勝福寺 Gikoohの日替わり法話

山寺の住職、Gikoohが日々感じたことを綴っております。
(プロフィール用の落款は天野こうゆう僧正さま彫刻)

中秋の名月

2023-09-29 23:29:06 | Weblog

今日9月29日は陰暦の8月15日。中秋の名月「十五夜」。

勝福寺のある総社市上空は快晴に恵まれ、ススキや団子を供えてお月さまを愛でることができた。三宝のお団子を包んだセロファンを取るのを忘れてしまった。

勝福寺より中秋の名月を愛でる(Gikooh撮影)

お大師さまの著述『秘蔵宝鑰』のなかに「仏心は満月の如し」という文句があって、今夜は満月だし、「仏心如満月」についてお話しようかなと思いつつ、夜も更けたのでまたの機会にしたい。

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昭和レトロ「三菱製・真空管ラジオ」

2023-09-28 21:42:12 | Weblog

本日28日はお不動さまのご縁日だったので、朝9時から月並みの護摩供を勤修した。毎回同じ支具を用い、同じ作法で護摩を焚いても、火焔は様々な表情を見せるので祭壇に臨む前は少し緊張するのが常だ。今月は始終安定した護摩になったのでGikoohも有難い気持ちになった。

その後は道場(本堂)の掃除をするのだけれど、いつも傍にはラジオがある。先日より「昭和レトロ」と題して何点か色々な道具を紹介しているけれど、今日は真空管ラジオの話を。真空管の構造については割愛するけれど、音色でいえば、デジタルピアノか、生ピアノほど差があるとGikoohは感じている。といえば言い過ぎになるかも知れないけれど、真空管はとにかく音が柔らかく、まるで目前に人がいるような感覚にさえなる。

屋外で作務をする時は現代のラジオも愛用している。周波数をデジタルで合わせておけばノイズも入らないし使い勝手はとても良い。一方、真空管ラジオは多少丁寧に扱わないと具合悪いし、ある程度雑音もあるけれど、たまらない魅力があるのだ。

古い真空管ラジオを取り扱う場合は注意点も多々あるので、もしこのブログで興味が湧いた人もご留意いただきたい。

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Gikoohもようやく実家の墓参へ

2023-09-24 21:14:00 | Weblog

先週は14日(水)から檀務が続き、また昨晩の仏教講話は多くの方々にご参加いただくなどGikoohの彼岸は多用な日々になっている。

今日は午後から予定が空いていたので、早朝にお供物用のお萩をこしらえて、午後から勝福寺歴代住職の墓参や、実家の墓参へ出掛けてきた。写真は杉蒸篭でもち米を蒸し、圧力鍋で小豆を焚いているところ。

今週は寺務の多い1週間になりそうだ。

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彼岸の一週間は

2023-09-21 16:44:44 | Weblog

毎月21日はお大師さまの日。夏と秋の空気が互いに遠慮しつつも、着実に季節は進んでいるようだ。

朝7時よりお大師さまの御宝前で御影供を勤修。心にさざ波が立っていると、所作だけで時間が経過してしまうけれど、心が静かに統一していれば世の中の真実を自身の器に収めることができる。今は、お大師さまに世界平和や自然災害を憂う気持ちが大きく、少しでも安寧の世が続くことを願った。

さて、彼岸について中村元著の『仏教語大辞典』を参照しながら述べたい。「彼岸」とは向こう岸の意味で、覚り、涅槃など静寂な世界をいう。彼岸に対して此方の世界を「此岸」という。此岸は、貪(むさぼり)・瞋(瞋り)・痴(物事の道理が分からない愚かな心)の三毒や煩悩に喘ぐ迷いの世界だ。お釈迦さまは、この世に生を受けたすべての人々が此岸から彼岸に至る(渡る)ことを理想として、「六波羅蜜」或いは「六度」という6つの修行方法を教示されている。

般若心経には「波羅蜜」という言葉が何度も出てくるが、波羅蜜は梵語でパーラミターと音写され、これを訳せば「彼岸に至る」ことと解せられ「度」と漢訳する。理想を達成すること、完成の意味である。ここで、波羅蜜、至彼岸する為の6つの徳目を紹介したい。

◎六波羅蜜
1、布施(ふせ)… 与えること。それには財施(衣服などを施すこと)と法施(真理を教えること)と、無畏施(恐怖を除き、安心を与    えること)との三種がある。
2、持戒(じかい)… 戒律を守ること。
3、忍辱(にんにく)… 苦難に堪え忍ぶこと。
4、精進(しょうじん)… 真実の道をたゆまず実践すること。
5、禅定(ぜんじょう)… 精神を統一し、安定させること。
6、智慧(ちえ)… 真実の智慧を得ること。

1番目は(利他)他人のために、2番目~6番目は自利(自身のこと)=菩薩道

彼岸の一週間は、先祖供養の実践は勿論のこと、貴方自身の仏道実践週間として、現世・未来に福徳を繋ぐ善根功徳の修行を積む機縁になる期間であっていただきたうと願う。

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お彼岸を前に

2023-09-19 21:20:19 | Weblog

今日はお檀家さまより彼岸を前に、高野槇をお供えいただいた。長年、お正月、春・秋彼岸、お盆等々、常々高野槇をお供えいただいている。誠に有難い。

明日20日(水)より秋の彼岸の入りだ。また彼岸について書こうと思う。

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敬老の日

2023-09-18 21:26:48 | Weblog

皆さまの3連休はいかがお過ごしだっただろうか。実を言うとGikoohは高野山に参拝に行きたかったのだけれど、山陽道のトンネル復旧工事に伴う迂回路のことや、高校の娘の登校日と重なってしまっていたことなど諸々の事情で、またの機会に延期することにした。

そして、今日は敬老の日。1966年までは「老人の日」と呼んでいたらしいけれど、以降は「敬老の日」と名称変更して現在に至る。世の中大変なことが次々に起こるけれど、国民の祝日の日は祝日として国旗を掲げ、年配の方々に心から敬意を表したいと思う。

その敬老の日に母を誘い、広島県の「世良高原農場」を訪ねてきた。もう何回目だろう…。というくらい、ここは弁当持参で花を愛でさせて頂いている。これからダリアやコスモスが見頃本番を迎え、9月18日時点でまだ3分から4分咲きといった感じだろうか。それでも、人出が控えめでとても満喫することが出来た。

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地域の寄り合い「お大師講」

2023-09-17 21:45:11 | Weblog

ここ、久代の地においても以前はあちらこちらで毎月20日に開かれていた地域の寄り合いを兼ねたお大師講。この辺りは真言宗徒の多い地域なので、寄り合いとお大師講が習合しているのも何ら不思議なことではなかろう。ところが、近年は社会の多様化にコロナ禍も加わって、お大師講の様相は随分変容している。

お大師講の会場(勝福寺から~9/17)。掛け軸はお大師さま。

Gikoohが久代の住人になった2000年頃は、所属した講中(自治体の第〇組合みたいなもの)二十数件が輪番制で各家を巡り、毎月20日の夜にお大師講を行っていた。なぜ20日といえば、お大師さまの(入定の日)が21日なので、その逮夜にあたる前夜に行う習わしになっている。21日は日中に御影供の法要を行うため、皆が寄り合うのには前夜の方が都合も良いのだ。

本来お大師講は、真言宗を開いたお大師さま(弘法大師空海)に帰依する人々が毎月、日を定めて読経・会合を行うことだが、真言宗の信者でなくとも、臨機応変にその地域に住居を構える人々が講中に入ってお大師さまを拝む姿は素晴らしい慣習だと思う。

Gikoohファミリーが個人的に所属する講中の現在は、三ヵ月に一度、日にちも20日に限定しないなど、現代的な考えになったけれど、持続しているので良いと思う。今夜はそのお大師講の日だった。二十数件が寄り集まってお大師さまを拝み、そして会合をする。超レトロな空間かも知れないが、人間関係が希薄になる社会で、人と人との繋がりを大切に思える貴重な空間だと思う。きっとお大師さまも我々を見守って下さるだろう。

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9月も半ば

2023-09-13 23:01:52 | Weblog

4日ぶりの日替わりになった。昨日は茶道のお稽古があり、今日の午前中は有志の僧侶たちが集っての勉強会があった。お盆が過ぎて9月も半ば、すっかりGikoohの生活も日常に戻っている。

今日は(も)午後から日没まで、畑仕事と境内の草取りを一人黙々と励んだ。一人というのは思ったようには捗らないけれど、少しずつでも綺麗になると心が洗われるような気分になるものだ。夕方にはGikoohにはもったいないような有難い来客もあり、変化に富んだ一日になった。

写真は、一昨日お見えになられた来客様より頂戴したエビスパン(総社市内)の「パン」。ここのお店のクリームパン各種は一口食べるとホッとするような優しさが特徴で、とても美味しい。それと、大学時代の友人より恵贈頂いた「プラム」。皆様のお心遣いが本当に有難い。

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重陽の節句

2023-09-09 22:22:07 | Weblog

九(陽)月、九(陽)日は陽が重なる「重陽の節句」。菊花を用いて、邪気を払い長寿を願う日だ。

公事根源に「九月九日は節句にて侍れば菊花の宴行はる之を重陽の宴と申すあり」住古、宮中に於いて菊花を酒に和して用い、長寿を得んことを希う菊花の宴が行われた。之を重陽の宴といい、又季節から菊の節句ともいう。『御室流華道教書』より。

続いて『御室流華道教書』にこう書かれている。菊には長寿の徳があって仙花とされ、その端麗な風姿は梅・竹・蘭と共に四君子の一つに数えられる。菊は秋の草花中最も品位高く昔よりこよなき祝儀花として儀礼に用い、尊ばれて来たもので最も荘重も活けなければならないとある。

昨日、五色活けのことを書いたけど、なぜ五色かといえば、四方中央の気を集めて和合に象ったところに由来している。因みに、菊花の色の順番は、白色を最上とし、次に黄色、次に赤色の順だ。

今夜は「重陽の節句」について書いてみた。

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白露

2023-09-08 21:32:54 | Weblog

9月8日。今日は二十四節気の「白露」。カシオの電子辞書EX-wordによると、太陽の黄経165度。秋分前の15日、すなわち太陽暦の9月7日頃に当たり、この頃から秋気がようやく加わる、とある。確かに空気感が秋めいてきたようだ。

さて、昨年9月8日の日替わりブログと文章も行動も代わり映えしないのだけど、明日9日は重陽の節句なので、先人の言い習わしに習って菊を生けた。重陽の節句は五色で菊を生けることになっており、五色とは白・黄・赤の菊、葉を青、そして水を黒と考える。

現在は生花を嗜む人も少なくなって、白や黄の一本菊はどこの花店にもあるのだけれど、需要と供給の関係で総社においては赤菊は手に入れにくくなった。

夕方、総社市シルバー人材センターの会員さんがお見えになり、スズメバチの巣を駆除いただいた。今年2回目の依頼だった。自分で駆除することもあるけれど、巣の大きさや場所によっては難しいので、シルバーさんには本当にお世話になっている。

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