勝福寺 Gikoohの日替わり法話

山寺の住職、Gikoohが日々感じたことを綴っております。
(プロフィール用の落款は天野こうゆう僧正さま彫刻)

境内のソメイヨシノが開花 / 第11回 寳燈展の開催について

2024-03-30 18:37:21 | Weblog

本日30日(土)夕方、境内のソメイヨシノが開花し始めた。例年より遅いけれどいよいよ絶景の好季になった。

さて今日は、4月20日に予定している第11回 勝福寺寳燈展「木工芸の美と上品なうつわ」の開催に寄せて述べたいと思う。

勝福寺では平成22年より平成31年まで毎春のように、「勝福寺寳燈展」と題して、日本の伝統工芸を中心とした展覧会を開催してきた。近年はコロナ禍等の余波を受けて休止していたけれど、今春5年ぶりに開催する運びとなった。

今回のメインである木工芸家の林鶴山さんと偏刀彫の平賀石泉氏のうち、生前中に深い親交を賜った林氏はGikoohの心の師でもあった。林氏の美意識の高遠さは群を抜いており、世相の洞察力も鋭ければ、また教養の厚い文人でもあった。

Gikoohが若かりし頃、その林氏に次のようなことを言われたことがある。「私はお寺へ行くと、床の間の設えや飾り物からそこのお寺の和尚さんの内面を察する。お道具に関心もなければ、花の一輪も生けないような表面だけの和尚さんではいけない」と。こんな類の話は他にも多々あり、Gikoohのバックグラウンドには林氏の思想が少なからず影響していると思う。

寳燈展は林氏の道具を主軸に、木工、金工、陶芸、磁器、硝子、仏画、南画、香、花等、Gikoohが美しいと感じる美の世界を観覧いただいて、先人たち培った内面から滲み出る智恵と技を実感していただければ有難い。

今回は林氏の木工、平賀石泉氏の偏刀彫、上品なうつわの展示(販売はなし)、勝福寺子ども茶道教室のお茶席、有志のお檀家による(うどん)のお接待でお楽しみいただこうと思う。

開催日は4月20日(土)。詳細は勝福寺のホームページにある、(PDF)チラシをどうぞ。

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読売新聞の記事から

2024-03-29 22:41:36 | Weblog

昨日までの寒さはどこへやら。今日は快晴となり、暖かい小春日和になった。

Gikoohは葬儀や法要に携わる機会が多々ある。いずれも親族が集い、故人を偲ぶことはむろん、そこは互いの交流の貴重な場ともなる。

コロナ禍以前は(それだけが理由ではないけれど)大人数が集うことは珍しくなかった。以前は近所の株内や講中との付き合いも深く、法事といえども何かお祭りのような活気に満ちていた。精進落としの席は家庭で行わることが殆どで、リーダーシップを発揮するご婦人もそこかしこにおられた。その婦人方がこしらえたちらし寿司等は絶品だった。

故人さまの思い出に耳を傾けながらお酒を戴き料理に箸を進める。部屋に充満する香と御馳走の香り。幸福を極めた空間だったように思う。

現在は家庭での精進落としの場は殆どなくなり様子も違うけれど、Gikoohは規模が縮小して形が変わっても、色々な意味で人情は大切にして欲しいと思う。一例を挙げれば、法事と仕事、法事と部活はどちらが優先かと問われれば、Gikoohはいずれも迷わず法事と答えるだろう。人として大切な部分を軽んじる傾向が広まるから、隙間風の通る社会になってしまうのではなかろうか。

さて、今回はGikoohが興味深く読んだ読売新聞(3/28朝刊)から、(担当記者から〜生と死を見つめて〜 第7部 葬儀で感じた「つながり」)を一部抜粋して紹介したい。―以下本文―

(中略)

近年は会う機会もめっきり減っていたが、幼い頃から面倒をみてくれた(大叔母の)訃報はつらいものだった。

(中略)

20年、30年と会っておらず、記憶の中の姿からすっかり年を重ねた親族たち。初めて会う小さな子どもたち。精進落としの場で大叔母の思い出を語る傍ら、近況を話し合ったり、子どもたちと遊んだりしていると、ここにいる大半の人と血がつながっているのかとふと思った。「親等」で数えれば離れた人ばかりだが、普段は気に留めない「血縁」という言葉が浮かんだ。

(中略)

僧侶で作家の鵜飼秀徳さんは、「弔いの場では、親族や家族の関係、『家』や『血縁』を意識せざるを得ない。それは互いの関係を悪化させるものもあれば、結びつきを強くすることもある」と指摘する。

(中略)

(大叔母の)思い出を語り合ううち、受け取つた命でつながった一人一人が存在する不思議さを感じてくる。故人を見送りながら、現世に残る自分たちの生とは何かに思いをはせ、なぜか温かな気持ちになった一日だった。

と、こんな記事だった。いかがだっただろうか。今夜は人情、命のつながりに思いを巡らせたい。

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毎月28日はお不動さまの縁日

2024-03-28 22:37:10 | Weblog

4日ぶりの日替わりになった。この間は事務機器や資材関連で業者さんの出入りが続き、また所用でも多用になっていた。

今日は午前中に護摩供の勤修。37枚の護摩札を加持させていただき諸願成就を祈った。

 

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今日も雨模様

2024-03-24 22:34:32 | Weblog

昨日に続き今日も降ったり止んだりの1日。午前中は寺で上げ法事があった。ご当家は関西や関東方面等の県外に在住されており、年忌ごとの供養と帰省は容易ではないと思うけれど、そのたびに全国から帰省されている。尊いと思う。

午後からは、娘が通う高校の(吹部)定期演奏会(他にも合唱団等のステージも)が総社市民会館で開催され、Gikoohも聴きに行ってきた。同校の吹部は、昨夏勝福寺で開催された「弘法大師ご誕生1250年記念法会」の行事でお世話になったことがあり、総社市内の様々な場所で折々に聴くこともあるのだけれど、合奏が一回りも二回りも重厚感が増して、素晴らしい演奏だった。ブラボーだ。

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一味和合

2024-03-23 22:59:54 | Weblog

昨晩から雨が降ったりやんだりを繰り返している。この雨は大地の恵みとなって多くの生命を潤しているので有難いと思わねばならない。

午前中は寺で上げ法事があり、夜は子ども茶道のお稽古があった。今夜は、親御さんの職場でバリ島ご出身で現在通訳の仕事をされている素敵な御方が日本の文化にご関心があるとうことで、お稽古に同席いただいた。弘法大師(お大師さま)の『性霊集』に、一味和合という言葉があるけれど本当に和やかな雰囲気に包まれた。茶道の魅力は深いなと改めて思った。

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勝福寺のネット環境の話

2024-03-22 22:35:40 | Weblog

今のご時世に未だスマホを持たないGikoohのネット環境は専ら自坊なのだが、2024年3月をもって「ヤフーのADSLサービスが終了」という通知が届いたので、最近になってドコモのhome 5Gというホームルーターを導入した。

リーズナブルでサービスの分厚かったヤフーBBは20年以上利用させていただき、ただただ感謝しかない。正直な気持ちとしては、このままヤフーで継続したかったけれど、サービス終了となれば致し方ない。

勝福寺のある総社市久代というローカルな地域において家のネット環境を整えようとすると、ケーブルテレビに紐づている媒体を利用するという方法もあったけれど、検討の結果ドコモのhome 5Gを採用することにした。

機械音痴のGikoohにとって「変化」とか「進歩」というキーワードにはとても疎く、インターネットの接続自体は容易だったけれど、プリンターとの接続につまづいたり、ホームページのupロードが出来なかったり、この1週間は結構苦労した。ところが今日になって、home 5Gのセキュリティーを一段階落すことのサポートを受け、ようやく今までのプリンターとかホームページ、更にはメールソフトも問題なく動作するようになった。

文明の利器はハイテクだけど、Gikoohにはハードルが高い。

さて、近々詳細をupしたい行事に、来月4月20日、5年ぶりとなる山寺の文化祭「勝福寺寳燈展」を開催することになった。今回は「木工芸の美と上品なうつわ」をテーマに、かつての名工が紡いできた日本の伝統美をご来寺の皆様にお愉しみいただきたいと思う。

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今日はお大師さま「御影供」の正当日

2024-03-21 21:48:20 | Weblog

今日は弘法大師(お大師さま)の御影供。承和2年(835)3月21日に高野山において御入定された御聖日。

Gikoohは毎月21日の常の御影供についてはよく触れているけれど、3月21日の正当日の正御影供はやはり特別な感じがする。とても寒い朝だったけれど、凛とした気持ちで南無大師遍照金剛。

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お彼岸の中日

2024-03-20 22:22:25 | Weblog

彼岸の中日、未明から荒天模様となり寒くて気候の安定しない一日になった。

さりとて動けない天候でもなかったので、お彼岸のお供物をこしらえて、勝福寺の歴代住職や、それぞれの実家の墓参に出掛けてきた。

夜は義母の「喜寿」のお祝いで食事会があるなど多用だったけれど、とても貴重なひと時を過ごさせていただいた。

明日3月21日はお大師さまの正御影供だ。心のチャンネルを切り替えて、お勤めをしたい。

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旧暦の「初午」稲荷祭り。

2024-03-19 22:22:40 | Weblog

 

3月19日。境内ではハクモクレンが一輪だけ開花(3/18)した。例年通りならば、およそこの1週間後にソメイヨシノも開花が若干進んでいるのではなかろうか。

さて、今日は旧暦の「初午」で、勝福寺境内の表鬼門に位置する稲荷神の「初午祭」を奉修した。

早朝から供物用の稲荷寿司をこしらえて山を登り、読経してきた。ちょうど小3の息子も学校が休みだったので手伝って貰った。お稲荷さまに喜んでいただければ有難い。

 

 

初午祭の起源は、『話の大辞典』によれば、今から遡ること元明天皇の和銅4年(711)2月9日初午の日、稲荷社の総元祖ともいうべき稲荷大神が京都伏見の稲荷山に降臨したことに由来している。稲荷は本来、農耕神で五穀をはじめとする総べての食物を司る神さまだ。

以来、稲荷が降臨したこの日を「初午祭」と称し、稲荷をお祀りして五穀豊穣をお祈りし、今では商売繁盛、学業成就、恋愛成就、家内安全、交通安全、芸能上達等様々な守護神として信仰されている。

紀貫之が延喜6年(786)2月の初午に詣でて「濁のみ我こへなくにいなり山春の霞の立ちかくすらん」と詠じ、また清少納言の枕草子には、山城の稲荷社へ初午詣をしたことの記事が見え、平安時代の頃すでに行われていたことが窺える。

稲荷祭りのあとは(大人)茶道のお稽古があるなど如常の生活。

 

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子ども茶道、そして仏教講話

2024-03-16 22:48:01 | Weblog

午前中は子ども茶道教室があった。6年生の子ども達は今日が一旦最終日ということで、お稽古のあと、皆でたこ焼きpartyを開催。ここ数年はコロナ禍の余波で飲食事は控えるという風潮があったので子ども達には申し訳ないなと思いつつ、しかし、当時の子ども達も現在は中学・高校生になって、今なお元気にお稽古に参加して貰っている。当初は心ばかりのお祝いと思っていたら、親御さんから沢山の差し入れがあり贅沢な内容のpartyになった。有難い。

そして今夜は、今年度最後の仏教講話もあった。今年度は弘法大師(お大師さま)の御生涯を学んできたが、皆さま熱心に一年間ご受講くださり誠に有難かった。

今夜は毎月21日に奉修の「弘法大師御影供」の一番の根源となるお話をさせていただいた。

明日16日(日)は地域のお大師講が勝福寺においてあるので、また会場の模様替えをしなければ。

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