季節がまた一歩先へ進み、朝晩は冷え込むようになってきた。でも、今週末から来週中頃にかけては穏やかな気候になるそうなので有難い。
11月9日(月)の勝福寺仏教講話「第⑪回特別法話会」は天候にも恵まれ、お蔭様で盛況となった。コロナ禍の世間を垣間見ながら、開催の有無をGikoohなりに随分迷ったけれど、だからこそ仏さまの御蔭を受けて頂ければと新型コロナウィルス感染症対策に努めて開催させて頂いた。但し今回は一般告知をせず、檀信徒様、仏教講話の参加者様、住職と顔見知りの方達の集いとなったが、時勢柄致し方なくご理解頂ければ有難い。
さて、この度ご多用の中を遠路ご来寺賜った講師の先生初め、ご参加頂いた皆さま方に厚く御礼申し上げたい。
講師の先生は四国霊場第28番札所「大日寺」(高知県)の御住職.川﨑一洸僧正様をお迎えして、一般向けに「マンダラのお話」という講題で1時間30分の講話を頂いた。話の内容は本当に分かりやすく印象に残るものとなり、また参加者の反響も多かった。
今夜は、Gikoohなりに解釈した講義の内容を述べようと思う。少々読みづらいけれど寛容に願いたい。
法話会の冒頭に、令和2年は空海上人が延喜21年(921)10月27日に、醍醐天皇より「弘法大師」の諡号と、桧皮色の御衣が下賜されてから1100年の慶事を迎えているお話をご紹介頂いた。お大師さまが承和2年(835)3月21日に高野山に御入定されて86年後に大師号が下賜されるのだが、その本当の経緯を初めて知ることとなり感動した。それはまたの機会に譲りたい。
また、今回の法話会については、「薫習(くんじゅう)」という仏教の教えを説かれて、「お寺に足を運んでこの場所においでになることが大事。マンダラをご覧になられて、講話を触れているうちに、話の内容を覚えていなくても知らぬ内に深層意識に残っていく…。その種は現世か来世かは分からないけれども、いつか芽吹いて成仏(覚りの世界)に繋がっていく…」と。
大日如来の「覚りの扉」を開いて、仏法を学ぶ。「覚り」は苦しみやストレスのない状態を指す一方、煩悩(自分勝手な心)は自身を悩み、迷ませ、苦しませる。
大日如来の御教えを実践して、やがて成仏していく経路はGikoohの心を打った。また、仏法に触れるか触れないか、関心の有無の差で、人生に及ぼす影響が大きいとも感じた。
眼に見えない真理の世界が象徴されているのがマンダラだが、「胎蔵曼荼羅」と「金剛界曼荼羅」の一対から成っており、これを両部曼荼羅と称する。胎蔵に(界)がつけば合わせて両界曼荼羅という。金剛界(左側) / 胎蔵界(右側)
胎蔵曼荼羅は大日如来から見た外の世界。我々人間も、何処かの位置で役目を担っている。金剛界は大日如来の心の中の世界。
胎蔵曼荼羅のところで、先生は「一即多 多即一」という華厳経の仏教用語をご紹介頂き、一人は大勢の為に生き、大勢は一人の為に生きるという教えを学んだ。これは食事などを例に挙げると分かりやすいと思う。
一方、金剛界曼荼羅は大日如来の徳が一尊一尊に表わされており、画面中央に当たる成身会(じょうじんえ)をクローズアップして、「中央の大日如来」、「東の阿閦如来」、「南の宝生如来」、「西の阿弥陀如来」、「北の不空成就如来」をご紹介頂き、各尊が持った大日如来の徳を4つ学んだ。
第1に阿閦如来の菩提心。(私は煩悩を克服しならが覚りを求める心を発しますとの誓い。煩悩をなくして人に心を配れるか)、
第2に宝生如来の布施波羅蜜。(相手への施し)、
第3に阿弥陀如来の智慧波羅蜜。(真実の世界を見極める)、
第4に不空成就如来の精進波羅蜜。(努力、怠けない、)
先生は、皆の心の中にも大日如来いるとのお話をされた。皆の心には正しい判断が出来る理性がある。これを別の言葉で仏性という。正しい理性を育てていくことが大事。皆の心の中にある仏性を育てていくことが大事と。理性は大きく分けて5種あり、真ん中は大日如来なので実質は上記の4つ。大日如来の徳を全部獲得するのは難しいけれど、第1~第4の4つの徳目を実践して大日如来に近づきたい。
話がまとまらないけれど、マンダラは見るだけでも意味がありお蔭があるという。4つの教えを実践すれば、実際にストレスから解放されることも学んだ。
胎蔵界の「一即多 多即一」、金剛界の「菩提心・布施・智慧・精進」を実践して、人としての資質を高めたいものだ。
尚、WEB勝福寺でも、法話会の写真をupしているので是非ご覧を。