勝福寺 Gikoohの日替わり法話

山寺の住職、Gikoohが日々感じたことを綴っております。
(プロフィール用の落款は天野こうゆう僧正さま彫刻)

仏壇を納入して

2008-05-29 22:04:17 | Weblog
写真は「石斛の花」。2,3日前から咲いて、奥ゆかしく薫っている。自然界って暦も温度計も時計もないのに、その季節になると花を咲かせるなんて不思議でしょうがない。「五葉一花開結果自然成」という禅語があるけれど、諸々の恩恵がないと花は開かない…。それは自然の姿。人間も諸々の恩恵に支えられてこそ実を結ぶことが出来るのだということを知っていても、Gikoohは時々再確認するようにしている。

今日はお花の稽古があった他は、如常の1日。休憩中に庫裡に戻ると、一昨日納入した仏壇や仏像が視界に映るのだけど、それを眺めて喜んでいるGikoohは、まだ開眼(魂入)されていない仏像の写真を何枚か撮った。掲載は6月中旬以降になるかも知れないけれど、upしようと思っている。

高校の時、宗教科の先生から「仏事に金を惜しまず」という言葉を教わった。神仏や祭りごとの際には「可能な範囲で誠意を尽くす」という考えに共感し、今でも仏様や神様のことには出来る限りのことをしている。そして、同じ先生からこんな付加も教わった。(見返りを求めないという前提で)仏事で多額を一時的に使っても、巡り廻って自身の元に返ってくるものだと。

仏壇については、今のGikoohの段階にしては「思いきった決断」をしたなと自分でも感心する。けれども、お寺や家族を護って下さるご本尊を迎え入れる以上は出来る範囲で最高のことをしておきたかったから、良かったと思う。お寺の住職として、僧侶として、家族の父親として「心の拠り所」「心穏やかに過ごせる場所」である念持仏を祭ることは大事なことだと思っている。

と、大げさに書いているけれど、あくまで家庭用の仏壇だ。でも自分が仏壇を買ってみて、檀家さんの仏壇に対する思いも垣間見れ、良い勉強にもなっている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雨だれの音

2008-05-28 21:18:10 | Weblog
総社は昼過ぎから雨になった。しとしとと、まるで梅雨を思わせる雨。寺務所から見える中庭(坪庭)の杉苔がふっくらと微笑んでいるように見えた。何回も日替わりで書いているけどGikoohは雨が好きだ。勿論晴れも好きだけど、雨だれの音は拝んでいると三昧の世界に浸れるし、お茶を飲んでいても妙に落ち着く。雨がふると気分が沈むなんていうことはもったいなく、風情を感じることが出来れば楽しい。

今日は朝に向日葵の苗を植えた他は如常の1日。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

仏壇の安置

2008-05-27 22:03:19 | Weblog
月末まで檀務が続くなか、今日は午前中に庫裡へ安置する「仏壇」の納品があった。本堂はご本尊や諸仏の宮殿であり、仏法興隆の中心であり、勝福寺全檀家の菩提を弔う霊域であり、住職自身の修行のための道場など多用な役目がある。庫裡の仏壇は、住職家族の念持仏(個人が身近に安置し、常に帰依礼拝する仏像)をお祭りし、供養していこうと考えている。

来週に開眼供養を行う予定なので、そのときに仏壇をupしようと思っている。桑製の仏壇は見た目には質素だけど、吊飾り物を少しだけ拘ってみたり内陣部分に鳳凰や高祖を描かれているので、凛とした仕上がりになっている。安置する仏像は宗祖「弘法大師」。これはGikoohが智辯学園に就職した折(当時24歳)に、父が仏師に頼んで制作、持たせてくれたものでずっとお祭りしてきた。そしてこの度、大日如来と不動明王をお迎えした。

仏壇や仏さまを家に迎え入れるというのは、何かしら人生で大きな節目になったような気がしている。昨夜からソワソワして掃除ばかりしていたけど、これでようやく落ち着いた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

環境

2008-05-26 22:07:11 | Weblog
環境問題の深刻化が気になるこの頃、昨夜はNHKスペシャル「北極大変動①海の氷が消失」を見た。生々しく、地球温暖化がもたらす環境異変の実情に大きな不安を感じた。
ミャンマーのサイクロン、四川の大地震、まだまだ世界中の我々の知らないところで自然災害は起きている。色々な心配をしながら、でも心配するだけではなく、機会あるごとに僅かでも寄付など具体的な行動を起すほうが良いと思う。

我々の生活が便利になればなるほど環境悪化に拍車をかけ、かといって昔の生活に戻ることも出来ず、本当に難しい問題だと思う。でも、根本解決のためには「昔の生活に戻すこと」しかないようにも思う。とにかく物凄い速さで、地球のバランスが崩れている。

勝福寺では環境問題の一助になればと、太陽光発電や、家庭用燃料電池システムを導入しているけれど、地球全体からすると微塵の力でしかない。でも、何かをせずにはおられないという気持になり、今後もその気持は強くなると思う。

ふと思う。勝福寺の本山は仁和寺だけど(勿論仁和寺に限らず)、あの大きな屋根一面に太陽光パネルを載せたら相当のエネルギーを発電し、環境にも貢献出来るのにと…。全国の公共施設やお寺でも日当たりの良いところは、積極的に導入して頂きたいと願っている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

よもやま話

2008-05-24 22:51:32 | Weblog
今朝方からポツリポツリと降り出した雨は昼過ぎから雨粒が大きくなり、夜遅くなってもやむ気配はない。でもGikoohはこんな雨模様も好きで、畑の作物にも良いし、心も静かになる。

今日は午前中に法事があった。Gikoohと同世代の施主の方は、供養する親の年もGikoohの親と同世代なので、その気持を十分察した。

午後からは夜の仏教講話に備えて、諸準備や勉強をした。今は般若心経の「無苦集滅道」のところだけど、お話をしながら「世間にもっと、この教義を生で弘めたい」と思った。昨夜9時からのNHKニュースで、20代~30代に鬱病が増加していると知ったが、その解決策は般若心経で答えを見出せると考えている。それも曖昧ではなく具体的に…。

話は飛び飛びになるが、今ふとこんなことを思い出した。これはお寺の住職達に向けてある方の談話だ。「お寺の和尚さんというものは、落ち着いてお茶を飲んで自然を愛して心を磨け。日本の文化に触れて教養を高めよと。そんな生活をしておれば、お道具類も良い物があるはずなのに、お寺に足を運んでも良いお道具が少ない。お道具に関心を示さない和尚さんが多すぎる」と。確かに、年配の和尚さん別格としてGikoohと同世代の和尚さんで所謂文人趣味のある人は少ない。これが何を物語るのか。ブルレコの連載コラムで書こうか否か考えている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

本格的に暑くなり始めた様子

2008-05-23 22:05:18 | Weblog
如常の1日。久々に車を手洗い洗車した。もともと洗車は好きなのだが、近頃は横着になってしまって機械洗車が多くなっていた。ピカピカの車を見ながら、心地よい妙な充実感に浸った。ほんの些細な気分手転換で気持がすっきりするから、人間の心ってと思う。

ところで、この「日替わり」は夜に更新することが殆どなのだけど、読者の皆さんはいつ頃読んで下さっているのだろうと思う。朝?昼?夜?会社で?学校で?自宅で?携帯から?それとも残業中に?何てふと色々想像する。アクセス件数は毎日40件~50件も頂いていて、閲覧は60件を超えることが多い。何方にご覧頂いているのか分からないけれど、有難いことだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

庫裡に仏壇

2008-05-22 22:34:10 | Weblog
近頃「庫裡」の話ばかりで申し訳ないが、でも住むごとに快適さを増すこの家のことを、ついつい書いてしまう。そしていつも想う、故人となった佐藤孝さんという偉大な建築家のことを…。

勝福寺の庫裡は、木造在来工法で土壁、聚楽、漆喰、日本瓦、焼き板など昔ながらの純和風住宅である。こう書くと坪単価が高そうと思われるかも知れないが、そこはバランス配分と工夫次第で何とでもなる。(材質のことや流通単価のことを知っておくことは大切)木造在来工法か、和洋折衷か洋風かというのはその人の好みによると思う。

ここ10数年気温の変化が著しく、夏ともなればすぐに異常高温に達する現状になった。その環境で少しでも快適に過ごすにはエアコンに頼りがちだけど、「身体のためになるべくなら自然の風を取り込もう」と建築家の佐藤さんは言った。吉田兼好も、日本は蒸し暑いので「夏を快適に過ごせる家」が良い家と説く。確かに冬は着込めば何とでもなるけれど、夏の暑さは耐えがたい。
勝福寺が取り入れた工法は、東西南北、特に南北に大きな窓を設けたことと、庇を長くしたことと、通気工法という家の熱気を棟から抜くという工法を採用している。これも換気扇などは使わず、コストも抑え、わずかな手間と智恵で解決されており凄いと思った。その結果、1階は勿論、2階が暑くないのだ。Gikoohは庫裡が建つ前には、古い納屋の2階で寝ていたのだけれど、夏ともなれば熱気が篭って暑くてずっと一晩中エアコンを掛けていた。それでも20代の頃は良かったけれど、35歳ともなるとエアコンの冷気は身体に応えるようになってきた。更に年齢を重ねるとなお更かも知れない。
話を戻して、1階に至っては風がなくとも風と気の流れを感じ、もったいないほど快適な生活をさせて頂いている。家内とよく話す。故人の佐藤孝さんのこと、こんな住み心地の良い庫裡を建てて下さった檀家さん、大工さん、諸々の職人さん、そしてそれらを一手に引き受けた工務店さん、本当に感謝の念でいっぱいだ。木造在来工法という手法も、昔の先人の長年の智恵って凄いと思う。

ところで、今日は午前中に市内の仏壇屋へ行った。近々「仏壇」を納入するのだが、その品定めに行ってきた。半年以上前に発注し、ようやく納入出来る見通しがたった。お寺は本堂があるのに何故お仏壇!?と思われるかも知れないけれど、その理由はしばらく後に書こうと思う。現在Gikoohは日に4回拝んでいるが、仏壇が来ると2回増えて6回拝むようになると思う。

ついつい長くなってしまった。今夜この辺で。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日記

2008-05-21 20:50:38 | Weblog
如常の1日。この時期は草刈機をよく使うのだけど、気温が25℃前後でも1時間もすれば汗でびしゃんこになる。昔はこれが手作業だったのかと思うと、今の時代って便利だなと都度思う。写真は、参道を竹箒で掃くGikooh。

ところで勝福寺WEBの表紙に載せてある写真は、風流な「短冊・花掛」。今日、お隣真備町から竹工芸同好会の方がお見えになった際に頂いた。各方面の色々な職種の方々がよくしてくださるので有難い。画は林鶴山さん。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

時空間

2008-05-20 21:40:24 | Weblog
当ブログでは庫裡のことを時折書いているのだけれど、読者の皆さまで、もし「興味とか関心はあるけれど、住まい様式の都合で同じように出来ない…」と思われる方にGikoohの朗報?な助言を。

写真は庫裡の「床の間」のない3畳の部屋。最近の家を見ていると、和室はあっても床の間がなかったり、或いは和室そのものがなかったりするのも珍しくなくなったけれど、和室や床の間は心穏やかに過ごせる日本ならではの素晴らしい空間だと思うので、たとえ生活には無駄であっても、小さくても是非とも設けられることをお勧めしたい。
床の間のない部屋の場合、写真のような「置床」という手がある。これだと場所を取らないし、部屋を品高くすることが出来る。実は写真のは「茶風台」を「置床」に見立てているのだけれど、その前に掛軸や香炉や花を飾れば豊かな心境になる。

今日は如常の1日。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自然を楽しむ

2008-05-19 21:26:06 | Weblog
早朝、畑に行く前に庫裡の茶室「勝福寺・同仁斎」で抹茶を点てた。昨日の法事で津山で作られた「黒糖饅頭」を頂いていたので、大切に味わいたかった。Gikoohはほとんど毎日、この4畳半の茶室でお茶を飲んでいる。心穏やかに過ごすために、広くもなく、狭くもないこの空間は精神修養の場にも丁度良い。

写真は「笹ゆり」。姿も香りも神秘的で、山野草のなかでも比較的珍しい。先日、金光町で毎年開催されている植木祭りに行って買ったものだ。それを裏山や坪庭の3箇所に数本植えてみたところ、2箇所で花が咲いた。この後、土につくかどうか分からないけれど根を下ろしてくれたらと願う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする