マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

和歌山、これも忘れ難く

2011-04-03 17:35:32 | Weblog


和歌山といえば中華そば。 今はなき道頓堀極楽商店街に一時入っていたが、
食べるチャンスがなかった。いずれ和歌山へ行こうと思い、ようやく叶った。

和歌山ラーメンの名前は東京のマスコミを経由して全国に知られるようになった。
隣りにいながら、大阪の人間はほとんど認識してこなかったのではないか。





シンプル極まりないメニュー。ある意味、男らしい。

そばをすすりながら、あるいはそばを待つ間に、すしを食べる。
しかも「早寿司」というのが和歌山らしい。

さすがはなれ寿司文化のある地帯である。
本来は奈良の柿の葉寿司のように、葉っぱで包み、熟成を促進させ、
同時に防腐殺菌作用もあったアセの葉というものを使った。
竹の葉にも似て、さわやかな香りがするものらしいが、今は悲しいかなビニール製。

そばと寿司を合わせる辺り、元々うどん・そば屋だった時代の名残とみられる。





和歌山ラーメンの一派を成す井出系の大本山。

スープは鶏がら豚骨だが、ある時アクシデントで煮すぎて乳化が進んでしまい、
スープが濁ってしまったという。食べてみたら濃厚でコクがあったので、その手法を踏襲したのだろう。

もう一派は醤油ベースのあっさり系だという。車庫系と称された。





麺はストレート麺。 このスープの感じは徳島ラーメンとも通じる。
徳島はチャーシューでなく、バラ肉だけどね。

スープのタッチは、尼崎の最古のラーメン屋「大貫本店」とも似ている。





旨い、フツーに旨い。のどごしよろしく、あっという間にスルスル入って行く。
少々やけどしようが、一気呵成に食った方が旨いに決まっている。


普通の中華そばをたのむと、盛りが少ない。この感じも徳島と似てるな。
しかし、京都の老舗などでもあるような、白ごはんがない。
よって早寿司を食べるしか方法ないのだ。 鯖寿司と中華そばとの取り合わせには
まだ初対面で、なかなかもろ手を挙げて「合う!」とは言い難い。





店は和歌山駅からも近いが、やたらと暗い。

昭和28年開店。狭い店内に、これが音に聞こえた井出なのかと感慨ひとしおだった。





ラーメン後は、けやき通り沿いのバーへ。





地方に来ると、バーに行き、できるならばバーテンダーと話し、地元情報を聴き出す。
きちんとしたバーテンなら、それなりに街のよさを教えてくれるはずだ。

グラスの赤、アモンティリャード、カルバドスが2杯。





「紀州和歌山バー紀行」なんていうバーガイドの冊子を、日本バーテンダー協会和歌山支部が
作っている。 旅の人間にも親切。 徳島のバー鴻さんのことも知っていた。



             中華そば  井出商店      和歌山市田中町4

             BAR  DEN            和歌山市岡南ノ丁 


         

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紀州の魚、どうど!

2011-04-03 15:13:37 | Weblog

思い返せば、阪神淡路大震災がひとつの引き金になっている気がする。
あの大災害の後、オウム真理教のサリン事件が起きたり、酒鬼薔薇聖斗の猟奇事件が起きている。
人心の磁場が狂ってしまったというか、その後、殺人事件のない日はないぐらい物騒な国になり、
年間3万人が首をくくる尋常ならざる国になってしまった。

今度の東日本大震災が起点となり、人心を揺り起こし、いい方に、いい国に揺り戻してやくれないだろうか。
災い転じて福となす、といえるような国になることを心から祈るばかりである。
そうでないと、何万もの命が浮かばれやしない。

さて、旧聞になるが、アップしておきたいのは、和歌山の飲み屋ばなし。
なかなか和歌山まで飲みに行くなんて酔狂な奴はいないのかもしれない。





和歌山のぶらくり丁なんて処に来たのは、30年以上前。





でっかい商店街は、ここでも同じくお茶をひいていた。





どうせなら、地元の魚を食いたいと思うのが人情。
「千里十里」という居酒屋。55年続いているという。





中は落ち着いた風情。

お通し  アワビ、流れ子煮付けなど。





造りはアジ・タイ(加太)・ヨコワ・カンパチ・アカイカ 1380円





酒は紀伊の名手酒造「荒神」。

料理を出す際に、「どうど!!」 これがいい。ああ、和歌山に来たという実感。




灰干しさんま 580円 雑賀崎西出火産。

回遊魚のサンマは秋口から脂を蓄え、北海道厚岸辺りでまず獲れ、その後、三陸下って、気仙沼で上がり、
銚子沖で上がり、紀伊半島にたどりつく頃には、すっかり栄養使い果たして、脂の抜けた姿になっている。
それがかえって干物に向いているとされ、古くからサイラ(サンマ)の干物は和歌山名産の一つとされてきた。

この灰干し、いやいや予想を上回る旨さ。脂の抜けた平べったい身も秀逸である。
熟女でなく、婆さん芸者の味といったところか。 婆さん芸者のみなさん、すいません。





近海メバル煮付け  こういう紀州の甘めのたまり醤油で煮た煮物の旨さ。
白メシなら2膳は食えてしまう。




Bone In Japan !   Bone In Kurosio !




なんだかの骨せんべい。

女将さんらしき人が、お客に先んじて「ごめんよ」と多用するのは、和歌山人って気が短いのか。
それとも単に口癖なのかな。

なかなかよき店ではないかいな。


             「千里十里」   和歌山市元寺町  築地通り




 

コメント (2)
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