勝福寺 Gikoohの日替わり法話

山寺の住職、Gikoohが日々感じたことを綴っております。
(プロフィール用の落款は天野こうゆう僧正さま彫刻)

明日から9月なので

2023-08-31 22:30:56 | Weblog

8月31日。昼の蝉の鳴き声は小さくなり、夜の虫の音は大きくなり、いよいよ8月も過ぎ去ろうとしている。Gikoohの夏は7月24日から8月13日まではお盆の棚経、14日には万燈会、その後は連日の猛暑に煽られながらも如常の日々を無事に過ごせたことを有難く思う。皆さまは夏の疲れなどは出ておられないだろうか。

「暑さ寒さも彼岸まで」という言い習わしのように、もう少しの辛抱で快適な気候になろうから、それを励みに生活したい。

さて、清浄な気持ちで9月を迎えたいと思い仏器を磨いた。仏器の素材は真鍮なので、時間の経過とともに表面が酸化して黒ずんでくるのだけれど、「ピカール」という金属研磨剤で磨いてやれば再び黄金色に輝くのだ。

Gikoohは御仏をよく供養することにより、御仏の内面から滲み出る慈悲の力が境内全域に広がると思っている。寺は実に多様の方々がご来寺になるので、ひと時でも癒しを感じていただければ有難い。

明日9月1日は防災の日。関東大震災(1923年、大正12年9月1日午前11時58分発生)から100年の節目。二百十日。手元のCASIOの電子辞書によれば、二百十日は立春から数えて210日目。ちょうど中稲の開花期で、台風襲来の時期にあたるから、農家では厄日として警戒するとある。

いずれにせよ、9月1日という日は平素とは違う雰囲気の漂う日という感があるので、何事も無事を祈りたい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

護摩供

2023-08-28 21:54:01 | Weblog

午前9時。護摩供を勤修。先月に続き今月も暑かったけれど、檀信徒さまの清らかな信仰心で堂内は更に熱気に満ちた。次回は彼岸が過ぎているので、恐らく過ごしやすくなっているだろう。

護摩供が終わればいつものように掃除をして、今日は午後から草刈りもした。酷暑だけど動ける時には頑張りたい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

昭和レトロ「ナショナル・学習スタンド」

2023-08-26 21:03:16 | Weblog

22日の日替わりブログから4日後、打ち水を撒いたがごとく、朝晩は過ごしやすくなってきた。今は夜の9時過ぎで外気温は26.2℃。熱帯夜といわれる気温だけど、窓を開けて網戸にしておけば十分涼しく感じられる。

さて、先日に続き「昭和レトロ」家電の話題を。今夜upしたのはナショナルが昭和48年に製造した学習スタンド。昭和48年はGikoohの出生年なので、50年前のものになる。古物商で20年前くらいに購入したと思うけれど、ブリキ製で雰囲気が良い。

この当時のこのデザイン能力はすごいと思う。逆に、現在はパソコンで簡単に図面が引けるのだから、もっと際立ったデザインのものがあっても良いと思うのだが。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山口県上関町

2023-08-25 22:47:22 | Weblog

山口県上関町。海と海の独特な地形が織り成す神秘的ともいえる美しい自然豊かなこの小さな町に、使用済み核燃料の中間貯蔵施設を建設するプランが今月初旬、中国電力によって発表された。建設は決定ではないものの、この先恐らく饒舌に進められるような気がする。結論から申せば、Gikoohはとても心配している。釈尊が教戒されているように「諸行無常」、形あるものは必ず壊れるのが世の真理だからだ。

この先数十年の目先のことだけ考えれば、莫大な補助金が交付され一時的に町は潤い活性化するだろう。しかし現実は、全国が抱える超少子超・超高齢化、ネット依存社会に伴う学力低下、コミュニケーション力の低下、将来万が一の事故が発生した場合に誰が施設をコントロールするのか。100年先、300年先にその人材の確保の目途はついているのか。そんなことを真面目に考えると中間貯蔵施設等、脅威の存在になりかねない。何か良い方法はないものか。電力はなくてはならないけど、異常なまでに利便性を追求する社会が背景にあるので容易ではないと思う。今私たちに出来ることの一つは、贅沢三昧の生活を改めて倹約(節電)に努める以外に問題を超えることはできない。

そして、美しい日本を後世に伝えていくためには、家族の在り方の根幹を揺るがした第一の原因とも思う核家族を見直さなければならないと感じている。地域のそれぞれの家族が固まって生活していれば、過疎にもなりにくく、千年以上続く田地を潰して新たに住宅地や商業施設をつくる必要もない。先祖代々の田地や山を所有する人は、受け継いだ子がその土地を護るという心構えを持って欲しい。

この辺りは、政府がしっかり将来を見据えて舵を取らねば、一人一人の努力で何とかなる問題ではない。

理想かも知れないけれど、人が自立して一人前になる過程には、親、祖父母、地域の支えは欠かせない。耳の痛い話かも知れないが、これまで目を背けてきたことが今、しっぺ返しとなって様々な社会現象に現れていることを考えねばならない。

仮に、中間貯蔵施設が現実化しても、未来永劫の安全神話はない、ことを我々は覚悟しておく必要がある。この先、子孫代々不安を抱えるよりも、今、国民全員が電力の使い方を改めて核のゴミを増やさない努力をするのが賢明だと思う。瀬戸内海を護りたい。

今夜は少し偏った文章で申し訳ない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地蔵盆

2023-08-24 21:55:48 | Weblog

昨日、夏の甲子園が無事閉幕した。Gikoohも寺務所のテレビで観戦したけれど、10代の純真な高校生の一生懸命な姿勢に、勝敗は別にして本当に感動した。彼らはお盆や正月休みも返上して、毎日毎日厳しい練習を重ねて高度な技術と強い忍耐力、そして仲間を思いやる心を養うのだから、何より人間として素晴らしい成長をされていると思う。高校野球よ、感動を有難う。

さて、8月24日は地蔵盆。地蔵菩薩の縁日に行う会式で、各地において、特に西日本や近畿地方で盛んという。寺や地域で祀られるお地蔵さまに飾り付けや香花を供えて、無事息災を祈願する。

小さな前掛けは家内作

この地蔵盆。Gikoohの出生地である倉敷市においては、現在の様子は分かりかねるけれど、昭和・平成時代は町内全域にあるお地蔵さまのところで、前夜の23日、提灯を吊るして雰囲気を盛り上げ、近所の住人が参拝者(特に子ども達)に駄菓子などの接待をするなど、それは賑やかで和やかだった。お地蔵さまの周りに子供たちが集う姿、これは微笑ましいものだ。

勝福寺周辺で地蔵盆の慣習はないけれど、寺境内に祀る九体のお地蔵さまの前掛けをかけ替えたり、ささやかな地蔵盆を行った。皆さまの地域はいかに。

こちらは篤信なお檀家に寄進いただいた帽子と前掛け。

地蔵盆が終わって1週間すれば9月だ。季節は進む。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

昭和レトロ「東芝・扇風機」

2023-08-22 21:51:08 | Weblog

厳しい残暑が続いているけれど、皆さまは夏の疲れなどは出ていないだろうか。お盆は過ぎたけれど山寺の勝福寺は夜になっても殆ど気温は下がらず、早朝から本堂堂内が30℃あることも珍しくない。それでも、次第に境内に響く秋虫の合唱に、少しずつ自然界は夏に終わりを告げようしている。

さて、今夜はこんな1枚を。東芝の古い扇風機だけど、製品名は「貴婦人」と呼ばれていたらしい。最近ちまたでは「昭和レトロ」なんていう言葉を耳にする機会が増えた。Gikoohも家電に限らず、昭和時代に製作された物に心惹かれている一人だ。特に家電製品は通電を伴うので、必ず安全チェックを行い、手入れが必要な場合には専門の職人に修理を依頼して使うようにしている。今の家電製品は壊れたら使い捨てポイの物が多いけれど、昔の物というのはモノづくりに対する姿勢が半端ないから、直せば使える物が多い。

昭和レトロ家電、次回に続く…?。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

神聖な空間における電化製品

2023-08-19 21:57:28 | Weblog

薄暗い堂内で煌々と輝く燈明。お檀家の法要等で本堂を使用する際には堂内を明るくするのだけれど、Gikooh一人のときは、専ら照明器具ではなく油燈明やローソクが修法の支えとなる。

さて、暑い季節なので、少し涼の世界へ誘いたい。最近、参詣者の方とこんな話題になった。

以前は霊的な話を聞くことがしばしばあった。亡き故人が夢枕に現れるとか、意識が朦朧としているときに三途の川の畔に広がる見事な花畑を見てきたとか、そして、ときには霊障の話に耳を傾けることもあった。Gikoohはどれも本当のことだと捉えてきた。

Gikoohの祖母・常は昭和40年頃まで産婆をしていて、新たに生まれてくる尊い生命に携わる一方で、流産、死産など辛く悲しい経験をした母親とも少なからず接している。いのちに関わる仕事をしていた常は生前、敬虔な仏教徒で霊感もあったことから神仏を想う気持ちは特別なものがあり、折に触れてよく拝んでいたという。Gikoohが生まれたのは昭和48年で、その頃は産婦人科での出産が主流となって久しく、既に産婆の仕事は引退していたのだけれど、常が伝えた霊の世界の様相や位置づけ等、父からよく聞いていた。この類の話は、たとえ僧侶であっても神仏の世界への理解や、拝む力の高低により捉え方に差があると思うが、それは致し方ない。

話を戻して、以前と比べると近年は霊的な話を聞くことが随分と少なくなった。何故か。参詣者の話によると、原因は電化製品の増加が背景にあるのだという。霊は電波や電磁波を出すものに近寄らないのだという。あくまで想像の世界ながら、Gikoohも同調するところだ。

コロナ禍になって、例えばネット環境は一段と利便性を増した。文明社会を競う企業は別としても、寺というアナログの神聖な空間においても、祈りの時間や行事の生配信が安易に出来る時代になった。しかし、祈りの空間に文明の利器は信仰の妨げになる。神仏が一時的でも離れてしまうのならば、元も子もないだろう。

しかしここで、助言をしたい。皆さまが神社仏閣で神仏に手を合わせるとき、祈りの空間に身を委ねているとき、或いは祖先の法要のとき、携帯やスマホ、タブレットは電源をOFFにするか、別の場所に置かれた方が良い。感性の敏感な人ならば、身の回りの電磁波が気になると思うから。

神社仏閣に限らず、コンサート会場、或いは学校の参観日のときでも、大切な時空間には電波や電磁波はない方が良い。ざわついた空気より、透き通った空気の方が気持ち良い。

最後に、生活空間において電化製品は多いほど便利だけど、少ないほど脳と心は解放される。

今夜は少し文章が迷走してしまった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

8月15日という日

2023-08-15 22:13:30 | Weblog

総社市周辺の台風7号による被害は恐らく大丈夫だと思われるけれど、県北部や鳥取では線状降水帯が発生するなど、心配な様子がニュースを通して伝わってくる。どうか、台風進路に該当される皆さまのご無事を心から願っている。

お盆最後の8月15日。祖先が浄土へ帰り行く日。そして終戦記念日でもあり、一人一人が心を見つめる特別な1日でもある。今夜は、昨日書いた万燈会(まんどうえ)について述べたい。万燈会は全仏教の行事で、ここではお大師さまの修せられた高野山万燈会に思いを馳せながら話を進めたいと思う。

この世に仏の国をつくる…。

お大師さまは密厳仏国(大日如来の浄土)へのご理想をこのように表現され、それをご生涯の願いとされた。本年6月に勝福寺において、『弘法大師ご誕生1250年記念法会』開催の砌、記念品として4枚1組の「栞」を制作、配布させていただいた。その中の1枚に、お大師さまが遺された万燈会願文の

「虚空尽き 衆生尽き 涅槃尽きなば 我が願いも尽きなん」

という有名な御文章を記載した。これは、迷い苦しむ衆生(人々)が尽き果てて、衆生救済の行が無用になるまで私の願いは尽きることはない、という壮大な意味だが、世を救い、常に人々を幸せに導こうとされる大きな慈悲心に感動せずにはおられない。何と有難いことだろうか。

天長9年(831)8月22日、お大師さま59歳の時に、高野山において万燈会(正しくは万燈万華会)が修せられた。『弘法大師物語』(朱鷺書房)に、この法会は金剛・胎蔵の両部の曼荼羅に、万燈、万華を供えて供養するという、多くのともし火と花という光彩の中で法要が進められた。それは、密厳仏国の有様を表現されようとしたものであった。

同じく願文には「一炎たちまちに法界にひるがえって病を除き、質多の万華、笑を含んで諸尊眼を開かん」と智恵のともし火と慈悲の花びらの喩で、仏の生命の生きた現世の仏国を祈念されているのである。と記されている。

雨上がりではないのに現れた虹空と、水棚(雨に備えて傘も)。

以下、画像は全て8月14日撮影分。

勝福寺においても、お大師さまのご理想に近づきたいと、たくさんの願いを込めて平成22年から万燈会を行っている。途中、雨天やコロナ禍の影響で開催出来ない時が何年もあったけれど、今年は無事に開催することができた。約170燈の行燈がキラキラと光り耀くなか、Gikoohはご参詣の皆さまにお盆の行事のもととなる盂蘭盆(うらぼん)の法話をさせていただいたり、万燈会もそうであるように、お盆はとにかく万物に供養することの大切さをお話させていただいた。

御仏や祖先や餓鬼仏の供養の為、世界平和の為、皆さまからお供えいただいた真心の一燈は必ず天に届けられていると思う。

今の時刻は夜の10時過ぎ。勝福寺の本堂では、御本尊さま、諸尊さま、先代住職さま、永代供養の精霊さまに燈明を供えて、Gikoohが就寝する少し前までもうしばらく供養させていただこう。菩提寺というものは、現在を生きる檀信徒さまも、過去を生きた檀信徒(祖先)さまも、寂しい思いをされる人がいないように勤めさせていただいて、未来世に繋げていきたいと願っている。

最後に、万燈会をお手伝いいただきました「株式会社いのうえエヴァホール」さま、有志の檀信徒さま、本当に有難うございました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

万燈会を開催

2023-08-14 22:40:08 | Weblog

8日ぶりの日替わりになった。今夏も棚経の全工程を健康に無事終えることができた。有難い。

14日の今日は、「万燈会」(まんどうえ)を開催させていただいた。万燈会のことは日を改めて書きたいと思う。勝福寺の東南の上空には雨上がりでもないのに、虹が現れ「あぁ、仏さまも喜ばれているのかなぁ」と感慨にひたってしまった。

それはともかく、強い台風7号が接近している。用心せねば。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

8月6日。広島原爆の日。

2023-08-06 22:05:59 | Weblog

今日は広島原爆の日。Gikoohは昨日を6日と思ってしまい、平和を祈る気持ちで1日を過ごしたのだが、正しくは今日6日が広島原爆の日。これだけ核兵器の廃絶が叫ばれているのに、なぜ世界は真逆の方向へ迷走しようとするのか。人類皆兄弟ともいう。とにかく平和な世界を願いたい。

弘法大師(お大師さま)の入定留身のことを念頭におきつつ、令和の時代に生身の僧侶として生きておられたならば、どのような活動をされるか、と度々Gikoohは思う。今秋に勝福寺で修したいと思っている(仮名称)「東寺下賜1200年記念慶賛法会」では、その辺りのことをテーマに臨んでみたい。

さて、写真は今朝のGikooh。昨日に続いて今日も地区外のお檀家宅へ伺ってきた。7時前に出発して、寺に帰山したのは昼2時半、走行距離は72㎞。どこのお檀家も和やかに出迎えてくださるので本当に有難い。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする