マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

  ピッツァは窯のそばに陣取るべし!

2006-09-11 00:34:13 | 

京都東山七条のピッツェリア・トラットリア「イル・パッパラルド」に再び。

挽き立て・打ちたて・茹でたての3タテをもってよしとする蕎麦ではないが、ピッツァも同様。焼き立てのアツアツにかぶりつくのが最上。
よって、できるだけ石釜の側に座らせてもらって、待ち構えていてパクつきたい。写真なんて撮ってる場合ではない。
ナポリピッツァ協会が認めるピッツァはマリナーラとマルガリータ。つまり基本中の基本、「マリナーラ」は、ま、すうどん、或いは豚玉というところか。トマトソース・ニンニク・オレガノ・バジル。これがかなりいい線イッてる。
          
ピッツァ職人で店主の北村さんの動きが間近に見える。寝かせていた生地を手際よく伸ばし、トマトソースやチーズをのせ、オリーブ油をかけ回し、石窯へと入れる。実にシンプルな作業だ。石窯の中で燃える薪の様子を見ながら、まんべんなく焼けるように、炉辺焼きで使うような長いパラを操り、窯の中でピッツァを回す。ここが腕の見せ所。
           
「プロシュート」はモッツァレラチーズを乗せて焼かれ、取り出してから生ハム、ルッコラ、パルミジャーノを上から削りかける。生ハムが熱でジワッと脂を出し魅惑的。コルニチョーネ(額縁)と呼ばれる耳をしっかりと作るのがナポリピッツァの特徴。耳はたい焼きの尻尾と同じで、ここにソースがかかっていないからいいのだろう。

参考までに焼いてもらった「フォカッチャ」。聞いた話だが、ピッツァの原型はこういったもので、共同の石窯でおっかさん達はパンを焼きながら世話話に花咲かせ、その合間に生地の余りで塩味かせいぜいオレガノパラリの素焼きのフォカッチャを焼いて、虫養いとしたらしい。
小麦粉と塩と水と酵母…これだけで十分旨い。
         
魅力的なメニューはピッツァ以外にもふんだんにある。
「鱧とポルチーニ茸のスパゲッティ・すだち風味」ハモ松茸のイタリアン解釈といったところ。あっさりしながらも、ポルチーニがいいダシを出す。「キノコいっぱいのパルメザンのリゾット」パルミジャーノの穴に熱いリゾットを入れてチーズを和え、客前で取り分けてくれる。トロトロ…
 
「やわらかい和牛頬肉の煮込み、太平パスタ・マファルデ」手打ちパスタと見まごうようなもっちりした歯応え。マファルデとは、リボンの如きひだひだがよくソースとからむロングパスタ。ラグーはもうちょっとリッチな味付けでもいいかな。
「霜降り豚のシンプルな炭火焼と松茸のフリット甘くせつないバルサミコソース」長いわッ!まぁこういうのが流行なんざんしょ。バルサミコとバジルソースの2種類の味。豚肉はジューを含み、旨み十分。松茸は香りよろしく、2つの食感のちがいは面白い。
 
杯を持て、さぁ卓を叩け!
いよいよ、食欲の秋到来。 いざ、体重計を遠ざけるべし…!