今日は蓮の花について話をしたい。仏教においても蓮華(蓮)はとても重要な意味を持つけれど、その辺りから蓮の話を始めたい。
今朝、6時過ぎに勝福寺て撮影
大賀ハス
蓮(蓮華)は古代インドにおいて最も重んじられ、ヴィシュヌ神話ではヴィシュヌ神の臍の中から生じた蓮華の中に梵天がいて、万物を想像するという。仏教では、仏・菩薩の坐を蓮華とし、その蓮華が泥中で染まらないのをとって比喩とし、『法華経』『華厳経』などでは法門にたとえ、密教では胎蔵界の標識として衆生本有の心を表すといい、仏を象徴する。東京書籍『中村元著 仏教大辞典』より。
以下は、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』を参照しながら続けたい。
昭和26 年(1951)、植物学者の大賀一郎博士が発掘品の中にハスの果托があることを知り、同年、地元の小・中学生や一般市民などのボランティアの協力を得てこの遺跡の発掘調査を行った。しかし調査は苦心し、翌日で打ち切りという土壇場になってボランティアで参加していた女子中学生が地下約6mの泥炭層からハスの実1粒が発掘された。このことから予定は延長され、後日に2粒、計3粒のハスの実が発掘されたのだ。大賀博士はこの3粒のハスの実の発芽育成を試みた。3粒のうち1粒が発芽し、翌年の昭和27年7月18日にピンク色の大輪の花を咲かせたのだ。このニュースは国内外で報道され、米国ライフ週刊版1952年11月3日号に「世界最古の花・生命の復活」として掲載され「大賀ハス」と命名された。なお、調査によりハスの実は今から2000年前の弥生時代以前のものであると推定されていて「古代ハス」とも言われる。-ウィキペディア-ここまで。
現在は全国各地で大賀ハスが育成されていて、先日の後楽園のハスも、そしてこの写真のように勝福寺においても美しいハスを愛でることが出来る。
今朝、6時過ぎに勝福寺て撮影
Gikoohの恩師の一人、橋本真人先生(令和5年現在、高野山高等学校・校長として奉職されている)は書籍『弘法大師の贈り物』(春秋社)のなかで、
蓮の花が開花するのは、東の空に美しい明けの明星がかがやく夜更け寅の刻(午前3時~4時)と称する時間帯です。高野山の修行僧が起床して、仏さまにお供えする「閼伽水」を汲むのも同じ時間帯で、古来、寅の刻には「水に花が咲く」と信じられ、花水(けすい)と称されています。まことにこの時刻は万物寂(じゃく)として声なく、水中の虫も眠ると伝えられ、至極澄浄です。
弘法大師は、『般若心経秘鍵』の著述で、「蓮(はちす)を観じて自浄を知る」という名句を残されています。「美しく咲く蓮の花をこころの眼で観ずれば、自分自身が本来清浄であることを自覚できる」という意味です。
つまり、この世に存在するすべての人々は。一人残らず本来、こころの奥底に蓮のような澄浄の美しさを備えているということなのです。
と、書かれている。誠に、美しい蓮の花をじっと見つめていると心が洗われるような思いがする。
今朝、6時過ぎに勝福寺て撮影
こんなに美しい古代ハスを楽しませてくれ、仏さまをも観じさせてくれるのは、岡山県が誇る植物学者・大賀博士はじめ、ボランティアで発掘調査に参加されていた人々の賜物だと思う。