マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

06.4.16  この春打ち止めは、又兵衛桜

2006-04-16 23:28:42 | Weblog
ああ、今年の桜も終わりだなぁ…と思うと、無性にある桜を見たくなった。そう思ったら矢も盾もたまらず、昼近くだというのに車を飛ばしてきた。
そこいらの行政の手で植えられたりした柔なヤツではなく、風の中に立つ一本桜。そこにデンと何百年と植わっている、いわばヌシみたいな桜の樹、こいつが見てみたかった。
2時間余りとちと遠かったが、奈良県の大宇陀(旧大宇陀町)本郷地区へ。本郷の瀧桜としても知られる「又兵衛桜」。樹齢ざっと300年っていうから元禄の頃。しだれ桜なので盛りにはこんもりと白く水しぶきをあげる瀧のように見えるのだ。桜の足元には桃の花が咲いて、可憐なピンクのベールである。ロゼワインなんぞを抜いたらさぞや楽しかろう。周囲は小川も流れる田園風景といいたいところだが、カメラマニアが多かった。

しかし、じっと対峙すると周囲の煩わしいものは忘れられる。ものすごい存在感、見事なり。見ているこちらが見られているような…。美しいには違いないが、ただただ諸手を挙げて愛でる気持ちにはなれぬ。超越した生命力というか、不気味な力を感じた。あれだけの花を咲かせるためには土の中からさぞや養分を何百年も吸い上げ続けて来たのだろう。そんな蓄積された気のようなものがあった。

京都円山公園の一本桜もそうだ。樹のすぐ側に見世物小屋がかかり、それが不気味な乱調の調和をみせていた。帰ってTVをつけると日本最古の樹齢1800年だかの桜の老木を救った人のドキュメントをやっていた。努力はかうが、もうお釈迦にしてやった方がいいんぢゃないのかな。樹木にも程のよさがあるんぢゃないか。樹の幹は醜く歪み、妖怪のようなおぞましさだった。そこ行くってぇと梅なんてのはぐっと淡白で姿がよくって香りがあって、まだ寒いから人も少なくて。
昔の日本人は梅の方を尊んだって言うぢゃないか。さすがッ、菅原道真公、目の付けどころがちがう!菅ダンナ!しかし…桜を見に行って梅のよさを知るなんて言ってたら、夢に又兵衛の樹の精みたいなのが出てきて、食い殺されそうである。


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2 コメント

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圧巻ですね! (ゆきだるま)
2006-04-19 14:24:15
今年は、花粉症でしんどくてお花見することなく、気がつけば散っている・・・。

だからこんな立派な桜を見ると、「あ~自分の目で見たい!」って思っちゃいました。

来年は、この桜を見に行きたい!

ところで、八重桜ってもともと1本しかなかったって知ってました?その1本から接木、接木で現在の本数に増えたんですって。

(間違ってたらごめんなさーい!)

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桜もぼちぼち (マーベラス)
2006-04-21 14:59:15
各地に一本桜はあるけど、奈良は結構多いようです。ゆきだるまさん、ゼヒ来年どうぞ!

できうれば人のいないところで、田舎の道を歩いていて、こつ然と満艦飾のような一本桜が現れたら…いいですね!



季節の花はツツジになり、菖蒲、カキツバタになっていきます。若い頃は花なんて興味もなかったけど、オッサンの証拠かな。洛北・等持院の庭のツツジは見事ですよ。人も少なくて穴場かも。日本映画の父、牧野省三の撮影所があったところです。
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