マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

ベースとはなんと厄介な…

2012-05-09 02:35:47 | Weblog

ウッドベースとは運ぶのに不便で、とっつきはよさそうだが、奥は深くて。
ブルーグラスなどでは、一番黙ってるやつに「ぢゃ、おまえベースな」と割り当てられて。
他人様に強要されたんぢゃないが、一時ベースを弾いていたことがある。
ああ、買ったさ。Chakiの一番安い、べニア貼りのヤツな。


ブルーグラスという音楽のベースは基本2ビート。
これは割とたやすくマスターできるが4ビートはなかなか難しい。ともすればワンパターンに陥る。

スイングジャズの伊藤某というベース弾きのワークショップで、4ビート刻むように言われ、
やると即座に、「こういうのを、うんこ掴みという」と言われた。
し、失敬な。


それまでの我々の音楽では、棒きれでも握るようにグチャッと握ってよかった。
ジャズ屋は指が運びやすいように、掌のひらを指板に付けずに指を立て気味にする。
それをウンコ掴みとは、失礼ながら的を得ている。


ジャズっぽく弾きたくて、有名どころを聴いて、とにかくやみくもにコピーしてみた。
といってもベースソロにあらず。バッキングのベースだ。
例えば、ロンカーターの「Donna Lee」のベースランなどを取った。
なるほど洒落たもんだ。音遣いは勉強になったが、一向に憶えらんねぇ。


その後、レイブラウンをブルーノートに観に行ったが、あのベースのアドリブってのはどうなんだ。
エディゴメスにしろ、スコットラファロにせよ、卓越した技術があるが、なんかしんどくないか。
他のソロ楽器に比べ、音のヌケがいいとはいえないし、高音部のピチカートなんて、どう見ても無理してるだろ。あの前のめりの態勢を見て御覧よ。


お前が下手くそだから、そう言ってるだけだろって? ああ、しぇ~かい!







その後、ピアニストの太宰百合などとボサノバのバンドを組んだりした。
あのリズムは比較的、弾きやすかった。


前後するが、ブルーグラスの招へい元MAPSを手伝っていた頃、
ボブ・ペイズリー&サザングラスが来日。
急きょ来れなくなったベースの替わりに、僕がベース担当となり、ジャパンツアーをした。


今考えたら冷や汗ものだが、怖いもの知らず。
ガッチガチのソリッドブルーグラスのベースなので、もっと考えて弾くべきだった。
あの時バンジョーを担当していた、マイク・バブは、その後私に触発されて(?)
ベースに転身。IBMAの最優秀ベースプレイヤーに選ばれるなど、押しも押されもしないブルーグラスベース弾きになっている…。


その後、86年だかにピーター・ローワンの来日時、東京・大阪のツアーをベースで参加。
ピーター抜きでリハで合わせた際、コードは合わせているのにボクの2ビートではどうにも感じが出ない。
慌てて、原盤を聴き込むと、コードは合っていても、ロイハスキーのベースと音の運びが
ちがっていた。これを治しただけで全然ちがうテイストになった。


2ビートは誰にでも刻める。だが決して何気なく、漫然と弾いてはならない。
もっともベーシックな、文字通りバンドのベースとなる音を支えているのだから、そのつもりで
頭を使って音を刻まなければならない。 あたりまえだけどね。

コメント (3)
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