マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

熱いスープこそが値打ち

2011-01-10 20:54:37 | 

魏さんと読む時、関西人は「ぎぃさん」となる。
つげ義春の「李さん一家」ならば、「りぃさん一家」となる。
横浜中華街生まれの魏さんは西へ来て、さぞや、ぎぃさん…に馴れなかっただろうな。

魏さんは京都らしい町家使いに手慣れた方である。
一見、合いそうもない、本田味噌の古い家屋を新しい中華の点心屋に変えた。



昨年秋開店した、『魏飯夷堂(ぎいはんえびすどう)』。
西木屋町の中国料理、「一之船入」の支店。
中は吹き抜けになっていて、天井は高い。




魏さんが引っぱってきた、本場の点心師、王さんが包む小籠包の店。
中国風に書くと、小吃店となるのかな。





白菜ときゅうりの黒酢和え  シャキシャキしてこざっぱり 
   




出てきましたよ  上海小籠包  5個 900円

熱いスープをたわわに含ませてある。





口の中で爆発してあぢぢぢぢ…となる場合もあるのだけど、
僕はそれでもいい。ちょっと齧ってスープだけ飲んで、それからパクリなんてのは好かん。


味はなかなかよろしゅござんすよ。麺の旨さをもうちょいアピールしたいかな。
皮が薄いので、もう少しもっちり来てもいいのと、スープの量はもう少し加減してもいいかも。


CMで北川恵子が上海へ旅行して、小籠包を箸で割ってスープをじゅ~っと流すのがあったが、
「ああああ、ナニさらしてんねん!」と心穏やかではなかった。
それに比べると、サントリー烏龍茶の中国美女が一口で食べて、熱さに身もだえする方がよほど実態を伝えていてステキだった。





こちらはカニ味噌小籠包  5個 1200円

これはこれでアリだけど、台湾のティンダイフォンで食べた時もそう。
変化球としては認めるも、イメージするほどは、カニ味噌の旨さを増幅している気がしない。
無理して食べることはないだろう。ベーシックな小籠包のおかわりをお勧めしたい。





ハチノスの白葱和え   こういう小さなおかずがやたら美味。
こういうの頂いて、老酒でもグビグビが楽しいかもしれない。




焼小籠包   食感変わってオツな味に。
トロリとした小籠包に比べ、こちらはシッカと噛む味わい。





サンマー麺   サンマが入っているに非ず。トロみをつけた湯麺とでもいうべきか。
これはなかなか関西では見かけない。さすが魏さん、横浜中華街出身ですなぁ。
大方、長崎ちゃんぽんの原型はこういうものだったのかもしれない。





今、見てきたら、他に無いわけで、サンマーメン(生馬麺)は横浜生まれなんだそうな。
魏さん、第二の故郷の味を都で出す、ということですかぁ。なるほど。
店内、紅い提灯が灯り、なかなかいい雰囲気である。
堀川から西に延びる三条会商店街というのが、浮ついたところのない
暮らしに密着した商店街でいい感じ。
京都は東山ばかりぢゃないよ。西の方に栄えあらんことを。


        魏飯夷堂    京都市中京区三条岩上西入る 三条会商店街


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通天閣高い~のひざ元で

2011-01-08 15:05:38 | 




大阪人全般というわけではないが、僕のような南部の人間にとって、通天閣は見るとほっとさせられる風景。  ガキの時分から親爺に手をひかれて、ジャンジャン町の串カツなんぞを食べに来ていた。
なにかというと新世界=串カツの町とマスコミは煽ってしまうが、実は「…だけぢゃない新世界」こそが面白い。

この日は、とある姐さんに会いに。姐さんはシンガーである。
僕の方が断然年上であるにもかかわらず、芸歴から言っても、なにかとそつのない言動から言っても
やっぱり姐さんと呼ぶに値する人物だ。



新世界「食事処 双葉」

共演をさせてもらった時も、音響の仕込みから当日の舞台監督、弁当の手配からギャラ袋の配布まで、すべて一人でやっていた。弁当には一人ひとりの名前まで書いたメモが貼られていた。
そういうこまごまとしたことを、無理なくやれる。ことさら気を遣っているふうでもない。到底マネのできるこっちゃない。




姐さんに一度尋ねてみたかった。ビッグバンドとの付き合い方。
シンガーはどう接すればいいのか。一体ギャラはどうすべきなのか。
プロとはどういうものなのか。ダメ出しされた時、どう自省すればいいのか。



かき揚げ  


長いこと顔を合わせながら、ゆっくり話す機会なく、聞きたかったことがいっぱい。



鶏とねぎの煮物

彼女はグワ~ッと包み隠さずしゃべってくれた。そのテンポ感!
メモ取りたいが、取材ぢゃあるまいし、聞いたことが頭からどんどんこぼれおちてしまう。
もったいなぁ~。

「双葉」のお母さんは、サッサツと手早くいい間で料理を出してくれる。



カニと野菜のサラダ

焼酎で突っ走る。こういうのだとハイボールも欲しくなり。



吸い物は松茸・鱧・海老   ごっつぉである。 小口のネギは余計でしたね。


自分のシマだから、と姐さんに出していただく。 ごっつぉーさんでした。





河岸をかえて、バーBABYへ。
ここも姐さん行きつけ。私もときどきお邪魔する。
姐さんの歌は、この店のカウンターで聴いたのが最初。
マスター、音楽へのいいアンテナを所持してらっしゃる。





ここは私のシマでもあるので、なんとかこっちが持たせてもらった。
いろいろ喋っていただいた内容は、ほとんどここに書いたと言ってたが、本当だった。





これ、長い人生ドキュメンタリーで最後に青汁飲んで、「なんだよ~CMかよ~」って番組があるが、
それではない。 だが、人情としてお伝えしておこう。店頭でお手にとってご覧ください。

『歌に恋して』大西ユカリ (遊タイム出版) 1500円


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フィドルとバイオリンのはざま

2011-01-05 10:15:16 | 音楽


     


ストラディバリウス、高価な楽器として世に知られるが、ご本人2千丁ものバイオリンを作った多作の人だ。
古くは辻久子が家一軒分を費やして買った・・・と聴いて驚いたが、今となれば彼女が住むリーガロイヤルホテルの家賃の方が気になってしまう。

二回だけ教わった野田の師匠(プロのバイオリニスト)は、これに匹敵する名器を無造作にその辺にポンと置いていて、おおらかというか、ぞっとさせられた。弓だけで500万円というから、本体の方は推して知るべしだろう。過去に200万円の弓を勧められたが、どちらを弾かせてもらっても私のような技術なしにはよう解りませんでした。値段ばかり言うようではシロートもはなはだしい。そんな俗な人間にはバイオリンより、フィドル(Fiddle)と呼んだ方がピタッとくる。





まず、フィドルはフォークミュージックに登場する。アイルランド系の移民たちが持ち込んだ楽器で父祖伝来のジグやリールを奏でた。バックポーチの長椅子に座って、のんびりと週末の夕刻音楽を楽しむ文化。今から30年以上前、米国南部を旅して、こういう世界がまだ田舎に残っていることに感銘を受けた。




Bill Monroe And The Blue Grass Boys
左から二人目のビルモンローという男が、それまでの兄貴とやってたゆったりしたギター&マンドリンに決別し、1945年、楽器アンサンブルに重きをおいたブルーグラスという音楽を作り出す。モンローひとりで完成させたのではなく、そこにはレスターフラットのリズムギターや、アールスクラッグスのバンジョーが大きい役割を果たすことになるのだが。

BreakdownやHornpipeというアップテンポのダンスミュージックを奏でるフィドルは格別。
Orange Brossom Specialなんぞを弾く Richard GreenやScotty Stonemanにはただただ憧れた。だが、取っ付きの悪いフィドルはおいそれと何の授業料も払っていない素人を寄せ付けてくれない。


30年以上前、ナッシュヴィル郊外のバディスパイカーのフェスティバルで出会ったのが、右のフィドラー、Johnny Gimbleである。 バディ・スパイカー、デイル・ポッターのトリプルフィドルに完全にやられた。特にGimbleおじさんのフィドルのトーンとタイミング、スインギーなリックに舌を巻いた。GimbleがBob WillsのTexas Playboysにもいたことを知り、ウエスタンスイングのフィドルにズブズブと魅せられていったというわけ。
だけど、僕がやってたのはマンドリン。チューニングが一緒だったのでやれるか?と安いバイオリンを手にしたが、まぁさっきも言ったが手に負えるものでなく。今だって非常に怪しいが・・・。

ということで、ウエスタンスイングの蜂に刺されたまま、微熱は今年も続行中である。




フィドルといえば、この連中にも大いに度肝を抜かされた。




タラフ・ドゥ・ハイデュークス 
ルーマニアの地方都市から、「おい、日本で仕事の口があるらしいぞ、いいから、乗れ乗れ!」と言ったかどうか。総勢20人ばかしのロマ軍団である。ジプシー音楽はハイテンポでしょっぱなから客席の背もたれに体を押し付けられるような圧力とショーゲキを感じた。これこそがフィドル!学問として学んでくるバイオリンとは対局悪魔の楽器、ペテン師の意味も含むフィドルのある種の頂点がここにあった。
クレズマーをやっていた友人はアコーディオンを持ったままコンサートに行き、タラフの一員に「これステージで使わせて」と言われ、貸したが最後、危うく持ち逃げされるところを必死で取り返しに行った。さすがはホンマもん。掛け値なしにヤバイ連中である。

かくして、バイオリンはフィドルと呼ばれ(響きとしてはドラムスが太鼓みたいなもんでしょうか)
民衆の中に入って行った。そんな柔軟で強靭で無学だろうがへこたれないフィドルという楽器が大好きである。

日本人はどこでどう間違ったか、バイオリンを提げているのを見たら金持ちのボンボンと思う傾向にある。誤解されるのは勝手だが、大間違いだと言っておこう。あんなものは楽器の一つ、道具の一つに過ぎない。
そしてもうひとつ、バイオリンは弾き手が美女でシナを作って弾かないとCDが売れない、なんていう現代日本のリスナーの貧しさも、ああ・・・本当に気持ちが悪い。

コメント (3)
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鯔背だぜぃ、小肌

2011-01-02 15:20:14 | 



当節、大阪でも当たり前のように出てくる小肌。

だが10年前は江戸前の下ごしらえをした小肌を食べようったって、
そうそうあるものではなかった。
突堤から海をのぞくと、いくらでも鯔(ボラ)の姿は見られるのだが、
油くさくて、食えたシロモノではない。
中央市場辺りで入手できる小肌は、九州熊本とか長崎などのものが多いと聞く。

子供の頃、近所の寿司屋に注文した並の盛り合わせには、小肌の親、
つまりはコノシロが、なかば乾いたみたいな身を晒して、そっくり返って現れた。
親がヒカリものギライだったので、こっちもあのメタリックな皮めがダメだった。

だけど、東京にいる頃、貧乏書生のくせに小銭を貯めては、名の通った寿司屋に行き、
食べた小肌のうめえのうまくねえの。ほっぺたが落ちると同時に、目から鱗がボロボロと何枚も落ちた・・・。

いなせ(鯔背)という、江戸っ子が最も好む気風に鯔(ぼら)という漢字が使われるのは、
日本橋魚河岸の若いもんが髪を鯔背銀杏(いなせいちょう)に結っていたから、といわれる。
粋で勇み肌な若い衆の容姿や気っ風を、あの魚の背で表すのは興味深い。

鯔も出世魚であり、オボコ → スバシリ → イナ → ボラ → トド と変名する。
トド以上はならないことから、トドのつまり…という。
長椅子の上にドベッと寝そべって、TVの前から動かないトドのようなヨメはん、のトドではない。
(特定の個人を指すのではありません)

さて、こちら10年版ミシュランガイドで1ツ星になった、大阪京橋の寿司「すし処・広川」。
怪しい裏通りの黒っぽい店。場所は聞かれても、特にややこしい京橋では私には説明不能。




八寸風の小さなアテから始まり、酒を頂き、寿司へ。
酒肴系の技もいろいろお持ちのご様子。 ここでカウンターに貼りついて
じっくり飲みたいなぁ~。


こいつは、タチウオをさっと炙ってある。

いろいろ頂きましたが、あえて撮影は少しだけに。

思い出した、「もつ鍋まつい」の近所。





牡蛎の煮たのは珍しい。ここは煮イカなども出す。





シメは玉子で。
京橋という土地もあるのだが、北新地よりもずっと肩の力を抜いて楽しめる感じ。
店主も余計なプレッシャーを与える人にあらず。
京橋価格で楽しめるといってもよろしゅござんすな。


         すし処 広川    大阪市都島区東野田町3   

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本年もなにとぞ!

2011-01-01 02:00:34 | 音楽


ボブ・ウイルスお父さん、アンタの知らない極東の国で
ウェスタンスイングが見事に花開いております!!


と、2011年もやめぃと言われるまで、しつこく絶唱いたしますとも。

http://www.youtube.com/watch?v=Aii-pJ-qvl4&feature=BF&list=QL&index=1




ホーンが入ったらウエスタンスイングぢゃない?うるさいよ。
お父さんがやったんだから、小国民がガタガタ言うこたぁないね。


誰もやってこなかった(バカバカしくて?)ウェスタンスイング専門バンドと して、
大阪ミナミはアメリカ村でオギャーと生まれて、早や7年目に突入。
2011年も「アッハ~~!!」と叫びますぜ。


よく言われんだけど、ウエスタン? カントリー? いろいろに言われるけども、
好きなように呼んでくれりゃいいんだけど、早い話、田舎のジャズかな。 
田舎の若い衆が、都会で流行ってるジャズを俺たちもやってみるべと、納屋から
フィドルだのギター持ち出したのが最初。別名をヒルビリージャズ。これっていささか差別的な響き。


暗いジャズはごめん、だけど何となくカントリーの雰囲気もちがう。
女性とペアでダンスが踊れる音楽でありたい。 元々はダンス音楽なんだから。
ツインフィドルにスチールギター、トランペット、サックスも入った11人コンボ。
新年もまたマーベラス桜井とホットフィドルバンドにご期待下さい。


マーベラス桜井  Fiddle Mandolin Vocal
ハリー西山    Fiddle Mandolin
エルドン藤井   El.Gt
ヨッティ長井   El.Gt
ドテラ小寺    Wood Bs
カトリーナ中野  Pf
トモZ島田    Drs
ミルキー平川   Tp
アルベルト宇原  Tsax
バディ内藤    P.SteelGt
チャーリー西尾  Vocal
はいどらんじあ陽子Vocal


マーベラス桜井&His Hot Fiddle Band “Classic WesternSwing Show!!”

2月4日(金) 千日前アナザードリーム 19:30Open 20:00Start
問い合わせ 06-6211-5759 

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