勝福寺 Gikoohの日替わり法話

山寺の住職、Gikoohが日々感じたことを綴っております。
(プロフィール用の落款は天野こうゆう僧正さま彫刻)

金木犀の香りに秋の訪れを感じて

2018-09-28 21:48:35 | Weblog
秋晴れの爽やかな1日になった。写真は今日の夕方撮影した境内の金木犀だが、町を車で走行していても、どこからともなく甘酸っぱい香りが漂ってくる。秋が次第に深くなっていく。

日替わりのことは気になりつつ、11日ぶりになった。この間は、子供から大人まで人の出入りがすこぶる多く、落ち着ける時間は少なくなっているけれど有難いことだと思う。

今日は午前中に護摩供があった。この1年ほどは祈願札も随分多くなって、Gikoohも所願成就を願いお不動様と対峙している。今は本堂の片隅で、手狭な護摩壇で修法しているが、より多くの人の為になるべく早めに護摩堂を建てたい、と改めて思った。

明日は子供茶道のお稽古がある。Gikoohは久々に土日と法事がないので、お稽古の後は一緒に遊べるかな。と書きながら、台風の進路が気になる。

台風。皆様ご用心を。
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長幼の序

2018-09-17 22:05:42 | Weblog
敬老の日。写真の人形は「備中神楽」に登場する老夫婦神の通称「じじとばば」。じじとばばは、これから話をする稲田姫の両親だ。Gikoohは詳しくないので、興味のある人はお調べを。 

じじとばばには8人の娘がいたが、毎年ヤマタノ大蛇がやってきて、娘を1人ずつ食べていた。そして末娘・稲田姫の順番になった。じじとばばは、素戔鳴男命に「この子を助けて欲しい」と願い出た。すると素戔鳴男命(スナノオ)は、大蛇を退治する見返りに稲田姫を自分の嫁にしたいと言い、物語は展開していく。

敬老の日と、じじばばの人形の関係性はないけれども、素戔鳴男命を説得出来たのは、長寿こそなせる徳で、この人形を見ながら「長幼の序」の大切さを思う。

さて、昨日は残暑が戻るなか、法事があった。綺麗に荘厳された祭壇の仏前で、Gikoohは様々な所作を進めていくのだが、故人様のお身内が参列され、供養の法要が営まれる光景は何とも清らかで尊い。勝福寺の檀家さんは、ご先祖を大切にされる御宅が多いので、菩提寺の住職として有難い。

今日は、とある勉強会のため、午後から広島県へ行ってきた。
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心をどこに定めるのか

2018-09-12 22:06:18 | Weblog
如常の1日。9月に入って、次第に秋めいてきたことも手伝って、来客も多くなっている。

勝福寺では、計画中の行事も含めて来春まで用事が多く、一方で被災地の復旧復興を願って以前より拝むことにも時間を費やしているので、1日があっという間に終ってしまう。

所用で出掛けることもあるけれど、外出が増えてくると、どうしても心が浮かれ気味になって精神の軸が定まりにくくなるから、Gikoohは在寺を心掛けている。住職は住む職と書くけれど、昔の人は的を射たことを言っていると思う。
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易経から

2018-09-11 22:00:35 | Weblog
午前中は茶道の稽古があり、午後からは如常の1日。昨日は総社市仏教会の総会があるなど、何かと多用な日々を送っている。

さて、Gikoohの手引書である『中国の思想Ⅶ・易経』(六十四卦の二十二番目・賁)に、「天文を観て以て時の変を察し、人文(文化)を観て以て天下を化成す」というのがある。

「賁」(ひ)という卦は、柔が剛を飾って伸び栄えることを示し、剛が柔に実質を与えており、消極的に進めば小利があることを示す。剛柔交錯してあやをなす、これが天文である。文明が爛熟(らんじゅく)せぬ程度に抑制されている、これが人文である、と。 ◎爛熟…物事が発達しすぎて衰退の兆しが現れること。

古来から、天文の運行によって気候の変化を察知し、文化によって世界を教化する…。この裏を読み解いていくと、文明社会の過度な発展は、やがて衰退へ向かい、それは天変地異にも現れると見る。政治の善悪、人間の利便を極めた生活と天変地異は無関係ではないような気がして、自然界からの警鐘を感じ取らねばならないだろう。

Gikoohは想う。国家、都道府県、市町村の「行政の長」と呼ばれる人達に「般若心経」の写経を勧めたい。「長」と称される人が真摯な気持ちで神仏におすがりすることは、天変地異を鎮める近道に繋がると思うから。
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9月9日は重陽の節句

2018-09-09 22:20:30 | Weblog
本日、九月九日は重陽の節句。Gikoohの手引書『大師御宝暦』によれば、陽数の極の九が二つ重なるめでたい日で重九とも呼ぶ。昔、朝廷では群臣を集めて宴を賜ったので、「重陽の宴」とか「菊の節会(せちえ)」ともいわれた。中国の古い民話に、ぐみを飾って、丘に登り菊花の酒を飲んで難を逃れた例があるため、漢時代よりこの日、菊酒を飲んで延寿を祝う風習があった。のち我が国に伝わって天武天皇14年に菊の宴が催され例年のならわしになった、とある。

先週は台風21号の通過と上陸に伴う各地の被害、6日の未明に、北海道勇払郡厚真町を震源に、震度7と言う非常に大きな地震が発生した。これらの災害で尊い命を犠牲になされた方、被害に遭われた方、またそのご家族等には大変心を痛められていることと思う。

Gikoohにはただただ荒れた世の諸現象が早く鎮静することを祈ることしか出来ないけれど、常に心は寄り添いたいと思っている。どうか元気を出されたい。

とは言え、拝みながらまだまだ油断が出来ない状況を強く感じている。戊戌の年の間は、特に用心しなければいけない。
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