしたレミンカイネンの物語
ヨン・ストルゴー指揮
フィンランド国立歌劇場管弦楽団、他ソリスト
録音:2002年
タピオ・トゥオメラは1958年フィンランド生まれの作曲家で指揮者としても国
際的に活動している。作曲家としてはシベリウスの伝統を受け継ぎ、フィンラ
ンドの自然、歴史、神話に基づいた作品を多数発表、その功績により、フィン
ランドのカレヴァラ協会賞を受賞している。詩人パーヴォ・ハーヴィッコとの
共同作業によるカレヴァラをモティーフにしたフィンランド現代オペラの傑作。
AUL66158 \2180
「ニクラス・エッピンガー/無伴奏チェロ作品集」
コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ,無伴奏チェロのための奇想曲
リゲティ:無伴奏チェロ・ソナタ
ミクロス・ローザ:トッカータ・カプリチオーサ
ニクラス・エッピンガー(Vc)
録音:2006年
近現代ハンガリーの作曲家による無伴奏チェロ作品集。ローザは映画「ベン・
ハー」の音楽で知られるが、もともとはハンガリー出身。エッピンガーはゲリ
ンガス、ジークフリート・パルムらに師事、現在ミュンヘン・フィルの首席チェ
リストを務める。伸びやかな音がヨーヨー・マを思わせる期待の若手である。
<RCD>
RCD16036 \1850
“ロシアン・ピアノ・スクール・シリーズ”
「ロシアの偉大なピアニストたちによるシューマン:歴史的名演集」
(1)クライスレリアーナOp.16
(2)パピヨンOp..2
(3)幻想小品集Op.12
(1)ゲンリヒ・ネイガウス(1951年録音)
(2)ウラディミール・ソフロニツキー
(1952年録音)
(3)マリア・ユーディナ(1952年録音)
久々の発売となる「ロシアン・ピアノ・スクール・シリーズ」ですが、ユーディ
ナ以外は当レーベルの既出盤からのコンピレーションものです。ロシアの伝説
的3大ピアニストによるシューマン。ネイガウスの驚異のテンポ設定など聴き所
満載。