ここ数日の総社は穏やかな天候で、日中は25℃を超える夏日が増えてきたけれど、サラッと乾いた空気が心地よい。一方で庭の紫陽花は日ごとに色づきを増し、梅雨入りが近づいていることを知らせている。
さて、随分と久々になってしまった。今日は遅ればせながら、先日、5月25日(日)に開催の勝福寺仏教講話、第12回特別法話会「地獄のはなし」の感想を述べたいと思う。
法話会はお蔭様で満席となり、無事に終えることができた。講師の橋本真人校長先生、ご来寺いただいた皆々様、お手伝いをいただいた方々に心より御礼申し上げたい。併せて、本講演にご賛同・ご後援いただいた企業各社様にも心から御礼申し上げたい。当日は天候にも恵まれ、薫風香る5月の爽やかな好季のもと、80名様もの方々にお集りいただいた。
当日は、実に様々な方々がご来寺になり、総社市長様をはじめ、遠路は関西や関東方面から。そして平素から親交のある和尚様方に加え、画家・造形作家、またラジオパーソナリティとしても活躍中の天野高雄僧正や、桂米朝師匠のお弟子で落語家でもある吉田宥禅僧正など、まさしく特別法話会な一会になった。
今回、講師にお迎えしたのは、和歌山県から高野山高等学校校長の橋本真人先生。Gikoohの恩師だ。Gikoohの僧侶としての素地は、師匠の実父から手ほどきを受けたことに原点があるけれど、高校進学後は橋本先生から受けた影響が多く、先生との出逢いがなければ、Gikoohの宗教観は全く違ったものになっていたかも知れない。
お話いただいた内容は、かつて高野山大学の講演伝道部というサークルに伝わっていたという子供向けの訓話「地獄のはなし」を始め、後日改めて紹介予定の「けしの種」という有名な仏教童話、そして、「いのち」の尊さについて学ぶ約1時間の内容だった。地獄のはなしは、昭和60年代ごろ、小学生の林間学校の会場になっていた高野山において、宿泊先の先々で学習の一環として行われていた学生らによる講演が由来しているのだという。一年に100回もの講演を重ねていたというから驚きだ。若き頃の橋本先生も、その伝道サークルの一員として活動していたのだとか。実に工夫を凝らした深い内容になっている。
天野御住職(左)、吉田御住職(右)と。有難いです。
話を戻す。当日は約20名の子供達の参加をいただいたが、その中には、午前中が運動会という小学校もあり、「疲れて眠たくなるのでは?」というGikoohの心配をよそに、最後までよく聞いていた。実に工夫を凝らした深い内容だから興味を抱いてもらえたのだろう。
一生に一度、できれば子供のころにこの類の話に触れておけば、人生に少なからず良い影響を及ぼすと思う。現代は、人口減少に拍車をかけるように少子化が加速し、さらに核家族、個人主義の蔓延化や治安の悪化、そして将来の食糧事情問題など時代は転機を迎えている。
だからこそ、しっかりとした宗教的な情操心を持った人間味のある真っ当な人が多くなれば地域社会や人との繋がりも活性化し、様々な世相は好転すると思う。世の中が再生し、輝けるかどうかは私達一人ひとりの心得にかかっており、その上で子供時代に受ける情操教育は要になると思う。宗教的な情操とは、平和を心から大切に思う心であり、社会に奉ずるための正しい心であり、他人に対する優しさであり、自らのいのちを生かすことだと思う。決して利己欲に翻弄されてなはならない。
山陽新聞に記事を掲載いただきました。感謝。