勝福寺 Gikoohの日替わり法話

山寺の住職、Gikoohが日々感じたことを綴っております。
(プロフィール用の落款は天野こうゆう僧正さま彫刻)

第9回寳燈展無事閉幕

2018-04-24 21:42:22 | Weblog
久々の日替わりになった。先日、弘法大師(お大師さま)のご聖日に開催させて頂いた第9回勝福寺寶燈展は無事に閉幕した。今回は仏画と御室流の生け花と題して、約30点の仏画と、12点の生け花を観覧頂いた。Oll Silk手刺繍の「弘法大師像」、平安末期に活躍された真言宗の高僧、覚鑁上人が臨終の際に用いたとされる「臨終曼荼羅」の複製画、截金技法を施した「虚空蔵菩薩像」をはじめ、初七日から百回忌までの年忌本尊「真言二十尊像」など、職種年齢を問わず見応えのある内容になったように思う。

仏画は色彩も美しく、一尊一尊が放つ何とも言えないオーラは穏やかな空間を醸しだした。またこの度は、京都から華道御室流の顧問で元華務長の川井宏雄先生を講師にお迎えし、「生活の中の生け花」という演題で約1時間のお話を頂いたが、内容がとにかく深くて素晴らしく、思わず感涙が溢れた。勝福寺のホームページでも時間のある時に内容に触れられればと思っているが、先生の底知れぬ慈愛の深さと、一方で、現代人が抱えている問題を見事に捉え、聴講された方は貴重な縁になられた思う。

正直なところ、Gikoohの知る限り、僧侶でさえも、1つの話題でここまで的を射た真実の話をされる人は全体の1%もいないかも知れない。それはどんなに言葉を繕っても、どんなに社会で活躍していても、その人の資質が大切だから。

また、寶燈展では30名を越す大勢の方々にお手伝い頂いて無事に終えることが出来た。有難い。
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次男の入園式

2018-04-13 22:19:10 | Weblog
Gikooh Familyの次男はこの4月から幼稚園に通園させて頂くのだが、今日は、入園式が行われた。Gikoohは間もなく45歳になる。家内も若くはないのだが、こんなセレモニーを迎えられるなんて、何とも有難い。この子が成人するまでの道のりは長いけれど、元気でいてやらねばと思う。どんな少年に成長していくのか、楽しみだ。

入園式では、幼稚園の職員さん、地元の議員さん、公民館長さん、福祉委員さん、評議員さんに駐在さん、小学校の教頭先生等々、名士の方々に見守られて、有難い門出になった。

明日は午前中に子供茶道があり、午後からは寳燈展の準備をする予定。寳燈展にはお茶席もあり、子供達によるお点前やお運びもあり、こちらも楽しみだ。

人間は不思議なもので、暗い気持ちの時には目に映るものの多くが禍となるけれど、明るい気持ちの時には世の多くが宝のように映り、楽しいことを思っていたら、益々楽しいことが集まってくるから、気持ちの持ち様は大切だと思う。

明るい気持ちで過ごすには、お釈迦さまやお大師さまのお考えを実生活に取り入れることが良いと思う。
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日記

2018-04-12 22:18:59 | Weblog
如常の1日。春暖の陽気に煽られて、気持ちも穏やかになる一方で、境内の草も勢いよく伸び始め、今年も体調に気を付けて乗り越えねばと思う。

勝福寺では来る4月21日(土)に第9回寳燈展「仏画と御室流の生け花展」の開催を予定している。時間があれば何かしら書きたいと思う。
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お釈迦様のご生誕を祝う「花まつり」のお話

2018-04-11 18:30:03 | Weblog
如常の1日。今日は「灌仏会(かんぶつえ)」「花まつり」の起源について書いてみようと思う。尚、この記事は以前に勝福寺WEBの「Gikoohの見聞記」から。

4月8日はお釈迦様のお誕生をお祝いする仏教徒の大切な行事だ。この日に行われる法会を「灌仏会」、「誕生会」、「龍華会」とも称し、この由来は釈迦誕生の時、天龍が現れて甘露を灌いだという故事にちなんでいる。

お釈迦様は、今から2550年昔(西紀前566年4月8日)、インドのカピラヴァットウ国のルンビニー園においてご生誕された。父はこの国の王、浄飯王、后は摩耶夫人。仏伝によれば、摩耶夫人が出産のため、里のコーリ国へ向かう途中に立ち寄られたルンビニー園で休息され、純白の無憂華を愛でておられる時に、急にご生誕されたという。この時、大地の花は満開に咲き、天からは龍王が現れて清浄な甘露を降り灌いだと伝えている。

摩耶夫人は懐妊を知る前に、白い象が飛来し、ご自身の胎内へ入るという不思議な夢をご覧になられた。インドでは、白象はとても神聖な象徴として考えられていたことから、偉大な人物の誕生を予感させるものだった。

お釈迦様は、生まれてすぐに東方に7歩歩まれて右手で天を指し、左手は大地を指して「天上天下唯我独尊」と宣言された。この言葉は、私という人間は古今東西を通じてただ1人の人間であり、かけがえのないない存在である。そのような自覚にもとづく本当の生き甲斐を実現しなくてはならない、という人間の尊さを意味している。(仏陀・百華苑より)

さて、日本において灌仏会が行われるようになったのは推古天皇の14年(606)4月8日、元興寺(奈良)での灌仏会が起源とされている。(日本書紀第22)

Gikoohの手引書によれば、仁明天皇の承和7年(840)4月8日には、朝廷の清涼殿で灌仏会が催され、その日は1尺5寸(約46cm)~2尺(約60cm)の仮堂を設け、桃や時節の種々を飾って花御堂と名付け、その中に仏誕生をかたどった即ち片手は天を指し、他の片手は地を指している仏像を銅板の中央に安置し、これに都梁香の(青色水)、鬱金香(赤色水)、丘隆香(白色水)、附子香(黄色水)、安息香(黒色水)の五香水を灌いて法会が営まれた、とある。

江戸時代になると、鉢に甘茶を湛え、参詣者は小柄杓を持って仏像の頭より灌ぐようになった。甘茶は本式には香湯を用い、桃・李(すもも)・松・柏・柳の五木に香木(白檀(びゃくだん)・沈香(じんこう)等)を加えて煎じる。しかし香湯を作るのは大変手間がかかる上、飲用には適さないため、昔の僧が工夫し、灌仏のあと参詣者がこれを戴いて無量の功徳を感じられるように甘茶で代用されるようになったのだとか。

そして、この甘茶を硯に注ぎ、「ちや」等と紙に書いて雨戸に貼り付けておくと虫はこれを避けると言われ、更に「八大龍王茶」と書いて天井に貼ると、落雷の災難を免れるというように、御利益をかつぐ風習を生じた。

勝福寺でも、4月8日に花まつりを行った。毎年、少しずつではあるが参拝者様が微増傾向にあり、有難い。お釈迦様のご生誕をお祝いすると共に、自身の生命の尊さに思いを馳せるという大切な意味があるので、もっと広まって欲しいと思う。

今、世の中の色々なものが壊れてきているので、こういった伝統行事を多くの人々に知って頂くために、Gikoohも僧侶の端くれとして微力を尽くしたいと思う。

とにかく4月8日はお釈迦様のお誕生日で、全国の仏教各寺院で花まつり(月遅れの5月のところも)が開催されているので、来年はGo!Go!「花まつり」。
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沈香の香煙くゆる中で(3月30日の出来事)

2018-04-06 21:53:07 | Weblog
ここ2週間のGikoohは過密な日程続きながら、まだ当面は檀務も所用も多いので身体を労わりながら勤しんでいる。

去る3月30日、尾道市瀬戸田町(しまなみ海道の生口島)にある地蔵院様の名誉住職、古賀秀彦大僧正のご葬儀があり、参列させて頂いた。地蔵院様は、Gikoohの兄の奥さんの生家で名誉住職は御尊父にあたる。Gikoohは瀬戸田を訪ねるたびに、お寺へ寄せて頂いているが、ご夫妻共に温かく情感深いお人柄で、御尊父にも懇意に接して頂いた。いつも仏様の光背を感じさせるオーラのようなものがあり、それは生来具わっていた慈悲の心が内面から滲み出ておられたのだと思う。また、檀信徒への応対はGikoohもお手本としていた部分も少なからずあり、住職として、或いは地域の名士として模範的な存在だったのではと推察している。近年は、療養されておられたことは存じていたが、先日の訃報を受けて、大きな緞帳が下されたような一抹の寂しさを感じた。

上等な沈香の香煙がくゆる中で、ご葬儀の進行は地域の特徴も垣間見ることが出来、島ならではの温かい人情味溢れる立派な内容だった。特に、結集寺院様達によって御棺に手が掛けられ、出棺の時、一斉に光明真言を唱えながら式場から満開の桜が花開く境内、参道を通って霊柩車まで運ばれるのだが、境内に集う多くの檀信徒の皆様方、同寺運営の保育園の園児達、そしてご親族や諸関係者の方々が次々と手を合わされた瞬間、Gikoohは目頭が熱くなり、何とも言えぬ感情が込み上げた。

葬儀は人生最期の重要な儀式だと思う。喪主様が故人様になり替わり謝辞を申されるのは深い意味がある。葬儀の形態は、その人の人生の結論を物語っているような気がする。この度のご葬儀を通して、名誉住職が御遷化されたことは本当に寂しいが、Gikoohの心に残る温かくて見事な儀式だった。御冥福を心からお祈り申し上げます。

さて、次回の日替わりは、いつup出来るか分からないかれど、花祭りの出来事か、ご本尊様について書きたいと思う。
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