クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

コメントはメーカー案内書より抜粋です。お問い合わせ:goodies2@pc.highway.ne.jp

07-06 No.4-1

2007年06月08日 12時21分19秒 | Weblog
<EMI CLASSICS>
CZS-3927472 4枚組 \3000
ジョン・オグドン/70歳記念エディション
CD1
ラフマニノフ:
ピアノ協奏曲第2番ハ短調Op.18
パガニーニの主題による狂詩曲Op.43(未発売)
フィルハーモニア管弦楽団、
ジョン・プリッチャード指揮
フォーレ:バラード 嬰ヘ長調Op.19
リトルフ:スケルツォ~交響協奏曲第4番ニ短調Op.102
バーミンガム市交響楽団、ルイ・フレモー指揮
CD2
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調Op.23
フランク:交響的変奏曲
フィルハーモニア管弦楽団、ジョン・バルビローリ指揮
リスト:ハンガリア幻想曲S123*
リスト/ブゾーニ編:スペイン狂詩曲S254*
フィルハーモニア管弦楽団、ジョン・プリッチャード指揮
CD3
バルトーク:ピアノ協奏曲第1番Sz83(未発売)
フィルハーモニア管弦楽団、マルコム・サージェント指揮
グラズノフ:ピアノ協奏曲第1番ヘ短調Op.92*
ボーンマス交響楽団、パーヴォ・ベルグルンド指揮
オグドン:ピアノ協奏曲第1番*
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、ローレンス・フォスター指揮
CD4(ソロ・ピアノ編)
オグドン:ピアノ・ソナタ*
主題と変奏曲集*
リスト:ピアノ・ソナタロ短調S178*
ハンガリア狂詩曲第15番イ短調「ラコッツィ行進曲」S244-No.15*
忘れられたワルツ第1番S215-No.1*
死のチャールダーシュS224*
夜想曲「夢の中に」S207*
以上 ジョン・オグドン(ピアノ)*初CD化
89年52歳で亡くなった英国の偉大なピアニストオグドンの誕生70歳記念
初発売の2曲、初CD化作品(貴重な自作を含む)を多数収録したアンソロジー。
すべて新たにリマスターされ、オグドンの類まれな光彩陸離のテクニックを
堪能する4枚組み。





<Profl>
PH 07064 \2180
全曲世界初録音
レーラ・アウエルバッハ:ピアノ曲集
(1)幻想曲 (1986)
(2)「死を想え(メメント・モリ)」(1996)
(3)ピアノソナタ第1番「不死鳥」(2006)
(4)ピアノソナタ第2番「しるし」(2006)
(5)幼年時代の映像(子供のための12の小品)(2000)
クセニヤ・ノーシコワ(Pf)
著名な作家であり、弊社「たまゆらレーベル」の大切なアーチストでもある
天才レーラ・アウエルバッハ。彼女の作品普及に熱心なBISレーベルでさえ録
音していない初出ピアノ曲を同郷のノーシコワがまとめました。「幻想曲」
は何と13歳の時の作で、アウエルバッハがモーツァルトばりの神童だったこ
とを証明してくれます。
また1996年作のオーケストラ曲(旧名「交響曲第1番」)のピアノ版「死を想
え(メメント・モリ)」もシュニトケやワインベルクを思わせる脂っこくボル
テージの高い作風が興味津々。ノーシコワの委嘱で作曲された最新作「ピアノ
ソナタ第2番」も異常なまでに充実した内容。アウエルバッハ恐るべしと申せ
ましょう。

PH 06034 \2180
モーツァルト:いとしの姉ナンネルのために
(1)連弾のためのソナタ ニ長調 K.381
(2)前奏曲とフーガ ハ長調 K.394
(3)転調する前奏曲
(4)連弾のためのソナタ ハ長調 K.19a
(5)ピアノソナタ第7番 ハ長調 K.309
(6)カプリッチョ K.395
(7)連弾のためのソナタ 変ロ長調 K.358
ヴォルフガング・ブルンナー&レオノーレ・フォン・シュトラウス (フォルテ
ピアノ連弾)
モーツァルトが姉ナンネルと共演するために作曲した連弾作品とナンネルがら
みの独奏曲をフォルテピアノで奏したアルバム。さまざまなレーベルでフォル
テピアノの名演を繰り広げているブルンナーが、ここでもいぶし銀の芸術を聴
かせてくれます。

PH 07072 \2180
グルジアの作曲家によるギター音楽
(1)ニコ・ナリマニーゼ (1904-1975):
舞曲/ホルミ/サタマショ/ギターソナタ/グルジアの歌
(2)ゲルマン・ザパリーゼ (1939-):
イメレチの騎兵の歌/輪舞/シャヴレゴ変奏曲/ギターソナタ/こびとの行進
/アレグロ・コン・ブリオ/汝は真の芸術なり、ぶどう畑よ
(3)テンギス・シャヴロハシヴィリ (1946-):バラード
(4)ワージャ・カランダーゼ (1961-):チェラ/ヤヴナナ
オレグ・チモフェーエフ (7弦ギター)
旧ソ連邦コーカサスの共和国だったグルジアは、中東的な異国情緒に満ちた美
しい文化を持っています。太陽に恵まれ、むしろラテン的な気質に富むグルジ
ア人にギターという楽器はピッタリ。ここに収められた作品は、血の気の多さ
と独特の哀感、美しいメロディにあふれた独特の魅力にあふれています。ロシ
ア独特な7弦ギターの響きにも注目です。

PH 05032 \2180
ファリャ:ピアノ曲全集
(1)4つのスペイン小品集 (2)セレナータ ホ短調 
(3)アンダルシアのセレナータ (4)演奏会用アレグロ (5)マズルカ 
(6)歌 (7)小人の行列 (8)ノクターン (9)ワルツ=カプリッチョ 
(10)ポール・デュカスの墓に捧ぐ (11)ベティカ幻想曲
ウタ・ヴェヤンド (Pf)
ファリャのピアノ曲といえば、編曲物の「火祭りの踊り」ばかりが有名で、オ
リジナル作品は意外に顧みられていません。「スペイン命」の若手ピアニスト、
ウタ・ヴェヤンドは女優ばりの美人ながら、なかなか見どころのあるこだわり
派。このアルバムもファリャ・アーカイヴ所蔵の自筆譜をチェックし、出版譜
の誤りを正して演奏しているとのこと。学術的なだけでなく、熱いスペイン魂
も感じさせる演奏が魅力です。

PH 06025 \2180
プレイエル:2手および4手作品集
(1)2つの小品
(2)連弾のためのソナタ 変ロ長調
(3)2台のピアノのための協奏曲ニ長調
(4)連弾のためのソナタ ト短調
(5)連弾のためのソナタ ヘ長調
(6)エコセーズ
ヴォルフガング・ブルンナー&レオノーレ・フォン・シュトラウス
(フォルテピアノ連弾)
ショパンも愛用したことで知られるピアノのブランドの創始者でもある作曲家
イグナツ・プレイエル (1757-1831)。今年が生誕250年にあたります。多作家
で、交響曲だけでも60曲位あると言われていますが、ピアノ作品は割りと珍し
く大歓迎。ウィーン古典派風の端正なたたずまいが爽やか。古楽器による演奏
ですが、プレイエル・ピアノでない(アントン・ワルターとノイペルト製)と
ころがミソです。

PH 07065 4枚組 \5950
クララ・シューマン:ピアノ曲全集
スザンヌ・グリュツマン (Pf)
昨今の女性作曲家研究の発展のおかげで、「シューマンの嫁」という概念を越
えてひとかどの作曲家として評価されるようになってきたクララ。彼女の作品
はかなり録音に恵まれてはいますが、ピアノ曲全集は大歓迎の登場と申せま
しょう。デリケートかつ名人芸的な美しい作品ばかりです。





<WERGO>
WER 6689 2枚組 \4160
シチェドリン:
(1)ポリフォニーの手帳(25のポリフォニック前奏曲)Op.50 (1972)
(2)12の前奏曲とフーガ(#系)Op.29 (1964)
(3)12の前奏曲とフーガ(♭系)Op.45 (1970)
ロディオン・シチェドリン(Pf)
録音:(1)1973、(2)1966、(3)1971
バレエの女王プリセツカヤの夫君にして旧ソ連を代表する現役作曲家ロディ
オン・シチェドリン (1932-)による、ピアノの代表作2篇の自作自演。彼はヤ
コフ・フリエール門下のピアノの名手で、自作の演奏にかけては他の追随を
許さぬ神業を示します。「24の前奏曲とフーガ」はショスタコーヴィチの同
名傑作以後もっとも優れたもので、非常に充実した内容と高度なピアノ技巧
を堪能できます。いずれもメロディア音源。




<現代ギター>
GGCM 1001 \2940
音楽への想い -関口久男ギター・リサイタル
(1)ソル:4つのメヌエット(イ短調Op.11-7、イ長調Op.11-6、ホ長調Op.11-10、
ニ長調Op.11-5)、ワルツト長調Op.8-2 
(2)シューマン:トロイメライ 
(3)グルック:バレー 
(4)バッハ:
プレリュード-無伴奏チェロ組曲第1番より、サラバンドとドゥーブル-無伴奏
ヴァイオリン・パルティータ第1番より 
(5)ポンセ:サラバンド-イ短調組曲より 
(6)メンデルスゾーン:無言歌「ヴェニスの舟歌」 
(7)ダウランド:デンマーク王のガリアルダ 
(8)ガスパール・サンス(1640-1710):エスパニョレッタ、カナリオス 
(9)タレガ:タンゴ 
(10)ヴィラ=ロボス:プレリュード第3番 
(11)グラナドス:スペイン舞曲第10番「悲しき舞曲」 
(12)カタルーニャ民謡:聖母の御子
関口久男(Gt)
堅実な活動を続ける実力派ギタリストを紹介する現代ギター社の新レーベル
「マスターズ・レーベル」の第1弾。関口久男は1950年埼玉県久喜市生まれ。
ギターを高木 孝氏に師事。第4回新人賞選考演奏会(現クラシカルギターコ
ンクール)で新人賞を受賞。第16回ギターコンクール(現東京国際ギターコ
ンクール)に入賞。1974年、イギリスにてセゴビアの演奏に深い感銘を受け、
決意を新たに研究に励む。1980年、石橋メモリアルホールにてリサイタル。
以後、各地で数々のコンサートを行なうとともに、地元・久喜市を中心に後
進の指導にあたっている。彼の熱い“音楽への想い”を収めたこのCDで、そ
の実力を聴いてください。





<ZIG-ZAG Territoires>
ZZT 070501 \2300
J.S.バッハ:
ヴァイオリン協奏曲 第1番BWV.1041、第2番BWV.1042、
BWV.1052(チャンバロ協奏曲第1番)、BWV.1056(チェンバロ協奏曲第2番)
アマンディーヌ・ベイェ(バロックVn & Cond)
グリ・インコグニティ[アルバ・ロカ(Vn) フラヴィオ・ロスコ(Vn) 
マルタ・パラモ(Va) マルコ・チェッカート(Vc) 
バルドメロ・バルチェラ(Gamb) アンナ・フォンターナ(Cemb)]
録音:2007年1月15-19日
2つのオリジナルのヴァイオリン協奏曲(BWV.1041、BWV.1042)と2つの失われ
たヴァイオリン協奏曲(BWV.1052、BWV.1056)が収録されています。BWV.1041、
BWV.1042はイタリア様式の影響を受けた華やかなトゥッティと名人芸で聴かせ
るソロが特徴的な作品。現在はチェンバロ協奏曲として演奏されている
BWV.1052、BWV.1056は、おそらく失われたヴァイオリン協奏曲の編曲であると
されています。アマンディーヌ・ベイェの繊細かつ大胆な妙技を披露し、また
グリ・インコグニティの一人一人の高い技術が作品の細かな要素を丁寧に描き
出しています。グリ・インコグニティは2006年アマンディーヌ・ベイェの呼び
かけにより結成されたアンサンブル。
このCDは、1984年から開催されているリビエラ海岸恒例のイベント、「モンテ
カルロ春の芸術祭」公式アルバムです。

ZZT 070502 \2300
ウェーベルン:弦楽四重奏のための緩徐楽章
ベルク:抒情組曲
シェーンベルク:弦楽四重奏曲第4番
プソフォス四重奏団
〔田中綾子(Vn) ブルーエン・ル・メートル(Vn) セシル・グラッシ(Va) 
イングリッド・ショーンロブ(Vc)〕
録音:2005年11月、2006年3月
2003年にメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲をリリース(ZZT.030702)、2006年に
はラ・フォル・ジュルネで明るく大らかな演奏で聴衆を魅了したプソフォス四
重奏団。今回は新ウィーン楽派を取り上げています。彼女たちの表現しえる全
ての手段を使ったとも思える勢いのある表現力には圧倒されます。(「モンテ
カルロ春の芸術祭」公式アルバム)

ZZT 070302 \2300
マルカントワーヌ・シャルパンティエ(1643-1704):声楽作品集
寂しい荒野よH.469、何も恐れずこの森にH.467、もう愛してはいないH.455、
世俗モテット「シャルパンティエの墓碑銘」H474、「ル・シッド」のスタン
スによるエールH.457-459、カンタータ「地獄へ降りるオルフェウス」H.471

ジェラール・レーヌ(指,オート・コントル)
シリル・オヴィティ(A)  エドヴィン・クロスレー=メルセル(B) 
イル・セミナリオ・ムジカーレ 他
録音:2006年10月9-12日
ジェラール・レーヌとイル・セミナリオ・ムジカーレによるシャルパンティエ
の声楽作品集。シャルパンティエはイタリア留学中にカリッシミに学びルイ
14世時代のフランスの作曲家の中でも、宗教音楽の第一人者。大胆な旋律、
洗練されたシャルパンティエの音楽を鮮やかに描き出したレーヌとイル・セミ
ナリオ・ムジカーレ。彼らのこなれた粋な演奏に脱帽です。

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07-06 No.4-2

2007年06月08日 12時20分46秒 | Weblog
<Ambroisie>
AM 112 \2300
「旅するヴィルトゥオーゾ」-デュオ・ソナタ&トリオ・ソナタ集
テレマン:
(1)トリオ・ソナタ ニ短調
(2)トリオ・ソナタ ト短調(「音楽の練習帳」より)
(3)トリオ・ソナタ 変ロ長調(「音楽の練習帳」より)
(4)ソナタ ニ長調(「忠実な音楽の師」より)
(5)トリオ・ソナタ 変ホ長調(「音楽の練習帳」より)
(6)トリオ・ソナタ イ短調(「音楽の練習帳」より)
アンサンブル・アマリリス
エロイーズ・ガイヤール(音楽監督、リコーダー&オーボエ)、
ヴィオレーヌ・コシャール(Cem)、デイヴィッド・プランティエ(Vn)、
エマニュエル・ジャックス(Vc)、
ラウラ・モニカ・プスティルニク(リュート)
録音:2006年3月
タイトルのとおり、超絶技巧的な要素をふんだんに盛り込んだ、テレマンによ
る室内楽作品集。エロイーズ・ガイヤールの奏でるオーボエやリコーダーの音
色は、実に色彩豊かで、濃厚な表現にうっとりさせられます。「忠実な音楽の
師」はテレマンが生きていた当時に刊行されていた音楽雑誌に収録されていた
もので、家庭にいながらにして様々なタイプの音楽がたのしめる楽譜として人
気を誇っていました。こんな素敵な作品の新曲の楽譜が定期的に刊行されてい
たなんて、当時の人々はさぞ楽しみだったことでしょう。アンサンブル・アマ
リリスの名人芸が存分に堪能できる一枚です。





<Praga Digitals>」
PRDDSD 250238(SACD-Hybrid) \2580
ハイドン:弦楽四重奏曲集
(1)第39番ハ長調Op.33-3, Hob.III:39「鳥」
(2)第38番変ホ長調Op.33-2, Hob.III:38「冗談」
(3)第41番ト長調Op.33-5
パルカニ四重奏団
録音:2007年7月4-7日プラハ、ドモヴィナ・スタジオ
バルトーク・アルバム(PRDDSD.250225、PRDDSD.250235)が高い評価を得てい
るパルカニ四重奏団による最新アルバムは前2作から一転してハイドン。ロシ
ア四重奏曲と呼ばれる作品33のなかでも、人気の高い表題つきのナンバーを含
む3曲を収録しています。
第1楽章の第2主題や、第2楽章のトリオの旋律がそれぞれ鳥のさえずりを思わ
せる第39番、短調の哀感こもったラルゴで名高い第41番。そして「冗談」
(Gli Scherzi)という名の由来となったスケルツォを第2楽章に置く第38番。
ハイドンみずから“まったく新しい特別の方法で作られた”という宣伝文句
を用いたように、民謡風の主題、明確な様式、明るいムードがそれまでとは違
う新しい何かを感じさせる内容です。オルランド四重奏団のメンバー3名が、
1984年に新しくチェリストを迎えてスタートさせたパルカニ・カルテット。
伸び伸びとして美しい演奏で聴かせます。





<Medici arts>
=medici MASTERS=
MM 006 \1850
モノラル
(1)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調Op.73「皇帝」
(2)同:ピアノ・ソナタ第21番ハ長調Op.53「ワルトシュタイン」
(3)ショパン:練習曲集
変イ長調Op.25-1「牧童」/ ヘ短調Op.25-2 / ヘ長調Op.25-3 /
嬰ト短調Op.25-6 / 変ニ長調Op.25-8 / 変ト長調Op.25-9「蝶々」 /
変ト長調Op.10-5「黒鍵」
ヴィルヘルム・バックハウス(P)
サー・ゲオルク・ショルティ(指)ケルン放送SO.
録音:(1)1956年6月25日ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール(ライヴ)
(2)1959年9月24日ボン、ベートーヴェンハレ(ライヴ)
(3)1953年6月11日ルガーノ(ライヴ)
とんでもなくこれはスゴイ!バックハウスが72歳(1884年3月生まれ)、56年
の「皇帝」はまだ43歳で血気盛んなショルティ(同年ザルツブルク音楽祭にデ
ビュー)との願ってもない顔合わせで、衰え知らずその一歩もゆずらぬやりと
りからライヴの醍醐味ここに尽きるといった感で屈指の聴きもの。バックハウ
スはこれから3年後に、イッセルシュテット&ウィーン・フィルとかの有名な
デッカ録音を残すことになりますが、この時期にかくも立派な演奏が繰り広
げられていたとは。また、2度目のスタジオ盤全集中の録音と同じ年にあたる
ソナタのライヴ。揺るぎない打鍵が圧倒的に素晴らしく、“鍵盤の獅子王”
による不滅のベートーヴェン演奏が味わえます。ショパンを除くすべて、WDR
のオリジナル・マスターからの復刻でやはりこの年代としては驚異的な音質
で蘇ったことも大きな収穫です。

MM 005 \1850
モノラル
(1)ベートーヴェン:「エグモント」序曲
(2)ブラームス:交響曲第1番ハ短調
(3)同:亡き児を偲ぶ歌
ジョージ・ロンドン(Bs)
オットー・クレンペラー(指)ケルン放送SO.
録音:(1)1955年5月28日(2)(3)1955年10月17日
ケルン、WDRフンクハウス、第1ホール(ライヴ)
巨匠クレンペラーがもっとも意欲が漲っていた時期に行なわれたケルン放送響
とのライヴ集。ブラームスはクナッパーツブッシュの演奏と信じて売られてい
た(いる)もので、ファンの間ではとりわけ有名だったもの。全編をつらぬく
ガッチリとした造詣がこたえられない魅力となっています。エグモントも辛口
演奏の典型ともいえるきびしさが潔く、この上ない風格。さらに、同じくロン
ドンを迎えたNDR響との録音(55年)もある、師マーラー作の「亡き児」。こ
れは“ロンドンの、という以上にまさしくクレンペラーの亡き児”。クレン
ペラーが振るとシンフォニックな響きで作品が満たされるから不思議です。
すべてWDRのオリジナル・マスター・テープよりのCD化で、驚くほど鮮明な音
質で聴けるのが何よりのポイントです。

MM 008 \1850
ステレオ
(1)ヴェルディ:「シチリア島の夕べの祈り」序曲
(2)同:「椿姫」第1幕への前奏曲
(3)同:「椿姫」第3幕への前奏曲
(4)同:「運命の力」序曲
(5)同:「ナブッコ」序曲
(6)同:「アイーダ」第1幕への前奏曲
(7)ベッリーニ:「ノルマ」序曲
(8)同:「ノルマ」第2幕への前奏曲
(9)ロッシーニ:「チェネレントラ(シンデレラ)」序曲
(10)ドニゼッティ:「シャモニーのリンダ」序曲
(11)同:「ドン・パスクァーレ」序曲
トゥリオ・セラフィン(指)
(1)(2)(3)(4)ロイヤル・フィル(5)(6)(7)(9)(10)(11)フィルハーモニアO.
(8)ミラノ・スカラ座O.
録音:(1)(2)(3)(4)1959年2月19日ロンドン、キングズウェイ・ホール
(5)(6)1959年2月27日(7)(9)(10)(11)1961年4月16日
ロンドン、アビー・ロード第1スタジオ
(8)1960年9月5-12日ミラノ、スカラ座
来年2008年に生誕130年と没後40年を同時に向かえるセラフィン。スカラ座を
はじめメトなど世界の歌劇場で活躍し、歌手の力量を引き出す手腕に長けてた
いへん信頼の厚かったイタリアの名匠です。こうして彼の独壇場であったイタ
リア・オペラからの有名序曲を収めたアルバムを聴き、改めて気付かされるの
は無類のセンスのよさ。いきいきと名旋律に生命が吹き込まれ、勢いと流れる
ようなドラマ作りが見事です。
このたびEMIより正規ライセンスを受けてのCD化。今後medici mastersでは
WDRのアーカイヴ音源発掘と並行して、他社が所有する商業録音から忘れがた
い名演奏をもリリースしてゆくとのことです。

MM 007 \1850
モノラル
(1)モーツァルト:弦楽四重奏曲第18番イ長調KV.464
(2)ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番変ホ長調Op.127
アマデウス四重奏団
録音:(1)1956年2月3日(2)1956年2月2日ケルン、WDRフンクハウス、
第1ホール(ライヴ)
1987年ヴィオラのシドロフの死によって、メンバーの交替を経験することなく
40年に及ぶ活動の幕を降ろした英国の名門アマデウス・カルテット。数多くの
録音を残した彼らもライヴとなると貴重。ここに収録された内容は、同時期の
ライヴを収めたANDANTE盤(AN.2160)中のそれぞれ、モーツァルトがシューベル
トの「死と乙女」と、ベートーヴェンがハイドンのハ長調と同日に演奏された
ものです。1948年の華々しいウィグモア・ホール・デビューからまだ10年足ら
ず、アーカイヴのオリジナル・マスターによる生々しい音質が、溌剌としてみ
ずみずしい表現をみせる彼らの姿を刻銘に伝えています。




<SERENADE>
SEDR-5001 \2300
エクトル・ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14a
モーリス・ラヴェル:ラ・ヴァルス  La Valse
ガブリエル・フォーレ:パヴァーヌ、作品50 Pavane, Op.50
ポール・パレー指揮
コンセール・コロンヌ管弦楽団
デトロイト交響楽団
Recorded:4, 6 December 1950,
7 December 1953, Old Orchestra Hall, Detroit
Source:Vox (U.S.A.) PL 6950 Mercury (U.S.A.) MG 50029
パレーの幻想交響曲といえば1959年にデトロイト交響楽団を振ってマーキュリ
ーに入れたステレオ録音が非常に有名である。一般的にはこの録音が唯一もの
と思われているが、実はコンセール・コロンヌ管弦楽団を振ったモノーラル録
音も存在するのである。このLPの録音データはマイケル・グレイ氏より提供さ
れたものによると1950年12月4日、6日、パリのサル・プレイエルでの収録で、
5日にはセッションがなかったらしい。ジャケットにも“Copyright 1951 by
Vox Productions, Inc”とあり、録音年とつじつまが合うので、このCDRもグ
レイ氏のデータを採用した。また、レーベルには"A Polydor Recording"、
"Rec. in France"と記されているが、フランス・ポリドールから発売された形
跡はない。John Huntのディスコグラフィ"A Gallic Trio"(Charles Munch,
Paul Paray, Pierre Monteux) には「1946-1947年、パリ」とあるが、同書が
何を根拠にこのように記したかは不明であるし、ジャケットのCopyrightの
1951年という表示とも食い違うので、これは誤りであると思う。また、音をお
聴きになればおわかりのように、これはSPやアセテート等の録音ではなく、明
らかにテープで収録されたものである。レンジの狭いモノーラル録音ゆえにオ
ーディオ的な快感には乏しいが、デトロイト盤よりもいっそう若々しく張りの
ある演奏であり、いかにも明るくしゃれた味わいを持つオーケストラの音色も
聴きものである。
ラヴェルとフォーレはマーキュリーのLPより復刻したもので、このLPにはフラ
ンクの「プシュケ」が収録されている。LPの解説には「指揮台の上15フィート
(約7.6メートル)につるされた1本のマイクで収録し、セッション中オーケス
トラは通常の演奏会と同じ位置に着席していた」とある。特にラヴェルはマー
キュリーの鮮明な音質とパレーの輪郭をくっきりと描いた解釈とで、非常に冴
えた音がしていると思う。
(平林 直哉)

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