勝福寺 Gikoohの日替わり法話

山寺の住職、Gikoohが日々感じたことを綴っております。
(プロフィール用の落款は天野こうゆう僧正さま彫刻)

九牛の一毛

2010-06-05 22:59:02 | Weblog
午前中に法事があった他は如常の1日。

お大師様のご文章「秘密曼荼羅十住心論」(弘法大師空海全集)の中に、「各、己が戟を美めて己が楯を忘れ、並びに疵を発はして他の善を蔽す。是非粉紜として勝負不定なり。吠声の徒、明党相扇ぎ、雷缶の響、周比痏搶す。これ即ち方を設くるの本懐に非ず、還りて医王の雅意に背けり」という一節がある。

これは各々が自分の戟(ほこ)を褒めて楯(たて)を忘れ、他人の疵(きず)をあばいて人の善を見ないようにしている。そして賛否両論が盛んで勝負がつかない。無自覚なるやからは、互いに悪口を言い合い、悪声を飛ばし合って、仲間と妄動している。これは正しいことを明らかにするという本意からはずれ、かえって仏の御心にそむくものである。

日本が、世界が、時代の大きな分岐点に立たされている中、日本の政界には互いに手を取り合って頑張って欲しいと思う。新首相は九牛の一毛のような存在であって欲しい。
コメント
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