マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

あの弁当のルーツがこちら

2010-12-16 08:53:47 | Weblog

師走なのに、秋ネタでどうも…。アップするタイミングを失っていたこのお店。
なんせ、名店の類なのであって、私にはなかなか敷居が高い。
襟を正して書こう、なんて思ってる間に、正すべき襟を見失い、時間ばかりがたった。

が、そう遠くなければ行くべき店の一軒であると考える。

松花堂庭園という、茶室が点在する素晴らしい回遊式のお庭を見せていただいてから
お店に入った方が、数倍楽しめること請け合い。





先付 漆黒の盆に緑の酒盃が映える。 我ながら、ピント甘すぎる。





酒は英勲冷酒





菱ガニ、茗荷、オクラ、南瓜、イチジク、割酢・梅肉ソース
オクラ以外は八幡の野菜。ピクルス感覚。黒酢と昆布だしで煮たイチジク。




煮物椀   ハモと加茂茄子  カツオと昆布のだし

茄子は若い、キメの細かいものを使う。カツオの濃さがよく出ていた。このだしなのだなぁ。





  どう?  ちょっと婦人画報を意識してみました・・・





酒は佐々木酒造の純米吟醸「古都」に。俳優、佐々木蔵之助の実家。弟が継いでいる由。
ちょっと甘口で京都らしい味。





造り  左から、鮎・カンパチ・鱧は湯引きぬくぬく 梅肉


遅く来てしまい、駆け足で庭をご案内頂いたのはここの庭園関係者かなと思ってたが、
こちらの村上料理長だった。いやもう、恐縮しきり。それだけ庭がなじんでらした。
飾らない風流な庭で、東京でいうと百草園をちょっとイメージするも、また違うかな。
竹の種類が見事で、椿園や住所にもなる女郎花、水琴窟なども。ゆっくり歩きたい。





八寸  抑えた中にも、さすが吉兆流の華やかさあり。 取り分けの盆。



イチジク・かます焼き霜





柚子釜の中は、活ゴリ(琵琶湖)の素揚げ





柚子釜の中は失念。 名物料理八幡巻きは八幡市が牛蒡の産地だったことから。





蒸しアワビ





鱧ずしも一切れ





落ち鮎  蓼酢 





炊き合わせ  海老・南瓜・茄子・唐辛子などの冷やし炊き合わせ





強肴   茄子炒め煮  





鮎・骨煎餅    パリパリ食べていると、ちょっと残してくださいと言われる。
  




ご飯   翡翠銀杏・むかご 

見渡すと、ずっと緑色が効いている。
吉兆湯木貞一自身が昭和の茶人であり、「華」ということは歌舞伎から学んでいる。





この男山(石清水八幡宮)近くの人々はお米にうるさく、試行錯誤の末、地元八幡の米にしたという。
農家の方々に仲良くしてもらってると、料理長嬉しそうに語る。





残した鮎の骨を砕いて、沖縄の塩をパラパラかけて茶漬けに。

侘びた味わい。美味いが、流麗なあの鮎の姿からこうなると、世のあはれを感じたり・・・。





水菓子   豊水  ピヨーネ





お薄は中庭に出てよばれる。

行燈の絵は、仲居さんが筆をとるというので驚いた。どうして立派なもんだった。

秋の花、すすき・萩など。 もう一つは鳥獣戯画が描かれていた。





南瓜の団子   蒸して裏ごしして、和三盆を使う。





塩番茶  口の中をさっぱりさせてくれる。

松花堂昭乗という茶人が残した縁高の盆を見て、初代・湯木貞一は4つのスペースにそれぞれに
料理を入れることを発想。もとはお百姓の種箱だったともいうが、昭乗は筆や画具入れに使っていた由。その小汚い(失敬)箱を見て、料理に結び付けるのはさすがである。
全国どこにでもある松花堂弁当は、吉兆から始まった。




     京都吉兆 松花堂店      京都府八幡市八幡女郎花



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2 コメント

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松花堂 (小寺)
2010-12-17 08:51:36
おや、八幡においででしたか。

松花堂が改装なるまえは、吉兆とは違う業者が入っており、おかげで吉兆はじぶんで考えたのに松花堂弁当の名前が使えず地団駄踏んでいたといいます。

松花堂への出店は悲願であったとききおよびます。

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茶室 (管理人)
2010-12-20 18:29:28
夜はお客でそうそう混み合ってる訳でもなく、今どきは京都の観光客をここまで呼ぶのも容易ではないので、左団扇という訳には行きますまい。
でもここはゆかりの地、辛抱してもらわなきゃ仕方ありません。

いろいろクラシックの音楽会などもやってるようで、おたくも是非…などと言われましたが、ウェスタンスイングと吉兆の懐石料理ぢゃ、格が違いすぎ、腸ねん転起こしそうだわ。
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