勝福寺 Gikoohの日替わり法話

山寺の住職、Gikoohが日々感じたことを綴っております。
(プロフィール用の落款は天野こうゆう僧正さま彫刻)

10月も

2018-10-31 18:51:51 | Weblog
明日から11月になる。冬に向けて気温がまた一段階下がり、肌寒い1日になった。

10月最後の今日、午前中は少し時間があったので、備中神楽の人形を一体ずつ丁寧に包んで仕舞った。眼・耳・鼻・舌・身・意(め・みみ・はな・した・からだ・こころ)の六感で季節感を感じることが好きなGikoohは、四季を通じて季節ものを飾ったり、旬を戴いたり、紅葉を見に行ったりして心遊ばせるひと時を大切にしている。

午後からは、大切な来客があり、仏画(秘鍵大師)を納入頂いた。秘鍵大師納入の経緯は、既に檀信徒様には知らせているが、詳細はまたの機会に譲りたい。約4時間にわたる話し合いのなかで、世の為に拝むことの必要性を再確認した。

Gikoohは四国88箇所、中国33観音、西国33観音(巡礼中)を始め、各地の分厚い歴史と信仰を刻むお寺を巡るなかで、瞬間的に、そこの住職様が平素からどういう姿勢で神仏に向かっているのか、直観してしまう。

秘鍵大師をお納めになられた企業の社長様も、勝福寺へ納品する法縁を不思議がられていたが、Gikoohにしても、勝福寺のような地方の小さな山寺にここまでの秘鍵大師をお迎えするということは奇跡的なことで、しかし、神仏に仕える身である以上、世の安寧を祈りたいと心新たにした。

これから日毎に寒さが加わってくると思われるので、皆様くれぐれもお身体を大切に。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

行事多き日

2018-10-21 22:26:12 | Weblog
毎月21日は御影供。弘法大師(お大師様)への報恩日。今夏以降、Gikoohはお大師様の書かれた文章に触れることが多く、御影を拝しながら畏敬の念が一層深まるようになった。

時間が遅くなったので、今日の出来事はまたの機会に書きたいと思うが、写真は今夜、久代の「横田神社」で奉納された「備中神楽」。Gikoohが久代へ来てからほぼ毎年、観賞させて頂いているが、この日の訪れが楽しみでならない。

小6の娘と、4歳の次男と3人で伺ったのが、太鼓に合わせてリズムをとっている息子の様子に、一場面の備中神楽でも老若男女を惹きつける魅力が並々ならぬものであることが分かる。

明日もまた檀務等、多用なのでこの辺で。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

勝福寺仏教講話「特別法話会」決定す

2018-10-20 17:18:21 | Weblog
総社市は、錦秋爽やかな好季になっている。勝福寺の周辺では、そこここで稲刈りが最盛期を迎えており、豊作を知らせる黄金色の稲穂に思わず手を合わせたくなる。

さて、第9回目となる勝福寺仏教講話「特別法話会」が決定した。今回は、高野山・総本山金剛峯寺より、現在、教学部長を務められている橋本真人僧正様をお迎えする運びとなった。勝福寺のような小さな地方寺院に、橋本先生がご来山頂けることはただならぬBIGニュースで、誠に光栄で非常に有難く思っている。

開催日は、平成30年11月25日(日)の午後2時~3時半で、会費は無料。但し、会場内に西日本豪雨の災害義援金(募金箱)を設置しているので皆様のご協力をお願い申し上げたい。

Gikoohは高野山高校時代の恩師が2人おられるが、橋本先生はそのお一人で、僧としての資質や姿勢について多々感化されながら高校時代を過ごさせて頂いた。いわば、Gikoohの僧侶としての根の部分を養って頂き、今の活動への影響は大きい。

今年7月に西日本を襲った豪雨は、総社市や倉敷市でも被害にお遭いになられた方は多く、今なお不自由な生活環境を強いられている人が大勢いらっしゃる。Gikoohは無力で何も出来ないけれど、真言宗の布教師として、第一線でご活躍されておられる橋本先生のお話を一人でも多くの方に触れて頂き、皆様の心に生きる力が湧いてくることを願っている。

心に光明が灯ると、生きる力が湧いてきて、自身や周辺の環境も次第に変わってくるから、今回の特別法話会も是非お勧めしたい。会費は無料だが、お申し込みが必要なので、参加希望のお方はお寺までお電話を。

先生のプロフィールなど詳細は、勝福寺ホームページでご確認ください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

障子越しの光線

2018-10-17 21:40:53 | Weblog
如常の1日。今日は来客もなく、午前中は寺務をし、午後からは草取りを行った。毎日気きになっていた場所が綺麗になると、とても心地良い。まとまった時間があるのは有難い。

写真は本堂の障子。昨日夏戸から障子に入れ替えたのだが、10月の光線はとても和やかだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

嗜好品としての香木

2018-10-16 22:08:47 | Weblog
総社は今、約2週間ぶりに雨模様になっている。気候の移り変わりと共に気温が少しずつ下がってくるので、体調管理に留意せねば。

さて、Gikoohはお陰様で毎日元気に過ごしている。昨日は、石川県から浅野太鼓の社長様がご来山になられ、今日は夏の建具(葦簀)から冬の建具(障子)への入れ替え、畑仕事、夜は中学生の子供茶道があるなど、多用だけど有難い。

写真は香炉に香炭を入れ、沈香(香木)を燻らせているところ。Gikoohは仏事に欠かせない御香を、自身の嗜好品としても平素から楽しむのだが、秋の夜長は特に香りが際立つような感じがする。

今から10年ほど前に、Gikoohは勝福寺の御本山である仁和寺で研修会が開催されていた折に、数年間かけて何度も京都へ足を運んだ時があった。文化の中心地である京都は、御香の香木の質もすこぶる高くて、研修の合間に御香屋さんを何度も訪ねていた。

今、香木の王である伽羅を始め、沈香、白檀に至るまで質の高いものほど貴重になりつつあり、特に伽羅についてはGikoohの手の出せるようなものでなくなった。

10年前は、沈香や白檀については、市場が時代の変遷期だったから、Gikoohは先を見越して上等な物ではないけれど、仏事用と自分用にある程度の確保に努めた。

香の香りは、仏様に一番のご馳走だと言うが、人にとっても気分が落ち着きすっとする。様々な文化のなかで、香りの文化もとても大切だと思うから、1人でも多くの人に香木に関心をもって欲しい。西洋の香水も、東洋の香木も奥が深い。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日記

2018-10-11 21:53:46 | Weblog
午後から来客があった他は、如常の1日。毎日何かと用事が多くて、気にはなっていたけれど、ようやく扇風機を納戸に片付ける前の掃除が出来た。大小含めると13台ほどあって、1台ずつカバーを外して、羽や部品を拭き掃除。ひと夏使うと相当汚れているけれど、綺麗にしてやると、来年の夏が気持ちよく迎えられるので欠かせない作業だ。

明日もまた予定が入っているので、今夜は早めに寝るとするかな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

勅封般若心経1200年戊戌開封法会へ

2018-10-07 21:44:38 | Weblog
皆さま、3連休はいかがお過ごしだろうか。Gikoohのこの1週間は檀務で多用になっている。どの御宅も前々から準備等に時間を費やされていることを存じているので、Gikoohも一期一会の精神を大切にして、懇ろに務めさせて頂くことを心掛けている。

さて、10月3日。Gikoohは京都の旧嵯峨御所・大本山大覚寺様へお参りさせて頂いた。

大覚寺様では現在、10月1日~11月30日までの2か月間、「勅封般若心経戊戌開封法会」という60年に一度の法会が執行されている。

「勅封般若心経戊戌開封法会」のことは、以前にも書いたことあるけれど、今一度ご紹介させて頂き、そして是非、皆さまにもこの貴重な法縁をお受けになられることをお勧めしたい。

「時に弘仁9年の春、天下大疫す。ここに帝皇自ら黄金を筆端に染め、紺紙を爪掌に握って般若心経一巻を書写し奉り給う。予、講読の選に範って経旨の宗を綴る。未だ結願の詞を吐かざるに蘇生の族、途にたたずむ。夜変じて日光赫赫たり。これ愚身の戒徳に非ず、金輪御信力の為すところなり」(弘法大師著・般若心経秘鍵の末文より)

日本は弘仁9年(818)年春に、旱魃と疫病が全国に蔓延した。大変お心をお痛めになられていた嵯峨天皇に、お大師様(弘法大師)は般若心経の写経をお勧めになられた。帝は紺紙に金泥で一字三礼の誠を尽くして浄書なされる一方、お大師様は重ねての御祈祷と、般若心経のご進講をされた。すると、霊験あらたかとなり、猛威を振るった疫病が治まったと伝えられている。

(大覚寺様のリーフレット参照)この写経は、「霊経」として崇められ、勅命によって封印された。この年の干支が「戊戌」(ぼじゅつ・つちのえいぬ)だったことから、以後、60年ごとの「戊戌」の年に宮家によって封印が解かれ、供養の法会が厳修されている。

今年平成30年は、弘仁9年から20回目の「戊戌」に当たり特別な1年を迎えている。今年は皆さまご周知の通り全国各地で甚大な自然災害が多発し、不自由な生活を強いられている方々も非常に多い。だからこそ、この度の「開封法会」が持つ意味の深さは並々ならぬものがあるのではなかろうか。

10月3日、勝福寺を車で朝5時半に出発して、大覚寺様へは9時前着。実はGikooh、大覚寺様への参拝は初めてで、その時点で貴重な念願が実現したことに深く感動したのだが、何よりも手入れの行き届いた境内の清潔さに圧巻された。とにかく清浄なのだ。

かつては嵯峨天皇の御殿であった聖地。今でこそ、拝観料を納めれば誰でも拝観出来る有難い時代になったが、Gikoohにとってはあまりに尊く清らかな場所なので、言葉に出来ぬ感情が次から次から湧いてきた。

受付で拝観料を納め、鶯張が心地良い村雨の廊下を緊張気味に歩いた。建築にも興味のあるGikoohは何もかも新鮮に映った。廊下の先へ続く御影堂を拝し、いよいよ60年に一度しか開かれない「般若心経殿」へ。

お寺の僧侶の方から、合掌して般若心経の末文「ギャテイギャテイ ハラギャテイ ハラソウギャテイ ボウヂ ソワカ」を唱えながら歩を進めるよう教授頂き、そして「般若心経殿」内部へ。そこには、1200年前に嵯峨天皇様が御心込められて浄書なされた般若心経が恭しく奉られていた。それを間近に拝謁した時、本当に有難い気持ちで一杯になった。写経そのものは時の流れを感じるものの、オーラが凄くて「神秘」というのは、まさにこのことなのだろう思った。更に、Gikoohと家族が拝謁している時は、職員さん以外は無人だったので、思う存分拝むことが出来た。

そして、10時から伝統儀式の1つである「二十一座般若心経法」にお参りをさせて頂いた。写真は最初の進列の様子で、門跡猊下をはじめ、寺院関係者の方々が法会場所である御影堂へ入堂される場面。京都は門跡寺院が多く、ここ大覚寺様も境内や建物が本当に上品で、進列から法会の内容まで素晴らしかった。

「霊経」として崇められている嵯峨天皇様の御写経は、今の法会期間を逃すと60年先まで拝することは出来ないし、次回は一般公開の有無も定かではないし、世の中も明るい未来であることを願っているけれど、どのようになっているか分からない。

だからこそGikoohは、霊経からの御蔭を社会の為に生かせるように、より一層、拝みの質を高めていきたいと思った。

ご縁があれば、是非お参りを。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

10月に入る

2018-10-01 21:56:20 | Weblog
台風24号は通過したが、皆様のお住まいやご地域はご無事だっただろうか。勝福寺やその周辺では目立った被害はなく安堵しているところだが、テレビなどで被害の様子を見ていると他人事ではない。勝福寺から東へ5kmほどのところに、岡山三大河川の1つ「高梁川」があるのだが、7月豪雨以降に直したばかりの河川敷グランドの真砂土がまた流されていたので、相当な水量だったのだろう。

Gikoohはその高梁川に架かる橋を1週間のうちに何度か渡るのでいつも思うのだが、綺麗に整備しても何年かに一度は大水で洗い流されるのが現実だ。その洗い流された真砂土は、川のどこかで溜まり、水深が浅くなる場所があるわけだから、長年に及び蓄積されるとなると、将来の洪水の一因になるのではなかろうかと…。これはGikoohのつぶやきだ。

さて、写真は和歌山の特産「種なし柿」。今年も高野山高校時代の友人から沢山頂戴した。友人のお母様のご実家で栽培されているそうだが本当に有難い。戴物はまずご本尊様や仏壇にお供えして、施主様やそのご家族の無病息災をお祈りしてから戴くようにしている。和歌山の種なし柿は口当たりがマンゴーみたいにまろやかで、何とも言えない美味しさを感じる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする