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ブログ「風の谷」  再エネは原発体制を補完する新利権構造

原発事故は放射能による公害。追加被曝阻止⇒放射性廃棄物は拡散してはいけない⇒再エネは放射能拡散につながる⇒検証を!

栃木県塩谷町の指定廃棄物の見解。 福島の中間貯蔵施設に⇒県外最終処分に 集中管理と矛盾する一文

2014-11-09 | 放射能汚染


栃木県塩谷町 はHPのトップページに放射能関係、(指定廃棄物)最終処分場詳細調査候補地の項目を上げていることを見ても、茨城県などと比べると確かに、放射能回避に関してやる気があるように見えます。 時系列まとめ http://www.town.shioya.tochigi.jp/forms/info/info.aspx?info_id=34321

塩谷町の指定廃棄物見解の資料も、一見、放射性物質の集中管理を求めているように見えます。

放射性物質の集中管理に関しては、私もこのブログで一貫して訴えてきましたが、当然のことです。

そこで指定廃棄物のサイトなど資料をひとつずつ見ていくことにしました。

 

そもそも指定廃棄物というのは、一般ゴミを燃やしたことによる8000ベクレル/kgを超える高濃度に汚染された焼却灰、浄水発生土、下水汚泥、稲わらやたい肥などです。

それは濃度からみても震災がれきをはるかに超える汚染レベルの放射性廃棄物なのです。(震災がれき広域処理の際は100ベクレル/kgという基準で議論)

栃木県塩谷町自体も福島県と同様に高濃度放射能汚染地域だということです。環境省は平成23年に塩谷町を汚染状況重点調査地域に指定しています。

汚染状況重点調査地域のある県というのは指定廃棄物最終処分場問題が起きるはずなのですが、なぜか岩手県、埼玉県はありません。量がほかの県より少ないためかもしれません。

岩手などはいろいろ燃やしています。http://digital.asahi.com/articles/CMTW1410280300003.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_CMTW1410280300003

土壌の汚染も、栃木県内は福島ほどではないにしても、西日本から比べると桁違いの放射能汚染です。そこから出たゴミの焼却灰は濃縮し、さらに危険なものとなっています。

http://www.pref.tochigi.lg.jp/g04/documents/siryou2_2.jpg

 

環境省 放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト http://shiteihaiki.env.go.jp/radiological_contaminated_waste/designated_waste/    より 

 

塩谷町がもとめるもの をみると 放射性物質の集中管理を求める文章があり、そこだけ見ると科学的な妥当性が有り、正しい主張です。しかし、5pに書かれている一文(赤線)はどうでしょうか?

 

栃木県とそれ以外の指定廃棄物も、福島県に建設が予定されている中間貯蔵施設の中に、福島県内の県内の廃棄物と併せて入れろと書いてあります。

福島県内の指定廃棄物は10万ベクレル/kg超えは中間貯蔵施設に入ります。鮫川村の実証事業もこのためにやられていたわけです。

http://shiteihaiki.env.go.jp/initiatives_fukushima/specified_waste/

http://shiteihaiki.env.go.jp/initiatives_fukushima/pdf/fukushima_processing_flow.pdf より

JESCO法が改正された今では、中間貯蔵施設に入れた廃棄物は福島県外で最終処分することが決まりました。

塩谷町は、放射能の集中管理を求めているのに、栃木県内指定廃棄物を中間貯蔵施設に入れることも同時に求めるということは矛盾があります。結局、福島県外に最終的に拡散することになるわけですから。

中間貯蔵施設に入れろということは、その分県外最終処分する量が増えるということではないでしょうか?

「廃炉後に同敷地内に最終処分場を建設」とありますが、廃炉はいつになるかわかりません。

「まず県外最終処分をやめさせる」という一文がありません。

塩谷町の求めに応じて環境省が指定廃棄物を中間貯蔵施設に入れた場合、すでにJESCO法改正がされているので、30年以内に県外最終処分になるのではないかという懸念があります。

 

しかし、こういった行政のPDF資料を丸呑みにするのは危険だな~と、私は今回つくづく思いました。 

いいことも言いながら、ほんのちょっとあれ?と思うようなことが書いてある。これは深読みではないと思います。

指定廃棄物の量が多い県 上位5県

①福島県 12万7512 トン

②栃木県 1万510 トン

③千葉県 3千687 トン  

④茨城県 3千532 トン

⑤宮城県 3千317 トン

 

 

追記  NHKはこの件を、骨抜きにして報道

 

指定廃棄物 「福島県内で処理すべき」 

11月6日 19時26分 NHK

放射性物質を含む「指定廃棄物」の最終処分場の建設を巡り、栃木県内の候補地となっている塩谷町は指定廃棄物を福島県内でまとめて処理すべきだという提案をまとめました。

東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴って発生した1キログラム当たり8000ベクレルを超える放射性物質を含む「指定廃棄物」について、国は関東と東北の合わせて5つの県に最終処分場を建設する方針で、栃木県内では塩谷町の国有地が候補地になっています。塩谷町では、近くの水源が汚染されるなどとして反対運動が起きていて、今回、町は指定廃棄物を各県で処理するという国の方針を見直し、福島県内でまとめて処理すべきだという提案をまとめました。この中では指定廃棄物を福島第一原発周辺の「帰還困難区域」にまとめて中間貯蔵を行い、最終的には原発の敷地内で最終処分を行うよう求めています。
塩谷町は5日までに見形和久町長が県内すべての市と町を訪れて提案文を配り、理解を求めたということです。
見形町長はNHKの取材に対し、「ただ反対するのではなく、私たちの考えを示して理解してもらい、新しい局面を迎えたい。福島県には十分な補償を行い、指定廃棄物は拡散させずに処分するべきだ。環境省には基本方針を見直してほしい」と述べました。
国は、今月9日に宇都宮市で会合を開き、県内すべての自治体の長に対して、候補地選定の基準などについて改めて説明することにしています。

福島からは複雑な思いも

中間貯蔵施設の候補地となっている福島県大熊町の住民からは複雑な思いが聞かれました。
避難先であるいわき市の仮設住宅で自治会長を務める吉田邦夫さん(66)は、「福島県から出たものだから福島県で始末をすべきということだろうが、原発事故は国策の結果なので大熊町民としては気分はよくありません」と述べる一方で、「ひと言ではよしあしはいえない。栃木県の人たちの気持ちも分かるので、国がしっかりと受け止めてほしい」と話してました。
また、76歳の男性は「住民が納得するような施設を作れば理解してもらえるのではないか。できれば施設の受け入れに協力してほしい」と話していました。
福島県中間貯蔵施設等対策室の星一室長は「国の方針では、廃棄物が出た都道府県で国が処理することとなっていて、これに基づいて、国の責任で確実に処理すべきだ。塩谷町の対応については直接、把握していないのでコメントは差し控えたい」と述べました。

 

 

「福島第一原発周辺の「帰還困難区域」にまとめて中間貯蔵を行い、最終的には原発の敷地内で最終処分を行う」

この文だと、最終処分が県外を反対してるように見えるけれど、塩谷町の資料には廃炉後に同敷地内に最終処分場を建設」

とかいてあり、それがNHKの報道には書いてありません。

このままだと、JESCO法が改正されたので、中間貯蔵されたとしても、30年以内に県外最終処分になってしまいます。

この点をなぜだれも指摘しないのか、私は理由が分かりません。

中間貯蔵施設の中身は県外最終処分と法律で決まったあとに、あえて「放射能集中管理」を理由に掲げて、指定廃棄物を中間貯蔵施設に併せて入れようとする、自治体の意図はなんだろうかと思います。


反対を市民に言わせる、市民に選ばせたことにする、人工芝運動はたくさんありました。

 


人工芝運動について調べてみました。


市民運動を潰す基本は、推進側が即座に同じような市民運動に見える団体をつくって、いかにも反対であるかのように見せかけながら「でも現実的に考えると」と囁いたり、実は推進側に有利な法案を支持したりすること。草の根運動に対してこうした工作運動はアメリカで「人工芝運動」と呼ばれる。

人工芝運動 アストロターフィング

アストロターフィングとは、団体・組織が背後に隠れ、自発的な草の根運動に見せかけて行う意見主張・説得・アドボカシーの手法である。人工芝運動や人工草の根運動、偽草の根運動などとも和訳される。政治的目的に限らず、商業宣伝手法として、一般消費者の自発的行動を装ったやらせの意味でも用いられる

2012年3月18日(日)

人工芝運動 -「国民操作可能ある

PRESIDENT 2012年4月2日号 

昨年6月の九州電力やらせメール事件では、玄海原発の運転再開を世論で動かす――つまり「草の根運動」に見せかけていたことが注目された。このように、企業や自治体、政府が主導している“草の根運動”のことを「人工芝運動(Astro Turfing)」という。1985年にアメリカの政治家ロイド・ベンツェンが生み出した造語だ。 

まだ社会学の専門用語としても確立されてはいないが、類語は多い。食べログへのやらせ投稿で注目された「ステルス・マーケティング」(商業的な用法だと消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為を行うこと)、「グリーン・ウオッシュ」(上辺だけのエコ活動)などだ。人工芝運動という言葉には、政治的な意味合いのある活動も含まれるのが特徴で、九電のケースはその典型例だといえる。 

「人工芝運動は本物の草の根運動を目立たなくさせ、さらには枯れさせるのが目的。どちらが“本物”の市民の意見か、世論が定まっていないような場面にこそ、人工芝運動が使われる」と名古屋文理大学情報文化学部准教授・井上治子氏は指摘する。 

「インターネットの普及により、広い分野で普通の市民が意見表明を行う機会が格段に増加し、これらが世論や市場に与える影響が大きくなりつつある。それに比例して、これらを利用する人工芝運動の誘因も増加している」(井上氏)“意見表明の自由”を守るには、一方で“嘘の表明”も許容せざるをえない。嘘を見抜く力を磨くことは、今後ますます重要になるだろう。





除染技術実証事業の中身に驚愕!すでに福島県以外の企業でも除染土壌処理実験が行われていたという事実。

2014-11-06 | 放射能汚染

  

除染土壌処理費用に約3500億円

10月30日 4時10分 NHK 

福島県内の除染で発生する大量の土などについて、再生利用のために放射性物質の濃度を低くする処理を行った場合、最大でおよそ3500億円の費用がかかるとする試算を民間企業で作る協議会がまとめました。
濃度をより低くするには、さらにコストがかかるということで、今後、再生利用にあたっては、国の基準作りが必要だと指摘しています。 

福島県内の除染で出る土などについて、政府は、県内で建設を計画している中間貯蔵施設で保管し、30年以内に県外で最終処分するとしています。
最大で2200万立方メートルに上ると推計される土などのうち、放射性物質の濃度が低いものは、再生利用することが検討されていて、大手ゼネコンなどで作る協議会が、再生利用にかかる費用の試算をまとめました。
それによりますと、放射性物質が付着しやすい粘土質の土をふるいにかけて取り除いたうえで、水で洗浄する手法の場合、標準的なモデルでは、最大でおよそ3500億円かかるとしています。
これは、放射性物質の濃度を、避難区域のがれきを再生利用する場合の基準と同じ、1キログラム当たり3000ベクレル以下にすると想定したもので、濃度をより低くするには、さらにコストがかかるということです。
除染で出た土などを再生利用する場合の放射性物質の濃度の基準などは決まっておらず、協議会の事務局を務める三菱総合研究所の佐藤理主席研究員は、「再生利用にあたっては、国の規則や法の整備、それに関係する方々に納得していただくことが特に重要だ」と指摘しています。

 

福島県外で最終処分 法案が衆院通過

11月4日 17時30分 NHK

福島県内の除染で出た土などを保管する中間貯蔵施設について、政府が保管を始めてから30年以内に福島県外で最終処分を完了することを定めた法案が4日の衆議院本会議で賛成多数で可決されて参議院に送られました。

政府が福島県の双葉町と大熊町で建設を計画している中間貯蔵施設について、地元の要望を受けて県外での最終処分を定めた今回の法案は、有害物質のPCB=ポリ塩化ビフェニルの処理を行う国の特殊会社について定めた法律を改正するもので、この会社が事業を行うとしています。

そして国の責務として中間貯蔵施設を整備し、安全を確保するとともに、保管を始めてから30年以内に福島県外で最終処分を完了するために必要な措置をとるとしています。
また、土などに含まれる放射性物質の濃度を低くしたり、再生利用したりする技術開発などの状況を踏まえ、最終処分の方法を検討するとしています。
法案は、4日の衆議院本会議で自民党や民主党などの賛成多数で可決されて参議院に送られました。

 

川俣・山木屋で汚染廃棄物減へ実験 仮置き場で実用化を

 近畿大(大阪府東大阪市)と中外炉工業(大阪市)は22日、東京電力福島第1原発事故により避難区域となっている川俣町山木屋地区で、共同開発した草木などの汚染廃棄物の体積を減らす装置の実証実験を始めた。年内に実験結果をまとめ、仮置き場などでの実用化を目指す。

 廃棄物に圧力と熱を加え容量を10分の1に圧縮し、固形燃料のバイオコークスに変える。1日の処理能力は300キロ。実験では実用化に向け、廃棄物に混じっている土や石などに対する装置の耐久性も調べる。
 固形燃料の中に放射性物質を閉じ込めるため、飛散しない状態で長期的に保存できるが、燃料として活用するには放射性物質の処理方法が課題となる。装置の大きさはコンテナ2台分ほどで、トラックで運搬が可能。県内各地に点在する仮置き場での活用を目指す。近大によると、同様の技術を活用した汚染廃棄物の減容化実証は全国初。環境省の除染技術実証事業に採択されており、山木屋地区で実際に出た汚染廃棄物を使い、30日まで実験を進める。
(2014年10月23日 福島民友ニュース)

 

除染廃棄物の容量減らす実証実験 ~川俣町 NHK

放射性物質が付着した木や土を圧縮する実証実験 “時間が経って放射性物質の濃度が十分に下がれば燃料として再利用の可能性も”、と

 

 

 (管理人より)ついに除染土を福島県外で最終処分する法律が可決されました。その前後で、すでに除染土の処理に関わる「実証実験」が何度も行われています。

とにかく「実証実験」は曲者です。実験ですから仮に悪い結果が出ても後の祭りです。つまり実験台なんです。

はじめから「減容化」シナリオがありきなので、悪い結果を出さないように何度も実験されていくことでしょう。がれき焼却の際の試験焼却と同じアリバイ作り。

環境省の除染技術実証事業とあれば、いくらでも税金からお金が出ます。必見

メディアでこういう具体的なことは報道しないですね。
 
福島県民は放射能安全神話で、汚染地に住み続けたいがために、除染に「希望」を持っていますから、今後も膨大な国費が投入されることでしょう。
復興のためと言われたら、福島以外の県民も、それにNOを言えなくなる風潮が作られています。
 
 
どの企業が儲かるのかよくわかりますね。原発メーカー日立、新日鉄、太平洋セメント、ゼネコンいろいろ、安岡洋上風力でお馴染みの前田建設もあります。
 
今回のブログでは土壌を見ていきます。
 
 

 

 

 

 

 

平成23年の時点で、すでに除染土壌を実証実験で熱処理=1300℃加熱=燃やしてますので、震災がれきも燃やすでしょうね。どんなに住民が反対しようが、その後のシナリオが出来ていたわけですから。

セメントにするのは決まっていたわけです。

しかも 環境省 平成23年度除染技術実証事業 採択技術の紹介(実施者の提案内容)   より

なぜか実施場所が 山口県宇部市! どういうことでしょうか?

http://www.ffec.co.jp/company/bases/3_yamaguchi.html 富士古河E&C株式会社


 

がれきで大騒ぎしてる間に、このような実証事業を宇部市のどこかのプラントで行っていたのかもしれません。そう言えば、私が宇部市の繁華街でがれき反対の宣伝をしていたら

「そんなことやっても、もう意味ないんじゃ、もうやりよる、俺は知っとる、お前らが知らんだけじゃ」と、脅してほのめかしてきた酔っぱらいがいました。

もしかしたらその宇部市民は何か知っていたのかもしれません。知らないのは一般市民だけなのでしょう。

このブログを見てる人の中にも、すでに放射能に汚染された土壌を除染処理することに関わった企業の人もいるかもしれません。

がれきやJESCOの前に「除染技術実証事業実施者」の企業を調べなければならなかったのです。

がれき広域処理問題が実は目くらましだったのかという気がしてきています。

当時は気づいていませんでした。こんなふうに、すべて環境省にしてやられて、日本中に放射性物質がばらまかれていくことでしょう。

市民は目くらましさせられるでしょう。市民運動でがれき反対しているとき、市民グループでセメントや放射性バイオマスを調べようという話をしたら露骨に煙たがられました。

そして、「除染技術実証事業実施者」の企業を調べなければならない時になぜか、選挙や自然エネルギー推進や、映画の上映会に誘導させられました。

そこから市民グループを辞め、どうにかしなければと思い、時間をかけて、真実は何か、原発エネルギー問題の本質についていろいろなことを調べてブログも書き、全力投球してきました。

でも今はただ虚しい気持ちだけです。 もう人間不信と絶望しかありません。

このような実証事業をしたということは、今後、除染土壌が来る可能性があるということです。

 

人工放射性物質はどんなに微量であっても危険です。

放射性物質は集中管理が原則です。

そして燃やしてはならないものです。


一関市の放射能汚染牧草ペレット焼却実証試験。一般ゴミに薄めて燃やす行為は異常。ゴミ焼却炉はPM発生源!

2014-10-24 | 放射能汚染

 

毎日新聞 2014年10月21日 地方版

 一関市は、同市大東町摺沢の「大東清掃センター」で、ペレット化した放射能汚染牧草の焼却の様子を報道関係者に公開した。

 市は、腐敗を防いで保管しやすくするため、汚染牧草を直径約1センチ、長さ約3センチの円筒形に圧縮してペレットにしている。硬くて水分が少ない状態が焼却に問題がないかどうか、15日から実証試験をしている。

 15日に120キロ、16日に200キロ、17日には408キロを一般ごみと混ぜて焼却し、トラブルはないという。焼却灰の放射線量などの分析は専門機関で今後行う。

 市は汚染牧草が4925トンあるうち、1900トンをペレット化する予定で、9月30日までに952・7トンを加工した。ペレットの焼却は来年12月に始める予定。【和泉清充】 

 (管理人より)

一関市が、放射能に汚染された牧草(市は「利用自粛牧草」と呼んでいる)を、一般ゴミと混ぜて薄めて、市の清掃工場で一般ゴミと一緒に燃やしているという異常事態です。

これは結局震災がれきと同じ扱いなのですが、実証試験として堂々と行われ、ニュースで報じられています。反対している市民はいないのでしょうか?わかりません。

一切どの程度の放射能汚染があるか報道の中に書かれていませんが、清掃工場の作業の人が防護服に全面マスクをしていることからも危険な作業であることはわかります。


一関市のプレスリリース 利用自粛牧草のペレットの実証焼却について(2014/10/16)  をみると

「牧草ペレットを安全に焼却できることを確認するため」と書いてあります。つまり安全が前提となっているわけです。

本当は「危険かどうか」を判断し、燃やすのをやめるためではなく、本格的に燃やすために実証試験をしようというわけです。安全確認しましたよという既成事実作りです。

行政が公害事業、迷惑事業をゴリ押しするときに必ず前もって出てくるのが、実証試験、実証実験、実証事業。

この言葉が入った文書を持って行政が訪問する時は要注意です。もう水面下でレールが敷かれているということです。


大東清掃センター http://gomi-map.crap.jp/s/1694.html

岩手県一関市大東町摺沢南長者101-1   電話0191-75-3149 http://www.city.ichinoseki.iwate.jp/kouiki-gyousei/index.html

流動床式 炉は2つ (1999 年~) 

処理能力は80 t/日 焼却灰処理設備なし 飛灰処理設備は薬剤処理 


直近の一般ゴミの飛灰の放射能濃度はどのくらいか見ていきます。

廃棄物処理施設における放射能等測定結果(平成26年9月測定分) 

今年9月時点で 一般ゴミの焼却後の飛灰にセシウム合算で2510ベクレル/kgの放射能汚染があるということです。

一関市は汚染状況重点調査地域の一つです。http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14879


実証試験では、汚染牧草ペレットを混ぜて燃やすので、飛灰の汚染度はこれを上回る可能性は高いと思います。

では牧草はどのくらい汚染されていたのでしょうか?

牧草の放射性物質の測定値と今後の対応について(平成23年12月2日)  より

 

粗飼料中の放射性物質の暫定許容値(単位:Bq/kg)

 

区分

放射性セシウム

乳用牛(経産牛、初回交配以降の牛)

300以下

肥育牛(出荷前15ヶ月程度以降の牛)

300以下

乳用牛および肥育牛以外の牛

3,000以下


この暫定許容値を見ると3000以下の牧草は牛がもう食べているということになります。



3000ベクレル/kg以上が利用自粛牧草ということになりますから、まずその牧草をペレットの状態にした段階で濃縮するということです。

(追記)

プラントで汚染牧草ペレット化 一関市が9月設置 

2013.8.9の報道で

「焼却を目指す牧草約4900トンのうち、放射性セシウム濃度が干し草で1キロ当たり7千ベクレル以下、サイレージで同4千ベクレル以下の計2400トンについて、市がペレットに加工する」

とありますので、濃縮すると恐ろしいです。

 


そんな危険なペレットを、プラスチックのバケツに入れて焼却炉の口に投入作業をしているということです。

 

この灰の汚染はどうなるのか、そして作業をされている方の健康が気になります。どうか吸い込まないでください。

目も守ってください。微粒子は舞うんです。


焼却炉はPM排出源の一つです。

WHO によると PM2.5 は驚くほど低濃度で健康被害を生じ、安全な敷居値は存在しません。 

PM2.5 の日本の基準値は1年平均値 15μg/m3 以下 かつ 1日平均値 70以下(35だったが70へ変更 )

WHO の基準値は 一年平均 10μg/m3  一日平均 25μg。

日本の基準値はもともと WHO 基準値の1.5倍でしたが、今年の 2 月 WHO 基準値の約 3 倍に引き上げられています。

 

海外ではゴミ焼却炉の危険性は医師からも指摘されており論文も書かれています。

日本では、行政をはじめマスメディアがそれを無視するのは、日本が世界ナンバー1の焼却炉利権国だからです。

焼却炉メーカー=原発メーカー。小さい島国なのに原発が54基もあって、焼却炉も世界で一番多い国ということです。

経済大国、先進工業国と技術大国と威張りながら、日本の原発労働者、焼却炉労働者の命を削って、電気とゴミを利権にしてきたのです。

自分が出したゴミの灰の始末を、他人にやらせておいて、簡単に危険なゴミを燃やせなんて言ってはいけないのです。

放射能回避、脱被爆、脱原発、反原発という人々も、この事実から目を背けている。

このことがわからずして、原発をなくすことなどできません。

つながっているのです。

人の痛みがわからない社会だから原発事故が起きる国になったのです。

放射性廃棄物が集中管理されず、無責任に日本列島に拡散していくのは

「焼却の危険性」を見て見ぬふりしているからです。

この灰が、この先どうなるのか市民は関心を持たなくては被曝を防ぐことはできません。


セメントリサイクルされる可能性があると思います。震災がれきの焼却の際もセメントリサイクルされていました。検索でたくさん出てきます。http://urx.nu/djfd

http://committees.jsce.or.jp/s_research/system/files/24.1.pdf を見ると

焼却炉メーカーとセメントメーカーとゼネコンも繋がってることがわかります。

原発事故の放射能汚染廃棄物⇒焼却⇒灰⇒セメント⇒大型公共工事にゼネコンが使う  という税金山分けスキーム。

危険な金属のゴミのスラグも混ぜてますよね・・ 産官学で原子力ムラと同じです。

 

『ゴミ焼却炉の健康に対する影響 イギリス環境医学学会 第4次報告書』 2008年6月第二版  

The Health Effects of Waste Incinerators 4th Report of the British Society for Ecological Medicine 

Second Edition  June 2008

http://www.bsem.org.uk/uploads/IncineratorReport_v3.pdf

監修 ジェレミー・トンプソン博士 オナー・アンソニー博士 Dr. Jeremy Thompson Dr. Honor Anthony

(概要です。) 

重要事項まとめ

  • 自治体ごみ焼却場近隣における成人および小児のがん、異常出産発生率が高いことが大規模調査によってあきらかになった。結果は一貫して焼却炉との因果関係を示している。若干数の小規模な疫学調査もこの解釈を裏付けており、焼却炉により幅広い疾病が発生することを暗示している。
  • 微粒子、毒性金属、既知の発がん物質や変異原性物質、内分泌かく乱物質を含む200種を超える有機化学物質の主供給源は焼却炉排出物である。

ダイオキシン同様、ゴミ焼却炉排出物にはどのような被害を発生するかわからない未確認混合物が含まれている。ゴミの性質は変化し続けており、焼却炉からの排出物や健康への悪影響もまた変化し続けている。

  • 現在の安全評価は隣接地における急性毒性を避けるためのものであり、汚染物質が食物連鎖に入って生物蓄積し、長い間にはより広い地域で慢性病を引き起こすことを無視している。これまで排出物の長期的影響評価が公的に行なわれたことはない。
  • ゴミ焼却炉では焼却前のごみ(圧縮した場合)から体積比30-50%の底灰と飛灰が生じ、埋立地への移動が必要となる。最新焼却炉の汚染減少装置は単に毒物、特にダイオキシンや重金属を排気から飛灰へと移行させるだけである。この飛灰は軽く、風で運ばれやすく、多くは粒子径が小さい。これがかなりの、しかもほとんど知られていない健康被害を起こしている。
  • アメリカで行われた2つの大規模調査(他の要素を補正後)の結果、微小粒子(PM2,5)による大気汚染で、心臓血管系死亡率、肺がん死亡率、その他あらゆる死因による死亡率の増加がみられた。さらに最近行われた、閉経後女性の羅患率、死亡率調査もこの結果を裏付けており、より高濃度の微小粒子に暴露した女性の心血管系死亡率は76%増、脳血管系死亡率は83%増となっている。微小粒子は主に燃焼過程で発生し、ゴミ焼却炉から大量に排出される。
  • 高濃度の微小粒子は喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の羅患率上昇に関係している。
  • 毒性金属や有機毒(発がん物質を含む)が存在する焼却炉内で発生した微小粒子は、これらの汚染物質を吸着して人体の血流や細胞内に運び込む。
  • 体内に蓄積した毒性金属は子供の自閉症、言語障害、情緒不安定、注意欠陥多動性障害、学習困難、非行、成人における暴力、痴呆、鬱、パーキンソン病といった一連の問題行動に関係している。自閉症や学習困難発生率増加は水銀汚染地域周辺に顕著である。

例外なくゴミ焼却炉排気には毒性金属が含まれており、飛灰には毒性金属が高濃度に存在する。

  • 科学汚染物質への感受性は先天的、後天的要素で変わってくるが、胎児への影響が最大となる。深刻な曝露による感作で生涯にわたり化学物質過敏症となることもある。
  • 複合化学物質の毒性に関する研究はほとんど行われていない。研究結果がある場合、その多くで相乗効果が証明されている。相乗効果により排出汚染物質の毒性が大幅に増加するが、この危険性は評価されていない。
  • 工業化の進展に伴い癌と喘息は容赦なく増加してきた。癌発生率は毒性廃棄物処理施設や化学工業施設と地理的関連があり、住民の曝露減少が急がれる。
  • イギリスには放射能汚染物質も焼却するごみ焼却炉があり、放射性微粒子を排出している。呼吸により体内に入った放射性物質はα線及びβ線を放射することになる。体外から放射されるα線β線の危険性は低いが、体内からの放射は強力な破壊力を生じる。このような体内被曝の危険性に関する学術研究は行われていない。
  • 多環芳香族炭化水素のような化学汚染物質や重金属は遺伝子変異を起こすことがわかっている。これはつまり現在の世代のみならず、将来の世代にも危険を及ぼすということである。
  • 残念ながらゴミ焼却炉の精密な計測は出来ていない。計測はたまにしか行われず、計測する化合物の種類も限られており、計測水準は適切であるとみなされ、生物学的監視は行われていない。新たな設備の認可は、安全性の化学的計測方法であると推定される計測模擬データに依存してきた。この手法の汚染物質レベル予測精度はわずか30%であり、二次生成される微粒子や化学的相互作用の重要性を無視している。
  • 最新の汚染処理設備により、焼却炉からの排出物は安全であると言われてきたが、安全性の確立は不可能であり、模範的な処理条件における排出にしかそれは当てはまらない。

より重要なのは通常運転時以外の、焼却開始時や焼却終了時のように短時間に大量の汚染物質が排出される時である。大変有害な2排出物―微粒子と重金属はなかなか取り除けない。

  • 2-3年以内に胎児や幼児に対する有害作用の疑惑が、中立的な健康観察精密調査により見えてくる可能性はあるが、新規に設置するゴミ焼却炉の安全性を前もって立証することはできない。この種の調査は適切に実施されておらず、しかも個々の設備は短期的には統計上の有意に到達しない。その他の有害作用、成人癌などの発症には、少なくとも10-20年の時間差がある。だからこそ予防原則の適用が必要である。
  • ゴミ焼却場の健康被害を避け、より多くのエネルギー産出し、健康コストを考慮に入れればより安価な代替ゴミ処理方法が存在する。
  • 現在、ゴミ焼却炉は国連人権委員会における人権、ヨーロッパ人権委員会における人間の権利、またストックホルム会議、1990年の環境保護採決に違反している。ゴミ焼却炉の排出物リスクは胎児、幼児、子供で最も高く、彼らの人権は無視侵害されている。これはいずれの委員会においてもその趣旨に反している。またゴミ焼却炉を健康被害が最大となる貧困地域に配置するという現在の政策もそうである。
  • 第二版の参考文献を見直すと、前回の結論に対する確信が深まる。
  • 微粒子および超微粒子関連を含めた最近の研究によると、ゴミ焼却炉による損害は起動時や終了時と言った非通常運転時排出調査とともにゴミ焼却炉の危険性が以前考えられていた以上に大きいことが立証されている。ゴミ焼却炉の健康リスク証拠は蓄積されており、無視するにはあまりに顕著である。より良く安価で危険性の低いゴミ処理方法がある現在、ゴミ焼却炉の利用を正当化することはできず、今以上のゴミ焼却炉建設を認めることはできない。

1.はじめに

ゴミ量とゴミの潜在毒性は増加している。ごみ埋め立て地利用は限界に達しており、ゴミ焼却はゴミ問題解決方法としてますます脚光を浴びてきている。当報告書ではゴミ焼却炉関連文献を精査している。

 ゴミ焼却炉の汚染発生源は2つある。一つは大気中に排出される無数の汚染物質である。地元が被る急性毒性による影響を防ぐために、主要な排出化学物質の蓄積に関してはいくらか注意が向けられてきたが、これは問題の一部分にすぎない。これらの化学物質の多くには毒性があるとともに油断できない生物蓄積を起こすため、時間とともに体内に蓄積潜伏して非常に少量の暴露で多様な慢性被害を与える。これら汚染物質の危険性、とりわけ複合汚染に関してはわかっていない。おまけに焼却炉はごみを灰にするが、この灰の中にはダイオキシンや重金属など高濃度の毒性物質が含まれており、将来世代への深刻な汚染問題となりつつある。すでに汚染物質はごみ埋め立て地から染み出して水源汚染を引き起こしているのがわかっている。大量の焼却灰を発生するゴミ焼却は決して埋立地問題を解決できないことに留意しなければならない。

  ゴミ焼却炉排出物に曝露した人や職業的に曝露した人に関する研究はさほど多くない(4.を参照のこと)が、当該地域人口において予測される以上に高い癌や出産異常、虚血性心疾患の増加がゴミ焼却炉労働者に報告されている。これは気がかりな報告であるが、それだけでも二つの事実を除いて起こりうる危険性に対する警鐘を科学界に投げかけることとなる。第一にあらゆる種類の環境汚染曝露に関連する慢性影響の立証困難は衆知のことである。第二にゴミ焼却炉やその他の燃焼設備より排出されることがわかっている各燃焼産物による健康被害に関連する証拠の量である。

 当報告書の目的はあらゆる証拠を調べ、次世代ゴミ焼却炉に関連する将来的な危険を偏りなく考察することである。この調査企画には十分な理由がある。毒物への曝露による健康被害があきらかになるには数十年を要することが歴史的にわかっているが、後になって振り返ってみると、注意を払われないままだった初期徴候も多々存在していた。環境汚染曝露の影響をあらかじめ予測することは稀だからである。例えばイギリスの旧式ゴミ焼却炉が食糧の主要ダイオキシン汚染源になろうとは予想されていなかった。証拠の評価に当たっては、胎児の毒性物質曝露による損傷増加に関する研究や化学物質同士の相乗作用による危険性、化学物質過敏症の人がかかえる一般人より高い危険性、危険性影響評価の難しさ、監視に関する問題点、ゴミ焼却炉による健康被害等の関連性があると思われる他分野のデータを精査している。 

2.ゴミ焼却炉やその他の焼却源からの排出物 

ゴミ焼却炉排出物の正確な組成はどのようなゴミがいつ燃やされたか、焼却施設の能率、実施されている汚染防止処置によって変わってくる。公共のゴミ焼却炉は重金属や人工的な有機化学物質に汚染されたありとあらゆるゴミを取り込む。これらは焼却中、より毒性の強い物質を生じることがある。健康被害に関して言うならば、最も重要な三つの排出物は微粒子、重金属、人工化学物質の燃焼生成物である。サイズの小さな微粒子表面に重金属や人工科学物質の燃焼生成物が吸着されると、大変危険なことになる。化学物質のさまざまな燃焼生成物は二酸化硫黄、窒素酸化物、100種を超える揮発性有機化合物(VOC)、ダイオキシン、芳香族炭化水素(PAH)、ポリ塩化ビフェニール(PCB),フランである。 

2.1 微粒子

  微粒子は空気中の微小な粒子で、サイズによって分類される。PM10は直径10ミクロン以下、微細粒子PM2,5は直径2.5ミクロン以下、超微細粒子PM0.1は直径0.1ミクロン以下である。ゴミ焼却炉は膨大な量のPM2,5およびPM0.1を発生する。ゴミ焼却炉は排気1立方メートル当たり10mgまでの微粒子排出が許可されている。一般的に使用されているバグフィルターは篩のような役目を果たし、小さな粒子を効率的に通過させ、危険性の低い大きな粒子の通過を遮断する。このようなフィルターはPM2.5の5-30%をブロックするが、PM0.1はブロックされることなくフィルターを素通りする。事実、ゴミ焼却炉から排出される微粒子の大半は危険性の高い超微細粒子である。バグフィルターは微細粒子、特に直径0.2-0.3ミクロンのかなり健康被害を起こしやすい粒子除去には非効率的である。健康被害は粒子の重量ではなく、サイズと数によって確定する。粒子径の大きな微粒子重量のほうが重くなるため、重量による微粒子量測定では、安全性に関して間違った印象を与えることになる。窒素酸化物排出削減装置は、実際にはPM2.5の排出を増加する可能性がある。この過程で使用されるアンモニアと、煙突内を上昇する際に水蒸気と二酸化硫黄が結びついて発生した硫黄酸化物が反応して微粒子を二次生成する。これらの二次生成微粒子はフィルターの向こう側で発生し、そのまま排出されるため、総排出微粒子量は簡単に倍増することになる。現在の設計方法は二次生成微粒子を考慮していない。(12章を参照のこと)

  調査によると、毒性金属はより小さい微粒子表面に蓄積し、芳香族炭化水素(PAH)の95%は微細粒子(PM3より小さいもの)に蓄積する。PAHには毒性及び発がん性があり、肺がんリスクを7.8倍に高める。 

2.2 重金属

ゴミ焼却炉は排気1立方メートル当たり10mgの微粒子と1mgの金属排出を許可されている。この制限値はほとんど意味がない。たとえ制限値以下でも、焼却炉から毎秒ごとに排出される排気量は大きく異なるので、排出される微粒子と金属の総量もかなり異なることになる。さらに鉛は別として、重金属に関しては環境大気に関する法定基準がなく、大気中の重金属レベルは計測する必要が無いという懸念がある。 

車の排気ガスに比べると、ゴミ焼却炉からの排気は微粒子に対して非常に高い割合の金属が許可されている。高温のゴミ焼却炉内で金属ごみ、プラスチックゴミ、その他から金属が放出される。排出された重金属の多く、例えばカドミウムはとても低い濃度でも毒性がある。重金属はゴミ焼却炉から排出される最小の微粒子に選択的に結合することによって小さな微粒子の毒性を強める。この事実からして、ゴミ焼却炉から排出される微粒子は車や他の排出源から排出される微粒子より危険性が高い。

2.3 窒素酸化物

ゴミ焼却炉における酸化窒素除去率は約60%であり、酸化窒素は窒素酸化物へ変化してスモッグや酸性雨となる。一酸化二窒素と揮発性有機化合物(VOC)は太陽光線を浴びると別の汚染物質、オゾンを発生する。 

2.4 有機汚染物質

ゴミ焼却炉からは様々な有機汚染物質が排出される。これにはPAH(芳香族炭化水素)、PCB(ポリ塩化ビフェニール)、ダイオキシン、フラン、フタル酸エステル、ケトン、アルデヒド、有機酸、アルケンが含まれる。

過去に燃やされていたゴミとは異なり、現在燃やされているゴミには多量の重金属とプラスチックが含まれており、健康と環境への負荷が非常に高い。その一例が組成の90%以上が有機塩素から成るPVC(ポリ塩化ビニル)である。ドアや窓に幅広く使われており、40年の耐用年数を考えるとゴミへの流入量の増加が予測される。これによってゴミに含まれる有機塩素は軽く1%を超え、ゴミはヨーロッパ廃棄物指標(European Waste Directive)によると、危険とみなされることになる。

 複合物の多くには持続的な毒性、生物蓄積性があることがわかっている。その中には免疫系への影響や染色体との結合、ホルモン調節かく乱、発癌性、行動変化や知能低下を引き起こす物質の含有が報告されている。これらの物質の多くの毒性データは非常に限られており、懸念されるところである。ゴミの性質が変化し続けるということは、新たな物質が生み出され排出されるということである。例えばポリ臭化ジフェニルエーテルは電気製品に多用されており、ゴミ焼却炉への流入が増加し続けている。これらは脳の成長と甲状腺に影響し、動物の問題行動と学習困難を引き起すことがわかってきた。 

3.汚染物質の健康に対する影響

 3.1微小粒子

調査報告が増え続け、微小粒子の健康に対する危険性があきらかになってきた。さまざまな研究の結果、微小粒子のサイズが小さければ小さいほど健康に対して悪影響があることが明確になってきた。WHOのデータである下記のグラフによると、PM2.5はPM10sよりも一日当たり死亡率が高くなることを示している。

図1.PM濃度による一日当たり死亡者数増加 WHO Air quality guidelines 1999 chapter3より(原文11ページのグラフ参照のこと) 

 

小さな微粒子は鼻や細気管支で取り除かれず、その小ささゆえに呼吸により肺の奥深くに入ると、そのまま血流に入り込み長時間血中に存在し続ける。その後微粒子は細胞膜を通過して細胞核へ侵入し、DNAに作用する。WHOによるとPM2.5は驚くほど低濃度で健康被害を生じ、安全な敷居値は存在しない。最小の微粒子、特に超微粒子(PM0.1)はそのサイズの小ささと相対的な表面積の広さゆえ高い化学反応性を持っている。最小サイズ微粒子がより危険なのは、単位重量当たり何千倍もの数の微粒子が存在することである。ゴミ焼却炉内では重金属、ダイオキシン、その他化学物質が微粒子表面に付着して、毒性を増すことになる。人体には肺奥深くの汚れを効果的に取り除くメカニズムが備わっていない。このように小さな微粒子は自然界のほんの一部にしか存在しないからである。 

ゴミ焼却炉は微粒子の効率的な発生源であり、死亡率に対して大きな影響がある微小サイズの微粒子を主として生産する。ゴミ焼却炉には致死的な潜在能力が備わっているのは確かである。 

a)    微粒子汚染物質の疫学的研究

 微細粒子は呼吸器障害と心血管障害、肺がんと関連がある。

PM2.5汚染レベルの増加に伴い死亡率が上がることを、アメリカにおける2つの大規模調査が示している。1993年、6都市で8111人を14~16年間(1974-1991年)追跡調査した結果が発表されている。この調査にはのべ111076(人×年)がかかわっている。喫煙やその他の個人的要素を斟酌して大気汚染の影響を調べているが、予想通り最大のリスク要因は喫煙であった(調整死亡率は1.59)。しかし、個人的要素を斟酌すると、死亡率は都市部における微粒子、硫黄粒子レベルと非常に顕著な関連(p<0.005)があることがあきらかになった。最高汚染都市における全原因調整死亡率は最低汚染都市と比較した場合1.26になる。これはPM2.5、一立方メートル当たり18.6㎍の差である。心肺疾患による死亡率は37%増加し、肺がん死亡率も37%高くなる。 

アメリカ癌学会の1982年から1989年までの追跡調査によると、成人552,138人(癌予防第二次調査より引用)を調査し、1980年における硫酸化合物による大気汚染平均濃度と1979年から1983年にかけての微粒子濃度中央値に対する死亡を分析した。どちらの調査も患者の居住地域のEPA(米環境保護局)データを適用している。

やはり肺がんと喫煙の間には大きな関連があったが(修正死亡リスク率9.73)、硫酸化合物と微粒子はあらゆる種類の死亡率、心肺疾患による死亡率との関連が顕著だった。硫酸化合物は肺がんとの関連性もある。喫煙その他の変動要因を修正すると、

PM2,5が一立方メートル当たり24,5㎍高いと全原因死亡率が17%増加し、心肺疾患による死亡率は31%増加する。この結果は非常に重要な意味を持ち、EPAはPM2.5の規制制限値を提案、1997年には国家環境大気質基準(NAAQS)を制定した。これらの規制には産業界から異議申し立てがあったが、最終的には連邦最高裁判所によって支持された。広範囲な独立監査により、全研究データは厳格に精査され、オリジナルデータの再分析が行われた。 

死亡率、急性及び慢性的な健康への影響を基に、これら新たな規制の健康に対する寄与を計算すると、一年に320億ドルと見積もられる。入院や早まった死による労働日数の損失減少により、2003年9月、行政管理予算局は過去10年間の利益を1200億から1930億ドルと見積もったとホワイトハウスは報告している。(9.1を参照のこと)この調査はたった3個の健康指標しか考察していないので、本来の利益を過小評価していると思われる。

このデータからゴミ焼却炉及びPM2,5を発生する設備は莫大な健康被害と死亡率増加を生じていることがわかる。

 




 



除染廃棄物の県外最終処分。「日本環境安全事業会社法」改正案 9/29 臨時国会提出⇒10/3に閣議決定

2014-09-27 | 放射能汚染

除染で出た土 「最終処分」法案まとまる

NHK  9月27日 5時43分

福島県内の除染で出た土などを保管する中間貯蔵施設について、政府は、保管を始めてから30年以内に福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を取ることを定めた法案をまとめました。
今後、法案を閣議決定したうえで今月29日に召集される臨時国会に提出する方針です。

政府は、中間貯蔵施設で保管する除染で出た土などについて、保管を始めてから30年以内に福島県外で最終処分を完了する方針で、地元の要望を受けて、こうした内容を定めた法律の改正案をまとめました。
具体的には、有害物質のPCB=ポリ塩化ビフェニルの処理を行う国の特殊会社について定めた法律を改正し、この会社が中間貯蔵施設に関する事業を行うとしています。
そして、国の責務として中間貯蔵施設を整備し安全を確保するとともに、保管を始めてから30年以内に福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を取るとしています。
また、土などに含まれる放射性物質の濃度を低くしたり再生利用したりする技術開発などの状況を踏まえ、最終処分の方法を検討するとしています。
政府は、改正案を閣議決定したうえで今月29日に招集される臨時国会に提出する方針で、今後、最終処分に向けた具体策を早期に示すことができるかが課題となります。

 

中間貯蔵施設:30年以内に県外最終処分、国責任で

毎日新聞 2014年09月26日 07時30分(最終更新 09月26日 08時31分)

東京電力福島第1原発事故で出た汚染土などを最長30年保管する中間貯蔵施設に対し、政府の全面的な関与を定める改正法案の概要が、25日わかった。貯蔵から30年以内に福島県外で最終処分することなどを「国の責務」と明記し、施設を運営する特殊会社「日本環境安全事業」(JESCO)の全株式保有を政府に義務づける。

 政府関与を法的に明確化し、「事実上の最終処分場になりかねない」との福島県民の不安払拭(ふっしょく)にも努める狙いだ。法案は「日本環境安全事業会社法」改正案。政府は29日召集の臨時国会に提出する。

 改正案は「福島の除染や復興に不可欠な中間貯蔵施設の整備・運営は、国が責任をもって行う」と強調。JESCOの名称を「中間貯蔵・環境安全事業」に変更した上で、国の責務として、(1)施設の整備と安全確保を行う(2)施設の周辺住民など関係者の理解・協力を得るため、必要な措置を講じる(3)貯蔵開始後30年以内に福島県外で最終処分を完了するため、必要な措置を講じる−−よう明記した。

 政府に保有を義務づける同社の発行済み株式を、現行の過半数から「総数」に変更。政府はすでに全ての株式を保有しているが、法的に義務づけることで、政府が施設運営で前面に立つ姿勢を打ち出す。このほか、政府による追加出資の規定も整備する。

 同社は国や福島県、同県内の市町村などの委託を受け、中間貯蔵施設の関連事業を行う。【水脇友輔】

 

中間貯蔵法案、公明に提示=10月3日にも閣議決定

時事通信 2014/09/26-15:01

政府は26日、東京電力福島第1原発事故の除染で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設の整備に向け、国の責務を定めた関連法案を公明党の環境部会などの合同会議に提示、了承された。自民党も週明けに了承する見通しで、政府は10月3日にも法案を閣議決定する。
 法案では国の責務として、「(汚染土などの)中間貯蔵開始後30年以内に、福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講じる」ことなどを明記した。(2014/09/26-15:01)

 

(管理人より)なぜかl直近でJESCO問題に関するツイッター上の騒ぎが起きていました。「除染土を燃やす」として、PCB低レベル廃棄物処理会社名が含まれたツイートやソースもないブログ記事がなぜか大拡散し、フェイスブックにも飛び火したという形だと思われます。当ブログではJESCOについても連載で記事を書いてきましたから、ニュースが出た5~6月にはたいして拡散もしなかったのに、3ヶ月後の今頃どうしてだろう?という疑問がありました。

そのツイッター上の騒ぎで「決まってないのにデマを拡散するな」という論調にも驚きました。

問題は、当時の経過や報道などを含めて丁寧に知らせずに、推定だけをソースもなしに断定的に騒ぎ、PCB低レベル廃棄物処理会社名が含まれたツイートをしたことなのに、その行為のせいで、それまで調べてお知らせしてきた事柄の信ぴょう性がなくなる可能性があるということです。

私が調べたこと↓ (噂話をまとめたものではありません)

北九州市PCB廃棄物処理上積み問題(1)カネミ油症事件の起きた地域に何故?PCBの有毒性を知る

北九州市PCB廃棄物処理上積み問題(2)PCB廃棄物ってどんなものか?

北九州市PCB廃棄物処理上積み問題(3)説明会報告とPCB廃棄物の経緯、全国処理施設と北九州周辺地図

北九州市PCB廃棄物処理上積み問題(4)説明会の実際。処理方法。責任者名。周知されてないトラブル。

北九州市PCB廃棄物処理上積み問題(5)JESCO日本環境安全事業(株)~日本の環境行政の深い闇

北九州市PCB廃棄物処理上積み問題(6)福島の除染土がPCB処理のJESCO北九州などにやってくる?!

北九州市PCB廃棄物処理上積み問題(7) 7/7(月)エコタウン事業を知る会 北九州市役所、JESCOへの取材報告

 

伝言ゲームの最後だけが、500RTもするなんて、けしかけた人間がいるのかなとすら思える騒ぎでした。しかも、現在、元ブログはブログごと消去されているし、ツイートも削除されています。

今回のツイッター上の騒ぎの中で「誤報」とか「デマ」ということばが飛び交っていましたが使えば逆の責任もついてくるので、私は一市民として使いません。

自分が調べた事実を丁寧に発信するだけです。

この騒ぎのせいでJESCOに全国から問い合わせ電話が殺到し、JESCOが見解を発表しました。

平成 26 年9月 25 日 放射性物質によって汚染された土壌等の処理に関する お問い合わせについて 日本環境安全事業株式会社

結局、9/25に出されたJESCOの見解が出されたあとの9/26に「日本環境安全事業会社法」改正案に関する報道がありました。

JESCOの名称を「中間貯蔵・環境安全事業」に変更し、 貯蔵開始後30年以内に福島県外で最終処分を完了するため、必要な措置を講じるということです。あと二日で根拠法も作られます。

「中間貯蔵事業に関わることになっても、各事業所では関与しない」というJESCO公式見解と、JESCO北九州の答え(6月時点)は違います。

ソースはここ↓ 

JESCO関連法改正:私のメモから(行政交渉とJESCO訪問)

山本節子さんとJESCO北九州に行ってきたよん~急遽、お話会(報告会)します。 より

JESCO北九州のほうは、「高濃度放射性廃棄物・・法律が変わって国がヤレと言ったら、やることになる。」

北九州市とJESCOを取材しました(除染廃棄物の件)  より

「私どもは国の特殊会社ですから、法律が改正されたらそのとおりに事業を行います」


これからこの公害事業は法律を盾に全国にゴリ押しされることでしょう。政府が運営するわけですから国の震災がれきの広域処理と同じかそれ以上だと思います。

懸念は現実になりつつあると私は思います。

放射性物質は集中管理が大原則。高濃度汚染地域に無人エリアを作って遮断型処分場で移動させず管理すべきという世論を地道に大きくするしか手はないと私は思います。

放射性物質の集中管理は、すべての放射性廃棄物(除染廃棄物、高レベル放射性廃棄物、使用済み核燃料、廃炉廃棄物、指定廃棄物など)に当てはまることです。

がれき反対運動のように「絆」に絡め取られて、情緒的な市民運動にならないように、科学的な合理性、妥当性を問う運動にして止めていかなければならないと私は思います。


放射能は移動させず集中管理。東電に責任を取らせる。国費の浪費をやめさせる。

市民グループは、がれき広域処理が終わったあと、自然エネルギー推進や保養運動などに持って行かれて、公害事業を止める運動を明らかに避けているように見えました。

放射能拡散=公害事業をやめさせる運動に、ひとりひとりが具体的に取り組まなければ、日本中の水、土、空気は放射能汚染され取り返しのつかない状態になることでしょう。

 

2日後、以下の「日本環境安全事業会社法」改正案が出されてしまいます。つまり以下を改正するということになります。

まともな議員に話して反対してもらう他ないですね。JESCOでなく議員に電話したほうが良かったかもしれません・・・・

 


日本環境安全事業株式会社法案の概要

1.法案の趣旨
 

 特殊法人等整理合理化計画を踏まえ、特殊法人である公害健康被害補償予防協会(以下「協会」という。)及び環境事業団(以下「事業団」という。)を解散し、その業務につき一部廃止等の整理を行い、公害健康被害補償予防業務、民間団体による環境保全活動の支援業務等を業務とする独立行政法人環境再生保全機構及び、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理事業等を行う日本環境安全事業株式会社を設立、そのために必要な事項を定める。



2.日本環境安全事業株式会社法案の概要

  (1)目的及び事業 
     日本環境安全事業株式会社(以下「会社」という。)は、ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業、環境の保全に関する情報又は技術的知識を提供する事業等を経営することを目的とする株式会社とする。
 会社は、これらの事業に支障のない範囲内で、環境大臣の認可を受けて、その他の事業を行うことができる。
 
  (2)商号の独占使用
     会社以外のものが「日本環境安全事業株式会社」の文字を商号中に使用してはならない旨を規定する。
 
  (3)国の関与
     新株発行に係る大臣認可、政府による会社の議決権の保有等会社の資本に関する国の関与について規定する。
 
  (4)環境大臣による監督等
   
次に掲げる環境大臣の関与を規定する。
  代表取締役等の役員の選任及び解任、定款の変更等の決議について環境大臣の認可
  ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業の適切な実施を確保するための事業の基本計画についての認可
  事業計画についての認可、財務諸表の提出、重要な財産の譲渡等に係る認可、報告及び検査等
認可に際して財務大臣との協議が必要な事項について規定する。
 
    (5)会社の資金調達の手段
     会社の長期借入金に対し、政府保証を付与することを規定する。
 
    (6)罰則
     会社の取締役等が、その職務に関して賄賂を収受等したときの罰則その  他の必要な罰則について規定する。
 

     (7)附則

      以下を内容とする業務の範囲について規定する。

      [1]施行日は公布の日。

      [2]会社が当分の間経営することができる事業等について規定する。

      [3]会社の在り方についての見直しを規定する。

      [4]環境大臣による設立委員の任命等設立に関し、必要な商法の特例 について規定する。

      [5]会社の設立に伴う必要な経過措置について規定する。

 

 
● 日本環境安全事業株式会社法案要綱 [PDF 16KB]
● 日本環境安全事業株式会社法 [PDF 35KB]
● 参照条文 [PDF 23KB]
● 参考 独立行政法人環境再生保全機構法案・日本環境安全事業株式会社法案について
● 参考 環境省関係特殊法人改革における主要事業の移管

http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-4/20140811_shiryou3besshi.pdf  より



 

 


日本原子力研究開発機構 大洗町研究開発センター材料試験炉JMTRで放射能汚染水漏れ 

2014-09-12 | 放射能汚染

 

 

 

研究用原子炉で汚染水漏れ 大洗町

http://www.news24.jp/articles/2014/09/12/07259009.html# 日テレNEWS < 2014年9月12日 7:42 >  

11日午後、茨城・大洗町にある日本原子力研究開発機構の研究用原子炉の施設で、微量な放射性物質を含んだ汚染水が床に漏れているのが見つかった。

原子力機構によると、これまでのところ被ばくした人はおらず、外部の環境への影響もないという。原子力機構は原因を調べている。

この報道の仕方がおかしいと思います。いきなりアナウンサーの第一声が「環境への影響はないということです」。

主語もなく、いきなり言い出す報じ方。市民が抱くであろう懸念を、局が強く打ち消したいのがわかります。

画面上の文字やアナウンサーの喋りも含めて、福島原発事故後は、さらにそういうわざとらしいまでの「懸念打ち消し」のニュース映像が流れていると感じます。

大洗には研究炉が3施設あるのに、どの研究炉か言わないのもどうかと思います。 打ち消しを強く言えば言うほど逆に変だなと思うし、調べようかとも思います。

日本には原発以外の研究炉がたくさんあり、その全てで放射能漏れの危険が有ることは事実です。

試験研究炉等の安全規制 試験研究炉等原子炉施設立地地点 

 今回、汚染水が漏れたのは、ニュースでは、どの原子炉かまでは伝えていませんでしたが、大洗研究開発センターの材料試験炉 JMTRです。  ⇒ http://new-jmtr.jaea.go.jp/

プレスリリース 平成26年9月11日 独立行政法人 日本原子力研究開発機構 大洗研究開発センター 

材料試験炉(JMTR)第3排水系貯槽(Ⅱ)建屋内の水たまりについて

添付資料

図1 大洗研究開発センター施設配置図
図2 JMTR施設配置図
図3 第3排水系貯槽(Ⅱ)平面図
図4 第3排水系貯槽(Ⅱ)写真
参考資料1 材料試験炉(JMTR)の概要

 


コバルト60、トリチウムに汚染された水が、1階の床に溜まっているわけです。

JMTRのパンフレットより http://new-jmtr.jaea.go.jp/pamphlet.pdf

材料試験炉JMTRは、発電用原子炉などで使用する燃料や材料を中性子で照射し、それらの耐久性や適性を実際に試験する、いわば「原子炉を作るための原子炉」として建設され、昭和43年3月に初めて臨界に達しました。

 現在は、熱出力5万キロワットで約30日間の連続運転を行っています。これを1サイクルとし、年間約7サイクルの運転を行っています。

 この原子炉は、短時間で照射試験を行うことができるように、発電用原子炉よりも多くの中性子を発生する設計になっています。この中性子を利用して原子炉用燃料や材料の各種試料の照射のほか、ラジオアイソトープ(RI)の製造、核融合炉開発のための材料の照射試験などにも使われています。

 原子炉から取り出された試料は、ホットラボ(高放射性物質取扱施設)に送られ、照射試験が行われます。ホットラボ建家は原子炉建家とカナル(水路)で結ばれており、カナル水の放射線遮へい効果により、照射試料を遮へい容器に入れることなく、水中を通して効率的かつ安全に移送することができます。


 「環境への影響はない」と言い切れるのでしょうか?

この66リットルの放射能汚染水はどうするのでしょうか?

と、ここまでブログを書いていたら、続報がありました。

 

研究用原子炉施設で汚染水漏れ 大洗町 

http://www.news24.jp/articles/2014/09/12/07259013.html#  < 2014年9月12日 10:46 >日テレNEWS
 

11日、茨城県大洗町にある日本原子力研究開発機構の施設で、微量の放射性物質を含んだ汚染水が漏れているのが見つかった。これまでのところ、被ばくした人はいないという。

 原子力機構によると、11日午前10時過ぎ、大洗町の原子力機構大洗研究開発センターにある研究炉「JMTR」の冷却水を浄化する処理施設の建物で、床に水たまりがあるのが見つかった。水の量は66リットルとみられ、この中から微量の放射性物質が検出されたという。

 これまでのところ、被ばくした人はおらず、外部の環境への影響もないという。原子力機構が原因を調べている。

 第3排水系貯槽が、冷却水を浄化する処理施設ということ。だとしたら水は相当汚染されているということで「微量」の汚染と言えるのでしょうか?

第一報よりも「被ばく者なし」を強調してますね。この漏れた汚染水を片付ける作業者が被曝することは明らかなのに・・・・・ 

被曝の症状は、後から出てくるものなのに、「被ばく者なし」と言い切ること自体がもうおかしいのです。

NHKニュースの動画では 東電と同じ防護服、全面マスク、手袋を着用して、床の汚染水を雑巾で拭いていました。この雑巾はビニール袋に入れられて、当面ドラム缶に低レベル放射性廃棄物として保管されるのだと思います。

 

 

研究用原子炉で微量放射性物質 

http://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/1076759601.html?t=1410498946640 

茨城県大洗町にある日本原子力研究開発機構の研究用の原子炉付近の建屋内から水たまりが見つかり、原子力機構が調べたところ、微量の放射性物質が見つかりました。
これまでところ被ばくした人はおらず、外部の環境への影響もないということです。
原子力機構によりますと、11日午前10時20分ごろ、大洗町の原子力機構大洗研究開発センターにある、研究用の原子炉「JMTR」に隣接する「排水系貯槽建屋」と呼ばれる原子炉を冷却する際に使用した樹脂を貯蔵する建屋内の床に水たまりができているのが見つかりました。
水たまりは、建屋内に大小6か所見つかり、水の量はおよそ66リットルと推定され、この中から微量の放射性物質が見つかったということです。
原子力機構によりますとこれまでところ被ばくした人はおらず、外部の環境への影響もないということで、原子力機構が原因を調べています。
「JMTR」は一般の原子力発電所で使う燃料や材料が、炉心に入れて中性子をあびることによってどのように変化するかなどを本格的に研究できる国内唯一の原子炉で、現在は定期検査中のため原子炉は停止しています。
日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター、原子炉第1課の坪井一明課長代理は「このような水たまりが見つかりたいへん申し訳ない。しっかりと原因を調査し、報告したい」と話していました。 

09月11日 22時33分


中国電力新小野田火力発電所で火災。被災地域の木質系廃棄物、東北の木のチップを受け入れている可能性。 

2014-08-17 | 放射能汚染

火災速報-中国電力新小野田発電所で火事、爆発音も

http://breaking-news.jp/2014/08/17/011021

■2014/8/17 17:32 最終更新■

山口県山陽小野田市新沖2丁目1-1にある中国電力新小野田発電所で8月17日、比較的大規模な火事が起きたとの情報が入りました。

新小野田発電所からは大量の煙が立ち上っており、火災の規模が見てとれます。立ち上る白煙は、遠くからでも目視できるほど。

なお、現時点で警察や消防・中国電力などから正式な発表はなく、火事による煙なのかその他トラブルによる煙なのか詳細は分かっていません。

近隣住民の方の話によると、「ドーン」という爆発音のような音が聞こえたとの情報もあり、何らかの爆発事故が起きて火災に発展している可能性も考えられます。

新小野田発電所は火力発電を行っている施設で、延焼によるさらなる爆発などが心配されます。

現場は、JR小野田港駅から南西方向に約1kmほどの地点。この火事に関する詳細な情報が入り次第、随時更新していきます。


 テレビニュース(YAB、KRY)20:59

火災は16:40頃発生。石炭を運ぶベルトコンベアから出火。現在も消火活動中。けが人なし。停電の心配はない。

 


(管理人より) 火災が発生して、ネットのニュースでほとんど流れていないことに驚きました。

私はツイッターで知ったのですが、火力発電所のこれだけの火災でも、こんなに報道が少なくて気付くのが遅れるのなら、原発事故ならもう終わりだと感じました。

とりあえず、この火力発電所も木質バイオマスを燃やしているのでどんなPMが出ているかわかりません。煙は風でどこにでも流れていきます。

ツイッター上に早速、「放射能を撒いてない分まだマシ」という不謹慎なツイートが流れていました。

「原発事故よりまし」と言うのは間違っています。

風向き、PM2.5のデータなど検証していきます。

新小野田発電所 http://www.energia.co.jp/onoda-h/



 事故発生当時(16:40)の風向き 


そらまめ君 PM2.5 宇部市

山陽小野田市須恵健康公園

 

お盆で周りの工場が休んでいたとしたら、もっと低いはずなのにPM2.5の値は上がっています。

311以前は宇部市にもモニタリングポストがあったのに、311後なくすことになって本当に悔しいです。

北九州がれき問題の時に山口県庁で質問しましたが、宇部市にはモニタリングポストは設置しないと言われました。

 

 

 中国電力 新小野田発電所で、宮城県の木質廃棄物が燃やされているかも知れません。

http://www.yoneda-masako.com/20110519mokuzaikaishu.pdf   より

https://twitter.com/oldblue2012/status/404505316101853184  より

以前に中国電力新小野田発電所に電話して聞いたとき、燃やしているのは

オーストラリアからの輸入石炭と木質バイオマスを混焼。木質バイオマスは山口県森林組合と日本樹木リサイクル協会経由で仕入れた5cmのチップ」と言っていました。

実際どこから来ているかわかりません。東北北関東の会社が相当入っています。放射性物質の汚染状況重点調査地域の木を使っている会社かもしれません。

放射能汚染された木質バイオマスを燃やすと放射性PMが拡散する可能性があります。


関連記事↓

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汚染バークは日本中に!ペレット乾燥の燃料、バーク堆肥、石炭火力の混焼?農地改良材?

その木、どこの木、何ベクレルの薪なのか?農林省の薪ストーブ、恐怖のプロパガンダ

【再エネ公害】汚染木質チップ撒き散らしてどこが再生可能?国策「バイオマス」自然エネルギーを検証する

 

電話して、どういうものを燃やしているか確認することが必要だと思います。

新小野田発電所
所在地 山口県山陽小野田市新沖2丁目1番1号
電話番号 TEL:0836-88-2460 FAX:0836-88-3528



追加しておきます。

福島県の県木連が、東電に対して猛烈に放射能汚染された樹皮(バーク)を、石炭火力発電所で混焼するよう求めていました。 http://blog.goo.ne.jp/flyhigh_2012/e/1436e005b1d15c73f3eba8fbecbc2c58

電気事業連合会HP電気事業のデータベース(INFOBASE)より


中国電力・新小野田発電所で出火 山口

http://www.asahi.com/articles/ASG8K6S65G8KTZNB00F.html   2014年8月17日21時58分

17日午後4時45分ごろ、山口県山陽小野田市中国電力新小野田発電所(石炭火力)の従業員から「ベルトコンベヤーから火が出ている」と110番通報があった。けが人などは確認されていないが、夜になっても鎮火せず、消防による消火活動が続いた。

 県警や同社によると、発電所に燃料の石炭を運搬するベルトコンベヤーから出火したとみられるという。同社は、火災による停電などの心配はないとしている。

 




新潟県泉田知事発言問題 (1) オカノリさんの泉田知事へのメール 「被爆者の本当の事を知って欲しい」

2014-08-06 | 放射能汚染

(管理人より)

「長崎、広島では、累積被ばく 1mSvで被爆者手帳が交付されている」という新潟県泉田知事の発言について、1年に渡りその間違いを指摘し続けてこられた、オカノリさん。(ツイッターアカウント名)

オカノリさんは運動家などではなく、一般市民の方です。被爆者ばかりの一家に生まれ、家族を通じて身近に多くの被爆者とかかわり、その方たちを見てこられました。「被爆者の本当の事を知って欲しい」とツイッターで発信しておられます。

ツイッター⇒  @okanori75   ブログ⇒ 記録と記憶 http://renree.blogspot.jp/

原爆投下、そして原発事故が起きた国に暮らす私たちにとって、被爆者健康手帳制度と原爆症認定制度についての正しい知識が必要だと考え、本日、3つに分けて、オカノリさんのブログから全文転載させていただきます。オカノリさんにご本人にご了解いただきました。本文、文字の強調、画像はそのまま引用させていただきました。(3つの記事ともに途中に管理人の私見は一切ありません) 


〔泉田知事へのメールを公開〕

「長崎、広島では、累積被ばく 1mSvで被爆者手帳が交付されている」という御発言の間違いについて


泉田知事様

昨年9月から、ツイッターで呼びかけていたオカノリです。
 
先日、ツイッターのダイレクトメールで知事から短い文面を頂き、意見のアドレス指定がありました。その後、ご指定のアドレスに2度ほど送信いたしましたが御返事は頂けませんでしたので、私が考えていることを、ここでまとめて伝えさせて頂こうと思います。
 
知事から頂いた文面についての私の印象ですが、昨年9月の被爆者手帳に関する御発言について、現在も考えや主張を変えてはいらっしゃらず、訂正の意向はないとの旨に受け取れました。
 
そこで、知事の御発言の根拠について、私にとってまだ不明な点、それらについて確認をさせて頂きたいです。 
 
はじめに、知事は 被爆者健康手帳制度 と 原爆症認定制度 のふたつの別の制度について、その違いを正確に把握していらっしゃるでしょうか。というのも、この二つの制度を混同している方が本当に多いのです。両者は全く別の違う制度なのですが、その区別がつかない人が殆どです。

一番よく見かけるのが「3.5km 以内なら、被爆者手帳が交付されている」と誤解している方です。これは被爆者手帳原爆症認定が違う制度であるという正確な知識が不足しているために起きる、よくある誤解です。両方とも国民には馴染みがない制度なので仕方ないですが、なかなか正しくイメージ出来ないようです。万が一、知事がこれらと同様な混同をされているとしたら、その初歩的な部分からご理解頂かなくてはなりません。
 
ふたつめのケースは、「この二つの制度の違いはわかっているが、国の被爆線量評価では 3.5km 地点は初期放射線が、1mSvであるから、3.5km 地点でも被爆者手帳を受け取れている人は実際にいる」 と知事が仰りたいのかなとも思ったのですが、そうでしょうか。原爆症認定と被爆者手帳の違いくらい、わきまえているが、要は3.5kmで手帳を持つ人は存在するのだから、1mSvで交付されるという言い方は間違いではない、と。そのようにもまた受け取れました。これらの点において知事の仰る意味が、あとひとつ私にはわかりませんでしたので、その辺を伺いたいと思っていますが、教えて頂けないでしょうか。
 
原爆の話は複雑で、色々な知識が必要です。それを、できるだけわかりやすく私からお伝えしたいのです。順を追って最低限の知識を共有しなければ、いつまでも認識自体がすれ違い、かみ合いません。それを昨年から何度も、いろんな方と経験してきました。
 
では、知事の御発言での根拠が、上記(2種類の憶測)の私の想像とさほど違っていないという前提で、あえて一歩先に進んで御説明したいと思います。
 
知事がDMで仰った、初期被爆線量が3.5kmで1mSvである、というお話は、直接被爆者(1号)のお話であろうと思います。厚労省のホームページに掲載された同心円図などでも示されてある線量数値ですね。厚労省が「3.5km地点は1mSv」と言い出したのは、まだ最近です。たとえば、昭和50年代頃の政府見解では、3km 以遠は「ゼロ」と発表しています。1mSv の数字は手帳ではなく原爆症認定基準が大幅改定され、3.5km という距離が初めて採用された2008年以降からであり、それ以前は「2.5km 以遠は、ほぼゼロである」という表現しかしていませんでした。

原爆投下当日に、広島、あるいは長崎にいて原爆に遭った人の「初期放射線」が、たとえば3.5kmの場所ならば1mSvである、という御指摘ですね。確かに「初期放射線」に限定すれば、直接被爆者の場合は大方そうであるとしましょう。(これについては後述)。しかし原爆被爆者の存在というのはその人たちだけではありません。入市被爆者(2号)救護被爆者(3号)という被爆者もまた、法的に認められている正式な「原爆被爆者」です。
 
この場合の「法的に認められた被爆者」とは「被爆者健康手帳を取得した者」と同義です。私の家族にも入市被爆者が何人かいます。長崎の原爆で入市被爆した私の叔父は、長崎原爆が投下された当日は、そこにはいませんでした。その日は佐賀にいました。大きな爆弾が落ちたことを連絡で知り、家族を捜すために電車で急遽、長崎に帰りました。原爆が投下されたその翌日に長崎近くに到着しました。そしてそのまま長崎市中心部へと向かい、吹きとんでいた家の焼け跡場所(爆心地から500m付近)で家族の遺体を捜しました。叔父は現在も存命で、入市被爆者(2号)として被爆者手帳を持っています。この私の叔父のケースのように原爆投下の当日には、その場(広島・長崎)に居なかった入市被爆者は「初期放射線」は、全く浴びていません。叔父の場合、8月9日にいた佐賀の場所は長崎から 100km 以上の距離があります。3.5km どころではありません。叔父の初期放射線の被爆線量は当然ながら「ゼロ」です。しかし法的に認められた「被爆者」として、被爆者手帳を所持しています。
 
つまり、もし知事が仰るように初期放射線に限定し、また直接被爆者の直線距離の被爆線量だけに限定し、それ(3.5km = 1mSv)に依拠した論を展開なさるのなら、入市被爆者と救護被爆者は全員が「ゼロミリシーベルト」で手帳が交付された、という理屈になります。
 
被爆者は年々減っていますが、現在でも、入市被爆者は4万8千人、救護被爆者が2万2千人います。合計で7万人の被爆者のほとんどが今も「ゼロミリシーベルト」を根拠に手帳が交付されている、という事になってしまいます。被爆線量がゼロでも交付されるなら、1945年8月当時に生きていた人は日本人全員が申請しても、誰でも手帳が交付されますよ、という(これは極端ですが)変な話にもなってしまいます。
 
ですから知事が、国のDS02 線量評価体系の直接被爆者の直線距離の初期放射線量だけを根拠にあげて「1mSv から交付される」であると...、その1mSv が交付されている根拠だと、そう主張なさるというのであれば、それは正しくは 「長崎、広島ではゼロミリシーベルトから手帳が交付される」「約7万人が今もゼロミリシーベルトで交付を受けている」 が、より正確な言い方であるということになります。
 
でもそれは客観的に見た時、明らかに解せない、妙な話になります。いかがですか。原爆投下当日の初期放射線のみを取り上げ、「残留放射能」をほとんど無視している国の線量評価手法というのは原爆の被爆実態を全くあらわしていない机上の空論であり極めて過小評価されたものなのです。

このように国の理屈と現実の間に様々な矛盾と乖離が生じるため、手帳制度には線量の縛りなどはありませんし、線量基準の法律は手帳制度にありません。線量評価に基づいた放射線起因性判断で、手帳交付が行われているわけではありませんもうひとつの制度、原爆症認定制度の審査では国が行っている個人被爆線量評価も、手帳制度の場合は無関係なのです。
 
なぜそう言い切れるのかというと、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(通称: 被爆者援護法)という法律が被爆者の定義をその趣旨で定めているからです。放射線起因性の証明は手帳審査には求められません。それは援護政策を行っている政府自身が一番よく知っていることです。下は東京高裁で国が援護法の定義をあらためて正式に示した一節です。被爆者健康手帳の交付では 「具体的な被曝線量を問わない」 としています。
 
 
さらに例を出して言うと、原爆に遭って原爆症になり原爆症認定集団訴訟で闘った入市被爆者や遠距離被爆者の多くは、推定被爆線量は「ゼロ」であると国から結論付けられました。その人たちは、もし国が被爆線量推定をすれば「ゼロ」(被爆していない)のはずなのに原爆症認定のための申請資格条件である被爆者健康手帳を先に取得できていたということになります。知事の「1mSv から交付」というお話はここからもう事実と違っています。なぜ「ゼロ」なのに取得できるのでしょう。知事の御発言が本当ならば、入市、救護を合わせた7万人の「ゼロ」の人たちには逆に交付されないことになるはずです。
 
手帳を取得した後、原爆症認定を申請したが推定被爆線量「ゼロ」を理由に「原爆症ではない」と国から却下された。そして今度は訴訟を起し、「原爆症を発症するほどの被爆をした」との司法判決が出て勝ったことで認められ、国側の主張、「被爆ゼロ」にもかかわらず原爆症に認定されてしまった、という経緯になります。それでも、その人たち(原告勝訴で原爆症認定された人たち)に対する国による被爆線量推定値は今でも修正されていません。相変わらず「ゼロ」のままです。

被爆者手帳を持っていて、さらに原爆症訴訟でも裁判で勝ち、その病気について被爆者援護制度トップランクの原爆症認定を受けた人たちでさえ、内部被曝の影響を無視され続け、DS評価では、初期放射線、残留放射線の両方を合わせて「ゼロミリシーベルト」(被爆していない)推定であるとの扱いなのです。ましてや、1mSv 以上の被爆を理由として被爆者手帳が手厚く交付されるという事実などありません。
 
たとえば他にも、2008年に発表された、こういう論文があります。これは広島で爆心から4.1kmで被爆し、初期放射線をほとんど浴びていない被爆者の染色体異常率から被曝線量を推定したものです。推定結果は300mSv でした。4.1km で 300mSv です。被曝要因は主に黒い雨による内部被曝です。この被験者は多重ガンや骨髄機能障害など、被爆者特有の疾患複数を持っています。
 
【論文】一般演題27 フォールアウトによると思われる3重癌と3つの放射線関連疾患を持つ1症例
 
直接被爆者(1号)だけに限定したとしても、それは同じように言えます。長崎の被爆指定地域は南北12km、東西7kmという歪な形をしています。手帳範囲を市の行政区画で線引きしたため、そうなってしまいました。いわゆる「同心円」ではありません。ボコボコ、グニャグニャした縦長型です。

 
 
長崎の被爆指定地域は爆心地から一番離れた南の場所の場合など一部地域は、初期放射線は全く届きません。やはり「ゼロ」です。そうすると、もし(3.5km = 1mSv)が根拠であるなら、直接被爆者(1号)でさえも長崎の遠い場所ではゼロミリシーベルトで手帳が交付されている、となってしまいます。しかし長崎では長崎医科大学が調査した報告があり、遠方でも少数ながら急性症状が出た人の学術記録が残されています。後年、機密をとかれて公開された米マンハッタン調査団の調査報告も同様です。
 
初期放射線が届かなくても、爆風や黒い雨に混ざった放射性物質が遠くまで流れて到達したからです。原爆投下時に使われた米の調査用ラジオゾンデが爆風に乗って流れて行き、遠方に落ちた記念碑が今も長崎市郊外にあります。爆心地から相当に離れていても現実には放射性降下物により被曝被害がありました。10km 以上離れた場所でも、農作業をしていた人が爆風の風圧で倒れたり、屋根や塀が壊れたりしました。大量の放射性物質を含んだ塵がそこまで届きました。しかしそれらのことも、現在のDS体系の初期放射線のみに偏った被爆推定値では全て無視され一切被曝が無いことにされています。長崎原爆の放射性降下物は風に乗って島原半島や熊本まで到達しました。それは原発事故の時に放射性物質が、たやすく数百キロの広範囲に拡がった事と同じです。「現在、指定されている長崎の被爆地域は、半径12km 全域が放射能の影響を受けたと考えている」が長崎市の公式見解です。
 
 
また、「DS体系に基づいた初期放射線の被爆線量推定は、1.3km 以遠では過小評価の疑いがある」、という指摘が何度も訴訟判決で出されています。つまり知事の仰るような初期放射線に限ったお話の場合でも、3.5km地点が1mSvであるというのは過小評価であり、それすら実は事実ではありません。
DSの不完全さ(残留放射能や遠距離の過小評価)は、裁判の中で30回以上も指摘され否定され尽くしていることなのです。にもかかわらず、認定を却下するための武器として、これに固執しているのが政府であり厚労省です。それに、DS線量評価体系は国側の、いち知見に過ぎず知事が仰るような「法律」ではありません。
 

大阪高裁判決文 DS86 および DS02  〔線量推定の過小評価〕

 

医師団意見書 〔DS線量評価システムでは現実の急性症状を説明できない〕



長崎では、初期放射線が届かなかった遠方地域で黒い雨が降り、その被曝が百ミリシーベルトに達した可能性もありながら、理不尽な行政区画の線引きによって切り捨てられて被爆者手帳申請資格がない地域の住民がおり、現在も裁判で係争中です。いわゆる「被爆体験者」と呼ばれる、法的には認められていない(手帳を貰えない)黒い雨の被爆者たちです。長崎同様に、広島にも黒い雨で被曝しながらも手帳資格がない地域住民が多々います。 

以下は本田孝也医師による被ばく未指定地域(被爆者健康手帳の資格がない)住民の被曝線量推定についての裁判意見書、一部抜粋です。長く機密になっていて近年公開されたマンハッタン調査団による当時の貴重な「実測値データ」を使って計算された信頼性の高い被曝線量推定値です。福島の線量とも対比してあります。これ全て、被爆者手帳を持つことができない未指定地域住民の話です。これだけの被曝の可能性がありながら被爆者と認めてもらえず手帳資格もないのです。




原爆において、このタイプの被曝(放射性降下物や残留放射能による低線量内部被曝)を認めず無視し続ける国の姿勢こそが、原発事故による被曝を過小評価しようとする姿勢に通じる同じ問題をあらわした隠蔽の本質です。原爆のたとえを挙げて原発事故被害者への国による補償を強く要求するのであれば、本当に指摘すべき、批判すべき政府のやり方はここなのです。

決して1mSv を理由にして交付されたのではなく、昔から交付されている事実に対して国が被爆線量の極端な矮小化を今も続け、頑なに被曝被害を否定しているだけなのです。そこを非常に勘違いなさっていませんか。

知事の御発言だと、1mSv が交付を担保していて、それが制度化されているかのように聞こえます。1mSv の被爆であることを理由に手帳を交付された方は具体的には、どなたでしょうか。お名前をあげることはできますか。そのような被爆者はいらっしゃいません。証人探しで苦労したり、手帳を持てないままの方も大勢いるのが現実です。



以上のことから、御発言の中での「1mSv で被爆者手帳が交付される」の箇所は、初期放射線に限ったお話の場合でも、それ以外の被曝まで考慮に入れたお話の場合でも事実ではありませんし、むしろ長年の国による黒い雨被爆者の切捨てや、原爆の内部被曝を過小評価した隠蔽プロパガンダを逆に助長する結果となってしまいました。国は、少ない原爆被害でも被爆者を手厚く保護しているのだという印象を植え付ける宣伝をしてきました。本当は、それらは被爆者が非常に長い闘いの中で少しずつ勝ちとってきた事なのです。

被爆者が1mSv 基準で医療補償される事実などなく間違った認識による知事の御発言は、被爆者に対する世間の誤解を招く表現になっています。凄惨な被爆実相を世に伝えようと、これまで被爆者が長年努力してきたことについて、いかが思われますか。
逆の立場でお考えになってみてください。原発事故被害者が、国の過小評価の理屈を振りかざされて事実にないことを言われ、それにより受けてもいない条件で医療補償を受けているかのような誤解が広められたら、きっと反発されるのではないでしょうか。
環境省が「避難した住民も十分補償されている」と言ったら、それをそのまま事実のように広めるのですか。それと同じです。原爆被爆者の被害を国の理屈を借りて過小評価すれば、遠回りして原発事故被害者の被曝の過小評価へと跳ね返ります。やがて原爆、原発双方の被害者補償の道を逆に狭めかねません。
 
正しい理解のために必要な知識となる、手帳制度の歴史的経緯について御説明します。
被爆者手帳制度と、DS02を使った線量評価システムの間に関連はないです。原爆医療法成立で制度化された被爆者健康手帳は、原爆の線量評価体系がほぼ確立されたと言われる「DS86 」の、30年前に作られた古い制度であり、その線引きの根拠は(個人被爆線量評価の方法が無い時代であったため)実際の被害実態を見ながら考慮し、交付基準を決めていきました。



 当時の厚生省の技官が広島と長崎に視察に行き、病院の現場を見たり被爆地の医師たちの話を聞いて調査。また、原爆後に大規模に行われた日米合同調査団の原爆災害調査で学術報告された急性症状発症例などに基づき、最終的には技官の半ば独断も取り入れながら定めていきました(1957年当時、原爆医療法制定にあたって手帳の制度作りに関わった浦田純一・元厚生技官自身が「独断だった」と後年に証言しています)。
そのため、「入市被爆」、「救護被爆」といった難しくて捉えにくい被爆被害も実際に起きた事例として考慮され、手帳の分類枠として設定されました。線引きによる切捨ての問題は残念ながら残ったものの、「入市被爆者」や「救護被爆者」を手帳枠として制度設定できたのは、起きたことをつぶさに見て判断した成果とも言えます。それら時代背景を丁寧に紐解けば明白です。

手帳基準は、主に急性症状率や死亡率等、現実の被爆実態を考慮したうえで定められた昔の政策判断が基本なのです。

 
 
 


同心円状の直線距離ではなく、既成の行政区画を基礎にして大雑把に対象範囲を区切ったことが、その典型です。

仮に、原爆の手帳制度に厳密な1mSv単位の被爆線量の根拠を無理やり持ち込もうとするならば、これまでに述べたような様々な矛盾がいくつも生じて制度の理屈は根本から破綻するでしょう。そもそも原爆被爆者の個人被爆線量を、1mSv の細かい単位まで見極めることは不可能なのです。この現代でさえも原発事故当時の初期被ばくデータを正確に明らかすることが困難な程なのですから。過去、ピークで38万人、いま現在でも約20万人いる被爆者健康手帳所有者の被爆線量など、データそのものが存在しません。ですので、せいぜい初期放射線の、おおまかなシミュレーション推定(それがDS02です)程度しかできません。それに手帳制度で、そんな膨大で煩雑な作業を行政は行っていませんし、仮にやろうとしたところで出来ません。被爆線量評価が関係してくるのは、もうひとつの制度、原爆症認定制度での話となります。そのふたつは違う別の制度で、原爆症認定制度では、3.5km (ガン疾患等の積極認定範囲の場合)以内の認定目安なのです。手帳制度原爆症認定制度、この2つがしばしば一緒にされ誤解されています。
 
また、知事が、かねてから「法の下の平等に反する」とも主張され、頂いたDMでも同じことを仰いました。しかし再三申し上げてきた通り、1mSv を超えたら被爆者手帳が交付される法律、は存在しません存在しない法律を根拠にあげて「法の下の平等」を主張されても土台が間違いなので論理は破綻しています。間違った認識や事実にないことを根拠にしても正当な主張になりません。間違いを根拠にしてしまえば、他の本当に正しく大切な部分まで信頼性や説得力が失われかねません。真剣な主張こそ丁寧に行くべきです。このまま押し通せば、いつか足元をすくわれかねません。ここは私が特に知事に申し上げたいと思っている部分です。
 
知事を信頼している方々は多いのですから、この一部分については、すみやかに何らかの形で訂正して頂きたいと思います。悪気のない勘違いや思い込みなど誰にでもあり、それは仕方ないことです。しかしいまだに誤解を招いていることは事実で、大きな影響力をお持ちの政治家として責任を持って訂正してくださらないことについては残念な気持ちでいます。原発事故で苦しむ方々の状況を、少しでもよくしてあげたいという正義感から、踏み込んだ重要な発言をなさって下さったことは頼もしく感じていますし、支持しています。20mSv でも政府の帰還政策が続けられていることへの憤りと御指摘、1mSv以上で、原発事故被害の補償対応を今後きちんと求めていく趣旨自体など、それは私も共感しており賛成なのです。
 
でも原爆の被爆者手帳交付基準に関する一部分だけは根拠にはならず間違いです。万が一、「引っ込みがつかない」程度の理由で今も意固地になられているのだとしたら、それだけはどうかやめて頂きたいです。原発事故によって苦しんでいる被害者の方々に馳せる想いと同じように、無理解や偏見がもたらしてきた被爆者の苦しみの歴史について知識と良識を持って対応して頂きたいです。私が言うまでもなく、知事が手帳を承認交付している新潟県にも被爆者の方はいらっしゃいます。修正すべき点は認め修正して、堂々と主張なさるべきです。私は知事が誠実な方だと思っているから訴えかけているのです。
 
知事のお考えについて返信を頂けないでしょうか。訂正拒否の意向を考え直してください。私はこのメールをブログで公開し、他の方たちにも一緒に考えて頂けるきっかけと更なる問題提起をするつもりでいます。必ずしも知事お1人に向けてということではなく、これをひとつの転機に変えたいと思っています。原爆被爆者の何が理解されていないかが示唆された根深い問題だと感じるからです。今でも知事と対立するつもりなど毛頭ありませんし、私のお願いを理解して頂きたいという思いだけです。知事を支持している私にとって不本意ですが、しかし知事の御発言の責任は被爆者側にはありません。知事が、そこの箇所の発言訂正をして下さるまで、今後もやむを得ず訂正を求めていく私の考えは変わりません。原爆によって苦しみ亡くなっていった大勢の方たちが後世に何を訴え、伝えたかったか。人生や命と引き換えに残した教訓、私達が引き継いでいくべきこと、それを今一度お考えになってみて欲しいのです。原発事故の話とも決して無関係ではないはずです。
 
もしこれらの私の話が信用しかねるのであれば、ご多忙とは思いますが、原爆症認定訴訟関連の本などをお探しになり、一度お読みになられるといいと思います。


〔泉田知事へのメールはここまで〕
 
 
文字数の関係で次の記事に続きを載せます。
 

 


岩手県大槌町、吉里吉里海岸の砂浜の砂の検査はされていない?!

2014-07-26 | 放射能汚染

 

海の日:岩手・宮城の海水浴場 海開きが7割できず

http://mainichi.jp/select/news/20140720k0000m040083000c.html

毎日新聞 2014年07月19日 22時26分(最終更新 07月19日 22時41分)

◇砂浜消滅や防潮堤の復旧工事中で

 21日に東日本大震災後4度目の「海の日」を迎える岩手、宮城両県内では、いまだに7割以上の海水浴場が閉鎖中だ。津波による砂浜の消滅や防潮堤の復旧工事で立ち入り禁止になっているためで、海開きは「早くても5年後」と見込む自治体もある。

 海水浴場が27カ所ある宮城県内で、この夏に利用できるのは5カ所のみだ。「砂浜は地盤沈下し、消波ブロックも打ち上げられたままの状態」(女川町)などが理由という。

 岩手県では北部の7海水浴場は利用可能だが、陸前高田市や大船渡市など南部では復旧工事の車両が2018年度まで往来するため海開きができない。大船渡市の担当者は「内陸部の市町からも問い合わせがあるが、海開きまでは時間がかかる。工事が終わっても砂浜が再生するかどうか」と話す。

 陸前高田市立高田小5年の松田由希菜さん(10)は、2年生だった11年7月、景勝地・高田松原で海水浴をしている夢を見て、その絵を描いた。作文には「海と砂浜を思い出した」と書いた。だが、3年後の今は「海で泳ぎたいとは思わない。海の記憶は薄れたし、もう浜は消えたんだという感覚が当たり前のように心の中でできちゃって」という。

 精神科医で京都大非常勤講師の片田珠美さんは「プールと異なり、潮の流れがあって、生き物も見つかる海では探求心を深められる。学ぶことが多い」と、海水浴の経験は子どもたちの成長にプラスになると指摘する。

 陸前高田市の小学校などではプールも津波で壊れたまま。近隣校の施設を借りており、水泳の授業も震災前のように行うことができない。【根本太一】

 

海開き:吉里吉里海岸で4年ぶり 震災後初 岩手・大槌町

http://mainichi.jp/select/news/20140726k0000e040158000c.html

毎日新聞 2014年07月26日 11時27分(最終更新 07月26日 15時39分)

岩手県大槌町の吉里吉里海岸海水浴場で26日、東日本大震災後で初めての海開きが行われ、海水浴を楽しむ人たちの声が4年ぶりに響いた。

 震災前は、ひと夏で2万人以上が訪れていたが、震災の津波で浜にがれきが漂着するなど大被害を受けた。全国から集ったボランティアらの清掃活動などにより、再開にこぎ着けた。同町の中学1年、芳賀勝さん(13)は「震災後、水遊びができなくなっていたので、この日を待っていた」と笑顔を見せた。

 同海岸では防潮堤工事が行われており、泳げるのは幅約130メートル、岸から約50メートルの区域と、海岸全体の3分の1。工事が本格化する来夏以降は進捗(しんちょく)状況により浜を開放できるか判断するという。【佐々木順一】

  

(管理人より) 海開きできないとしながらも結局しています。上二つの記事も、いっさい海や砂の汚染に触れていません。工事が理由で海開きできないということになっています。

子供たちは危険性がわからないのですから、子供が楽しそうに海遊びする写真が安全性を示すものではありません。

大槌町のHPより

2013/7/1 吉里吉里海岸の水質検査 検出下限値は書かれていません。  

2013/7/24 吉里吉里海岸の水質検査 放射性物質や化学物質の検査はありません。

大槌町のHPで検索をかけてもこの2つ以外出てこない不思議・・・・

 

平成26年7月定例記者会見 町長発言  より転載

吉里吉里海岸海水浴場の開設について

吉里吉里海岸海水浴場」について、震災後初めてとなる今シーズンの開設が決まりましたので、概要をご報告いたします。

 吉里吉里海岸海水浴場につきましては、震災前から多くの町民に親しまれてきた海水浴場でしたが、震災以降、砂浜や海中のガレキといった支障物の撤去が進まず、地盤沈下や津波による砂浜の消失、シャワーやトイレといった海水浴施設の未整備など、海水浴場としての開設が困難な状況が続いておりました。
 一方、これまでも地元を中心に海水浴場開設の強い要望が寄せられており、昨年度は海水浴場付近の海中ガレキの撤去も完了したこともあり、安全が確認された一部の区域に限定されますが、今回の海水浴場の開設に至ったところであります。
 開設期間は、平成26年7月26日(土)から8月10日(日)までの16日間、時間は午前8時30分から午後3時までを予定しております。
 開設にあたっては、あらかじめダイバーによる海中支障物の目視調査を実施しており、安全が確認された岸から50メートル、横幅130メートルの範囲をブイやロープなどで目印を表示したうえで遊泳を案内することとしております。
 設備などにつきましては、簡易トイレと手洗い場を海水浴場内に設置するとともに、復興まちづくり大槌株式会社に協力いただき、来場者向け駐車場とシャワー設備を「ホワイトベース大槌」に用意いたします。
 また、駐車場は、大槌町農村広場グラウンドにも準備し、ホワイトベースと合わせておよそ100台の駐車区画を確保しております。
 期間中、現地には監視員を配置し、安全・安心な海水浴を楽しんでいただけるよう努めるほか、週末限定となりますが、盛岡ライフセービングクラブからの申し出により、複数名のライフセーバーが会場に常駐することにしています。
 また、災害など万が一に備えての避難経路を設定し、現地でのわかりやすい表示と避難誘導の徹底を図ることとしております。
 なお、先日、県から公表されましたとおり、海水浴場としての水質検査結果は「水質A」と判定されておりますとともに、海水の放射性物質濃度と砂浜の空間放射線量率の測定結果につきましても、いずれも安全値であることを確認しております。
 海水浴場開設に関連しての主な日程ですが、安全祈願の神事を7月24日(木)午前10時から現地で執り行いますとともに、地域の皆様が主体となって、26日には「砂の芸術祭」「スタンドアップ・パドルサーフイン体験会」「シーカヤック体験会」が予定されているほか、8月2日には「ビーチバレー大会」などのイベントが開催されると伺っております。
 ぜひ大勢の方にご来場いただき、海水浴もイベントも大いに楽しんでいただければと思います。
 吉里吉里海岸は、震災後も地元の自治会を中心に地域の方々が清掃活動に積極的に参加されるなど、地域の皆さまに愛され、親しまれてきた海岸です。今回、こうして海水浴場を開設できることで、大槌の子供たちが地元の海に親しみ、地域の豊かな自然を感じる機会になることを期待しますとともに、町内外からお越しになられる皆様にあらためて海の魅力を感じていただき、安全に、楽しく海水浴をお楽しみいただければと強く願っております。
 

 

岩手県HP 海水浴場の水質調査について

水浴場の放射性物質に関する指針について(環境省)平 成 2 4 年 6 月 8 日

水浴場の水質等調査結果について


岩手県も大槌町も砂の検査はしていないということです。

吉里吉里海岸

所在地:岩手県上閉伊郡大槌町吉里吉里
電話番号:0193-42-2111(大槌町役場)

 

時系列に写真などで見ていきます。

巨大津波三陸沿岸被災地の今・大槌町 より 大槌町・吉里吉里地区 311直後でしょうか。

岩手県大槌町 吉里吉里海岸の瓦礫置場の線量報告 2012/04/29 

吉里吉里海岸 放射線量測定 番外編 ~海岸清掃と行政の問題に付いて  より 2012年10月29日

 

 

吉里吉里漁港 平成25年7月9日現在 (Wordファイル 4.0MB)

 


砂をふるいにかける大変な作業なども地元の人々やボランティアさんの手で行われていたようです。しかし、その砂浜のすぐ隣には2012年10月までは少なくとも震災がれき置き場が存在していました。

放射性物質や化学物質に汚染された震災がれきが波に洗われ、海水に染み出していました。

私は、掃除をされた人たちの体調や、砂浜の砂の汚染、海水の化学物質などの汚染がどうなったのか気になっています。

人間の目で見て取り除けないレベルのサイズの粒子の汚染が危険なのです。

海水も、砂浜も汚染というものは均一ではありません。濃淡があるので環境省のような被曝の計算は無意味です。

ヤブロコフ博士の動画を見て欲しいと思います。http://blog.goo.ne.jp/flyhigh_2012/c/ee9ef2f2b7a3ae84607658a0ea926ace

「それぞれの放射線核種の影響は時間と空間において均質ではない」ヤブロコフ博士


口や目に入る量がわずかでも核種によっては強いダメージを与えるものもあります。

それをサンプリング検査でGOサイン出すという行政の対応は、私はありえないと思います。








市から海水浴場の汚染調査を委託されているNPOの母体が日本財団から助成金を受けている事実。

2014-07-24 | 放射能汚染

福島県海開きのニュースで「砂」の放射能汚染度の数値が発表されない不思議。「砂浜」の砂の汚染度は??

2011年に4400ベクレル/kgの汚染があった永崎海岸。3年たって砂浜の汚染度はどうなったか?

↑昨日の記事の続きです。

2013年の海開きのことを書いた個人の方のブログ(http://blogs.yahoo.co.jp/kyomutekisonzairon/66544950.html) に砂浜の砂の汚染度のデータが残っていました。

しかし、なんと 四倉海岸における放射能に関する調査結果報告書⇒ いわき市HPリンク切れ!いわき市が削除してしまっています。

NPO法人いわき環境研究室が実施した2013年度分(3月実施)がこちら↓

このように昨年も?メッシュ状に調査していたというわけです。当時は誰もがいわき市HP上で確認できましたが、今はもう比較しようがありません。

昨年は四倉海岸では最大で3167ベクレル/kgが出ています!1000ベクレル/kg 超も見られます。

こういうのを2014年の今年もやってるのかどうかすらわかりません。

どうかお近くの方はいわき市に電話でご確認ください。なぜ、今年は砂浜の砂の汚染度を公開しないのかと。どなたか情報公開請求してみてください。

いわき市 商工観光部 観光交流課 施設係 

電話: 0246-22-7480  ファクス:0246-22-7581
メールでのお問い合わせはこちら


NPO法人いわき環境研究室は、いわき地域環境科学会と「強い協力関係がある」と書かれています。 http://www.essid.org/npo_setsuritsu.html 

http://www.essid.org/npo_setsuritsu.html より

「いわき環境研究室」は,本年8月に新設した組織である。本組織は,既存の組織である「いわき地域環境科学会」(以下「科学会」という)(昭和63年5月設立)の会員が中心となり,これまでの科学会の活動成果の発展的展開を図ると同時に,新たに地域環境の改善に寄与するような本研究室独自のテーマを掘り起こす調査・研究とそれらの成果を基に政策提言をも行っていく。

http://www4.ocn.ne.jp/~iwaki-kk/link.html  より

いわき地域環境科学会のリンクの説明に 「当NPO法人の母体となる任意団体」  と書いてあります。

NPO法人いわき環境研究室

役員 理事長(橋本孝一),副理事長(大平恭二),理事(松崎和敬,引地宏,和田佳代子),監事(江尻勝紀,佐藤烈)

http://www.essid.org/jpg/field66/NPO-chart.gif

  

 

いわき地域環境科学会いわきの海岸環境復元プロジェクトは日本財団の助成で行われています。

日本財団は原発推進団体です。⇒http://urx.nu/ao3x 

原子力推進事業に膨大な助成金を出しています。⇒ https://nippon.zaidan.info/dantai/000147/dantai_info.htm

https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1982/00359/mokuji.htm

http://nippon.zaidan.info/kinenkan/history30/1/1333.html より 原子力船むつにも5億円!

 

さらに見ていきます。NPO法人いわき環境研究室の2012年度の活動報告 を見ますと

原発推進団体から助成金をもらう環境団体が母体のNPOが再生可能エネルギーを大推進してることがわかります。あいおいニッセイ同和損害保険=三井住友系(原発推進)から寄付ももらっています。


原発推進企業、原発推進団体と助成金で結びついた環境団体を母体とする環境NPOが、自治体いわき市の受託事業で海水浴場の砂浜の砂の汚染度調査をし、再生可能エネルギーも推進してるということです。

東電の定例会見で、データの公表や測定箇所も東電といわき市と相談して決めると言っているのです。

結局全部原子力ムラとつながっているということ。ズブズブ。

ここでも再生可能エネルギーが原発を補完していることがわかります。いま多くの普通の脱原発市民が洗脳されている「原発VS再エネ」なんて偽物の対立軸です。

放射能汚染を過小評価(調査報告を読むとわかる)、さらにデータの隠蔽、メディアが正確に報道しない、再生可能エネルギーの普及に至るまで、この原発事故後の一連の流れは、全部、原発事故を起こした張本人が取り仕切っているということが、いわき市海水浴場の砂浜の砂問題でも明らかです。

一見、市民も含まれる環境団体ですが、調査を自治体に委託され、税金が流れ、さらに原発推進団体から助成金をもらっている事実は事実。これは誰もがネットで確認できることです。


【おかしなこと】

●2013年は砂浜の砂の汚染を調査し(いろんな深さで)数値データがいわき市のHPにあった。

●2013年は放射能汚染の数値データがいわき市のHPにPDFで掲載されていたのに、それがいつのまにか削除されて見ることができなくなっている。

●2014年は調査対象がなぜか海底の砂だけになっていて、測定地点も減らされている。

●2014年に海開きを報じたニュースに、砂に関する放射能汚染の具体的な数値データがない。

 

もし、放射能汚染を過小評価したい立場だったとしたら、

 

海底の砂を測定していれば一応、調査したことにはなるので(嘘にならない嘘)それを市のHPにPDFでアップしておけばいい。

わかりにくいので市民の目に付かないし、昨年の汚染のデータを削除しておけば、比較することもできない。測定地点を減らしたことも気づく市民も、突っ込む市民もいないだろう。

 

と考えると思うのです。

こういうのを「環境的不正義」というのではないかと私は思います。


2013年にヤブロコフ博士が来日されて、日本にチェルノブイリの教訓を伝えてくださいました。それを噛み締めたいと思います。

http://blog.goo.ne.jp/flyhigh_2012/e/c2ddc3b148e8f37b1b4ea74152d1cc22  より

教訓その1「放射線の状況というものは安全です」という当局の公の宣言を決して信用してはいけない。」

教訓その2「空気・水・食料品に関して政府から独立した形で放射能をモニタリングするシステム、体制を確立しなければいけない。」 

教訓その3「体内の放射線核種ということに関して、つまり内部被曝に関して政府から独立したモニタリングを確立しなければいけない。」


 


2011年に4400ベクレル/kgの汚染があった永崎海岸。3年たって砂浜の汚染度はどうなったか?

2014-07-24 | 放射能汚染

 永崎海岸環境の復元プロジェクトから~いわきの海岸砂浜の放射線調査~(2011年)より

福島県海開きのニュースで「砂」の放射能汚染度の数値が発表されない不思議。「砂浜」の砂の汚染度は?? 

昨日はいわき市の海開きについて記事を書きました。1日でツイッターで120、フェイスブックで20拡散しました。ありがとうございます。

海水浴場のモニタリング結果というのは東電HPといわき市HPにそれぞれあって、ややわかりにくいですがネット上で見ることができます。

2014/7/22(月)の東電の定例会見でおしどりマコさんが海水浴場について質問されており、東電のモニタリングで海水の測定箇所の数が昨年よりも減らされていることがわかりました。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/156038  39:40~ 海水浴場測定箇所についての質問

昨年は測定箇所が10箇所だったのが今年は2箇所。東電によると、測定場所の選定、データの公表などもいわき市と相談して決めているということです。

確かに東電HPで公表しているデータを見ると、昨年は海水浴シーズンが終わってから追加でストロンチウムを測定していますが、今年の海開きではなぜか測定していません。見てください↓

四倉海水浴場,勿来海水浴場 海水試料測定結果 平成25年11月12日東京電力株式会社  より 

四倉海水浴場,勿来海水浴場 海水試料測定結果 平成26年7月22日東京電力株式会社  より 

 


 いわき市のHPをみても、昨年の海水浴場の砂などの汚染データ等を削除してしまっているようです。何度検索しても出てきません。HPに最終的な来場者の人数しか残していないというズルさ・・・・いわき市の方の海水・海底砂の測定は「NPO法人いわき環境研究室」が委託されていますが

今年の測定が4月は5箇所の測定だったのに5月にはなぜか3箇所に減らされています。

02 H2604いわき市海水浴場における放射線モニタリング調査結果(海水、海底砂)(PDF形式 218.8KB)

04 H2605いわき市海水浴場における放射線モニタリング調査結果(海水、海底砂)(PDF形式 236.8KB)

まあ、市民が黙ってたら市役所はこういうずるいことをこっそりするんですね。似たようなPDFをいちいち開いて確認するなんて作業を市民はやりたくありませんから。 NPO法人いわき環境研究室 を見てみると

とありますから、今年も海岸全域のデータはある可能性があります。なぜ全部公開しないのでしょうか。

このNPOは「いわき地域環境科学会」と連携して調査活動をしているようです。

2011年の調査がこちら↓  砂浜の砂の放射能濃度が記載されていました。

永崎海岸環境の復元プロジェクトから~いわきの海岸砂浜の放射線調査~  より

 

 その当時の朝日新聞で、永崎海岸で最大で4400ベクレル/kgの砂があったと報じています。グラフにはなぜかあらわれていません。おかしいですね。上下を切捨てて平均化したのでしょうか。こういう場合はグラフだけでなく数値でも公表すべきです。勿来海岸にも強烈に高い値があったかもしれません。

四倉海岸も高いです。市民は汚染の最大値を知っておきたいと思うのですが、なぜ数値全部を公表しないのか訳がわかりません。

いわき市沿岸砂浜などの放射線量調査(中間報告)いわき地域環境科学会(平成23年12月1日)より

 2011年9月26日付け福島民友新聞にて、福島第1原発より排出された高濃度放射能汚染水が4月13日、
いわき市の沿岸まで南下したとのシミュレーションに係る記事が掲載された。(右図参照) 尚、いわき市沿岸での
海水中の放射能濃度は約1000Bq/kgであった。 これより、いわき市の海岸砂浜が海水により汚染された結果、
海水が影響する砂浜、特に下層部の放射線量が高くなっている測定値が得られたとの考えに至った。

2011年に 約1000Bq/kgという高濃度の汚染水がいわき市の海岸に接岸し、砂浜を汚染したことは事実。最大4400ベクレル/kgの汚染が 砂浜の砂にあったということです。

3年たって汚染はどうなったか、2014年度の砂浜の汚染度を測定していないのかしているかどうかも不明で(ネットで確認できない)そして、公開しないまま海開きするいわき市。

この調査を委託された団体の目的が、

「当会では、いわき市沿岸の砂浜における放射能汚染の実態を調査するとともに、そのメカニズム解明を通して、一日も早く安全な海岸環境へ復帰することを目指す」

ですから、もはや科学会ではありません。砂浜の汚染度を調べた結果、市民に全て公表し、安全な海岸に復帰することは無理だと判断しなければならないはずです。どこにホットスポットがあるかわからないから海開きをしてはいけないと言わなければおかしいはずです。まったく市民の命と環境を守る方向になっていません。

測定に関わったのは、東電、いわき市、いわき地域環境科学会、NPO法人いわき環境研究室です。

なぜそのようなことになったのか?

次回に続く

 


福島県海開きのニュースで「砂」の放射能汚染度の数値が発表されない不思議。「砂浜」の砂の汚染度は??

2014-07-22 | 放射能汚染

<海開き>うれしい! いわきの2海水浴場で /福島

http://news.goo.ne.jp/article/mainichi_region/region/mainichi_region-20140721ddlk07040080000c.html

2014年7月21日(月)11:43

 夏の訪れを告げる海開きが20日、いわき市の勿来、四倉の両海水浴場であった。市内10カ所の海水浴場はすべて放射性物質が検出限界値(1リットル当たり1ベクレル)未満だったが、津波対策の防波堤工事の影響で昨年と同じ両海水浴場だけの海開きとなった。来年も両海水浴場のみとなる見通し。

 市内最大の約300メートルの砂浜を持つ勿来海水浴場では、家族連れや若者ら約30人が今年最初の海水浴を楽しんだ=写真。母親や妹と震災後初めての海水浴にやってきた同市好間町の小学1年、船山幸之介君(6)は、波際を走り回りながら、「プールも楽しいけど海も楽しい」と喜んでいた。

 市や県によると、市内の海水浴場のほとんどで防波堤工事などが終わる2016年まで閉鎖が続く。さらに、大規模な防波堤の建造で砂浜が狭まったり、震災による地盤沈下で砂浜が消失している場所もあり、市観光交流課は「市内の海水浴場は震災前と同じ状況には戻らないだろう」と残念がる。【栗田慎一】


待望の海開き いわき・勿来海水浴場、四倉海水浴場

http://www.minyu-net.com/news/news/0721/news5.html

 いわき市の勿来、四倉の両海水浴場が20日、海開きした。同市には10カ所の海水浴場があるが、ほかは津波被害の復旧工事などで再開を見送った。

 勿来海水浴場で行われた海開き式では、勿来工高のフラチームが華麗なフラを披露した。震災犠牲者に黙とうをささげ、神事でシーズン中の無事故を祈った後、地元の観光をPRするサンシャインガイドいわきの鈴木真奈美さんが海開きを宣言した。清水敏男市長らがテープカットした。

 両海水浴場とも開設期間は8月17日までの午前9時から午後4時まで。空間放射線量を毎日測定、場内に掲示する。

(2014年7月21日 福島民友ニュース)


(管理人より)

花火の記事を書きましたので、海水浴のことも書いておこうと思います。

今年も全国で海開きのニュースが出ましたが、福島県でも2箇所の海水浴場の海開き。報道の中で、福島の地方紙も毎日新聞も、放射能濃度の具体的な数値を出していません。

ニュースの中では空間放射線量や海水の放射性物質濃度について少し触れているだけ。 砂浜の砂や砂浜沿いの海水の汚染が問題なのに、報道では思い切りスルーされています。

これではニュースを見た人が「問題なし」と判断してしまうと思います。果たしてそのような判断が適切かどうか、まず、いわき市のHPで調べてみます。

いわきの海開きについて  より 

「※勿来及び四倉海水浴場において、小さなお子様が砂遊びできるサンドパークを開設します。なお、監視塔において、スコップやバケツなどの砂遊びセットを無料で貸出します。」

http://www.city.iwaki.fukushima.jp/mimiyori/018034.html  より

毎回調べてて思うのですが、役所のHPは数字をそのまま載せずにPDFにしてずら~っと並べてわかりにくくしてるとしか思えません。不親切なのか内容を隠したいのか・・・

放射性物質の測定は、体に付着する可能性が大きい「砂浜」の砂と「海底」の砂の両方すべきだと思います。

一番下の行に「砂」とありますが、「海底」の砂か「砂浜」の砂かわかりません。

しかも「設定なし」って!!!

海開きに、暑いのにゆるキャラ呼んだり、砂遊びセットとか用意するよりも、砂浜の砂の汚染を測定するほうが大事です。

実際、私は昔、海水浴に行き、ひっくり返って頭を海底にツッコミ、海底の砂が耳の穴に入り込んだ経験があります。半年ぐらいずっと耳の中から砂が出てきました。子供は砂浜で、首だけ出して砂に埋められたりして顔中、体中、砂だらけで遊びます。砂まみれです。 なので、砂浜の砂も、海底の砂も放射能汚染されてたらまずいわけです。

砂は耳にも鼻にも口にも目にも入るのです。海水も何度も飲み込みます。

直近2回の海底砂の測定結果を見てみます。

08 H260630いわき市海水浴場における放射線モニタリング調査結果(海水、海底砂)(PDF形式 138.7KB)  より

 

10 H260707いわき市海水浴場における放射線モニタリング調査結果(海水、海底砂)(PDF形式 138.4KB) より

 

 

こんなに高い数値・・・食物の基準が100ベクレル/kgだから感覚が麻痺してしまうのでしょうか。 

海底の砂は波で打ち上げられて砂浜の砂になるわけですが、昨年2013年にちだいさんが勿来海水浴場の砂浜の砂を測定されていましたので転載します。

昨年は、砂浜の砂が 55ベクレル/kg 汚染されていたのですね・・・・今年は汚染水も追加で漏れていると考えると・・・ 

http://ameblo.jp/c-dai/entry-11634453081.html  より

 

福島県放射能測定マップより

http://fukushima-radioactivity.jp/else-mapdetail.php?category_cd=3&genre_cd1=7&point_no=3014  より

勿来海水浴場(南)の測定値 浜砂(土壌)(浜)の測定値 (測定機器:Ge半導体検出器)

2011年06月07日の砂浜の汚染は なんと、セシウム合算1104ベクレル/kg でした。

 

 

http://www.remnet.jp/lecture/forum/07_02.html   より内部被曝について

せめて砂浜の砂の放射能汚染度を2箇所でなく、なるべく多く10箇所以上測定すべきです。

そしてその具体的なデータを新聞や市のHPに発表した上で、海水浴に行くかどうか判断できるようになっていればまだいいのですが・・・

きちんと数字を確認すれば海水浴に行かない人もいると思います。

検査も広い海水浴場のたった3箇所。砂浜の砂の検査をしてない。

そういうことを知らずに「ニュースで大丈夫って言ってたよ、行こう行こう!」となってしまう人がいるのだと思います。

そもそも「いわき市海水浴安全対策会議」って誰がやってるんでしょうか?責任の所在が曖昧だと思います。誰が「泳いでいい」って決めたかわからない。

そういった状況で、海水浴に行くのはもはやリスクしかありません。


下水汚泥等の放射能濃度測定結果、ツネイシカムテックスの汚染廃棄物を使った人工砂200ベクレル

2014-07-02 | 放射能汚染

国土交通省の下水汚泥等の放射能濃度測定結果

放射能測定結果一覧 平成26年度(H26.4.1~H26.5.20)  ・PDF(836KB) PDF 

http://radiation7.blog.fc2.com/blog-entry-3971.html より汚染度の高い順に並べたもの

このPDFデータでは、下水汚泥と、脱水汚泥、焼却灰と、排ガス、放流水などが測定対象となっています。自治体によって書き方が違うので紛らわしいですが、下水汚泥を焼却した焼却灰というのが、放射能汚染が濃縮されて凄まじい値となっています。NDとなっている排ガス項目などは、環境省の検査方法や検出下限が緩く設定されているため出ないしくみ。

焼却場の排ガスに関しては以下当ブログの関連記事をご覧下さい。↓

ゴミ焼却施設の煙突から大気中に放射性物質が放出されている可能性について、三田茂医師も言及 

【知らない市民を騙すな】下水処理場やごみ焼却場の排ガス検査の不検出は信用できません!【ND詐欺】

燃やして減らせの鮫川村焼却炉も、郡山下水汚泥焼却施設も、空に毒を撒き散らす愚かな行為!

鮫川村焼却炉の排ガス検査、環境省は「セシウムが測定されない」測定方法だけしか認めない!

鮫川村の試験焼却の排ガスNDは本当か?樗木博一氏「排ガス中の放射性セシウムの測定法」動画

北九州市のごみ焼却工場の排ガスの検査に信頼性はあるのか?頻度・精度を検証する 

セメント工場周辺住民のみなさん必見!排ガスNDの謎はこうして解ける。ゴミ弁連会長 梶山正三弁護士

 

福島だけでなく関東も汚染されていることを示すデータです。この始末に負えない汚泥や焼却灰はいったいどこに持って行かれてるんでしょうか?

それからもう一つ 市会議員のブログ http://wredpowerppp.blog.fc2.com/blog-entry-636.html  より引用 

福山市で放射能含みの人工砂を? 2014.01.17

昨日、本日の2日間、日本共産党市議団で、埼玉県の寄居町に視察に行っておりました。
と言いますのは、福山市の産業廃棄物処理業者(株)ツネイシカムッテックスが、寄居町のヤマゼンを吸収合併し、ヤマゼンが行っていた一般廃棄物や産業廃棄物の燃えがらやがれきを焼成して、アークサンドと言う人工砂を作る事業を福山で行うということが、福山市議会、文教経済委員会に報告されたからです。

市の報告では、「アークサンドは、自然界の砂と同じ成分だ」と言うことでした。

また、「全国から排出する廃棄物を集積して焼成すると言うことですから、放射能汚染したがれきが入ってくるのではないか」との我が党の質問に対しての市の説明は「放射能汚染物質は搬入されません」ということでした。そこで、事業をすでに行っている寄居町に調査・視察に行ったのです。
(寄居町のツネイシカムテックス(旧ヤマゼン)の廃棄物処理工場は、立派な建屋で覆われています。住民の反対運動の成果です。福山のカムテックスは、処理機械がむき出しです。)

そしたら!結論から言って、アークサンド(焼成物)からは、放射線量200ベクレルが検出されているではありませんか!

アークサンド(焼成物)15%、山砂85%を混ぜて、埋め立て用の土砂として使用するのが用途だそうです。
85%も普通の砂を混ぜるわけですから、成分は普通の砂とほとんど変わらないでしょうね。

搬入された産業廃棄物には、2000ベクレルを越えるものもあるではありませんか!
(この2000ベクレル以上の数字は、寄居町で、産廃処分場の撤廃や監視活動を行っている運動団体の方が、搬入物のマニュフェストの公開を求め、そこからつくられた表から、抜粋しました…4月5日 加筆)

「放射能はありません」なんて!福山市は、何を根拠に言うのでしょう。業者のいいなりですか?

寄居町にある埼玉環境整備センターは、現在、廃棄物のリサイクル企業が9社操業しています。この地に廃棄物の埋立処分場が来る話が持ち上がった時、機動隊も出動する住民の激しい反対運動が10年間にわたり展開された経緯があるそうです。(環境を守る運動をしている方と交流しました。)

そして、県・町、住民と企業との間で、公害防止協定が結ばれ、現在も週に1回、住民の立ち入り調査が行われています。
(町役場内には、資源循環工場の環境調査の結果が公示されています。)

ツネイシカムテックスは、「寄居町に持ち込めない廃棄物を福山でやる」と言ったのです!(ヤマゼンの説明員さんがそう言ったのです!)

福山市民に環境悪化を押し付けることを福山市は、何とも思わないのでしょうか!福山市は、完全に馬鹿にされています?
ツネイシカムテックスが、今後福山で行おうとしている事業や、今回の調査を、急いで市民のみなさんに知らせ、寄居町でダメなものは、福山でもダメ!と、がんばらなくては!!! 

産廃処理業者が関東の汚染された産廃の燃え殻やがれきなどを西日本に運んで燃やすということです。下水汚泥もあるかもしれません。

震災がれきを超える汚染濃度の焼却灰がリサイクルで産廃業者に流れていますね。

福山市のツネイシカムテックスについて調べてみました。

ツネイシカムテックス株式会社 

あらゆるものを燃やしています。 

業界最大規模の受け入れ態勢 

 

お決まりの「無害化処理」。無害化してないです。こうして関東のごみ焼却灰などの放射性廃棄物が再生利用の名目で拡散していきます。福山、北九州、セメント工場のある地域は可能性が高いです。

下水汚泥もあるかもしれません。

本当は放射性廃棄物は集中管理が原則なのに、そういった真っ当な世論が潰されるのは、焼却炉利権、廃棄物利権、再エネ利権、復興利権が入り組んでるから。

「放射性廃棄物は集中管理」というのは、廃棄物=商品とする企業にとっては、最も困る論調でしょう。


そこで「燃やす行為は危険だ」ということを山本節子さんの勉強会資料からおさらいしておきたいと思います。 ↓

 ここから


焼却炉は危険です。法律上も有害物質発生装置と位置づけられています。

焼却炉はダイオキシン類、有害重金属類、酸性ガス類、粒子状物質(SPM、PM2.5等)、揮発性有機化合物等、多種の有毒物質を排出。

日本はダイオキシン特措法とごみ処理広域化計画で、全量焼却の道を選んだ。海外は実質禁止。 

ごみ焼却炉は化学反応釜。雑多な物質を高温と酸化作用で破壊・微小化する装置です。

内部では無数の化学反応が連続的に起きており、この過程で大量の有害物質が誕生しています。

解明されている物質はほんの一部。重金属類などの元素は燃やしても消えるわけではなく、微小な形になって人体に吸収されます。 

 

【焼却炉の副産物には必ず有害重金属が存在し、飛灰にはさらに高濃度で存在】 

●水銀~水俣病原因物質 沸点356.7℃ 

●鉛~鉛蓄電池、塗料、はんだ、チューブ、水道管等 沸点1750℃ 

●カドミウム~顔料、電池等 イタイイタイ病原因物質 沸点764.3℃ 

●アルミニウム~沸点2486℃ 

 

【酸性ガス類】~亜硫酸ガス、塩化水素 

焼却炉からは毒ガス原料でもある有害ガスが大量に発生しており本来なら防護マスクが必要な職場だが作業員の安全はほとんど無視されている。焼却処理施設や周辺施設の劣化、周辺の樹木の黄変、枯死、金属のサビ等も酸性ガスが関係。人体も同じような被害を受けている。 

【PM】~大気中に浮遊する百万分の一㍍単位の微小物質。

汚染物質が付着することが多く海外では死亡率に直結する大気汚染物質として注意報が出されている。焼却炉はPM2.5の発生源。(日本はディーゼル排ガスだけを危険視)

放射性物質もPMに付着し体内に取り込まれる。ナノレベルのPMも存在する。 

【焼却炉にまつわる嘘】 

●「煙突から出るのは水蒸気だけ」⇒未知の物質は垂れ流し、バグフィルターは気体は捉えられない。放射能99.9%捕捉は嘘。 

●「基準値以下」⇒ほとんどが規制値ではなく、環境基準。測定は通知してから。 

●「安全」⇒火災・爆発・浪費事故多発。緊急時蒸気排出弁の存在。 

●「排水は循環利用」⇒未処理で公共下水道へ流されている。 

●「衛生的」⇒毒ガス生成施設。子供たちを社会見学に行かせてはならない。 

●「焼却炉ゴミ処理コストは安い」⇒そこから出てくる廃棄物をコスト計算に入れていない。原発と同じ。焼却炉そのものが巨大な産廃に

 

例) http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201403/0006800540.shtml より     (例は管理人補足)

老朽ごみ処理場”放置”解体には数億円 西宮 (神戸新聞 2013/3/23)

施設の老朽化で2012年7月末に稼働停止した兵庫県西宮市のごみ焼却施設「西部工場」(浜松原町)が解体されず、放置された状態になっている。解体費用が数億円と高額な上、南海地震の浸水想定区域に指定されたため、跡地利用が決まらない。総務省によると、こうした不用な廃棄物処理施設は全国に538件あり、多くの自治体が対処に頭を抱えている。(斉藤絵美) 

阪神今津駅から南へ約700メートル。工場や商業施設などが立ち並ぶ中、工場の門扉は閉ざされ、高くそびえる煙突が目につく。

1912(大正元)年に廃棄物処理場として整備され、第2次世界大戦や数々の災害などで一時停止したこともあったが、操業を続け、現存の工場は83年に稼働した。可燃ごみを焼却する施設として、2011年度には年間3万2526トンを処理した。老朽化が進み、代替施設として鳴尾浜に東部総合処理センターが完成した12年、役目を終えた。

市施設整備課によると、解体にはダイオキシン対策などが不可欠で8億円以上の費用がかかる可能性がある。さらに、新施設への建て替えであれば国から多額の財政措置があるが、更地にする場合は市の負担が大きくなる。

また、敷地内の調査ではダイオキシンなどの土壌汚染は確認されなかったが、建屋内は未調査のまま。川沿いに立ち南海地震で津波が発生した場合、浸水の深さが1~2メートルとなると想定されているため、防災公園などにも適さない。

同課は14年度予算案で640万円を計上。コンサルタントとともに解体方法などについて探る方針で、「耐震性も低く、防災面でも早く対策をとらないといけない。跡地利用と財源について、できるだけ早く検討に入りたい」としている。

      ◇      ◇

 【公共施設の解体】総務省が昨年9月に実施した調査では、解体撤去の意向がある施設は全国で1万2251件に上る。公営住宅の2810件が最多で、廃棄物処理施設は538件。一方、解体費用の概算は全体で4039億円だが、廃棄物処理施設はその3割の1170億円を占める。高度経済成長期に整備された公共施設は全国的に老朽化する時期を迎える一方、人口の減少などで需要がなくなっている施設も多いという。 

 

 

【焼却炉の困った副産物~有毒物質「灰」】  

焼却灰・汚泥焼却灰には有害物質が高濃度に濃縮される。  

飛灰は底灰より毒性がはるかに強く処理コストも高い。日本では飛灰処理コストを削減する為、底灰と飛灰を高温で溶融固化し路盤材やコンクリートへの再利用を義務付ける通達行政「ごみ処理広域化計画を実施。 

具体的にはガス化溶融炉、灰溶融炉導入を義務付け。ごみ発電を奨励。後に「循環型社会形成推進基本法」で合法化。全産業がこれを歓迎。「すべてを燃やし固める」が日本のゴミ処理の基本となった。311後がれき広域処理で汚染の全国拡散につながる。 

エコセメントなどの灰の再利用品は品質が悪く有害物質も出ている。これを使用すると必ず将来の二次汚染につながる。 

 

【焼却炉ができるとこんな有害廃棄物が押し寄せる】  

●PCB・PCB汚染物質 

●ばいじん、焼却灰(ダイオキシン類) 

●廃油・e-waste・シュレッダーダスト 

●混合建設廃棄物(アスベスト類) 

●バッテリー(鉛・カドミウム) 

●蛍光灯(ハロゲン・ネオン・水銀) 

下水汚泥、感染性廃棄物 

●原発解体廃棄物 

●がれき・高レベル放射性廃棄物

●低レベル放射性廃棄物

  

【動画】焼却により発生する微粒子(PM)の危険性-汚染ガレキは燃してはならない

  

 

 ここまで


 

今後、北九州市に押し寄せてくる可能性のある廃棄物。

●福島県の除染廃棄物(がれき以上に放射能汚染されている)  http://www.kyoto-np.co.jp/country/article/20140326000134

●使用済み太陽光パネルのゴミ(鉛、ヒ素、カドミウムなど) http://www.shinryo-gr.com/20130222.html/ 

 


ホットパーティクルは危険 マルコ・カルトフェン氏 「この粒子の重量の80%は、原子炉の炉心の物質」  

2014-06-02 | 放射能汚染

原文はこちら The Hottest Particle April 3rd, 2014  Transcript

翻訳はこちらのブログから転載させていただきました。http://ameblo.jp/mhyatt/entry-11866091534.html

 “ The Hottest Particle” Transcript

「超高放射性粒子」 文字おこし

こんにちは、フェアウインズのアーニー・ガンダーセンです。
今日は、プロフェッショナルエンジニア(PE)であるマルコ・カルトフェン氏によるビデオをご紹介します。
このビデオは今までフェアウインズが発表してきた数々のビデオの中でも、非常に重要なものであるといえます。
3年前、日本全土と北アメリカ沿岸にホットパーティクル(高放射性粒子)が降り注いだのですが、この事実について語ったのは、フェアウインズが一番最初の組織でした。
ホットパーティクル(高放射性粒子)は危険で、探知することが難しい物質です。
このビデオの中で、カルトフェン氏はなかでも非常に高い放射能を持つ超高放射性粒子を発見したことついて語っています。
これは福島第一原発から300マイル(482km)も離れた場所で見つかりました。
もし私達フェアウインズのウェブサイトが日本のウェブサイトであったなら、秘密保護法によってこのビデオがリリースされないように妨害されることでしょう。

このビデオの最後に簡単なまとめを、私からお話したいと思います。


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※ここからカルトフェン氏のビデオが始まる

私はマルコ・カルトフェンです。私はの土木関連の専門技師であり、現在ウォーセスターポリテクニック研究所にて博士号の取得過程にあります。
私が主にリサーチしているのは放射能汚染とケミカル汚染について、またそれらの汚染物質がどのように家屋の内部に蓄積していくのかについてです。

何故そのようなリサーチをするのかといいますと、これは一般市民がどのように放射能汚染にさらされて被曝をするのかを知る為にはとても重要なことだからです。

家屋内の環境に関して言えることは、建物の内部というものは、外部よりも汚染の度合いが高くなるという傾向があります。
家屋というものは外部の汚染を集めてしまうのです。実際は家の外で汚染する被曝量の方が少ないということです。
1日24時間のうち、実際に建物の外にいる時間の方が、通常は短いものですしね。

ソーシャルメディア(ブログやツイッター、フェイスブックやその他の様々な掲示板など)の素晴らしいところは、世界中の沢山の人々と話せる機会が得られること、そして沢山のボランティアの方々や科学者達、またはそういった組織との繋がりを得られることです。

そしてそうして出会った人達は、エアフィルター等のサンプルを送ってくれました、例えば家庭用の電気器具なんかの、そうですね、彼らの家に設置してあったエアコンやヒーターのフィルターや、換気扇のフィルター等です。
私達はこれらすべてのサンプルを、非常にシンプルな方法で処理し、いろんな家の被曝度を比較検証しようとしました。

私達は北日本、東京、アメリカ、そしてカナダからのサンプルに注目してみました。実際に人々がそれくらい被曝しているのかを知ろうとしたのです。

 

※上の写真は2011年4月にシアトルと東京、福島を走っていた車のカーフィルターをX線フィルムに感光させて放射性物質を目に見える形で焼き増ししたもの。

そのために私達はホットパーティクル(高放射性粒子)に着目しました。放射能汚染に被曝するということを法的視点で考えると、はじめにそのエリアでの平均的な汚染度や被曝度を求め、それからではこのぐらいなら大丈夫でしょうという、安全なレベルというものを求めます。

もしもあなたがその安全なレベルと言われている汚染度を超えて被曝していると考えるなら、何らかの指針を設けて、対策をとる必要がありますね、除染するなどして。私達は被曝の平均値というものについて理解すると同時に、ある一定の人々は平均値よりも多く被曝するだろうし、またある一定の人達は平均よりも被曝数値が低いだろうと考えます。
この考え方において私達の調査の事例は他と異なります。

それは、どれくらいの量の放射能汚染された塵が、原発事故の起きた場所(福島第一原発)から、どのような経過をたどって誰かの家に入り込むのかによるのです。

もしもそれらの放射能汚染された塵が、食べ物と一緒に口の中に入ったり、呼吸と一緒に肺の中へ吸い込める程に小さなものだったとしたら、それは内部被曝として、平均の汚染度や平均の被曝量と言われている数値の何倍もの被曝をするということになるのです。被曝数値の構成要素について考えてみましょう。

①あなたが住んでる環境からの平均の被曝、つまり外部被曝
②ホットパーティクル(高放射性粒子)を取り込むことによって被曝する内部被曝

ホットパーティクル(高放射性粒子)による内部被曝はそう多くはないといえるでしょう。
原発事故の起きた現場から放出されたホットパーティクル(高放射性粒子)の数は比較的少ないからです。

ですから殆どの人はこのホットパーティクル(高放射性粒子)によって内部被曝する事はないでしょう。
しかし、少数の人達は一粒か、もしくは二粒以上のホットパーティクル(高放射性粒子)を体の内部に取り込み、内部被曝をするでしょう。このように内部被曝をすると、外部被曝の平均値よりも被曝数値は高くなります。

ですから今、実際に人々に何が起きているのかを知るためには、この外部被曝と内部被曝の両方を考えて計算に入れる必要があります。私達はサンプルを得た後、一連の分析を得ることが出来ました。

私達はまず基本的な分析をし、平均の外部被曝の数値を算出しました。私達はガンマスペクトロメトリーと呼ばれるものを使用しました。このガンマスペクトロメトリーというものは、過去100年以上に渡って使用されている技術であり、どんな核種が、どんな放射性物質がサンプルの中に存在しているのかを検査するものです。

福島からの放射能汚染の中に見られる3種類の核種があります。まずは、セシウム134とセシウム137です。

この2つの核種の割合をみることによって、私達はこの汚染が福島からの物であることをかなり確実に特定することができます。
またこれらの核種は、核分裂による生成物であり、なんらかの核反応の後に生成される物質です。

3種類の核種のうちのもう一つがラジウム226です。これはもともとのウラン燃料が核分裂反応のプロセスを始める最初の段階で生成されます。
もしこれらを見つけたら、私達は第二段階、ホットパーティクルがその中に存在しているかどうかを鑑定する作業に進みます。

どういう風にするのかというと、ホットパーティクルの分析を行うという第二段階へ進める為に鑑定したサンプルをふるいにかけ、
よりさらに細かい粒子に分け、銅製のプレートの上に薄く伸ばし、それをX線用のフィルムに感光させるのです。1週間、感光させておきます。

これはまた別の古くから行われているテクニックです。おそらく一世紀以上前から。
サンプルの塵の中から、どこに小さな放射性のホットパーティクルがあるのかを見極めることができます。

その感光させたX線用フィルムを焼き増しすることもできます。そしてもし可能性のある箇所が見つかったら、
その部分だけをイグザクトナイフ* で切り取ります。
それをアルミニウム製の顕微鏡用スライドの上にのせ、電子顕微鏡でさらに細かく調べます。

※イグザクトナイフ* 細かいところを切り抜く為のカッター

普通の顕微鏡ではなく、見ながら元素の分析をすることが可能な特別な電子顕微鏡を使います。

では実際にこの電子顕微鏡で見ているイメージをしてみましょう。
スクリーンで実際に映像として見ることができるのです。ひとつひとつの粒子を五千倍、一万倍、一万5千倍に拡大して
見ることができます。

これを見ながら顕微鏡の操作レバーを操り、粒子のひとつに焦点を合わせるのです。
ビデオゲームのようなものです。粒子のひとつひとつにX線ビームを当てて、その元素の構成についての分析処理をしていくのです。そうしていくうちに、放射性の粒子を見つけるのです。

それらはプルトニウムであったり、ウラニウム、ラジウムだったりします。
分析に使用するサンプルは0.5キロか1キロ分程の塵なのですが、この塵の粒子の中から、このようなプロセスを経て、
一粒か、二粒程のホットパーティクル(高放射性粒子)を見つけて取り出す作業になります。

 

※名古屋の一般家庭の掃除機ゴミパック内の塵から見つかったホットパーティクル(高放射性粒子)

そして更に細かい分析を行います。これは非常に意味のある大切な作業です。

なぜかというと、もしこの小さな粒子を誰かが呼吸として吸いこんだり、または食べ物に混入して体内に入ってしまった場合に、何が起こるかが分かるからです。
すべてのホットパーティクルは似ておらず、それぞれ違っています。幾つかの放射性粒子は、他の放射性粒子よりもやや高い放射能を持っています。それらを見つけ出すのは非常に難しいです。

また別のある粒子は、ちょうど*マグニチュードと地震エネルギーの対数関係のように、10の指数倍で表さなければならない程の強烈な放射能を持っています。

補足*マグニチュードは地震のエネルギーと対数関係にあり、マグニチュードが2増えるとエネルギーは1000倍になる。
つまり一般的な放射性粒子と比べて、高放射性粒子であるホットパーティクルは2倍とか3倍汚染度が強いというレベルの話ではなく、とてつもなく放射性が高いという意味。
リクタースケール(マグニチュードと地震エネルギーの対数関係を表すグラフ)について考えてみると、マグニチュード5というのは、マグニチュード3よりも100倍も強い地震エネルギーを持っています。

私達が探しているホットパーティクル(高放射性粒子)と言うものはつまりそういうものであって、一般の放射性粒子よりも、ちょっとだけ放射性が高いとか、そういうレベルの話ではないんです。
とてつもなく高いのです。私達はそれらを見つけたのです、そのとてつもなく高い放射能を持った粒子を。

とても小さな粒子ですが、何処から来たものなのか、私達に教えてくれます、なぜなら(先ほど話した特別な)電子顕微鏡で見ることができるからです。

どれくらいの大きさなのか、どんな形をしているのかを見ることができます。
この粒子がどのような経過を辿ってきたのか、またはその証拠を知ることができるのです。

そして最終ステップとしては、もしこの粒子のサイズ、原子構成、放射能の強さ等を知ることができれば、この粒子を吸い込んだり、経口摂取すればどうなるかも知ることができます。

「実際にはどの人に何が起こるかなんて分からないじゃないか、私達にはただ(健康障害が起こる)確立の平均値しか分からないだろう。」

そうあなたは思いますか。そうですね、一般的な放射性粒子に関してはおそらくそうでしょう。
でもこのホットパーティクル(高放射性粒子)に関しては、7%の人が肺癌になるとか、あるいは70%の人が皮膚癌になるとか、喉頭癌になる可能性があるだろうというふうにはっきり言うことができます。

そういった粒子たちの画像を実際に見ることができます。とても時間のかかる分析ですが、どのような健康被害が起こるかその危険性について多くの事を知ることができます。

※肺に取り込まれたホットパーティクル(放射性物質を含んだ埃)が周囲の細胞を破壊している様子。

どの地域で、何倍の健康被害があるかについてを知る良い方法です。私達の得たサンプルは日本の名古屋からの物でした。
460キロメートル福島の第一原発から離れたところです。約300マイルです。

ホットパーティクル(高放射性粒子)は10マイクロ幅でした。0.00005mの大きさということです。
当然のごとく、とても高い性能を持った顕微鏡でしか見ることができません。

呼吸として容易に吸い込める大きさであり、また肺の中にとどまることもできるサイズです。
これはとても重要なことなのです、何故なら、もしあなたが保健物理学者なら、このホットパーティクルからの被曝量の計算をし、この粒子は障害体内に残り、被曝し続けるものとして考察する必要があるからです。

アスベストを取り扱った為に、アスベストの粒子を吸引した労働者が亡くなったとします。死因はさておいて、アスベストの粒子はそれでもまた彼らの体内に残っています。ホットパーティクル(高放射性粒子)にもほぼ同じことが言えます。

私達が調査した粒子は、原子炉の中で核分裂したことによって出た物質と核燃料そのものの混ざり合ったものでした。
テルルとラジウム226です。

またセシウム134と137、コバルト60、その他にも、めったにCNN(アメリカのニュース番組)の放送でも聞かないような、物理学しか知らないような、そんな名前の核種の数々を見ました。

 



この粒子の重量の80%は、原子炉の炉心の物質です。
この粒子は事故のあった原子炉の炉心からとても長い距離を旅してやってきたのです。
とても長い距離の移動です、この粒子はとても小さいので、気体となって風に乗ると、とても長い距離を移動するのです。
どういうことかというとつまり、原子炉から離れた地点であればあるほど、こういった粒子(ホットパーティクル)を見つける可能性は低くなるということです。

私達は日本から送られて来た沢山のサンプルを調査しましたが、これは最も長い距離を旅した粒子です。
個体識別番号を付けようと思っています。

日本では、放射能をベクレルという単位で計ります。このベクレルというのはヘンリー・ベクレルという人の名前です。
1ベクレルというのは放射性物質が1秒間に1つ原子が崩壊するということです。

現在日本では、1キロあたり100ベクレル、これは1パウンドあたり45ベクレルになりますが、これ以上のレベルの食物は食べるのは危険であるということになっています。

アメリカの数値の方がもう少し高いのですが、しかしもし1キロあたり100ベクレル以下なら安全という方針に従うとすれば、この物質(ホットパーティクルを指す)は、食べるのには放射性が強過ぎますね。

この物質(ホットパーティクル)は1キログラム当たりペタベクレルということになります。ペタベクレルなんて聞き慣れない名前でしょう。

4の後に、ゼロが19個並びます。1キログラムあたり、40,000,000,000,000,000,000(4千京)ベクレルです。
炉心の物質というものはそれ程までに放射性がとてつもなく高いものなのです。

とても小さな粒子ではありますが、ベクレルではたったの310ベクレルでした。
この掃除機の内部のパックのサンプルを受け取った当初、放射線を計測したら310ベクレルでした。
これは平均的な福島県内の掃除機のゴミパックの放射線数値と同じぐらいでしたので、特に気をとめませんでした。

作業はグローブボックス(放射性物質を扱うための小型の箱で備えつけのゴム手袋によって外部から操作する)やフード(覆いのようなもの)の下で作業をしたのですが、私達はこのサンプルを半分にカットしました。

これはホットパーティクルが存在しているかどうかについて調べる第一のステップなのですが、半分に切ったら当然、まぁ半分の155ベクレルになるはずですよね?310の半分ですから。
しかし実際にはゼロだったんです。
よし、じゃあもう半分のパックを計ってみよう、そしたらそっちもゼロ。あれ?どこに行っちゃったんだ?
それでもう一度両方のパックを一緒に戻して計測しました。
そうしたらまたちゃんと310ベクレルと出ます、ちょっとしたミステリーでした。
ホットパーティクルがこの掃除機のゴミパックのちょうど真ん中あたりに存在していて、このパックを半分に切ったカッターナイフの刃にくっついていたのだということに気付くまではね。

私達はこのカッターナイフを顕微鏡で注意深く見ながらひとつひとつの粒子の放射性を調べました。プロセス自体はややショートカットしたわけですが、実際にこれはホットパーティクルを見つける方法ですから。
高い放射能を出す部分を見つけるまで、サンプルを切り分けていくわけです。

北日本にある浪江町と飯館村から送られてきたサンプル、「黒い砂」を見てみると…(この高放射性粒子は)非常に黒い砂と似ています。

 


黒い砂…そしてこの粒子(ホットパーティクル)もそうなのですが、集合体であり、混ざり合った物なのです。
例えばコンクリートは砂とセメントと小さな石が混じり合った物です。顕微鏡下ではそのように見えます。

黒い砂の正体について、最悪のケースを話しています。
ホットパーティクル(高放射性粒子)は、事故(原発事故を指す)の最中に気化したものです。
それが凝縮して小さな粒子になり、混ざり合った物です。それらは凝結し、集まり、そして確認できる大きさの粒子になるのです。
風に乗って移動します。そして遅かれ早かれ、何か当たり、それにくっつきます。

この名古屋からのサンプルの場合、外部の空気中を漂っていた粒子が何らかの理由で室内のカーペットに付着し、それを掃除機が吸い上げたのです。

良いニュースとしては、同じ場所からサンプルを受け取り続けていますが、同じようなホットパーティクルはそれ以来発見されていません。この家が特別に何か問題があるという訳ではなく、私達のデータによると、この家からはこうしたホットパーティクルは一つだけでした。発見されなかったのです。

しかしこの事実はある特定の地域を調査して、ホットパーティクルが他にも存在しているかを確認してみる必要があることを示しています。
このようなホットパーティクルからの被曝によるダメージは、多大な健康被害を引き起こす可能性があります。

 


今のところ、日本の福島県と東京からのサンプルについては、25パーセントのサンプルは、確認できるレベルのホットパーティクルを含んでいます。

しかしこの粒子(名古屋の掃除機ゴミパック内から発見された粒子)が最悪のケースで、一番高い放射能を持っていました。
平均の数値が示されるというわけではありませんが、どんな可能性があるかを知ることはできます。

結果的として私は、一連のサンプルについて十分に理解する時間をかけて、整理しました。

それはウォーチェスターポリテクニックインスティトュートの検討委員会(同領域も専門科によって査読、評価する機関)によって検討されました。そしてこれらの情報を公に公表する為の準備をしました。

かつてのように平均の被曝量ではなく、実際にどれだけ被曝するであろうかが分かるようになるという事は良いことだと思います。そしてまたホットパーティクルによって被曝する可能性についてや、この福島の原発事故によって実際に受けるであろう健康被害の可能性についても付け加えました。

このようにしっかりと研究されたデータや情報をテレビのニュースや、東京電力の発表、またはIAEAの発表で見聞きすることは決して無いでしょう。

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フェアウインズは長い間、福島の原発事故の結果として、はっきりと明確に分かる程の癌の増加が日本で見られるようになるだろうとお話してきました。
このビデオはたった一つのホットパーティクルが私達が恐れている最悪の事態を確証しています。
フェアウインズ エナジー エジュケーションのビデオを見て下さってありがとうございます。
アーニーガンダーセンです、今後も更なる情報の提供を続けさせて頂きます。

 



http://ameblo.jp/mhyatt/entry-11866340578.html  より 

茨城県の一般家庭の掃除機ゴミパック内から発見された二粒のホットパーティクルのうち左の方のまるい粒について。

ガンダーセン氏

 この粒は80%どころの話ではないよ。ほぼ核燃料100%の粒だ。まるいだろう?核燃料はすごく高温になって解けるとこうして粒がまるくなるんだよ。

これはピュアなピュアなピュアな100%の核燃料だ。これはとてつもなく放射性が高い。

事故のあった炉心から飛び出してきたんだ。本来ならこんな物は何重にも厳重に隔離されているハズの物質であって普通に人が生活する環境にあってはいけない物なんだ。

もしこれが人体に入ったら100% 必ず癌になる。」 

きちんとした形でこうした情報を公開する為にはとても沢山のステップを踏まねばならない。証明する為には膨大な実証や実験や調査が必要なんだ。

既に分かりきっているような事でもね。時間もお金もすごくかかるんだよ。足元をすくおうとする者達は沢山いるんだ。


 マルコ・カルトフェン氏によるビデオ、文字起こしはこちらもどうぞ↓

数百種類の放射性核種が環境中に存在する東日本。西日本に住んでいても吸気被曝・大気汚染を直視する。

 

 


「鼻血論争について」北海道がんセンター 西尾正道名誉院長 

2014-05-23 | 放射能汚染

『美味しんぼ』福島の真実編に寄せられたご批判とご意見(ビッグコミックスピリッツ編集部) 

http://spi-net.jp/spi20140519/spi20140519.pdf

 「鼻血論争について」   北海道がんセンター 西尾正道名誉院長 

http://www.hatatomoko.org/nishio.shusei.pdf (原文)より

http://www.hatatomoko.org/matome.new.pdf (別紙資料)

 

 


キーゼルバッハ部位

 


伊達市の小学校の保健だより


 広河隆一さんの見解 http://daysjapanblog.seesaa.net/article/396967390.html

【チェルノブイリでは避難民の5人に1人が鼻血を訴えた】

2万5564人のアンケート調査で判明

『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)に掲載中の漫画「美味しんぼ」の「福島の真実」篇に多方面からの抗議が寄せられているという。問題になったのは次の2点である。

・原発を訪れた主人公が鼻血を出すシーン
・そして疲労感を訴えるシーン

特に鼻血が「ありえない」「不安をあおる」といった抗議を受けた。
疲労感については、福島原発事故の後に私自身が経験している。2011年3月13日朝から原発周辺での取材を繰り返した後、持っていた測定器が振り切れるという経験をして、その後4 月に突然非常な疲労感と下痢が襲ってきた。被曝と疲労感が関係あるのかどうか、あとで数字を見てもらう。
鼻血はどうか。私自身は鼻の粘膜の異常を感じることはよくあった。しかしはっきり流れるほどの鼻血は経験していない。

私は2012 年7 月に沖縄県久米島で福島の子どもたちの保養施設「沖縄・球美の里」を設立し、運営している。ここにこれまで訪れた保護者たちから、鼻血の話題はよく聞いた。福島でも聞いている。だから誰でも知っていることかと思っていた。だがこれほど大騒ぎになって、「ありえない」とか「事実無根」とか聞くと、そんなに完全に打ち消そうとするということは、どのような意図が働いているせいかと疑ってしまう。これほど大きく問題にすると、かえって「住民の不安をあおる」ことになってしまうではないかと思う。鼻血は出ると訴えている人がいることを認めた上で、それが大きな病気に結びつくのを防ぐためにはどうすればいいのかを話す方が建設的ではないかと思う。

私は1986年のチェルノブイリ原発事故以降、50 回を超えて現地での取材と救援活動を続けている。そしてこの3月、映画取材班とともに、チェルノブイリを5年ぶりに取材した。ウクライナの高濃度汚染地域であるナロジチ地区のナロヂチ市中央病院の副院長に、日本では福島原発事故の後、鼻血がでた子どもが増えたという声を聞くが、チェルノブイリではどうだったのか、と聞いた。
すると副院長は「チェルノブイリでも事故の後、鼻血が増えた」と答えた。被曝によって血液系統の病気が増えた。鼻血もそうだが、貧血も増えたということだった。白血病の前段階の症状も増えたという。

1990 年、IAEAはチェルノブイリの調査団を派遣し、翌年、健康被害の不安を打ち消す報告書を発表している。その報告に疑問を持った私たちは、広河事務所とチェルノブイリ子ども基金(当時は私が代表だった)共同で、現地NGOの協力を得て、1993年8月から1996年4月まで、避難民の追跡調査を行ったのだ。

調査項目は数百にのぼり、アンケート形式で本人あるいは家族に書いてもらった。回収できたアンケートは2万5564人分である。チェルノブイリ避難民のこれほど大掛かりなアンケート調査は、ほかにはないと思われる。私たちにそれができたのは、これが救援目的におこなった調査だからである。人々の健康状況を把握できなければ、どのような救援を行っていいのかわからないからだ。

アンケート調査は困難だったが、私たちにはIAEA にはない強みがあった。それはそれまでの救援活動の実績と現地の人々との信頼関係、チェルノブイリ支援の現地NGOとのつながり、である。ほかならぬ被災者に会うことが、私たちの仕事だったということもある。

この報告書は日露版の冊子の形で発行され、この3・11後にその一部を『暴走する原発』(小学館)に収録した。その結果から、鼻血と疲労に関する数字を中心に見ていきたい。ただ人々を襲ったのはもっと多様な症状だったので、それらも記載しておきたい。

●プリピャチ市(原発から約3キロ)の避難民アンケート回答者9501人
「事故後1週間に体に感じた変化」という質問に、人々は次のように答えた。

頭痛がした 5,754 人 60.6%
吐き気を覚えた 4,165 人 43.8%
のどが痛んだ 3,871 人 40.7%
肌が焼けたように痛んだ 591 人 6.2%
鼻血が出た 1,838 人 19.3%
気を失った 880 人 9.3%
異常な疲労感を覚えた 5,346 人 56.3%
酔っぱらったような状態になった 1,826 人 19.2%
その他 1,566 人 16.5%

「その人々の事故から約10年後の健康状態」

健康 161 人 1.7%
頭痛 7,055 人 74.3%
のどが痛む 3,606 人 38.0%
貧血 1,716 人 18.1%
めまい 4,852 人 51.1%
鼻血が出る 1,835 人 19.3%
疲れやすい 7,053 人 74.2%

風邪をひきやすい 5,661 人 59.6%
手足など骨が痛む 5,804 人 61.1%
視覚障害 2,773 人 29.2%
甲状腺異常 3,620 人 38.1%
白血病 50 人 0.5%
腫瘍 440 人 4.6%
生まれつき障害がある 34 人 0.4%
その他 1,715 人 18.1%

「現在の健康状態は事故の影響だと思っているか」
100%事故が原因である 47.3%
かなり事故が影響している 14.5%
全く事故と無関係ではない 38.2%
事故とは無関係である 0.0%
健康である 0.0%

念のため、数は多くはないが、比較対象のために行ったモスクワ市民の集計(316 人)は次のとおりである。
「現在の健康状態」

健康 173人 54.7%
頭痛 53人  16.8%
のどが痛む 27人 8.5%
貧血 6人 1.9%
めまい 22人 7.0%
鼻血が出る 10人 3.2%
疲れやすい 67人 21.2%

風邪をひきやすい 56人 17.7%
手足などの骨が痛む23人 7.3%
視覚障害 51人 16.1%
甲状腺異常 11人 3.5%
白血病 2人 0.6%
腫瘍 8人 2.5%
生まれつき障害がある 0人 0%
その他 22人 7.0%

●チェルノブイリ市(原発から約17キロ)の避難民のアンケート回答者2,127 人(人々は事故からおよそ8~9日後に避難した)
「事故後1週間に体に感じた変化」
頭痛がした 1,372 人 64.5%
吐き気を覚えた 882 人 41.5%
のどが痛んだ 904 人 42.5%
肌が焼けたように痛んだ 151 人 7.1%
鼻血が出た 459 人 21.6%
気を失った 207 人 9.7%
異常な疲労感を覚えた 1,312 人 61.7%
酔っぱらったような状態になった 470 人 22.1%
その他 287 人 13.4%

「現在の健康状態」

健康 58 人 2.7%
頭痛 1,587 人 74.6%
のどが痛む 757 人 35.6%
貧血 303 人 14.2%
めまい 1,068 人 50.2%
鼻血が出る 417 人 19.6%
疲れやすい 1,593 人 74.9%
風邪をひきやすい 1,254 人 59.0%
手足など骨が痛む 1,361 人 64.0%
視覚障害 649 人 30.5%
甲状腺異常 805 人 37.8%
白血病 15 人 0.7%
腫瘍 80 人 3.8%
生まれつき障害がある 3 人 0.1%
その他 426 人 20.0%

●チェルノブイリ地区の村々の避難民12,864 人の回答

 


「事故後1週間に体に感じた変化」
頭痛がした 7,805 人 60.7%
吐き気を覚えた 5,497 人 42.7%
のどが痛んだ 5,160 人 40.1%
肌が焼けたように痛んだ 813 人 6.3%
鼻血が出た 2,491 人 19.4%
気を失った 1,194 人 9.3%
異常な疲労感を覚えた 7,259 人 56.4%
酔っぱらったような状態になった 2,471 人 19.2%
その他 1,966 人 15.3%

●ノヴォシュペリチ村(原発から6キロ)の避難民の回答者351 人

 


「事故後1週間に体に感じた変化」

頭痛がした 216 人 61.5%
吐き気を覚えた 158 人 45.0%
のどが痛んだ 124 人 35.3%
肌が焼けたように痛んだ 19 人 5.4%
鼻血が出た 65 人 18.5%
気を失った 35 人 10.0%
異常な疲労感を覚えた 192 人 54.7%
酔っぱらったような状態になった 69 人 19.7%
その他 55 人 15.7%

「現在の健康状態」

健康 4 人 1.1%
頭痛 264 人 75.2%
のどが痛む 114 人 32.5%
貧血 55 人 15.7%
めまい 171 人 48.7%
鼻血が出る 70 人 19.9%
疲れやすい 268 人 76.4%

風邪をひきやすい 225 人 64.1%
手足など骨が痛む 211 人 60.1%
視覚障害
80 人 22.8%
甲状腺異常 110 人 31.3%
白血病
0 人 0.0%
腫瘍 19 人 5.4%
生まれつき障害がある
0 人 0.0%
その他 86 人 24.5%

●ポレスコエ地区(原発から約45キロ)避難民の回答者1,005 人

 


「事故後1週間に体に感じた変化」
頭痛がした 623 人 62.0%
吐き気を覚えた 380 人 37.8%
のどが痛んだ 420 人 41.8%
肌が焼けたように痛んだ 76 人 7.6%
鼻血が出た 292 人 29.1%
気を失った 166 人 16.5%
異常な疲労感を覚えた 595 人 59.2%
酔っぱらったような状態になった 215 人 21.4%
その他 92 人 9.2%

「現在の健康状態」
健康 29 人 2.9%
頭痛 705 人 70.1%
のどが痛む 361 人 35.9%
貧血 133 人 13.2%
めまい 435 人 43.3%
鼻血が出る 216 人 21.5%
疲れやすい 675 人 67.2%

風邪をひきやすい 528 人 52.5%
手足など骨が痛む 651 人 64.8%
視覚障害 185 人 18.4%
甲状腺異常 306 人 30.4%
白血病 2 人 0.2%
腫瘍 25 人 2.5%
生まれつき障害がある 2 人 0.2%
その他 162 人 16.1%

このほかアンケートを行ったのは、約40の市や村である。その避難民の統計を見ても、同じような数字の傾向となっている。鼻血と疲労感だけを抜き出して見ると次のようになる。

●ナロヂチ地区の場合(194 人)
「事故後1週間に体に感じた変化」

鼻血が出た 47 人 24.2%
異常な疲労感を覚えた 111 人 57.2%

「現在の健康状態」
鼻血が出る 40 人 20.6%
疲れやすい 143 人 73.7%


●ナロブリャ地区の場合(1881 人)
「事故後1週間に体に感じた変化」

鼻血が出た 323 人 17.2%
異常な疲労感を覚えた 921 人 49.0%
「現在の健康状態」

鼻血が出る 195 人 10.4%
疲れやすい 975 人 51.8%

●ホイニキ地区の場合(908 人)
「事故後1週間に体に感じた変化」
鼻血が出た 124 人 13.7%
異常な疲労感を覚えた 443 人 48.8%

「現在の健康状態」

鼻血が出る 72 人 7.9%
疲れやすい 445 人 49.0%


●ブラーギン地区の場合(1,019 人)
「事故後1週間に体に感じた変化」

鼻血が出た 161 人 15.8%
異常な疲労感を覚えた 677 人 66.4%

「現在の健康状態」

鼻血が出る 119 人 11.7%
疲れやすい 492 人 48.3%

(アンケートの翻訳には、東京外国語大学のロシア語科の学生を中心に、約60名が協力してくれた)

2014 年5 月13 日
株式会社デイズジャパン
「チェルノブイリ子ども基金」前代表
広河隆一

【驚愕】北九州市八幡製鐵所にも125枚の放射線を出すゴムシート。鹿島製鐵所の4倍もあるのに報道なしとは!

2014-04-22 | 放射能汚染

NHK 4月5日 13時04分  

新日鉄住金鹿島火力発電所 http://www.nssmc.com/works/kashima/eco/ipp/01.html/


新日鉄住金鹿島:ゴム製シート表面から放射線検出

毎日新聞 2014年04月05日 19時50分(最終更新 04月05日 23時09分)

http://mainichi.jp/select/news/20140406k0000m040042000c.html

新日鉄住金鹿島製鉄所(茨城県鹿嶋市)は5日、工場で使用しているゴム製シート33枚の表面で毎時3〜5マイクロシーベルトの放射線量を検出したと発表した。同市と山口県光市にある関連会社の工場でも同じゴム製シート計9枚の表面で検出されたといい、同社は原因を調べるとともに、他にもないか確認を進めている。

 放射線量が検出されたのは、同製鉄所で製造している薄板コイルを置く際、緩衝材として床に敷くゴム製シート(縦1メートル、横80センチ、厚さ9センチ)。1995年から使用しており、1800枚ある。

 同製鉄所によると、光市の新日鉄住金ステンレス光製造所でシートを廃棄する際、8枚の表面から毎時3〜5マイクロシーベルトが検出されたとの連絡を受けて測定し判明した。同製鉄所は「製品の材料からは検出されておらず、製品が原因とは考えられない」と話し、シートに問題がなかったか、仕入れ先を特定して確認する。

 福島第1原発事故を受けた国の除染の目標値は毎時0.23マイクロシーベルト。同製鉄所はこの日、敷地内で「さくらまつり」を予定していたが、参加者の安全を考慮して中止した。【岩本直紀】

 新日鉄住金ステンレス光製造所によると、放射線量が検出されたシート8枚は、同社鹿島製造所(鹿嶋市)から搬入して使用していた。現在は倉庫に保管し原子力規制委員会の指示を待っている。放射線量は人体に影響しないレベルで、工場敷地で計測している放射線量も変化はなかったという。【柴山雄太】


放射線検出で「さくらまつり」中止…鹿島製鉄所

2014年04月06日 14時06分

http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:http://www.yomiuri.co.jp/national/20140405-OYT1T50233.html

新日鉄住金鹿島製鉄所(茨城県鹿嶋市)は5日、工場内のゴム製シートの表面から毎時3~5マイクロ・シーベルトの放射線が検出されたと発表した。

人体や製品への影響はないという。同社は、原子力規制委員会と経済産業省に報告し、原因を調査する。

 発表によると、シートは縦1メートル、横80センチ、厚さ9センチ。コイル状の鉄鋼製品を置く際の緩衝材として使用している。3日に山口県の関連会社の工場で同じシートから放射線を検出したとの連絡を受け、同製鉄所が調査したところ、約1800枚のシートのうち33枚で放射線を検出した。

 同社は5日に予定していた「さくらまつり」を中止することを決めた。茨城県神栖市でデイサービスセンターを経営する社長(42)は高齢者20人と参加予定だった。中には製鉄所誕生当時に働いていた人もおり、「『かつての職場に帰れる』と楽しみにしていたので残念です」と話した。

2014年04月06日 14時06分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

 http://www.nssmc.com/news/20140405_100.html


 http://www.nssmc.com/works/kashima/news/20140405_100.html


(管理人より) 原発体制を根底から支えているのは三菱・三井・住友の財閥。今回のゴムシート事件は新日鉄住金。ニュースもその後を追っていません。4/8のプレスリリースで、なんとなく幕引きされている感じです。

鹿島製鉄所で使っていたシートが、同じ企業内で移動させられていることがわかりました。内容を見て驚きました。鹿島に33枚、光市に汚染シートが8枚だけでなく

北九州市 新日鉄住金 八幡製鐵所にも125枚の放射線を出すゴムシートがあることがわかりました!

鹿島製鐵所の4倍もあるのに報道がないということに驚いています。検索しても見つかりませんでした。

北九州市のシートに関しては、鹿島から移動された物かどうかの記述はありません。光のシートは鹿島から来たものでした。コイル状の鉄鋼製品(薄板コイル)をおくシートということなので、もし鹿島から来たシートでなければその薄板コイル自体が汚染されていたことも考えられます。

 

表面処理鋼板(PDF 3.08 MB)PDFファイルへリンクします

これを見ると、自動車や家電などいろんなものに加工されることがわかります。

 

薄板コイルの原料は鉄鉱石だけなんでしょうか? 汚染鉄くずではないかと、頭をよぎります。

愛媛県の鉄くずから最大で4マイクロシーベルトの放射線。放射能汚染鉄くずは工業製品となって帰ってくる。

プレスリリースでは「軽微な」や「微量」という言葉で汚染を過小評価しています。このように、どんな高濃度汚染物が企業の事業所内で移動されていても市民には何ら知るすべもありません。そして、そういった放射性廃棄物が、その後企業内で適切に処理されているかなど確かめることもできません。

こういった汚染物質が、燃やされないという保証はありません。燃やされていてもわかりません。

放射性降下物が少なかった山口や九州にも、同企業事業所内で汚染物が移動させられ、知らないうちに市民は危険にさらされているということです。他にも汚染されたものがあるのではないでしょうか?放射能汚染濃度(bq/kg)でどのくらいなのかも一切知らされていません。

適切な対応ってなんでしょうか? 

 

4/8 放射線に関する調査結果について http://www.nssmc.com/news/20140408_100.html  より