マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

06.5.07   スパイク・ジョ~ンズ・スタイル!

2006-05-07 03:26:51 | 音楽
前述のSpike Jonesの偉大さは「ウイリアム・テル序曲」などのクラシック作品を解体してゆくところに真骨頂がある。すき間を見つけてどんどん珍奇なる音を入れて行き、しまいには曲自体をぶっ壊すアナーキーさに満ち溢れている。このSpikeに大いに感化されたのが、フランキー堺!慶応時代にジャズドラムに目覚め、基地の慰問でフランキーと呼ばれ、秋吉敏子、与田輝雄らとシックスレモンズを結成。1954年には、Spikeの影響を丸かぶりのバンド、その名もまんま「シティ・スリッカーズ」を作る。

このバンドにはコメディ好きのミュージシャンが集められた。若き日の谷啓や植木等、桜井センリがいた。サックスの稲垣次郎や「吹奏楽の父」として後年全国のブラバンから尊敬される岩井直博も参画。総勢17名で録音は一発録りで行われたという。「ウィリアムテル」のほぼ完コピ版が入る。こういうイキのいい、ビッグバンドで冗談やろうなんて心意気、どこへ行ってしまったのだろう。

ガキん頃、フランキー堺とフランク永井を混同したが、TVでドラムを真剣に叩いてる堺を見た記憶がある。彼はまさにマルチな才能を持っていたとおぼしい。昭和30年代前半、実に彼は輝いていた。「幕末太陽傳」「牛乳屋フランキー」など主演映画も数多く作られた。「私は貝になりたい」でTVドラマの賞を独り占めし、バラエティで司会し、大学で教授、北斎漫画ではプロデューサーまでした。

自信に満ちた肥り肉の男が画面を銀幕狭しと駆け回ったのは、丁度高度経済成長時代へ向かおうとする前夜の気分にフィットしたのだろう。今となってはどうだろう、ちょっと脂っこいか。
コメント (3)
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