マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

談論風発、鯨飲馬食

2012-06-03 10:58:19 | Weblog


忘月忘日  学生時代の友人たちと久々に顔を揃えたのは、北新地の酒亭。

思えば、養老の滝だとか正宗屋だとか専門だったが、北新地だとさ。歳をとるとはこういうことか。

顔を揃えたのは、映画監督に女性編集マン、照明屋、大学教授、ホン屋・・・

これだけ集まればインチキな番組の1本や2本作れる。





アバンザの裏、立ち飲みの「スーリール」で待ち合わせして、ビルの階上へ。
久々の酒亭「酒肴人」。

映画監督といっても怪しい奴もいっぱいいるが、この夜、同席したのは怪しくない部類の監督。
長年撮れていない“自称監督”が多いが、
彼はコンスタントに撮れているのが素晴らしい。 
進行中のシナリオも見せてくれたが、これはまだ載っけられる段階にない。



ここは大阪の酒好きには知られた店。プレミアム的な酒も多い。空豆の塩うでなどを。
ここでは「空豆のゆがきたて」。こう書かれると、ノドが鳴ったりするではないか。

空豆が出たら、いよいよ初夏という感じだあねぇ。
ちょっと暑いぐらい、分厚い着物をまとってらっしゃるが。



太アスパラゆがきたて 和風タルタルソース

野菜ものが多くなるのは、どこか身体を気にしてるつうことかいね。やだやだ。




山菜うるいと姫みつ葉サラダ   料理のネーミングに注目を。





厚く切った蓮根の酒焼き  蕗のとう味噌かな

厚く切ったと添えることで、ザクッとした歯茎を持ち上げる食感が浮かんでくる。

ネーミング一つで注文機会につながる。

 



あおりいか下足塩焼き  酢橘

歳をとると、ひねくり回したものより、こうした素材そのものの味がよくなる。





大山地鶏 レバーにんにく醤油焼き

にんにく醤油焼き、と書くだけで美味そうな味が浮かぶ。

ここの親方がのんべえなので、どれもこれもエッジのきいた酒飲みの鼻がピクリと
するような酒肴ばかり。

「鯛白子しょうゆバター」、「筍丸ごとロースト」、「焼き魚ほぐし辛味大根おろし」、
「ほたるいかポンポン揚げ」、「塩豚ねぎまぜとん平焼き」、「鴨なんばん蕎麦チヂミ」、「塩辛チーズおこげ」


一言酒飲み心を動かす言葉を付け加えるテクニックは参考になる。


「フォアグラねぎめし」、「コンニャクゴルゴンゾーラ」・・・
聞いたことがある高級素材に、馴染みのある庶民的なものをぶつけてくる。
味が判りそうで判らない。頼んでみようということになる。実に巧みである。


こちらの極め付きがこちら。





酒の友・にぎやか玉手箱  1900円~

どれから箸をつけようか、迷いまくる・・・





左上から、アオリイカ・カンパチ・鯛・ボタン海老の造り。モツ煮。酒盗。炊き合わせ。カツオたたき。
たこの醤油焼き。いかのすり身大串。馬肉さいぼし。燻製たまご。ほんまもん漬物。





特厚!海老かつバーガー  990円

塩サバかつバーガーというのもある。
鯖サンドをメニューに加える酒場はあるが、これを換骨奪胎してバーガーに。

ちょいと頭を使った、端々にセンスが光るメニュー構成。

酒場行脚の中から、親方高村氏がみつけた方法論なのだろう。
見習うべき点は多いぞよ。
オレが見習ってもしょうがないけどね。

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Rest In Peace Earl And Doc

2012-06-03 00:52:36 | 音楽



            RIP   DOC WATSON    1923 ― 2012

     http://bluegrasstoday.com/42368/rip-doc-watson/


バンジョーのアール・スクラッグスに続いて、フラットピッキングの第一人者、ドック・ワトソンが旅立った。

最初に憧れたミュージシャンたちが次々に手を取るように逝かれては、せつなく、たよりない気持ちになる。

幸い、近所の「ルート171」でドックのCDをかけてもらい、一人献杯なぞしたが、

しみじみ追悼する場所がないことを思い知った。

フォーク酒場だかなんだか、集まってジャンジャン鳴らす場はできているが、本当に音楽を愛し、

広い音楽性で、我々が愛する音楽まで受け止めてくれ、話せる場所も人もいないことに愕然とした。

というか、オレたち世代がやっておかねばならなかったが、そう、誰もやってこなかった・・・。






初めてドックワトソンを知ったのは、このヴァンガード盤だったか、あるいはNGDBの「永遠の絆」だったか。

前者ではマーチンD-18で火の出るようなBlack Mt Rag。

どうしたら、あんな音が出るのだろうと思った。

後者ではWay Down Townの絶妙なギターソロと渋い歌声。

ドックはギターでフィドル・チューンをインストルメンタル曲として弾き出した最初の一人だった。





ドックのように弾きたいと望んだが、到底テクニックがついて行かなかった。

そのうち、ドックのように弾き、さらに上のジャケットの左はしにいる、

レスターフラットのブルーグラスリズムギターのセンスを体現できるクラレンス・ホワイトが出現。

クラレンスはブルーグラスギターに留まらず、バーズでロックの世界にも羽ばたいた。

クラレンスに夢中になり、ケンタッキー・カーネルズ、バーズ、ディラーズ、カントリーガゼットを追いかけた。

そしてクラレンスの直系、トニーライスへ。アコースティック・ギターソロイストの系譜は一本でつながっている。



思い起こせば、高校時代に組んだバンドのギタリストがドックにバリバリ影響されていた。

ある人物に、「ああいうギターはブルーグラスのギターぢゃない」

あんなメンバーと一緒にやっていても明日はない。

だからオレとやるべきだ、と言われたことがある。

ああ、一緒にやんなくてよかった。

今ならはっきり言える。

オレはただ、気の合う仲間と音楽をやっていたいだけなんだよ、と。


二人の英雄に心よりの感謝とRIPを伝えたい。 そちらで、また逢う日まで。

おっと尾崎紀世彦も亡くなったなぁ。

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