マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

トリロー門下の歌姫

2008-01-14 21:33:43 | 音楽


            

楠トシエのCMソング大全が発売になるという。これは買わねば。
http://www.mikitoriro.jp/html/kusunokitoshie/kusunoki.html
楠トシエといえば、元祖CMソングの女王。1000を下らぬレコーディングをこなしている。
テレビっ子の私としては、彼女のCMソングで育てられた。

♪ あ~かちゃんの時からカ~ネボウ毛糸 
♪ 牛乳石鹸、よい石鹸
♪ ワワワ~ワが三つ、ワワワ~ワが三つ
♪ ジュースもソースもカゴメ 

白黒テレビのチャンネルをひねれば彼女の声があった。競合スポンサーもお構いなしの時代だ。
トシエは新宿ムーランルージュの舞台で認められ、三木トリロー門下で頭角を現した。どこまでも明るいモダンな声が彼女の身上だ。
トリローの描くジャズをベースとした明るいメロディラインと、リズミカルに編んだ歌詞に彼女の澱みのない声はぴったりだった。
天地総子もCM女王の一人だが、トシエの方がよりジャズっぽいスイング感を表現でき、商品名のもうひと押しも効いたと思う。

オールドファンにはNHKの公開コメディ、江戸家猫八、一龍斎貞鳳、三遊亭小金馬らと共演した『お笑い三人組』でお馴染みだろう。
後年見返した最終回「きょうは引越しの巻」(66.3.15放送)では、桜京美、音羽美子とのトリオで、アンドリュースシスターズばりのハーモニーを生放送で聴かせた。3人をリードしていたのは明らかにトシエだった。
公開コメディなどで喜劇を演じながら、その合間で完璧なハモりを聞かせられる、その技術にたまげたものだ。

「おはよう子供ショー」にビンちゃんとして出演していた頃には、こっちがもう子供番組ではアカンかった。「ひょっこりひょうたん島」のサンデー先生の声も彼女。実は紅白歌合戦にも何度も出演しているそうな。

あの変幻自在のとにかく底抜けに明るい、バタくさい歌声は、記憶の中で白黒テレビと結びつき、「名犬ラッシー」や「ララミー牧場」「パパは何でも知っている」「奥様は魔女」「じゃじゃ馬億万長者」「早撃ちマック」「どら猫大将」「名探偵フィリック」「ポパイ」「ターザン」などと同じ種類の、輸入ドラマの氾濫していたあの時代、でも日本的な貧乏くささのあるお茶の間とは、かなりの距離感があった昭和30年代の匂いがする気がしてならない。



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2 コメント

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コマソン女王 (ジェリー)
2008-01-15 00:34:38
「楠トシエのCMソング大全」
サイトの紹介文を見るとコレ「良さ気ですな」

「名犬ラッシー」や「ララミー牧場」「パパは何でも知っている」「奥様は魔女」「じゃじゃ馬億万長者」「早撃ちマック」「どら猫大将」「名探偵フィリック」「ポパイ」「ターザン」などなど。
こんな内容のユニバーサル・スタジオ的なテーマパークがあればね。決して安っぽい昭和タウンじゃなく、あの頃に感じた遠い存在のままのアメリカを体感できるパークなんですけどね・・・
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コマソン歌姫 (管理人)
2008-01-15 09:46:41
そうやねぇ、よく言われるけど、
「奥さまは魔女」のあのキッチンは当時の庶民にとって夢でした。いつもオーブンから美味しそう匂いがしてそうな。こっちはせいぜいチキンラーメンだから、その差は歴然。
ハンナ・バーバラのアニメーションもアテレコが秀逸でした。「どら猫」なんてのは鈴木ヤスシ、談志、歌奴などが並んでました。高度成長、巨大物流に楠トシエの歌声は一役買ったのでせうね。ボクにとっては美空ひばりより、こちらが昭和を代表する歌姫ですわ。
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