21世紀新農政2008~食料事情の変化に対応した食料の安定供給体制の確立に向けて~
農政については、「食料・農業・農村基本計画」(平成17年3月25日閣議決定)の方向に沿って、
政府一丸となって集中的に取り組んでいるところである。
このような中で、世界的な気候変動やBRIC's等経済成長が著しい国の所得向上、
バイオ燃料の大幅増産等に伴う世界的な穀物の需給ひっ迫と価格高騰は
我が国の食料自給率が低水準にあることと相まって、
現在及び将来にわたる国民への食料の安定供給の大きな不安要因となっている。
このため、今後、食料をめぐる諸問題について国民全体で認識を共有した上で、
食料自給率向上を目指して、消費者、生産者、事業者、
行政機関といったそれぞれの主体による食料・農業・農村に関する諸課題への取組を更に促進していく必要がある。
このような視点に立って、内閣に設置された各種本部との連携を図りつつ、関係府省が一体となって、
下記事項を内容とする「21世紀新農政2008」を推進することとする。
1.「食料の未来を描く戦略会議」におけるメッセージを踏まえた戦略的対応
食料の未来を描く戦略会議についてはこちらか
2.農山漁村の活性化
3.資源・環境対策
農山漁村の活性化
1 地方再生に向けた農山漁村活性化対策の展開
活力ある農山漁村の再生に向けて、「地方再生戦略」(平成19 年11 月30日地域活性化統合本部会合)に即し、
地域リーダーの育成やアドバイザーからの指導・助言による地域活性化を担う人材の育成、
祭りや伝統文化の保全・復活等による集落の再生、農商工連携など、
地域の主要産業である農林水産業を核とした地域経済の活性化に向けた取組を積極的に支援する。
子ども達の農山漁村での宿泊体験を行う「子ども農山漁村交流プロジェクト」を推進し、
将来的に、毎年、全国120万人(1学年規模)の小学生が参加できるよう、モデル地域における受入体制の整備を推進する。
また、「立ち上がる農山漁村」や「オーライ!ニッポン」等の優良事例を分析し、
ネットワーク化を進めることにより、全国的な取組への発展を図る。
「農地・水・環境保全向上対策」による創意工夫を生かした地域活動や環境負荷を低減する先進的な営農活動への支援、
都市と農山漁村の共生・対流の一層の推進、中山間地域等の条件不利地域への支援等を通じて、
豊かな田園環境を保全し、活力ある農山漁村地域の実現を図る。
さらに、農山漁村の活性化に向けて、農協等の意思決定過程及び農業経営への女性の参画を促進し、
農山漁村における男女共同参画を推進する。
2 農林水産業と食品産業等の連携の強化
第169 回国会に提出した「中小企業者と林漁業者との連携による事業活動の促進に関する法律案」により、
農林漁業者が中小企業者と連携して行う先進的な農商工連携の取組を支援する。
また、流通業、外食産業、観光産業等のノウハウを活用した消費者ニーズに即した商品開発や販路拡大の取組を支援する。
さらに、農林水産業と商工業等のそれぞれの技術や特徴等を活用
する農商工連携のモデル的取組を選定した「農商工連携88 選」を作成し、その内容を積極的に紹介する。
産地と研究機関、民間企業の力を結集して新食品・新素材の事業化を図る取組を支援することにより、新たな需要を創出する。
3 暮らしを守る鳥獣害対策の展開
平成20 年2 月に施行した「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」に基づき、
市町村が作成する被害防止計画に基づく個体数調整、侵入防止柵の整備等による鳥獣による被害の防除、
緩衝帯の設置等による生息環境管理の取組を支援する。
イノシシの効率的な捕獲技術や鳥獣を引き寄せにくい営農管理技術など効果的な被害防除技術の開発
・普及に取り組む。
環境・資源対策
1 バイオマスの利活用の加速化
(1)国産バイオ燃料の大幅な生産拡大
第169 回国会に提出した「農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律案」により、
農林漁業者等とバイオ燃料製造業者の連携による低コストでのバイオ燃料の安定供給に向けた取組を支援する。
これにより、平成23 年までに国産バイオ燃料を5万kl 生産するとを目指す。
さらに、食料と競合しない稲わらや間伐材等の非食用資源から効率的にバイオ燃料を生産する
「日本型バイオ燃料生産拡大対策」を推進し、国産バイオ燃料の大幅な生産拡大を目指す(技術の開発等がなされれば、
2030 年頃には600 万kl の国産バイオ燃料の生産が可能(農林水産省試算))。
(2)地域の創意工夫を活かしたバイオマス利活用の推進地域のバイオマスを総合的に利活用するバイオマスタウンについて、
複数の市町村が連携した広域的なバイオマスの利活用モデルを構築することなどにより、
バイオマスの利活用をさらに加速化し、平成22 年度までにバイオマスタウンを300 地区構築することを目指す。
2 地球環境保全に対する農林水産業の積極的な貢献
(1)農林産分野における地球温暖化対策の強化
「農林水産省地球温暖化対策総合戦略」(平成19 年6 月21 日農林水産省地球温暖化・森林吸収源対策推進本部決定)に基づき、
京都議定書の6%削減約束を達成するため、
森林吸収源対策やバイオマス資源の循環利用等の農林水産分野の排出削減対策の加速化を図るとともに、
地球温暖化の進行により懸念される農林水産業への影響に対処するための適応策を推進する。
また、たい肥の施用など適切な土壌管理を通じて、
農地土壌の温室効果ガスの吸収源としての機能を向上させていくためモデル地区での実証を行うとともに、
農山漁村地域における低炭素社会の実現を目指して、
地域全体でCO2を削減する取組や、CO2排出量の実態把握、
果的な表示方法の検討等による省CO2効果の「見える化」を推進する。
(2)農林水産業における生物多様性保全の推進
「農林水産省生物多様性戦略」
(平成19 年7 月6 日 農林水産省新基本法農政推進本部決定)及び「第三次生物多様性国家戦略」(平成19 年11 月27日閣議決定)に基づき、
有機農業をはじめとする環境保全型農業の推進、生物多様性に配慮した生産基盤整備の推進、
間伐等による森林の適切な整備・保全、藻場・干潟の造成・保全等、生物多様性をより重視した農林水産施策の推進を図るとともに、
農林水産業と生物多様性の関係を定量的に計る指標の開発等に取り組む。
生物多様性の保全を重視した農林水産業の生産活動を国民に分かりやすくアピールし、農林水産業に対する理解の促進を図るため、
「生きもの認証マーク」の創設について検討する。これらの取組については、
平成22 年に名古屋市で開催される予定の生物多様性条約第10 回締約国会議(COP 10)において世界に向けて発信する。
3 北海道洞爺湖サミットへの対応
平成20 年7 月に開催される北海道洞爺湖サミットに向けて、我が国が進めるエネルギー変換効率の高い革新的な技術、
地域の実情に即した利用システムを構築するバイオマスタウン等の普及を促進する。
洞爺湖周辺地域をはじめ、国内におけるバイオマスタウン構想の策定を進めるとともに、
セルロース系原料からのバイオ燃料生産技術、バイオディーゼル燃料やペレットなどによるエネルギーの地産地消等に取り組む。
メディアセンターの装材、調度品に間伐材を活用するとともに、サミット会場においてバイオマス製品を使用する。
農政については、「食料・農業・農村基本計画」(平成17年3月25日閣議決定)の方向に沿って、
政府一丸となって集中的に取り組んでいるところである。
このような中で、世界的な気候変動やBRIC's等経済成長が著しい国の所得向上、
バイオ燃料の大幅増産等に伴う世界的な穀物の需給ひっ迫と価格高騰は
我が国の食料自給率が低水準にあることと相まって、
現在及び将来にわたる国民への食料の安定供給の大きな不安要因となっている。
このため、今後、食料をめぐる諸問題について国民全体で認識を共有した上で、
食料自給率向上を目指して、消費者、生産者、事業者、
行政機関といったそれぞれの主体による食料・農業・農村に関する諸課題への取組を更に促進していく必要がある。
このような視点に立って、内閣に設置された各種本部との連携を図りつつ、関係府省が一体となって、
下記事項を内容とする「21世紀新農政2008」を推進することとする。
1.「食料の未来を描く戦略会議」におけるメッセージを踏まえた戦略的対応
食料の未来を描く戦略会議についてはこちらか
2.農山漁村の活性化
3.資源・環境対策
農山漁村の活性化
1 地方再生に向けた農山漁村活性化対策の展開
活力ある農山漁村の再生に向けて、「地方再生戦略」(平成19 年11 月30日地域活性化統合本部会合)に即し、
地域リーダーの育成やアドバイザーからの指導・助言による地域活性化を担う人材の育成、
祭りや伝統文化の保全・復活等による集落の再生、農商工連携など、
地域の主要産業である農林水産業を核とした地域経済の活性化に向けた取組を積極的に支援する。
子ども達の農山漁村での宿泊体験を行う「子ども農山漁村交流プロジェクト」を推進し、
将来的に、毎年、全国120万人(1学年規模)の小学生が参加できるよう、モデル地域における受入体制の整備を推進する。
また、「立ち上がる農山漁村」や「オーライ!ニッポン」等の優良事例を分析し、
ネットワーク化を進めることにより、全国的な取組への発展を図る。
「農地・水・環境保全向上対策」による創意工夫を生かした地域活動や環境負荷を低減する先進的な営農活動への支援、
都市と農山漁村の共生・対流の一層の推進、中山間地域等の条件不利地域への支援等を通じて、
豊かな田園環境を保全し、活力ある農山漁村地域の実現を図る。
さらに、農山漁村の活性化に向けて、農協等の意思決定過程及び農業経営への女性の参画を促進し、
農山漁村における男女共同参画を推進する。
2 農林水産業と食品産業等の連携の強化
第169 回国会に提出した「中小企業者と林漁業者との連携による事業活動の促進に関する法律案」により、
農林漁業者が中小企業者と連携して行う先進的な農商工連携の取組を支援する。
また、流通業、外食産業、観光産業等のノウハウを活用した消費者ニーズに即した商品開発や販路拡大の取組を支援する。
さらに、農林水産業と商工業等のそれぞれの技術や特徴等を活用
する農商工連携のモデル的取組を選定した「農商工連携88 選」を作成し、その内容を積極的に紹介する。
産地と研究機関、民間企業の力を結集して新食品・新素材の事業化を図る取組を支援することにより、新たな需要を創出する。
3 暮らしを守る鳥獣害対策の展開
平成20 年2 月に施行した「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」に基づき、
市町村が作成する被害防止計画に基づく個体数調整、侵入防止柵の整備等による鳥獣による被害の防除、
緩衝帯の設置等による生息環境管理の取組を支援する。
イノシシの効率的な捕獲技術や鳥獣を引き寄せにくい営農管理技術など効果的な被害防除技術の開発
・普及に取り組む。
環境・資源対策
1 バイオマスの利活用の加速化
(1)国産バイオ燃料の大幅な生産拡大
第169 回国会に提出した「農林漁業有機物資源のバイオ燃料の原材料としての利用の促進に関する法律案」により、
農林漁業者等とバイオ燃料製造業者の連携による低コストでのバイオ燃料の安定供給に向けた取組を支援する。
これにより、平成23 年までに国産バイオ燃料を5万kl 生産するとを目指す。
さらに、食料と競合しない稲わらや間伐材等の非食用資源から効率的にバイオ燃料を生産する
「日本型バイオ燃料生産拡大対策」を推進し、国産バイオ燃料の大幅な生産拡大を目指す(技術の開発等がなされれば、
2030 年頃には600 万kl の国産バイオ燃料の生産が可能(農林水産省試算))。
(2)地域の創意工夫を活かしたバイオマス利活用の推進地域のバイオマスを総合的に利活用するバイオマスタウンについて、
複数の市町村が連携した広域的なバイオマスの利活用モデルを構築することなどにより、
バイオマスの利活用をさらに加速化し、平成22 年度までにバイオマスタウンを300 地区構築することを目指す。
2 地球環境保全に対する農林水産業の積極的な貢献
(1)農林産分野における地球温暖化対策の強化
「農林水産省地球温暖化対策総合戦略」(平成19 年6 月21 日農林水産省地球温暖化・森林吸収源対策推進本部決定)に基づき、
京都議定書の6%削減約束を達成するため、
森林吸収源対策やバイオマス資源の循環利用等の農林水産分野の排出削減対策の加速化を図るとともに、
地球温暖化の進行により懸念される農林水産業への影響に対処するための適応策を推進する。
また、たい肥の施用など適切な土壌管理を通じて、
農地土壌の温室効果ガスの吸収源としての機能を向上させていくためモデル地区での実証を行うとともに、
農山漁村地域における低炭素社会の実現を目指して、
地域全体でCO2を削減する取組や、CO2排出量の実態把握、
果的な表示方法の検討等による省CO2効果の「見える化」を推進する。
(2)農林水産業における生物多様性保全の推進
「農林水産省生物多様性戦略」
(平成19 年7 月6 日 農林水産省新基本法農政推進本部決定)及び「第三次生物多様性国家戦略」(平成19 年11 月27日閣議決定)に基づき、
有機農業をはじめとする環境保全型農業の推進、生物多様性に配慮した生産基盤整備の推進、
間伐等による森林の適切な整備・保全、藻場・干潟の造成・保全等、生物多様性をより重視した農林水産施策の推進を図るとともに、
農林水産業と生物多様性の関係を定量的に計る指標の開発等に取り組む。
生物多様性の保全を重視した農林水産業の生産活動を国民に分かりやすくアピールし、農林水産業に対する理解の促進を図るため、
「生きもの認証マーク」の創設について検討する。これらの取組については、
平成22 年に名古屋市で開催される予定の生物多様性条約第10 回締約国会議(COP 10)において世界に向けて発信する。
3 北海道洞爺湖サミットへの対応
平成20 年7 月に開催される北海道洞爺湖サミットに向けて、我が国が進めるエネルギー変換効率の高い革新的な技術、
地域の実情に即した利用システムを構築するバイオマスタウン等の普及を促進する。
洞爺湖周辺地域をはじめ、国内におけるバイオマスタウン構想の策定を進めるとともに、
セルロース系原料からのバイオ燃料生産技術、バイオディーゼル燃料やペレットなどによるエネルギーの地産地消等に取り組む。
メディアセンターの装材、調度品に間伐材を活用するとともに、サミット会場においてバイオマス製品を使用する。