マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

やっぱり瑞穂の国の日本酒

2010-11-17 22:30:06 | 

過日、天満の居酒屋にて。

山形庄内はだだちゃ豆。 だだちゃ、これ英語ぢゃないの。Daddyちゃん、なんつって…。

同じ庄内でも名乗っていい場所とそうぢゃない処がある。塩加減めっぽうよろしき具合。




たこと胡瓜もみの酢の物   たこぶつ、薄造り、酒飲みになって旨く感じるようになった肴。




原木シイタケでしたっけ。

シイタケぎらいの人って、意外に身辺多く。嘆かわしい。
尼崎ナイス市場「きくち」のお父さんのように、椎茸に命がけの人もいる。

幼稚園卒園した後、4人を遊園地に招待してくれた小野先生、弁当にでっかいシイタケ煮が入ってて、
子供はみんな凍りついた。侠気出して、4人分全部喰った。吐きそうになった。でも嫌いにならなかった。




ここの素晴らしきは日本酒の品ぞろえ。食べ物もそうだが、主人が足で見つけてきたもの。
利き酒セットは主人におまかせの3種が出てきて、お得。
風の森(奈良)、菊姫にごり(石川)、白鴻(広島)





カツオですな。 脂ののりよし。よくぞ日本に生まれけり。


三重錦(伊賀)、別誂(失念…)、菊姫山廃(石川)
ここらは燗にしてよきですな。





日本酒は一升瓶というのがなかなか難しい時代。家庭では収納に困り、
おいしく飲むためには冷蔵庫が必要になる。飲まないヨメには邪魔にされるだろう。
で、4合瓶ということになるのだが、やっぱり一升瓶の存在感はすごい。LPとCDのちがいかな。





岩牡蠣だったかのカキフライ。 スダチを絞って、うまいのなんの。





生穴子 白焼き (長崎) 山葵醤油でやれば、何をかいわんや。

よくぞ日本に生まれ…さっき言うたか。





杣の天狗 (近江) 不老泉の上原酒造。





自家製揚げたて厚揚げ  削りたてのかつをぶし

カリッと香ばしく揚がった豆腐は旨くない訳ない。かつをも上等。

吉村さんに教わった立ち飲みに寄るが、それはまた別の話・・・



   酒と肴 よしむら   北区天神橋1丁目






滅びしものは懐かしきかな

2010-11-17 01:16:31 | 

友人がロスで割烹修行している店が、明治屋と名乗る店で。
「阿倍野の明治屋は元気ですか?」とメールもらい、慌ててネット情報を見ると
10月28日だかで休業に入ってしまっていた。


閉店に間に合わなんだ。ガ~ン…    





したがって、これは今年春に撮った写真。

その後も阿倍野に出る用事があり、対岸から姿を見ては「まだ元気だ」と勝手に安心していたのに。
ついに閉める時が来るとは。 そういえば、娘さんが10月頃とか言ってた。

ここを教えてくれた、師匠に顔向けできない。




最初はここの玄関に仁王立ちで、強制代執行の際には、一歩たりとも役人を入れるもんか・・・と
勝手に思ってたが、粛々とその日を迎えたようである。
店側はずっと大人だった。こっちが一人でいきり立ったってどうにもなるまい。





カウンターであるとか、銅の燗付け器であるとか、できるだけ、来春開店予定の
新しい店舗の方に持っていくつもりだと人づてに聞いた。
いいことである。





古けりゃいいってもんぢゃないが、新しいのは尚更いけない。

日々是好日・・・淡々とした日々のくりかえしが歴史となり、カウンターの角を丸くし、
酒飲みにはたまらない魅力が備わってくる。






お初天神の「北サンボア」は、太秦の映画美術までが協力し、壁の焼け具合、漆喰のヒビまで再現、
昔のままの店内を出現させた。

明治屋さんも、どうかそれを倣って、今までの店をそのまんまビルに入れたの?と
思えるようにしてもらいたいものだ。


阿倍野の街殺しが始まってずいぶん経つが、無機質な高層ビル群になるのだろうたぶん。
そこを利用したひとの歴史も考えた方がよかったんぢゃないのかね、近鉄さん。

どんなに逆立ちしたって庶民的な街なのですよ。そこを忘れて近未来的な街を築こうったって無理がある。
こういう店をそのまま残して、大資本でバックアップしてもらえりゃ、閉める必要ないのだ。
こういうしもた屋の良さがアンタたちには判んないのだろうけどね。





古い酒場のよさは、そこで一人杯を傾けているだけで、昔からの既に彼岸にいる酒飲みたちの
先輩たちの霊と一緒に飲んでる気がするのである。
もっとも連れと一緒だったりすると彼らは気配を隠す。
彼らは先輩風吹かせたりしないし、平等に酔わせてくれる。
店の空気感を大事にしながら飲んでいると、みんなニコニコと見守ってくれているのだ。
だから酒場は一人でも寂しくなんかないのである。


ひとまず、さらば、明治屋。 さよならだけが人生だ・・・。